栄養士の資格試験とは?栄養士資格を取得するための必須条件などを解説

栄養士の資格試験とは?栄養士資格を取得するための必須条件などを解説

栄養士は、国家資格を得て初めて実務が可能な専門職です。勤務先は様々であっても、栄養士として働くためには、所定の国家資格を得る必要があります。栄養士に必須の国家資格、「栄養士」と「管理栄養士」の資格取得の流れや、試験の情報をご紹介。また、必須ではないものの、あると有利に働くかもしれない関連資格についても、ご紹介します。

栄養士・管理栄養士の資格とは?

「栄養士」の資格と取得までの流れ

「栄養士」の資格は、昭和22年制定の栄養士法に定められた、栄養の指導への従事を生業とする為の国家資格です。名称独占資格であり、資格を取得した者以外、その資格を名乗ることは法令で禁止されています。

「栄養士」は、上記の生業について、各都道府県知事により免許を与えられる者を指します。「栄養士」資格を取得する為の試験はありませんが、厚生労働大臣により指定された栄養士養成施設において、栄養士資格必修科目50単位を取得し、卒業する事が必須条件です。

必修科目は、「専門基礎分野」「専門分野」「校外実習」に分かれ、実験や実習も多く課されます。校外実習については、実際に栄養士が働いている場所へ赴き、5日間の実習が義務付けられています。

このように多くの実験や実習を課されている関係上、栄養士養成施設において通信教育課程や夜間部などの制度は認可されていません。独学が不可能な課程であるため、異業種の社会人が栄養士資格を得るためには、最低2年間、専門学校や短期大学などの養成施設にて単位を取得する為に、平日昼間の時間を空けねばいけないことになります。

このような事情から、異業種からの転職はハードルが高いというのが正直なところです。

栄養士の資格取得者に女性が多いワケ

栄養士養成施設とは、所定の大学(四年制大学・短期大学)や専門学校、栄養士学校を指します。その多くは女子大学、短期大学です。四年制大学や共学校もありますが、少数派であり、「管理栄養士」養成施設の共学校についても、大半は女子大学や短期大学が占め、通学者はほぼ女性です。このような事情から、管理栄養士も含め、栄養士の職に就く人は女性が圧倒的多数となっています。

より専門的な知識を問われる「管理栄養士」の資格

「管理栄養士」の資格は、栄養士法に定められる国家資格で、「栄養士」と同じく名称独占資格です。

「管理栄養士」とは、厚生労働大臣の認可により、傷病者の療養のための栄養指導や、個人の栄養状況に沿った高度な専門的知識や技術を要する栄養指導を行い、かつ多数の人々に継続的に食事の供給を行う施設において、利用者の身体状況、健康状態、利用状況を鑑み、特別な配慮を要する食事管理や施設に対する栄養改善に係る指導など、より高度な仕事に従事する者を指します。

「管理栄養士」の資格は国家試験の合格をもって与えられますが、「栄養士」免許を取得した者でなければ「管理栄養士」の国家試験を受験することはできないので、注意が必要です。また、「栄養士」免許取得以外にも、管理栄養士の資格試験を受験する為には所定の条件があります。

栄養士養成施設出身者は、免許の他に「実務経験」が必要

栄養士養成施設において所定の単位を修得し卒業した「栄養士」免許保持者であっても、それだけでは「管理栄養士」の国家試験を受けることはできません。栄養士養成施設での修業年限に応じ、一定の期間の実務経験が必要となります。基本的に、栄養士養成施設での修業年数+実務経験年数が合わせて5年以上となることが条件です。

しかし、栄養士養成施設ではなく「管理栄養士養成施設」において管理栄養士養成課程を修了見込みの者に関しては、実務経験は不要となり、栄養士資格修得見込みも併せて「管理栄養士」の国家試験を受験可能です。

管理栄養士養成施設は、栄養士養成施設と異なり全て四年制の大学、四年制の専門学校となっていますが、こちらは共学校の栄養学部や家政学部に養成課程が設置されていることが多く、管理栄養士に関しては、栄養士の場合と異なり、比較的男性への門戸が広いことで知られています。

栄養士・管理栄養士の、資格の難易度・合格率

試験なしだが・・・「栄養士」資格の難易度

「栄養士」資格を得る為に必要な条件は、栄養士養成施設に通い、所定の年限に渡り通学、50単位を取得し、卒業することが条件となります。

資格取得に際する特別な国家試験等はありませんが、最低2年以上、厚生労働大臣指定の栄養士養成施設、ないし、管理栄養士養成施設に通わなければなりません。よって最初から栄養士養成施設に通い、通常通り学校に通い単位を取り続ければ特段問題なく取得可能な資格です。

しかし、5日間の校外実習をはじめとする、様々な実験、実習が課されることから全て昼間部となっているため、社会人が栄養士養成課程を進み、栄養士の資格を得るには、ある程度の蓄えを持ち、最低2年間、昼間に学校に通うことができる環境を整える、というハードルがあります。異業種からの転職は、相応の覚悟が必要と言えます。

「管理栄養士」国家試験の難易度・合格率

合格率はおよそ6割。既卒者の合格率が著しく低い状況

「管理栄養士」資格の国家試験は年1回、3月頃に実施されます。試験は午前105問、午後95問の計200問が課されます。厚生労働省の発表によると、近年の受験者数は概ね2万人前後でしたが、平成29年度の受験者数は17,222人となっており、若干の減少が見られました。

また、毎年の傾向として、管理栄養士養成施設新卒者の合格率が80~90%台を推移しているのに対し、管理栄養士養成施設の既卒者、および栄養士養成施設卒業後に実務経験を課される既卒者の合格率は5~30%となっており、既卒者の合格率が際立って低いことが特徴です。

その理由として、管理栄養士養成施設の新卒者は、しっかりとした試験対策を養成施設で受けた上で受験していること、既卒者は仕事の関係もあって充分に試験対策に時間を費やすことができないことが挙げられます。

ちなみに平成29年度の「管理栄養士」国家試験の、学校区分別の合格率は、管理栄養士養成課程(新卒)が95.8%、管理栄養士養成課程(既卒)が20.8%、栄養士養成課程(既卒)が19.2%となっています。

管理栄養士

合格率 全国平均約60.8%
受験資格 ・修業年限が2年である栄養士養成施設を卒業して栄養士の免許を受けた後、特定の施設において3年以上栄養の指導に従事した者(平成30年12月14日までに3年以上従事する見込みの者を含む。)
・修業年限が3年(学位授与機構の認定する栄養学に関する専攻科での履修期間を含む)である栄養士養成施設を卒業して栄養士の免許を受けた後、特定の施設にて2年以上栄養の指導に従事した者(平成30年12月14日までに2年以上従事する見込みの者を含む。)
・修業年限が4年である管理栄養士養成施設を卒業して栄養士の免許を受けた者(平成30年12月14日までに卒業する見込みの者を含む。)など
受験費用 6800円
出題範囲 「社会・環境と健康」「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」「食べ物と健康」「基礎栄養学」「応用栄養学」「栄養教育論」「臨床栄養学」「公衆栄養学」「給食経営管理論」の9科目

その他の栄養士関連資格

応用は幅広く!様々な関連資格にチャレンジしてみましょう

「栄養士」や「管理栄養士」の資格以外にも、栄養士の仕事に関連する資格はたくさんあります。日々、様々な職種の人と仕事をする栄養士だからこそ、関連分野の資格を取ること、学ぶことは大切です。

栄養士は幅広い応用が効く職種です。必須の国家資格だけでなく民間資格も含めた複数の資格を持っていると、「食」と「健康」に関する様々な活動に、広い視野を持って取り組むことが可能となります。

  • 栄養教諭(国家資格)
  • 調理師(国家資格)
  • 中学・高校の家庭科教員免許(国家資格)
  • 保育士(国家資格)
  • 食育アドバイザー
  • 介護支援専門員(ケアマネージャー)
  • 臨床栄養師
  • フードコーディネーター

栄養士・管理栄養士の資格が取れる学校

栄養士・管理栄養士は厚生労働大臣が指定する栄養士・管理栄養士養成施設で所定の単位を取ることが必須条件となっています。これらの養成施設は全て昼間部となっており、夜間部や通信教育はありません。なお、「栄養士養成施設」と「管理栄養士養成施設」は大幅に異なるものなので、自身のキャリアプランに応じて適切な方を選択して下さい。

栄養士養成課程を置く養成施設

「栄養士」免許のみを取得し、手っ取り早く栄養士の仕事に就きたいなら、栄養士養成課程を置く「栄養士養成施設」がお勧めです。

栄養士養成施設は、短期大学や2年制専門学校が中心で、4年制の大学や専門学校もありますが、少数派です。短期で学ぶことができる反面、管理栄養士の資格を取るには実務経験が必須となっています。また女性の割合がほとんどであるため、女性には通いやすいかもしれません。

また、全国的にみても地方は短大が殆どで、専門学校はほぼ主要都市部にしかない印象です。

栄養士養成課程を置く養成施設の例

■短期大学

帝京短期大学、淑徳短期大学、実践女子短期大学、大阪女子短期大学、福岡女子短期大学など

■専門学校

服部栄養専門学校、織田栄養専門学校、京都栄養医療専門学校、日本栄養専門学校など

■4年制大学

大妻女子大学、昭和女子大学、女子栄養大学、大阪桐蔭女子大学、神戸女子大学など

管理栄養士養成課程を置く養成施設

より専門性の高い、高度な仕事を要求される「管理栄養士」の資格を取得し、ハイキャリアをスタートさせたいなら、管理栄養士養成課程を置く「管理栄養士養成施設」に通いましょう。実務経験不要で、在学中(4年時)に国家試験を受けることができます。

管理栄養士の資格を取るには、栄養士養成施設を卒業後、実務経験を積んでから試験を受ける方法もありますが、既卒者の合格率は依然厳しく、もし管理栄養士を目指すなら、最初から管理栄養士養成課程を進むのが確実です。また、共学の4年制大学も多いことから、男性にもお勧めです。

管理栄養士養成課程を置く専門学校は、栄養士養成課程に比べ極端に少ないので、4年制大学に進む人が多い印象です。4年制大学に進めば学士を得ることもできますし、都市部や地方の国公立大学も少なくないので、学費負担減にも繋がります。学業成績が一定以上である方であれば、管理栄養士養成施設一択、と言えるかもしれません。

管理栄養士養成課程を置く養成施設の例

■専門学校

二葉栄養専門学校、華学園栄養専門学校、大手前栄養学院専門学校など

■4年制大学

お茶の水女子大学、共立女子大学、実践女子大学、帝京平成大学、東京農業大学、酪農学園大学、静岡県立大学、名古屋経済大学、大阪市立大学、奈良女子大学、近畿大学、岡山県立大学、高知女子大学、熊本県立大学など

栄養士・管理栄養士の資格まとめ

将来性は無限大!キャリアプランはしっかり設計しましょう

栄養士の仕事は、資格取得を前提にしているからこそ、キャリアプランは慎重に、しっかりと設計することが肝要です。まずは栄養士と管理栄養士どちらの資格を目指すのか、養成施設進学前にしっかり考える必要があるでしょう。

実力次第で幅広いキャリアを積める栄養士ですから、自身の目標を明確に見据え、納得のいく道を進んで行きましょう。

栄養士の参考情報

平均年収250万円~400万円
必要資格
  • 栄養士
資格区分 国家資格
職種飲食

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