フードコーディネーターになるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説
フードコーディネーターはその名の通り、食品撮影や料理番組などで盛り付けや飾り付けなどを担当するイメージがありますが、その仕事は非常に多岐に渡ります。今回は、フードコーディネーターに向いている人の適性や、必要となるスキル、有利となる資格についてご紹介します。
フードコーディネーターになるには何が必要?
第一に「食に対する幅広い知識」が必要
フードコーディネーターは、「食」に関わる仕事ですが、特定の深い専門性というよりは、「食」全般に関する幅広く豊かな知識が要求されます。人間の食文化というのはこれまでの長い歴史の中で様々に進化し、ファストフード、スローフード、伝統食など様々な食品が全世界に様々に分布しています。
各国の料理や食文化はそれぞれに独自の歴史や特徴があり、食材それぞれにも異なる文化ならではの特色があるものです。フードコーディネーターは、TPOを意識して盛り付けなどを様々に変える必要がありますから、相応の幅広さを求められます。
特定の料理を専門とするフードコーディネーターも、もちろんいないわけではありませんが、幅広い知識と応用が効くに越したことはありません。
食を愛し、「食に関するレパートリー」を多く持っておくことが重要
フードコーディネーターはその名の通り、フードをコーディネートしなければならない仕事です。場にあった方法で、状況に応じて的確に物事の良し悪しを判断しつつ、選択肢を決めて行きながらも、クライアントのニーズにもちゃんと応えなければなりません。
これは非常に大変なことで、食に対する深く広い知識はもちろん、自分ならではの食に関する興味関心を常に広げておくことが重要となります。それは盛り付け一つとってもそうですし、レシピ一つ、食材一つとってもそうです。
クライアントの望みを最大限に叶えるためには、普段から食を愛し、様々な状況を想定して「自分だけのオリジナルレシピ」「自分が推せる盛り付けの例」などレパートリーを持っていて、食に関する文化や歴史などを幅広く知っていれば知っているほど、フードコーディネーターとしては有利となります。
食を通して「人々を喜ばせたい」という気持ちが大切
フードコーディネーターは、ただ知識が詳しいだけでは務まりません。単にレシピを紹介するだけなら、誰にだってできることですし、淡々と合理的なレシピや盛り付けなどを提案するだけでは、近い将来AIなど最新技術に取って代わられるような、人間味のないフードコーディネーターになってしまいます。
フードコーディネーターは、「食を通して社会を幸せにする」ことこそが最大の任務と言えるでしょう。食を通して、食に触れ、食に関わり、様々な料理と共に時間を過ごすことで、「人々に喜んでもらいたい」という気持ちは、機械に取って代わられることはありませんし、人間のフードコーディネーターにしか持つことができない大切な心のあり方です。
フードコーディネーターにとって一番重要なのは、もしかしたらこの「気持ち」かもしれません。
フードコーディネーターに向いている人、適性がある人
人々の様々なニーズに応えるための共感力がある人
食の専門家だからと言って、人々の気持ちよりも自分のこだわりを優先し、「魅力的な食事」を押し付けては、フードコーディネーターとして話になりません。
あくまでもクライアントや、お客様が主体であることを忘れてはいけません。どんなことを求めているかを聞き取り、すぐさま汲むことができる人は、フードコーディネーターに向いています。
しかし、適切な提案ができないクライアントも多くいるのが現実です。なぜならばクライアントさんは素人だからです。素人だから専門家に頼るのです。
クライアントさんやお客様の気持ちを適宜汲みとり、お客様にとって最適だと思う提案をすることも大切な能力ですし、その提案に納得がいかない様子であれば、とことん代替案を出して、最大限に寄り添う提案力も重要です。
デザインやアートなど視覚に訴える分野の知識がある人
食は味、栄養とともに「見た目」も大事と言われ、まさに食や料理の見た目に大きく関わるのが、フードコーディネーターという仕事です。食の見た目にとって大事な要素は、彩りや綺麗かどうかということもですが、使われている色数、食材の配置構成、見栄えがよく食べやすい食器選びなども重要です。
色数は単に多くても雑多な印象を与えてしまいます。色数は適切な範囲に収め、最適な見た目を意識する必要があります。ソースの掛け方や、食材の位置など、より映えて見える「構図」を作るためには、美術や写真などアート分野の知識が必須ですし、より食べやすい食材の配置や、食器の色や種類など、用途に応じた構成を心がける際には、デザインの知識も必要になってきます。
フードマネジメントを意識でき、信頼を与えることができる人
フードコーディネーターは、単に食材そのものの彩りなどを綺麗にすることだけを専門にしているわけではありません。「食」全般に渡って、最適な状況で、最適な料理が、最適な人に、最適な形で提供される総合的なマネジメント力が必要となってきます。
そのためには企画段階から的確に段取りが組めることも大事ですし、それらを一括して管理できる能力が必要です。そのためには、フードマネジメントに対する意識や、豊富な知識が要求されます。これは経験で培われていく面も大きいでしょう。
どの分野でも、幅広く深い知識をいかし、かつ的確なマネジメントを行うには、人に信頼してもらう力も大切です。それができてはじめて、一人前のフードコーディネーターと言えるでしょう。そのためには人間力もなければなりません。
フードコーディネーターになるための学校等
食に限らず幅広い教養を深めるなら、大学への進学も視野に
フードコーディネーターになるには特別資格や免許は必要ないため、資格を取らなくてもフードコーディネーターを続けることは可能です。ただ、フードコーディネーターには様々な教養と文化的素養、人間性など、深いところで要求されるところが大きい職業ですから、資格や教養があるに越したことはありません。
例えば専門学校であれば、卒業と同時にフードコーディネーター3級の資格を得られる学校も多くあります。認定校は全国に78校あり、専門学校だけでなく、四年制大学や、短期大学もあります。
フードコーディネーターは単に食に関する知識だけではやっていけなくはないにせよ、どうしても制限されてしまうところがあります。特に食品撮影や料理撮影におけるフードコーディネートや、フードマネジメントなどに関わるには、デザインやアート、経営学や社会学、論理学など様々な教養があればあるほど実力を伸ばすことが可能になります。より豊かな教養を幅広く学び、人生経験を多く積むなら、大学の進学も視野に入れてみましょう。
社会に出ることでも人生経験を積むことはできますが、大学ほど様々な幅広い年齢層の人間が集う場は、社会には意外とないものです。早く社会に出たいというのでなければ、大学等への進学は必須ではないにせよ今後のフードコーディネーター人生に大きく寄与することとなるでしょう。
より早く現場へ出たいなら、短期大学、専門学校へ
短期大学、専門学校も、進学して所定の単位を得て卒業することによって、フードコーディネーター3級の資格を得られる学校は多くあります。
フードコーディネーター認定試験は中学卒業以上の学歴を持っていれば誰でも受けることができますが、短期大学や専門学校でより実践的な実習を受けると、貴重な経験を積むことができます。また修学年限が短いため、合理的に、早く現場へ出ることができるのも魅力です。
フードコーディネーターは資格を得なければできない仕事ではないからこそ、例えば調理師や管理栄養士など、潰しのきく国家資格をまずは取得して、そこからフードコーディネーターを目指す道もあるので、少なくとも専門学校に行っておくと、その経験は必ず生きるはずです。
フードコーディネーター認定試験3級の受験資格は幅広く門戸が開かれているため、社会人向けの通信制のコースもあります。
フードコーディネーターになるには?まとめ
人間性を磨き、幅広いアンテナを張ることで道が開ける仕事
フードコーディネーターは、「食」を通して人間社会を豊かにする仕事と言っても過言ではありません。食に関する知識は重要ですが、それ以外の様々な知識がフードコーディネーターの仕事に生かされることでしょう。
これだ、という専門分野だけでなく様々な場所にアンテナを張っておけば、まさかこういう時に役立つとは!と新たな発見、驚きにも繋がります。食は全てに通じるからこそ、豊かな人間性が必要なのです。
フードコーディネーターの参考情報
平均年収 | 300万円~600万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 飲食 |
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