考古学者の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

考古学者の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

私たちが目にする機会の多い考古学者の仕事は、日本や海外での遺跡の発掘作業です。しかし、考古学者は発掘の以外にもいろいろな仕事をおこなっています。また、考古学者と一口にいってもその勤務先はさまざまです。本記事では、考古学者の具体的な仕事内容、仕事のやりがいなどについてご紹介します。

考古学者とはどんな仕事?

考古学者の研究対象である「考古学」は、大きな意味合いでは歴史学の一部に含まれます。

歴史学者は残された史料を材料にして過去についての研究をおこないますが、考古学者は遺跡で発掘した遺物や遺構をもとに研究をすすめます。ここでは考古学者の主な仕事内容についてご紹介します。

遺跡・遺物・遺構の発掘

考古学者は遺跡で遺物や遺構を発掘して調査をおこない、過去の人間の生活習慣や風習を読み解くために研究をします。対象になる時代は考古学者によって異なり、この世に人類が存在してから現代にいたるまで、全ての時代が研究の対象です。

考古学者の仕事において、人類の過去を知るために一番重要なのが情報源となる「遺跡・遺物・遺構」の発掘です。

遺跡とは人間が生活や活動を行っていた場所、遺物は人間が使用していた道具、建築物の一部(人工遺物)や動物の骨や貝殻(自然遺物)など。遺構は建設されていた住居の溝や跡を指し、地面に刻み込まれているものを指します。

発掘調査は上手くいかないことも

日本列島に人類が存在し始めた時期を「旧石器時代」といい、国内において最古の人類の足跡は約12万年前のものと言われています。長い歴史のある日本列島には多くの研究調査となる場所があり、土の中に遺跡や遺物があるとされている土地を「埋蔵文化財包蔵地」といいます。

現在日本の埋蔵文化財包蔵地は40万ヶ所以上。これだけの数があれば考古学者が発掘をすれば色々なものが出てくると思いがちですが、毎回全てが上手く行くわけではありません。遺構が存在しても遺物が発掘できなかったり、遺物が出てきても遺構が全く見当たらなかったりする場合もあります。

研究を生業とする考古学者が上手くいかないことがある一方で、埋蔵文化財包蔵地に家を建築しようとしたとき、思わぬ遺跡や遺物が発見されることも。また、埋蔵文化財包蔵地に指定されていない土地でも、地面を掘り起こす際に遺跡が発見されることがあります。

考古学者がおこなう全ての発掘作業が必ずしも素晴らしい研究結果を生み出すことにはなりませんが、これらの事例は日本全国において考古学者の発掘対象となる土地がまだまだ存在することを証明していると言えるでしょう。

考古学者によって研究対象の場所や時代は異なる

考古学の長い歴史と共にデータが蓄積され、発掘方法や研究方法も進化する中、考古学者の仕事内容は以前よりも多様化している傾向にあります。

専門性を高めるために、決まった時代や遺跡について研究する人、他の地質学・社会民俗学・生物学などと連携をしながら研究をする人などさまざまです。また、発掘作業も日本国内にとどまらず海外に重点を置いて活動している人も多く存在します。

発掘したものを記録・保管して報告書を提出する

考古学者の仕事は遺跡や遺物の発掘だけではありません。発掘作業のときに出てきた自然遺物や人工遺物を全て記録して正しい場所に保管する必要があります。

また、発掘されたものから新しい発見した場合は研究をおこない「発掘調査報告書」や「論文」を書いて調査結果を残します。

考古学者の仕事の具体的な内容

ここでは、考古学者の基本的な仕事内容の「発掘・記録・保管・報告書提出」がどのようにおこなわれているか詳しく紹介しましょう。

発掘調査はチームを組んでおこなう

基本的に発掘調査の作業自体は1人でおこないますが、考古学者は1つの遺跡に対してチームを結成して取り組みます。

チーム内では進行管理をする人・土を掘る人・計測する人などそれぞれの役割が決められているので、お互いにコミュニケーションを取りつつ良好な関係を保ちながら仕事をすることを求められます。

発掘調査は細やかな手作業がカギ

発掘調査の初期段階では、遺物や遺跡があると推定される土地をバックホウやユンボなどの重機を使ってある程度の深さまで土を削ります。掘り出したい遺物に近づいたら(遺物包含層)スコップや竹べら、じょれんなどを使用しながら人の手で丁寧に土の表面を少しずつ掘り下げます。

この時注意することは、一度壊してしまった遺跡や遺構は元に戻らないという意識をもつこと。手作業で土を掘り進めていると対象物に近づくにつれて、土の質・色・硬さなどが微妙に変化します。

発掘チームはそれらのサインを見逃さないようにして作業をおこない、遺物や遺構が土の表面に出るように発掘を進めます。

発掘したら写真撮影で記録を残す

遺跡の範囲の中で「これ以上遺物が出てこない」という状態になったら、「どこにどの遺物があったのか」という出土した位置を図として記録しておかなければなりません。

また、掘り出した遺物や遺構がどのような構造になっているのかを記録するために、平面図または断片図の作成をおこない、真上からの写真撮影でも記録を残す必要があります。

発掘作業で遺構が出てこずに遺物だけが出てきた場合は、記録作業の後にさらに土を深く掘り下げ、遺構が存在するかどうかの確認もおこないます。

発掘の後は出土品整理作業

発掘作業で出てきた遺物などは出土品整理作業を経て最終的には収蔵庫などの場所に保管されます。出土品整理作業を行う前に重要なのは、発掘して1週間以内に警察署に遺物の「埋蔵物発見届け」を出すこと。

出土したものは持ち主が不明であるので、そのまま保有していると「占有離脱物横領罪」になってしまいます。書類関係の手続きが終了したら、土や泥の付着している土器・金属や木製品などを綺麗に水で洗い流し、乾燥させて、それぞれの部品に略号(いつどこで採取したものかわかるように)を記載します。

破損している遺物は接着剤・補強材などを使用したり、科学的な処理を施したりして元に近い形に戻します。その後、遺物の実測図、遺構の測量図、屋外で撮影した写真の整理を行って、発掘調査報告書や論文として記録を残します。

発掘物の報告や展示

考古学者は発掘調査の結果を示すために、遺物の展示や報告をおこないます。考古学者と一口にいってもその勤務先はさまざまで、教授や助教授、講師として大学に勤務・埋蔵文化センター・教育委員会や博物館の学芸員として勤務するなど人によってスタイルはさまざまです。

それぞれの勤務先によって発表や展示は、学会・博物館・埋蔵文化調査機関などで行われます。いずれの場合も調査結果は公開され、その土地で生活を営んでいた人達の歴史や風習を知る上での重要な情報源として活用されます。

考古学者の仕事のやりがい

考古学者の仕事についてのやりがいや魅力についてご紹介します。

想定していた以上のものを発掘できたとき

考古学者は発掘作業に取りかかる前に、十分な下調べをおこないます。そのため、作業の対象となる遺跡ではどのような遺跡や遺構が出てくるのかということを、前もって予想しています。

しかし、実際の考古学の発掘作業では予想もしなかったものが土の中から出てくることが多くあります。いくら事前に調査を行っていても、掘るまでは一体何が出てくるのかは不明というところが、考古学者の仕事における面白みやロマンを感じられるポイントではないでしょうか。

チーム作業で多くの人と関わりを持てる

考古学の発掘や調査においては、多くの人と上手く関わりながら仕事を進めることが重要です。発掘調査のチーム作業はもちろん、調査対象になる土地の所有者や周りの住民、大学に勤めるのであれば生徒や講師、博物館勤務であれば来場者などとの関わりを持つことができます。

自分な好きなことを仕事にしながら多くの人と関わりともち、なおかつ研究成果が役に立ったり、他の人の知的好奇心に刺激を与えたりするきっかけになるのは、考古学者としてこの上ない喜びとなるでしょう。

一生をかけて考古学を突き詰められる

現在に至るまで多くの考古学者がさまざまな謎を究明するために研究を続けてきましたが、現代でも解明されていないことは沢山あります。また、これまで研究されていない遺跡も世界中に多く存在しています。

考古学者の仕事は「もっと考古学を極めたい」「まだ解けていない謎を解明したい」などの知識欲や好奇心を満たすと同時に、それらが仕事のやりがいにつながっているといえるでしょう。

考古学者の仕事内容まとめ

考古学者の仕事内容は下調べ・発掘・出土品整理・報告書や論文の提出・展示

基本的な考古学者の一連の仕事内容は「下調べ・発掘・出土品整理・報告書や論文の提出・展示」です。どの課程においても緻密な計画や細かな手作業が必要となり、簡単な作業はどれ一つとしてありません。

また、考古学者は博士号を持っている学者だけでなく、教授・助教授・講師として大学に勤務したり、埋蔵文化センター・教育委員会・博物館の学芸員として勤務するなど働き方は様々です。

考古学者は新たな発見をしたり、人に囲まれて作業をしたりしながら、好きな学問を仕事にできる点においては、十分にやりがいや魅力の多い職業といえるでしょう。

考古学者の参考情報

平均年収250万円~1200万円
必要資格
  • 学芸員
資格区分 国家資格
職種教育・保育

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