心理学者になるには?求められることや向いている人の特徴などを具体的に解説

心理学者になるには?求められることや向いている人の特徴などを具体的に解説

心理学者の本分は研究と調査であり、その結果から人々の心や意識に関する仕組み、構造を明らかにして行きます。心理学者になるには、精神学的な研究のみならず、社会心理や市場調査など多様な分野への視点も大切です。今回は、心理学者に向いている人の適性や、必要なスキル、資格についてご紹介します。

心理学者になるには何が必要?

人々の心・意識に関する網羅的な知識が必須

心理学者は文字通り、心理学分野における研究活動をその仕事のメインとしています。

研究とは、先人の残した様々な実績を鑑み、経験的、論理的にそれらの成果を精査した上で、新たな研究成果を常に上げ続けていかないといけない、高度な仕事です。

まずはこれまでの心理学分野における先人の研究成果を知識として網羅的に学ぶ必要があります。特に心理学という学問は人々の心や意識に直結する問題ですので、心理学にカテゴライズされる分野のみならず、様々な学問の研究成果を照合しなければなりません。

心理学は、例えば生理学や病理学、行動学、医学、環境学、社会学、哲学、美学、神学など、文理問わずあらゆる分野の学問と常に結びつきながら発展してきたという特異な歴史を持っています。

勿論、それらは応用力が試される分野ですので、まずは心理学を徹底的に深掘りして学んでいく必要があります。その中で、ある精神的な事象に対し、他の学問において現れた人間の反応などが参考にならないか?というのを考えられるよう、多種多様な知識の基盤が心理学者には求められるのです。

人々の生活をより快適に、より健全なものにするための熱意

人間を構成する要素の中でも人間の根幹に関わるのが心や意識です。人間は一人一人違った意識や心を持っており、それが人間の多様性を決定づけています。

しかし人間が集団化した時、集団に属することによる集団特有の心理状態が創発されることも知られています。これを集団心理、集団浅慮などと言いますが、集団化した場合にのみ生まれる性格的傾向もある以上、必ずしも個人のみに向き合えば解決する問題ではありません。

社会は個人が構成するものですので、勿論一人一人の心の問題に向き合っていくことも、臨床心理学として大きく確立されているように、非常に大切なことです。ただ、それだけでは見えてこない総合的な社会的病理なども、人間の意識や心に大きく作用しているのも事実です。

人間が個人であることだけでなく、社会的存在であることも考慮に入れながら、様々な観点で心の問題に向き合っていくことが心理学者には求められます。そのため、細かな問題を掘り下げる能力と同時に、物事を網羅的に俯瞰してみる能力も求められます。

そうした能力を磨いていくことによって、人々の生活全般をより良く、より健全にしていくことに対する熱意が、心理学者には今後ますます必要になってくるでしょう。

心理学者に向いている人、適性がある人

必要に応じて、物事に対するアプローチを変えていける器用な人

先述の通り、心理学という分野は、人々の心の問題、意識の構造、精神の仕組みなどについて深く掘り下げて考える必要がある一方で、人間の心に対して広い視野で持って向き合っていくために、非常に幅広い知識をも必要とします。

基本的に人間というのは、細かいところをしっかりみるのに適性がある人と、物事の全体を俯瞰して一般的な法則や傾向を見出すことに適性がある人に大きく分かれるものです。心理学者は、扱う分野によって異なりますが、基本的には両方の能力が求められる仕事です。

例えば臨床心理学を専門にする心理学者やカウンセラーは、一人一人の人間の中にある心の問題を掘り起こしていくアプローチが必要ですし、消費者心理や社会心理を扱う場合は、マス的な視点で物事を眺め、人々の心理的な傾向や法則を見出していく必要があります。

つまり、仕事内容や見ている対象に応じて、視野を広くしたり、狭く深くしたりといったアプローチの変更を臨機応変に求められるということなのです。こうした器用さを身につけることは非常に難しいので、一人の心理学者がすべて抱え込む必要はありません。

しかし研究を先導するような立場になると、状況に応じて両方のアプローチを的確に指示できる能力が求められてきます。柔軟にアプローチを変更し、状況に応じて最適な思考法で物事を捉えることができる器用な人が、心理学者に向いています。

言葉に耳を傾ける共感力と、言葉の真意に気づく洞察力のある人

特に臨床現場において活躍する心理学者に必要な能力としては、クライアントの言葉をしっかりと、一言一句聞いて、クライアントの心に寄り添う姿勢です。クライアントの主張をしっかりと聞いて、まずはクライアントに対し共感を示すことが大切です。

とはいえ沢山の人の心理療法を考えていく必要のある心理学者ですので、あまり深刻に捉えると限界がきてしまいます。心理学者に必要なのは、言葉はしっかり聞くけれども、それはあくまでも情報としてしっかり把握するためであって、心の奥深くにまで刻む必要はないということです。

共感力というのは、あまり深入りしすぎず、的確な距離感を保つところから生まれていくものです。一旦自分の中にある価値観などを置いておき、まずはクライアントの主張を全て聞き、遮らないようにするだけでも、大きく違ってきます。

また、そうした程よい距離感を保つ姿勢によって、言葉の全体を情報としてインプットすることができ、そうしたアプローチで問題に向き合っていくうちに、クライアント自身が知らない本質的な問題が見えてくることがあります。

クライアントは思い込みによって「きっとこうに違いない」と考えて心理学者に相談を持ちかけることも多いです。そうした思い込みと、本質的な問題が異なる場合も多くあります。

言葉尻に惑わされず、クライアントの発する言葉の真意を的確に見抜くことができる洞察力のある人が、心理学者に向いています。

心理学者になるための学校等

心理系の大学院への進学が重要

心理学者になるのに、特別な資格取得は必須ではありません。しかし大学や各種研究機関において研究職に就く場合には、多くの場合、高い学歴が求められます。博士課程修了が一般的ですが、最低限でも大学院で修士号を取得しておく必要があります。

なぜかというと、研究職は競争率が非常に高いからです。学歴や専門分野の研究実績は、そのレベルが高ければ高いほど優遇されます。

また、公認心理師の国家資格を取得して心理学者になろうとする場合も、公認心理師の国家試験を受けるにあたり、実務経験なしに受験が可能なのは大学院修了者のみです。

就職するまでにある程度の研究実績を積んでおくと、研究職への就職において大きく有利になりますし、基本的に心理学者はアカデミックな能力や経験が活かされる仕事なので、学問に向き合っていく時間が長いほど有利になります。

国家公務員の心理職の場合は、外部英語試験といってTOEICなどのスコアが一定以上あると点数が別途加算されるシステムもありますので、大学等において語学を磨いておくのも効果的です。

心理学者になるには?まとめ

今後は臨床分野との垣根もなくなる 社会的意義の大きい仕事

近年は精神疾患やストレスが社会問題となっていて、より臨床現場での心理学的な治療や分析が必要になってきています。

心理学者は基本的にアカデミックなスタイルでの研究活動が主ですが、研究だけでなくカウンセリングや教育といった分野が絡む国家資格も誕生しました。

分野によっては、臨床と学術研究の垣根はますますなくなっていくはずです。こうした時代的な傾向を受けて、心理学者にも多様なアプローチで人々の心に向き合っていく必要があるのです。

心理学者の参考情報

平均年収400万円~550万円
必要資格
  • 博士号
  • 修士号
資格区分 学位
職種教育・保育

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