ディスパッチャーの仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

ディスパッチャーの仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

ディスパッチャーは、日本語訳すると、運航管理者を指す言葉です。旅客機の運航計画はフライトプランと呼び、ディスパッチャーはフライトプランに沿った安全な運航ができるかを出発前にも確認し、状況を判断します。この記事では、ディスパッチャーの仕事の具体的な内容や特徴、将来性についてご紹介します。

ディスパッチャーとはどんな仕事?

定時運航している旅客機等の安全な運航を司る仕事

ディスパッチャーとは、航空会社に勤務し、その会社における全ての定期便の運行について、フライトプラン(運航計画)の作成を担当する仕事です。

作成したフライトプランをもとに、当日の気候条件、計画に沿った安全な運航が可能かどうかを、当日の出発前に、パイロットらとブリーフィング(打ち合わせ)を行い、状況を判断し、出発可能であれば、出発の指示を出します。

旅客機の運航は世界規模で行われているため、フライトプランは各国共通のフォーマットを用いて作成されることが望ましいと言われています。こうして作成されたフライトプランを基に、当日の気候条件等の条件を鑑みて、トラブル発生時には代替空港を迅速に設定したり、機体の整備状況、燃料量などを詳細にチェックして、最終的なプランに仕上げていきます。

ディスパッチャーの仕事を行うには国家資格の取得が必要

ディスパッチャー(運航管理者)は、航空法第77条に基づき、航空運送事業において安全な運航を確保するため、航空機乗組員に適切な情報を提供し、管理者として必要な指示を行う仕事です。

ディスパッチャーは国家資格であり、仕事を行うには、航空において国土交通大臣が実施する「運航管理者技能検定」という国家試験を受験し、合格する必要があります。また、国家試験受験には所定の受験資格が設けられていて、まずは受験資格を得ないといけません。

受験資格は、「21歳以上で、航空会社に入社後、航空運送事業の用に供する航空機の運航に関して、1号から5号まで掲げる経験のうち1つの経験を2年以上有している者、及び2つの経験をそれぞれ1年以上有する者、ならびに、6号の経験を1年以上有する者」とされていて、1号から6号までの経験とは下記を指します。

  1. 操縦を行なった経験
  2. 空中航法を行った経験
  3. 気象業務を行った経験
  4. 航空機に乗り組んで無線設備の操作を行った経験
  5. 航空交通管制の業務を行った経験
  6. 運航管理者の業務の補助を行った経験

ですので、航空業務におけるパイロット、ないし航空管制官、運航管理者補助などの経験を経てようやく試験が受験できる、発展的な資格であるといえます。鉄道における車掌登用試験が駅係員の経験を経て受験できるのと同じく、基礎的な仕事の経験があって初めて、運航管理者の技能検定を受ける資格が得られるのです。

ディスパッチャーの具体的な仕事内容

ディスパッチャーの主要な仕事はフライトプラン(運航計画)の作成

ディスパッチャーの主な業務は、それぞれの航空会社において運航される全ての旅客便について、適正かつ安全な飛行が出来るように、詳細な運航計画を作成する仕事です。

フライトプランは、先述した通り、世界規模で影響を与えるため、各国共通のフォーマットでの作成が義務付けられています。フライトプランには、詳細に至るまで様々な項目を指定しなければなりません。

例えば、飛行方式及び飛行の種類、航空機識別のための無線呼び出し符号(7文字で記載)、航空機の数及び型式ならびに後方乱気流区分、使用する無線設備、出発飛行場及び移動開始予定時刻、巡航速度・巡航高度・経路、目的飛行場及び所要時間ならびに代替飛行場、その他補足情報などです。

飛行方式には、「計器飛行方式(IFR)」、「有視界飛行方式(VFR)」、「計器、有視界いずれかの飛行方式で出発し、途中で変更する場合(YあるいはZの2種類の記号で表す)」の4種類あり、飛行の種類は、「航空運送事業(SまたはN)」、「使用事業、訓練、試験飛行空輸及び自家用(G)」、「軍用機(M)」があります。

ディスパッチャーは、直接飛行機に触れることはないものの、空港において勤務し、当日の出発前にもパイロットらとブリーフィングを行うことでフライトプランを再度検討し、当日の気候条件や航空機の整備状況を鑑み、その日その時間に最適な経路を再度検討し、最終的なフライトプランにまとめます。

ディスパッチャーは非常に簡単に言うと飛行機の出発係でもあるので、航空整備士と共にパイロットに出発許可を与える立場でもあります。当日の気候条件から安全な飛行ができないと判断された場合、欠航を行うこともあります。

運航中の運航管理、安全管理もディスパッチャーの重要な仕事

ディスパッチャーの仕事は、無事に離陸すれば終わりというわけではなく、勿論、離陸中の安全管理も行います。常に経路内の最新の気候の状況をピックアップし、問題があれば都度、パイロットや管制官など関連する担当者に対して報告を行い、対応を検討・指示します。

最も起こりやすいのは、気候条件による着陸時のトラブルです。安全に着陸できるまで、着陸先の空港上空を旋回する場合もあれば、風の強さや豪雨、雷雨などによって、航空機が安全に着陸できないと判断された場合には、代替飛行場を指定し、そこに着陸させるよう指示を出す場合もあります。

そして、無事にフライトを終えた際も、パイロットらとデブリーフィングを行い、運航中に問題がなかったかを再度詳細にヒアリングをして、状況を共有します。斯様に航空機運航というのは慎重に慎重を期して行われます。なぜならば、ほんの些細なミスや気候条件の悪化が、パイロットや旅客の命を落とすことに直結するからです。

搭載物の配置を行うロードコントロールもディスパッチャーの担当業務

また、ロードコントロールと呼ばれる、搭載指示書の作成もディスパッチャーが担当する重要な仕事の一つです。航空機の安全な運航を担保するには、航空機の総重量、重心位置が規定値以内に収まっていなければなりません。

具体的には、フライトを行う旅客機の搭乗人数、預かる手荷物の数や重量などを予測することで、航空機の総重量を推計し、この重量を基に必要な燃料量を計測します。こうして推測を基に手荷物の搭載位置や搭載量を細かく決め、搭載指示書という書類を作成して、手荷物の搭載担当者に伝達します。

できる限り、手荷物は到着後速やかに取り降ろして返すことができるよう、貨物室のドア近くに搭載するため、サービス面も重視しながら、安全な運航を行える範囲内に納めなければなりません。

これは運航計画や経路に大きな影響を与える非常にシビアな業務で、重量、重心位置が規定値を超えてずれてしまうと、定時運航に支障が生じてしまいます。こうした事態に陥らないよう、ロードコントロールにおいて搭載指示書を作成する際は、的確な予測が重要となります。そのために、ディスパッチャーには一定程度の経験が必要となるのです。

ディスパッチャーの仕事のやりがい

効率よく適正かつ安全な飛行機の運航を管理する仕事

民間、軍用問わず、毎日のように全世界で無数の飛行機が空を飛んでいる昨今では、航空関連業務は、ただの一つもミスなく仕事をしなければならない、非常にシビアな仕事となっています。LCCと呼ばれる格安航空会社も増え、飛行機の量は年々増え続けています。

その中で各飛行機においてフライトプランを作成し、詳細な指定を行います。ただでさえ手荷物の搭載量や重心をも加味した燃料量や運航経路の策定が必要であるのにも拘らず、毎日のように天気や気候条件は変化しますし、他社の飛行機の状況やトラブルも逐一報告される中で、適正かつ安全な飛行を担保するしっかりとしたフライトプランを作ることは非常に難しく、大変です。

経験に応じた推測能力も多分に求められますし、少しの推測ミスが、即座に衝突や墜落に繋がる仕事です。しかし仕事に求められる精度が高いからこそ、安全に問題なく飛行できたときは、大きなやりがいを感じることができるでしょう。

状況に応じて、各部署の専門家と連携し、空の安全、飛行機そのものの安全を守り抜いたときの達成感も、大変だからこそ一際大きなものとなるはずです。

非常事態の際に、如何に危険を回避するかも大切な役目

ディスパッチャーは、運航管理者という名前の通り、安全な運航に関する責任を課せられた重要な立ち位置で仕事を行なっています。

万が一、気候条件の急激な変化や管制の指示ミスなどの非常事態が起きた場合は、航空管制官、パイロットなどと連携を密に取り、速やかに周りの飛行機のパイロット、および関係各機関に状況の共有と、代替飛行場の提示など対策の指示を行わないといけません。定時運航はもちろん、有事の際に如何に人命を守るかというところでも、パイロットや航空管制官と同じくらいの重責がディスパッチャーにはのしかかってきます。

いくら技術が発達したと言っても、空の状況はどう変化するかを的確に予測することはまだまだ難しいです。特に短時間で急激に変化する異常気象も増えている中、こうした気象条件によるトラブルが発生した際には、極めて迅速な対応が求められます。トラブルの際の連携も、肝は冷えますが、難しいからこそやりがいを感じられる瞬間でしょう。

ディスパッチャーの仕事内容まとめ

ディスパッチャーには的確な予測と柔軟な対応力が必須

ディスパッチャーの仕事は、安全な運航を計画し、無事にフライトを終え、フライト状況の振り返りを行うまでに及び、旅客機や軍用機など様々な飛行機の安全な飛行全般を管理する立場です。航空機の運航に関わる仕事はどれも非常に責任重大な仕事ばかりです。

些細なミスが命に直結するからこそ、事前に打ち合わせを重ねて、慎重を期したフライトプランを立てることがディスパッチャーの大切な役割です。しかしプラン通りに行くとは限りません。トラブル発生時には、様々な状況を即座に把握し、柔軟かつ安全を重視した対応の指示を各所に的確に行っていく必要があります。

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  • 運航管理者
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職種運輸・乗り物

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