トラック運転手の資格試験とは?大型自動車免許以外の資格も取得すれば仕事の幅も増える

トラック運転手の資格試験とは?大型自動車免許以外の資格も取得すれば仕事の幅も増える

トラック運転手は、大きなトラックを運転して大量の荷物を運ぶイメージがありますが、実はそのトラックの種類や運ぶ品物により、必要になる資格が異なります。どんな資格が必要とされ、またキャリアを伸ばすために取得できる資格にはどんなものがあるのかなど、トラック運転手の資格について紹介します。

トラック運転手の資格とは?

トラック運転手には、その規模により資格や免許が細分化されています。どのような資格が必要なのでしょうか。

自動車免許が必須

トラック運転手は文字通りトラックを運転することが仕事です。トラック運転手として従事するための資格や届け出は必要ありませんが、トラックを運転するには自動車運転免許が必須です。

トラックの大きさにより要求される運転免許が異なります。道路交通法の改正により免許の区分が変わることがありますが、現在は以下のような区分になっています。

大型自動車免許

大型自動車免許は、トラック運送の花形ともいえる長距離運送で活躍する大型トラックに乗ることができます。車両総重量は11トン以上、最大積載量6.5トン以上の最大級サイズのトラックを運転することができます。

大型免許の取得には、21歳以上かつ普通自動車免許以上の免許を、有効な状態で通算3年以上所有するという条件が課せられます。

大型免許はコンテナを連結して運ぶトレーラーや、ガソリンなどの液体を運ぶタンクローリーの運転にも求められますので、最終的には所有しておきたい運転免許です。

中型自動車免許

中型自動車免許は車両総重量11トン未満、最大積載量6.5トン未満の車両を運転できる免許です。大型免許ほどで派手ではありませんが、日本中を駆け巡り物流を支える主役の一つといえるでしょう。

中型免許の取得には、20歳以上かつ普通自動車免許以上の免許を、有効な状態で通算2年以上所有するという条件が課せられます。

配送センター間の移動といった、物流の現場に近い場所での需要が高いため、活躍の場が非常に多い運転免許です。

準中型自動車免許

平成29年3月12日から施行された改正道路交通法において新設された免許区分です。総重量7.5トン未満、最大積載量4.5トン未満の少し小さめのトラックの運転に求められる免許です。

トラックは車体の大きさにより運転の感覚が全く異なるものになるため、安全の確保を目的として細分化された免許区分です。

免許取得の条件に他の免許の所持期間といった条件はないため、普通免許取得後にすぐ取得することができます。

コンビニエンスストア、ファーストフードなどの店舗に商品や食材を運ぶ際に利用されたり、小さめの一軒家の引っ越しトラックなどで活躍したりしています。

普通運転免許

普通乗用車を運転するための、基本となる運転免許です。車両総重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満の小型のトラックの運転が認められています。

軽トラックの運転はできますが、2トンショートと呼ばれる積載量2トンを超える車両の運転はできません。宅急便の配送や、個人で行う小型車による運送業などで活躍しています。

トラック運転手の資格の難易度・合格率

トラック運転手には何をおいても運転免許が必要ですが、取得のための難易度・合格率はどの程度なのでしょうか。

運転免許の合格率

警察庁が発表している「平成29年度版運転免許統計」によれば、平成29年における運転免許試験の合格者は受験者265万人中200万人で、合格率は75.7%だったそうです。

この合格率は大型・中型・普通といった細分化がされておらず、全ての運転免許を合わせた受験者数と合格率ですが、4人のうち3人は合格するという程度の難易度です。

多くの運転免許取得者は、免許センターや警察署で技能試験を受ける、いわゆる「一発試験」での受験はしません。

自動車教習所・自動車学校で技能試験を受験して合格した上で学科試験だけ受験しますので、比較的合格しやすい状態で試験に臨んでいるとでしょう。

免許の上に経験が重視される

トラック運転手になるためには、免許を取得した上で運送・配送会社に就職することが必要になりますが、採用試験の際には免許の所持はもちろんのこと、経験も重視される傾向にあります。

特に大型トラックの運転手は非常に高度な運転技術が求められますので、大型運転手の免許を取得した後は、チャンスを逃さずに運転の経験を積むようにしましょう。

その他のトラック運転手関連資格

トラック運転手には運転免許だけでなく、業務の幅を広げるために持っておくとよい資格がいくつかあります。

けん引免許

車両の後部に大きなコンテナを連結したトレーラーを運転するためには、「けん引免許」が必要です。

けん引免許は車両総重量750kgを超える車を連結して引く場合に必要な免許です。コンテナ車本体は荷物という扱いではなく、コンテナ車自体にナンバーが割り振られている車両の一種のため、連結する場合にはけん引免許が必要です。

海外からの荷物をコンテナごと運ぶといった運送方法にも対応できるため、需要が高い免許です。

フォークリフト

配送センターでトラックに荷物を乗せる、降ろすときに活躍するのがフォークリフトです。配送センターの職員が運転することも多いですが、トラック運転手が自分でできると現場で非常に喜ばれます。

一般の自動車教習所に教習コースを設定している場合があり、またクレーン学校のような専門の学校にカリキュラムが作られています。

玉掛け作業者

クレーンを使って荷物を運ぶために必要な資格です。フォークリフト同様に、現場で活躍できる資格の一つです。

都道府県が主催する教育機関や、認定された企業が開催する講習を受講することで取得することができます。

危険物取扱者

タンクローリーにガソリンを積んで運送する場合に必要な資格です。資格には甲・乙・丙種の3段階の種類があり、ガソリンは丙種で扱うことができます。

丙種の場合には独学で取得する人が多く、書店で販売している参考書や問題集で勉強することで取得できるでしょう。

運行管理者

トラック運転手の業務に直接関係していませんが、トラックの運行を管理するために必要な資格として運行管理者があります。

トラックを手配する事務所などで、所属するトラックの運行スケジュールや進行状況を管理し対応するための資格であり、将来的にデスクワークに転向を検討しているようならば、取得しておくとよいでしょう。

トラック運転手の資格が取れる学校

トラックに関連する資格が取得できる学校はどのようなものがあるのでしょうか。

自動車教習所・自動車学校

運転免許の取得には自動車教習所・自動車学校があります。免許種類により30万~40万円の費用はかかりますが、技能試験まで教習所のカリキュラム内で終えることができるため、本試験の合格率が非常に高くなります。

教習所には公認・非公認のものがあり、公認の教習所は技能試験までカリキュラム内で終えることができますが、非公認は技能試験の代行を認められていないため、免許の取得のためには一発試験を受ける必要があります。

非公認教習所は教習所の費用を安く済ませられますがデメリットも大きいため、教習所選びの際はしっかり調べるように注意しましょう。

クレーン学校などの専門学校

玉掛け作業者やフォークリフトの訓練のために、クレーン学校といった専門の学校を利用することができます。

数日間の集中したカリキュラムを組んでもらい、短期間で資格を取得できますので、就職前・後に関わらず、効率的に取得したい場合にはオススメです。

トラック運転手の資格まとめ

現代の運転免許は細分化されている

トラック運転手に必要な運転免許は、道路交通法の改正のたびに区分が細分化されてきています。

しかし平成29年に新設された準中型免許は、その上の区分の免許を取得するために必須ではないため、無理に取ることはありません。

普通免許を取得し、2年後に中型免許、さらに1年後に大型免許に進むのが最短のルートといえるでしょう。

関連資格も取得しておきたい

また、危険物取扱者やけん引免許を取得することで、業務の幅が広がり収入アップにもつながります。キャリアを伸ばすために取れる手段が多いため、いろいろな資格に挑戦しながら経験を積んでいくのがよいでしょう。

トラック運転手の参考情報

平均年収350万円~400万円
必要資格
  • 大型自動車第一種免許
  • 普通自動車第一種免許
  • 中型自動車免許
  • 準中型自動車免許
資格区分 免許
職業職種運輸・乗り物

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