航空機関士の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

航空機関士の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

航空機関士は、機長・副操縦士に次ぐ第3のパイロットの仕事です。フライトエンジニアと呼ばれることもあります。この記事では、航空機関士の具体的な仕事の内容、この仕事の将来性、航空機関士の仕事のやりがいなどを紹介します。

航空機関士とはどんな仕事?

航空機の安全な運航のために、あらゆる計器類をチェックすることが必要です。コックピットのコンピュータによる制御管理が進んでいなかった時代は、機長と副操縦士だけではすべての機器をチェックすることは不可能でした。

エンジンなどの航空装備品もすべてが全く同じように機能するとは限りませんでした。例えば同じ機体に取り付けられたエンジンであっても、それぞれ回転数が異なるということがありました。

当時の航空機の状況を踏まえて、エンジンやその他重要なシステムをチェックし操作する仕事をしていたのが航空機関士です。

航空機関士の基本点な仕事

エンジンシステムや各種システムがコンピュータにより自動制御化されるまでは、航空機関士がエンジンや様々システム、計器をチェックしていました。

基本的に航空機関士が管轄していたものは、発動機(エンジン)、与圧装置、燃料系統、空調装置、油圧系統、電気系統等各システムの操作や監視といった分野です。それに加えて燃料や重量の計算、離陸速度・着陸速度の計算等も行っていました。

航空機関士の具体的な仕事内容

航空機関士の仕事内容は、エンジンや計器類のチェックですが、その仕事はフライト中だけのものではありません。

  1. フライト当日
  2. コックピット内
  3. フライト中

この3つの分野で航空機関士として、航空機の安全な飛行のためにしなければならない仕事がありました。次にこの3つの分野ごとに具体的にどんな仕事をしていたのか紹介します。

フライト当日

フライト当日、航空機関士は搭乗する予定の航空機の飛行記録を確認します。飛行記録を調べ、エンジンや機体に異常がないか確認し、問題点があればパイロットや運行管理者をまじえて飛行計画の見直しなどを考慮します。

コックピット内

フライト前に搭乗する航空機のコックピット内で、すべての計器、スイッチ類の点検を行い、正常に作動するかどうかを確認します。

フライト中

フライト中は各種計器をチェックしながらエンジンの状態を管理します。フライト中はエンジン以外の電気系統から油圧系統、燃料消費、機内温度、気圧、気象など周囲の状況も観察し、機長の仕事をサポートします。

航空機関士のフライト中の仕事は他にもあります。例えば、操縦士がスラストレバー(エンジンの噴射力を調節するためのレバー)を操作したときには、エンジンの回転数などをチェックしたうえで、航空機関士が搭載されている複数のエンジンそれぞれのスラストレバーの微調整を行うことがあります。

このために、航空機関士が同乗する航空機のスラストレバーは航空機関士からも手が届く位置に置かれており、航空機関士が操作するためのグリップも装備されていました。

燃料計算も航空機関士の需要な仕事

航空機の安全な運航に関係する各種の計算も航空機関士の重要な仕事です。例えば、貨物の量、燃料、乗員乗客数などをもとに航空機の総重量を計算します。計算した答えから、機体の重心や離着陸の適正なスピードなどをはじきだします。

自衛隊のヘリコプターなどの輸送機にも航空機関士は搭乗します。滞空時間や飛行時間に制限のある航空機で救助活動などを行う場合、燃料計算はとても大事な仕事になります。

例えば、救難活動で複数の人を救助した場合、機体の重量は増えます。そうすると燃料の消費が増え、飛行できる距離が当初の予定よりも短くなる可能があります。こうした重量や気象状況などの変化が生じた場合、燃料計算を行いどれくらいの時間どこまで飛行できるのか計算するというのも航空機関士の大切な仕事のひとつです。

航空機関士の仕事のやりがい

航空機関士のやりがいは、航空機な安全な運航に貢献しているこという点です。ここでは具体的なこの仕事のやりがいや将来性について紹介します。

第3のパイロットとしてのやりがい

航空機関士は機長・副操縦士に次ぐ第3のパイロットと呼ばれています。この航空機関士の仕事がいかに大事かは、アニメの宇宙戦艦ヤマトの登場人物、徳川機関長の仕事を見ればよく分かります。

波動エンジンの整備点検、管理を担っていた徳川機関長は、波動エンジンのそばにいるだけでなく、第一艦橋に自分専用の席があり、そこからは波動エンジンの出力調整を行っていました。実際にヤマトの操艦は島大介が行っていますが、彼の操艦を支えていたのが機関長の仕事でした。

この徳川機関長と同じ仕事を航空機のコックピット内で行っていたのが航空機関士です。航空機の動力源であるエンジンの調整を行い、航空機の操縦をつかさどる機長・副操縦士を陰で支えるという、派手さはないが堅実な仕事を行うという矜持を航空機関士は持っていました。

空の旅の安全を守るというやりがい

航空機関士がエンジンやあらゆる計器類をチェックし機長や副操縦士と共同して働くことで、航空機は安全に運航することができます。乗客の命を預かり、無事目的地まで届けるという使命の重さとそれを無事果たすことができた時の達成感もこの仕事のやりがいのひとつです。

フライト時間を守れたというやりがい

空の移動手段として乗客乗員の安全に最大の配慮を払うことも大切ですが、予定していた時間に目的地に到着するというのも航空機のもう一つの使命です。

航空機関士が仕事をまっとうすることで、安全かつ予定時間内に目的地に到着することができます。これも利用者に満足や喜びを提供するサービスです。無事にかつ予定通りに到着できたという達成感もこの仕事のやりがいのひとつです。

航空機関士の需要と将来性

航空機関士という仕事の需要や将来性はどのようなものかを少し解説します。

近年、航空機のエンジンや制御システムは飛躍的に進歩してきました。エンジン計器・乗員警告システムや電子式集中化航空機モニターなど登場により、必要なときに必要な情報だけを表示することができるようになりました。

さらに、エンジン自体の性能も向上し、エンジンの出力調整やその他のシステムもコンピュータで自動制御できるようになりました。こうした航空機全体の進歩の流れを受けて、航空機関士を必要とする航空機は減少していきました。

日本のエアラインでは、平成21年のボーイング747クラシックの引退をもって、航空機関士の乗務が必要な機体がなくなりました。ですから事実上日本のエアラインでは、航空機関士という職業はなくなりました。

航空機関士にどうしてもなりたいという人は、自衛隊のヘリコプターなどの輸送機に航空機関士の搭乗を必要とする機体がありますから、そちらの道を目指すことができます。

日本のエアラインで、航空機関士として就職することは現在できません。しかし、コックピットに搭乗することが目標ならば、パイロットの道を選ぶことができます。航空エンジンなどの航空装備品の整備の仕事などにたずさわりたければ、航空整備士の道を選択することができます。

自衛隊で航空機関士を目指す

自衛隊の航空機関士(フライトエンジニア)は機上整備員と呼ばれています。機上整備員になるためには、隊員から選抜される試験を受けて合格しなければなりません。

選抜試験に合格した隊員は、陸上自衛隊航空学校での「上級陸曹機上整備員課程」において、数か月間の厳しい教育及び訓練を受け「定時定点必達の魂」、つまり「定められた時間に定められた場所に必ず到達する」という自衛隊のパイロットとしての基本的精神を教えこまれることになります。

航空機関士の仕事内容まとめ

空の旅の安全を陰から支える貴重な仕事

航空機のエンジンを中心にあらゆる装備品の計器をチェックし、その操作、調整を行うのが航空機関士の仕事でした。その仕事は機長と副操縦士の仕事を支える第3のパイロットであり、それにより空の旅の安全を陰で支えていました。

航空機のエンジン性能の向上やコンピュータによる制御システムの導入により、エンジンを制御し、計器類の動きをチェックする航空機関士の仕事を必要としない航空機が増え、現在日本のエアラインでは航空機関士の仕事自体がなくなりました。

とはいえ、空の旅を安全かつ快適に楽しんでもらうための仕事は、需要があり、ますます拡大することが期待されています。航空機関士の仕事以外でも、パイロットや航空整備士として空の旅を支える仕事に就くことができるでしょう。

航空機関士(フライトエンジニア)の参考情報

平均年収400万円〜600万円
必要資格
  • 航空機関士
資格区分 国家資格
職種運輸・乗り物

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