航空機関士の給与・年収は?過去データや機上整備員のデータから算出

航空機関士の給与・年収は?過去データや機上整備員のデータから算出

飛行機の計器類のチェックや総重量からエンジン推力を測定するなど、パイロットと同程度の知識によって空の旅の安全を守って来た航空機関士。時代の流れによって2019年には消滅した仕事ですが、パイロットと比べて年収面は同じぐらいだったのか気になりますよね。そこで、今回は航空機関士の年収・給与について紹介します。

航空機関士の初任給

航空機関士の初任給は公務員程度

航空機関士は2019年時点ではほぼ職業としては消滅状態になっていますが、過去のデータや機上整備員の給与から考えると、航空機関士の初任給はおよそ16万円となっていたようです。

初任給16万円は公務員の初任給とほぼ変わらない程度の額で、2018年の「賃金構造基本統計調査」における新卒者の初任給である約20万円を下回っています。また、大学院修士課程修了者の初任給は23万8,700円、大学卒が20万6,700円、高専・短大卒が18万1,400円、高校卒が16万5,100円となっています。

最終学歴 初任給
大学院修士課程修了者 23.87万円
大学卒 20.67万円
高専・短大卒 18.14万円
高校卒 16.51万円

時代と共に廃止された航空機関士の現在

時代が進むと共に機械技術は格段に進歩し、ハード面だけでなくITをはじめとするソフト面も大きく進化してきました。その進歩は航空機にも大きな変化を起こし、より安全かつ正確なフライトを実現しています。

その中にはパイロットの仕事を軽減するものも含まれており、その影響で航空機に搭乗すべき職業も徐々に減っていきました。当初はパイロットだけでなく航空機関士をはじめ航空士、航空通信士も搭乗する必要がありましたが、現代では一般的な飛行機の場合はほぼパイロットが兼任することになっています。

その影響で航空機関士の仕事は激減し、2009年には日本でもボーイング747の引退をもって航空機関士が乗務することは2019年時点ではなくなっています。そのため、事実上航空機関士は職業として消滅していることになります。

当時、航空機関士の仕事に就いていた人は転職を余儀なくされ、同社の別のスタッフか経験や知識を生かしてパイロットになった人がいます。航空機関士からパイロットになった人の中には、現在では機長を務める人もいるようです。

それだけ現在でも航空機関士の知識は航空従事者にとって重要な知識であり、試験も残っています。また、形を変えて航空自衛隊の人が同じような形で仕事をしていたり、軍用機や海外の大~中型旅客機に乗務していることもあります。

航空機関士の平均給与

航空機関士の年齢別給与は?

航空機関士は2019年時点ではすでに消滅しているため、現代における平均給与を算出することはできません。そこで、過去のデータや自衛隊における航空機関士こと「機上整備員」の給与から考えると、各年齢別の給与は以下のようになります。

年代 平均月収
20代 約21万円
30代 約30万円
40代 約37万円

この給料を平均すると、航空機関士がもらっていた平均給与は29万円になることがわかります。

航空機関士とパイロットはどっちのほうが手取りが多い?

航空機関士の平均給与はおよそ29万円だったなのがわかりますが、パイロットは20代でも80万円をもらえる場合があり、さらに30代で87万円、40代で132万円と徐々に増加していく傾向があります。航空機関士の推定給与と比べても、かなり溝をあけられている結果になっているのがわかります。

過去、航空機関士がまだ必要とされていた時代、乗務手当や資格手当などがあったため地上職よりは年収は高かったようですが、パイロットほどではなかったようです。いずれにせよ、航空機関士という職業が事実上なくなってしまった今となっては、パイロットの年収の方が高いといえます。

第3のパイロットと言われていた航空機関士

給料面で見ると航空機関士はパイロットより低くなっていますが、決して職業的に劣っているということはありません。過去に航空機関士は機長・副操縦士に次ぐ「第3のパイロット」とも言われるほど重要なポジションでした。

機長は飛行機を飛ばすために操縦するだけでなく、多くのレーダーや通信機能を一度に管理する必要があり、さらにエンジンや速度、燃料計算、システム面も管理していました。現代ではこうした類の部分を機器類で補っていますが、昔は航空機関士が賄っていました。

航空機関士は安全な飛行を確保するため、操縦室にてエンジンのシステム点検を行います。さらに、飛行記録から機体の状態チェックを行い、もし問題があればパイロットや管理者と一緒に離陸前の計画見直しを行います。他にも荷物・乗客数・燃料から機体の総重量を計算してエンジン推力の測定や、計器類のスイッチについても点検を行います。

離陸後は各計器をチェックしつつエンジン動作の状態を確かめたり、電気・油圧系統、燃料消費、機内温度、気圧などに気を配り、もし異常があればパイロットに報告して未然に事故を防ぎます。

「自衛隊の航空機関士」と呼ばれる「機上整備員」とは

自衛隊には「機上整備員」という役職があり、これは航空機関士と同じような役割と言われています。しかし、国土交通省の定めている航空機関士とは別物で、仕事内容も少し違っているようです。

自衛隊では輸送ヘリなどに搭乗し、搭載機材の整備・操作を行います。こうしたヘリに関する整備や機器類の点検、さらに積載物資の投下補助やパイロットの操縦支援を行うのが機上整備員の仕事になります。

航空機関士の平均年収

航空機関士の平均的な年収

航空機関士の平均年収を航空整備士などから想定してみると、だいたい256万円~592万円となるようです。また、年齢別の平均年収を計算してみると以下のようになります。

年代 平均年収
20代 約360万円
30代 約460万円
40代 約600万円

航空機関士の20代はまだまだ新米で、色々と訓練や勉強をする段階です。そのため、まだまだ年収は低い状態となります。そして、仕事を覚えて主戦力となる30代になると役職に就くこともあり、一気に年収は上がります。さらに、40代に入ると人材育成やマネジメントに回ることもあり、こうした役職に就くとさらに年収は上がると考えられます。

パイロットの年収は高い傾向にあります

航空機関士よりパイロットの方が一般的な給与は高い傾向にありましたが、年収で見てもやはりパイロットの方が高いようです。平成23年度の賃金構造基本統計調査によると、パイロットの平均給与は1,198万円となっていました。

役職別に見るとパイロットの機長だと年収は約2,300万円、副操縦士の場合は約1,500万円、そして教官になると400~800万円前後になるようです。もちろん所属する組織によって金額は変わってきますが、やはり機長になると年収は跳ね上がるようです。

また、年齢別にパイロットの年収を見ると以下のようになります。

年代 平均年収
20代 約370万円
30代 約800万円
40代 約1,300万円
50代 約1,200万円

パイロットとして働き盛りである40代がやはり年収は一番高くなっており、反対に20代はかなり低くなっています。この傾向は航空機関士と同じで、やはり20代は実践よりも研修などが中心になることもあり、しばらくは我慢を強いられることになりそうです。

所属機関によってパイロットの年収は大きく変わる

パイロットと一口にいってもANAやJALなどの航空企業だけでなく、自衛隊などの公的機関や民間企業でパイロットとして働く選択肢もあります。このうち、賃金構造基本統計調査において平均年収1,000万円を超えるのは航空企業のようです。

ANAやJALになれば年収1,800万円を超えることもあり、アジア圏の中堅航空会企業の年収800万円と比べるとかなりの差があることがわかります。また、自衛隊の場合は年齢や階級によって年収が変わりますが、曹長になって年収900万円を超えるようです。

そして、物資輸送や農薬散布などを行う民間パイロットの場合だと、年収は約800万円となります。パイロットとして稼ぎたいならば、やはり航空企業を狙う必要が出てきます。

航空機関士の給与・年収まとめ

現代で稼ぐことは難しい航空機関士

航空機関士が職業として存在していた場合は、初任給は16万円と公務員や2018年「賃金構造基本統計調査」で発表された新卒生がもらう初任給の約20万円を下回っている結果となりました。

また、航空機関士はパイロットの年収と比べた場合でも、どの年齢においても航空機関士が勝ることはないようです。

航空機関士(フライトエンジニア)の参考情報

平均年収400万円〜600万円
必要資格
  • 航空機関士
資格区分 国家資格
職種運輸・乗り物

統計情報 出典元:

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