ディスパッチャーの資格・試験とは?運航管理者 資格試験の概要と合格の秘訣

ディスパッチャーの資格・試験とは?運航管理者 資格試験の概要と合格の秘訣

ディスパッチャーを目指す場合、就職する際に資格を持っている必要はありませんが、一人前のディスパッチャーとして働くためには国家資格の取得が必須です。今回はこの記事で、ディスパッチャーに関連する代表的な国家資格「運行管理者」と「航空無線通信士」について、資格・試験の情報をご紹介します。

ディスパッチャーの資格とは?

フライトプランを作成するフライトディスパッチャー

ディスパッチャー(dispatcher)は、電車やバス、飛行機、船舶、トラックなどの運行管理や通信指令を行う、いわば発車係です。

このうち、飛行機のフライトプランを作成するディスパッチャーは、特にフライトディスパッチャー(Flight dispatcher)と呼ばれており、その任務を行うには「運航管理者」という国家資格が必要です。このフライトディスパッチャーについて、この記事で詳しく紹介します。

必須の国家資格「運航管理者」

「運航管理者」は、フライトディスパッチャーになるために必須の国家資格で、国土交通省が所管しています。運航管理者の試験は学科試験と実地試験があり、学科試験に合格しないと実地試験を受験できません。学科試験は毎年3月と7月の年2回実施されています。試験地は、東京、大阪、那覇の3か所です。

実施試験は、学科試験の合格通知日から2年以内に受験することとなっています。航空機その他の機材を使用することから、試験は受験者の希望日等も考慮して、国土交通省や関係各局と調整の上、随時実施されます。受験者は、受験希望日の前月15日までに申請書を提出することとなっています。

運航管理者の受験料

  • 学科試験 5,600円
  • 実施試験 49,300円

運航管理者の受験資格

運航管理者の受験資格は、年齢は21歳以上で、次の(1)から(5)のうち1つの経験を2年以上有する者、および2つ以上の経験をそれぞれ1年以上(通算して2年以上)有する者、(6)の経験を1年以上有する者とされています。

  • (1)操縦を行った経験
  • (2)空中航法を行う経験
  • (3)気象業務を行った経験
  • (4)航空機に乗り無線設備の操作を行った経験
  • (5)航空交通管制の業務を行った経験
  • (6)運航管理者の業務の補助の業務を行った経験

学科試験の内容

学科試験の試験科目、題数、時間は以下の通りです。解答はマークシート方式です。

  • 空中航法(20題、2時間)
  • 航空法規等(20題、40分)
  • 航空気象(20題、1時間)
  • 航空工学(20題、1時間)
  • 航空通信(20題、40分)
  • 施設(10題、40分)

「施設」については配点が1問10点、判定基準は100点満点の70点以上となっています。その他の科目は、それぞれ1問5点で、判定基準は科目ごとに100点満点の70点以上となっています。

実地試験の内容

実地試験は、天気図の解説や航空機の航行の援助についてで、所要時間は通常、5時間程度です。実地試験は、通常、国土交通省の試験官により実施しますが、大手航空会社等では認定を受けた運航管理者が試験官となることがあります。

ディスパッチャーの資格「運航管理者」の難易度・合格率

詳細は非公表だが難易度は高め

運航管理者の資格の難易度や合格率は公表されていません。しかし、運航管理者は飛行機の安全に関わる重要な仕事で、学科試験、実地試験とも高度に専門的な内容ですので、難易度はかなり高いと考えられます。その分、資格を取得できれば、昇進や転職において有利になることが期待できます。

国家資格取得より難易度が高い社内試験

大手航空会社等では、2年以上の実務経験を積んだ上で国家資格の取得を目指し、合格後は、さらに数年の実務経験を経て社内試験を受けるのが一般的です。この社内試験に合格してはじめて、一人前のディスパッチャーとして認められます。社内試験の難易度は非常に高く、国家試験より数段難しいとも言われています。

ディスパッチャーはいわゆる見習い期間が何年もあります。一人前になるまでは、覚えなければならないことも多く、仕事をしながら国家試験に向けた準備をするので大変です。

また、その間の待遇面についても恵まれているとは言えないのが実態ですが、国家試験、社内試験に合格すれば、それまでの努力が実り、給与・年収も良くなっていくものと期待できます。

その他のディスパッチャーに関連する資格

航空無線通信士

ディスパッチャーを目指す上で必須の資格は特にありませんが、関連する資格としては「航空無線通信士」が挙げられます。ディスパッチャーは、飛行中の航空機と無線で連絡を取り合うので、航空無線にも精通していなければなりません。

航空無線通信士は、総務省が所管している国家資格です。航空機と通信する運行管制官など通信操作の従事者は、この資格を持っていなければならないとされています。航空会社の航空管制官やパイロットが多く取得している資格です。

ディスパッチャーを目指す見習いとして就職する時点では、航空無線通信士の資格を持っている必要はありませんが、一人前のディスパッチャーを目指して勉強する中で、航空無線通信士の資格も取得する人は多いようです。

航空無線通信士の資格取得方法

航空無線通信士の資格を取得するには、国家試験を受験して合格する、もしくは養成課程を修了する方法があります。

国家試験は、日本無線協会が実施していて、全国11カ所の試験地で、毎年2月と8月に試験が行われています。試験科目は、無線工学、法規、英語、電気通信術の4科目で、電気通信術以外は選択方式です。受験料は9,062円(受験票等送付用郵送料を含む)です。

養成課程を修了することでも取得できます。英語50時間、法規25時間、無線工学23時間、電気通信術2時間を受講します。また、「長期型養成課程」があり、委託された学校等で必要な授業を受けることでも取得することができます。

授業時間数は、以下の通りです。

科目 授業時間数
無線機器 41時間以上
空中線系及び電波伝搬 10時間以上
無線測定 2時間以上
電波法令 55時間以上
国際条約 7時間以上
英語 100時間以上
電気通信術 4時間以上

ディスパッチャーの資格が取れる学校

大学卒業を目指すのが一般的

ディスパッチャーの資格が取れる学校というのはありません。ディスパッチャーになるためには、2年以上の実務経験を経た上で国家資格を取得しなければならないので、資格を取りたければ、まずは航空会社、もしくは運航管理業務を行なっている専門企業に就職し、実務経験を積む必要があります。

大手航空会社では、新入社員を総合職として一括で採用し、その中で適正のある社員を運航管理室に配属する方法が取られています。希望通りに配属されるかどうかについては、ある程度、運も必要となるでしょう。

航空会社、もしくは運航管理業務を行なっている専門企業への就職を目指す際に、どの学校を出ていると有利ということはありません。あくまでも総合職としての入社を目指すことになるので、有利となる学部・学科というのも特にありません。

ただし、大手航空会社等では、総合職の募集条件を大卒程度としているところがほとんどです。したがって、ディスパッチャーを目指すなら、まずは4年制大学を目指しましょう。

気象や無線通信などの勉強も

ディスパッチャーの仕事は天気と切り離すことができません。天気に応じて飛行ルートを検討したりしますし、運航管理者の試験でも気象、天気図の知識を問われます。また、無線通信についても熟知している必要があります。

このため、気象や無線通信について勉強しておけば、就職の面接などでアピールすることが可能ですし、その知識は就職後の実務でも役立つと考えられます。

英語力が必要な場合も

大手航空会社のディスパッチャーは、海外の空港で勤務することもあります。一般的に、ディスパッチャーに必要な英語力は、英検2級以上、TOEICで800点以上程度とされています。学生時代から英語を勉強しておけば、ディスパッチャーへの近道となるかもしれません。

ディスパッチャーの資格・試験まとめ

運航管理者は必須、社内試験があることも多い

ディスパッチャーになるには、国家資格「運航管理者」が必須です。その受験資格として2年以上の実務経験が必要なので、まずは航空会社へ入社し、航空管理室等に配属されることが前提となります。

国家試験取得後も、数年の実務経験を経て社内試験を受ける場合がほとんどです。一人前のディスパッチャーとして働くことができるようになるまでには、長期に渡る厳しい日々を経なければなりません。たゆまぬ努力で夢を掴みましょう。

ディスパッチャーの参考情報

平均年収300万円〜500万円
必要資格
  • 運航管理者
資格区分 国家資格
職業職種運輸・乗り物

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