社会保険労務士になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説

社会保険労務士になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説

社会保険労務士の資格は人気が高く、社会人でも働きながら資格取得の勉強をしている方も大勢います。しかし、社会保険労務士の試験には受講資格があり、誰でも受けられるわけではありません。では社会保険労務士を目指すにはどうすればよいか?本記事では必要なポイントをまとめました。

社会保険労務士には社会人からでも転職できる

社会保険労務士は社会人から転職を目指す方が非常に多いです。社会保険労務士の試験合格者の半数は社会人であり、特に会社員の割合が多いです。

社会保険労務士には年齢制限がないため、幅広い世代に人気を集めています。通常、サラリーマンの定年は60歳(本人の希望によっては65歳まで可)ですが、社会保険労務士は資格があれば働く体力と能力の衰えさえなければ働き続けることができます。

社会人はどうやって勉強をしているのか?

社会人は特に会社員は仕事で忙しく、勉強する時間が取れないイメージがあります。しかし、近年では社会人向けの通学講座や通信教育があり、仕事帰りや空き時間を使って資格取得に向けての勉強がしやすい環境が整ってきました。

もちろん、勉強するための時間を確保する必要があるので、まずは資格取得に向けた勉強をする時間を確保する必要があります。また、通学や通信教育には費用も発生します。

資格試験の受験条件

社会保険労務士の試験を受けるには条件があります。せっかく勉強を始めようと思っても受講条件を満たしていなければ意味がありません。まずは受験条件について確認してみましょう。

学歴

社会保険労務士の試験を受けるには学歴が必要です。他にもいくつか細かい条件はありますが、大まかにまとめると以下の通りです。

  • 大学(短期大学)または高等専門学校(5年制)を卒業
  • 大学において62単位以上修得(短期大学は除く)
  • 大学において学士の学位を得るのに必要な学習を終えた者
  • 修業年限2年以上かつ終了に必要な総時間数を1700時間(62単位)以上の専修学校を修了
  • 厚生労働大臣が認めた学校を卒業している者

実務経験

学歴の他にも実務経験がある場合に受講資格を得ることができます。いくつか細かい条件はありますが、大まかにまとめると以下の通りです。

  • 法人の役員または従業者として従事した期間が3年以上であること
  • 社会保険労務士や弁護士の業務に補助的に従事した日数が3年以上であること
  • 国または地方公共団体の公務員として行政事務に従事した期間が3年以上であること
  • 労働組合の役員、職員、法人もしくは事業を営む個人従業者として従事した期間が3年以上であること

国家試験合格者

国が認めた国家試験に合格していれば受験することができます。対象の国家試験は下記URLをご確認ください。

参考リンク:社会保険労務士試験オフィシャルサイト

社会保険労務士はどんな人に向いている?

社会保険労務士は国家資格保持者として大きな責任があります。社会保険労務士の職責として、信用失墜行為の禁止が厳しく規定されており、高い倫理性と人間性が求められる職業です。具体的にはどのような人が社会保険労務士に向いているのかを紹介します。

他人のことを思いやれる人

コンサル業務を中心に活躍する社会保険労務士は人のことを思いやることができる人が適任です。職場のトラブルは人の問題が非常に関係します。また、会社の問題は表面化しているものばかりではなく、潜在的であり、特に従業員が不満を大きく抱えることが多いです。

社会保険労務士はそのような人たちの思いにも敏感になる必要があり、働いている人たちの気持ちを理解しなければ納得してもらうような制度は作れません。従業員ではなく、雇用者側の立場にも立って考えなければなりません。

雇用者と被雇用者、両方の立場を中間的な立場でとらえ、両サイドに納得してもらえるような制度を作成する必要があります。そのためにも、他人の内なる思いを知り、人をどう上手く動かしていくかを考えることが重要です。

より良い社会を目指す志

日本では現在、ブラック企業が大きな問題となっています。ブラック企業の定義は様々ですが、多くはサービス残業が多い点、健康保険へ加入をさせない、給料がまともに払われないといった労働基準法に違反している会社のことを指します。

社会保険労務士はこのようなブラック企業を撲滅していき、労働者が不利益を被ることがないような社会を目指す必要があります。そのためには大きな正義感が必要であり、より良い社会を目指す志が必要です。

事務処理やコミュニケーション能力に長けている人

社会保険労務士が扱う書類は、人の給料や年金の計算に関わるとても重要なデータを取り扱います。計算には間違いが許されないことから、 計算能力に長けているような人材が適任です。また、多くの人の悩みや希望を聞くことが多いことからコミュニケーション能力も非常に求められます。

全てを最初から備える必要はない

これまで紹介した倫理観が強く事務処理能力にも長けていてコミュニケーション能力も抜群という条件に、全て当てはまる人物というのはごく稀です。例えばコミュニケーション能力に長けていてもパソコンの操作には慣れておらず、上手く事務処理を行うスキルがないこともあります。

大切なのは実務をしながらその技術を身に着け、理想を目指し続ける姿勢にあります。仕事に謙虚に向き合い、常に向上心を持って取り掛かれる人こそが本当の適任者と言えます。

社会保険労務士になるための学校や勉強方法

社会保険労務士になるためには専門学校へ通ったり通信教育、または独学で勉強したりとやり方は様々あります。それらは生活スタイルに合わせるのが理想であり、学校選びも自分に合ったものをしっかり選ぶ必要があります。

社会保険労務士の試験は税理士試験や公認会計士と違い、一発合格が狙いやすいのも特徴です。だからこそ勉強方法、特に学校選びは慎重に行いましょう。ここではそれぞれの勉強方法についてポイントや学校の選び方について解説します。

専門学校(予備校)

通学できる範囲であれば、社会保険労務士試験に特化した学校へ通うのがベターです。社会人向けに夜間制の学校もありますので、仕事終わりに通えるのもポイントです。では、具体的に学校選びのポイントについて解説します。

合格率・合格実績

最も重要なポイントです。資料のパンフレットには直近の合格率が掲載されていますので、気になる学校があったらまずはパンフレットを請求しましょう。また、受験年によって合格率が異なる点についても注意してください。

年度によって合格率は変動しやすいです。比較的合格率が安定している学校は実績があるカリキュラムを備えていることになりますので、注目しましょう。

講師陣の指導力や教材の充実

社会保険労務士の試験は一発合格を狙えるといえど難問試験です。 少しでも疑問点や不安点を持ったら、電話、FAX、メールですぐにサポートしてくれる講師陣が必要です。

また、教材も学校オリジナルの教材があるので、過去の試験傾向を分析していたり、法改正に対応していたりと、合格するためのノウハウが詰められた教材であるかどうかが重要です。

このように学校が受講生のことをどれだけ考えているのかどうかは、口コミやパンフレットを頼りに確認してみましょう。

通信教育

通信教育は近くに通える範囲の学校がなかったり、家の都合で中々外出ができなかったり、または自分のペースで進めたい人向けです。基本的な学校の選び方は同じですが、費用が通学と比べて安めであることも特徴的です。

しかし、あまりにも安いところだとサポート体制が不十分であることも考えられるので、単純に安いからという理由で選ぶのはオススメしません。

独学でやるには?

独学の勉強方法は大変難しく、相当自己管理ができない限りは難しいと言えます。しかし、独学で合格できないことはありません。独学で勉強する場合は市販のテキストも販売されていますが、新試験に対応していないものが多く販売されています。独学でやるにしても大手学校の最新テキストを入手するほうが無難です。

社会保険労務士になるには?まとめ

自分の生活スタイルに合わせること

社会保険労務士を目指すには、試験に合格しなければならないので勉強は避けられません。しかし、働きながらでも無理のない範囲で勉強を続ければ合格も夢ではありません。特に社会保険労務士の合格者は社会人が大半です。

資格取得のために専門学校へ通う、通信教育を受ける、独学と様々な方法を加味したうえで、自分に合った勉強方法を見つけましょう

社会保険労務士の参考情報

平均年収350万円~650万円
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  • 社会保険労務士
資格区分 国家資格
職業職種法律・政治

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