管理栄養士の資格・試験とは?栄養管理のプロを目指そう!

管理栄養士の資格・試験とは?栄養管理のプロを目指そう!

さまざまな団体や組織などで栄養に関する指導を行う国家資格の栄養士の仕事内容に加え、傷病者や高齢者への療養を含んだ栄養指導、給食・栄養管理を行うのが管理栄養士です。資格としては医療系ながら、多岐にわたる勤務先で活躍する管理栄養士が学ぶべき科目などについても触れてみました。

傷病者や高齢者への栄養・給食管理をする管理栄養士の資格とは?

専門的な知識と技術での栄養管理を行う国家資格

管理栄養士は、厚生労働大臣の免許を受けた国家資格で1962(昭和37)年の栄養士法の一部改正時に設けられました。資格保有者しか名乗ることができない名称独占資格の一つで、管理栄養士国家試験に合格すれば取得できます。

大きな特徴として、医療系の国家資格で唯一、法令で守秘義務が定められておらず、応召義務や疑義照会義務がありません。

主な仕事は、傷病者や高齢で食事がとりづらくなっている方に対し、有している専門的な知識と技術で栄養指導や給食管理、栄養管理となっています。もちろん、健康な方々への同様の栄養管理なども行うことができます。

管理栄養士の資格取得には栄養士資格が必要

管理栄養士の資格取得には、栄養士の資格取得が先決です。栄養士の資格は、栄養士養成施設を卒業後、資格申請を行うことで取得できます。栄養士養成施設は、4年制大学をはじめ、短大や専門学校などがあります。いずれも昼間に通う学校だけなため、仕事をしながら取得を目指すには難しい資格と言えます。

さて、管理栄養士の資格を得るには、次の2つの方法があります。一つは、取得した栄養士資格での実務を1~3年経験することで、管理栄養士国家試験の受験資格を得られます。この資格取得の特典を活かして試験に合格すれば、管理栄養士の資格を得られます。

もう一つは、管理栄養士養成施設(4年制の専門学校または大学)に入学、卒業することです。この場合は、4年間の勉強で栄養士資格と管理栄養士国家試験受験資格(実務経験免除)の両方を得られることになります。こうして卒業後に試験に合格すれば、最短4年で管理栄養士になることができます。

管理栄養士の試験の難易度、合格率

試験は年に1回、社会や環境も考慮した栄養関連の10科目で

管理栄養士の試験は1987(昭和62)年の第1回から毎年1回、3月に行われ、全国8カ所の会場で筆記試験のみで行われています。実地試験は、管理栄養士養成施設内部の実技での採点となっています。

試験科目は下記の9科目で、これに最後の応用力試験(状況設定問題)が加わるため、全10科目となり、問題数は全200問となっています。

出題形式は五肢択一型が基本のマークシート方式で、これに誤肢選択型、五肢択二型が一定の割合で含まれるという形です。

管理栄養士の試験の科目・勉強方法は?

それでは実際に、管理栄養士の試験の科目には、いったいどのようなものが含まれているのでしょうか。

以下に10科目名を記し、その後にどんな科目なのかを簡単に説明するとともに、学習の仕方についても触れました。

社会・環境と健康

社会の動きや法・制度改正が出題に大きく影響する科目です。ニュースや新聞などを見て、常に世の中の動きに関心を持つよう心がけましょう。

毎年8月末発行の「国民衛生の動向(厚生統計協会)」や平成27年の「国民健康・栄養調査」結果のチェックも大事。近年の出題傾向としては、疫学指標の各々の特性の違いや統計値を実際に求める等が出されています。「公衆栄養学」との関連学習に効果があります。

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

他の科目に比べて内容が難解なうえ、広範という特徴がある科目です。ここ数年は基本的事項からの出題や過去問題と同一か類似といった易化傾向です。油断せず、基本をしっかり身に付けることです。効率的な学習方法として「基礎栄養学」「応用栄養学」「臨床栄養学」と一緒に進めるのがいいでしょう。

食べ物と健康

漠然とした科目名ということもあって、設問は基本事項と深い知識が必要分野が混在しています。日ごろから食の安全や健康への関心を持つよう心がける姿勢が大事です。食品の規格表示や機能性・安全性に注意を払い、法律や制度の最新情報チェックも忘れずに。「食品成分表」の最新改訂版(七訂)の知識を整理しておきましょう。

基礎栄養学

出題内容のうち90%近くを占めるのが、三大栄養素とビタミン・無機質・エネルギー,代謝,消化に関する問題。各栄養素の体内動態を確実に理解するとともに、三大栄養素の食後・食間期の各組織での代謝の理解も頻出なので、しっかり理解しましょう。過去問チェックも大事です。

応用栄養学

出題傾向が掴みやすく比較的得点しやすい科目です。「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」「栄養教育論」「公衆栄養学」との関連が強い科目なので効率よく同時学習しましょう。今後は「認知症への対応」「咀嚼・嚥下障害への対応」「日常生活動作の支援」といった「高齢期の栄養ケア」に関する出問が増えそうです。

栄養教育論

10科目のうち、「応用栄養学」「臨床栄養学」「公衆栄養学」「給食経営管理論」の総まとめ的な科目ですので関連学習が効果的です。近年の出題傾向として、簡単そうにみえる選択肢でも、キーワードの意味をしっかり理解して柔軟性のある思考力を求めるような設問もあり、要注意です。

また、各ライフステージでの栄養教育指針の出題も予想されます。しっかりした学習が必要です。

臨床栄養学

「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」を十分に理解しての学習に効果があります。加えて各疾患の予防・治療ガイドラインや診断基準,薬物療法も学習しておきましょう。栄養補給法や診療・介護報酬、臨床栄養で用いる用語は毎年よく出される設問なので理解しておくことが大事です。

診療報酬改定などがあると翌年に関連問題が出るので、改定事項があった場合は、しっかり内容を把握しておけば困りません。

公衆栄養学

科目名から分かるように、公衆栄養という考えや法的根拠は大きく変化していきます。ですので、わが国にとどまらず、周辺諸外国の健康・栄養問題の現状と課題、栄養政策がどのようになっていて、どう変わっているかなどにも,日頃から関心を持って接しましょう。

最新資料や情報チェック,年次推移という観点で全体像を捉えて、しっかり理解しておくべきです。

給食経営管理論

重要な設問ポイントとして、栄養・食事管理、品質管理や原価管理、経営管理、給食の生産・提供システム、大量調理の調理特性、危機管理対策が挙げられます。これらを含めた基本事項を押さえることで、考え過ぎずに正解を導き出せる問題が多い科目です。

応用力試験

より実践的な見地からの内容に加え、図表を読み取る力を必要とする問題が出される傾向にあります。このため、上記9科目をまんべんなく理解するとともに、出題者の意図を読み取って回答していく力を養うのが効果的です。

「糖尿病治療ガイド2016-2017」をベースにした設問もあるので、確認しておく必要がるでしょう。

以上の10科目から成る管理栄養士の国家試験の合格ラインは、正答率60%以上が基準で、200点満点です。合格率は年によってばらつきがあるのはもちろんですが、平均すると40%のラインとなっています。

管理栄養士の資格まとめ

管理栄養士は多岐にわたる職場で活躍中

高齢者や傷病者に加え、一般の人々も含めた日々の栄養管理に従事する管理栄養士は、医療系の国家資格ながら、勤務先の種類が多い特徴を持つのが特徴です。

もちろん、どの勤務先でも仕事内容は栄養指導、給食・栄養管理が中心です。高齢化社会が少しずつ現実化して、介護や福祉の需要が高まる昨今、勤務先を含めた管理栄養士の仕事範囲も広がっていくことでしょう。

栄養を通しての需要が期待される管理栄養士は、チャレンジしがいのある資格といえるのではないでしょうか。

役立ったら応援クリックお願いします

にほんブログ村 資格ブログへ

管理栄養士の関連記事

飲食に関する他の職業KANREN JOB