土地家屋調査士の資格試験とは?土地家屋調査士試験の概要と合格の秘訣

土地家屋調査士の資格試験とは?土地家屋調査士試験の概要と合格の秘訣

土地家屋調査士になるためには、難関の国家試験、土地家屋調査士試験を受験し、合格する必要があります。実際のところ、どのような試験で、どのような点が「難しい」とされるのでしょうか。また、土地家屋調査士として実際に仕事ができるようになるにはどういった手順を踏む必要があるのか、この記事でご紹介します。

土地家屋調査士の資格試験とは?

土地家屋調査士試験とは、法務大臣によって土地家屋調査士法によって実施される試験です。土地家屋調査士として活動するための能力を審査するための国家資格で、この試験に合格しなければ土地家屋調査士を名乗ることができません。

土地家屋調査士の試験は難関であるとされ、近年での合格率はおよそ8%前後です。試験は年齢、性別、学歴を問わず誰でも受験することができます。

試験で問われるのはまず土地家屋調査士が実務の中で関わる基本法についての理解、そして土地家屋調査士の業務・実務に必要な知識・能力についての内容です。試験は筆記試験(択一・記述試験)と、口述試験とに分かれており、筆記試験を通過しなければ口述試験を受験することができません。

筆記試験の内容

土地家屋調査士試験の筆記試験では、択一試験と記述試験とがあります。まず択一試験については、民法、登記申請手続、申請書作成関係、審査請求の手続知識、その他土地家屋調査士が業務を行うために必要な知識と能力についての問題が出題されます。

なお、この試験は「午前の部」と「午後の部」とに分かれており、「午前の部」では、平面測量、作図に関する問題(測量科目」が出題されます。つまり丸一日の試験となるわけですが、午前の部の試験については、測量士・測量士補・建築士の資格を保有していれば免除されます。

土地家屋調査士試験の合格者のほぼ全員が、午前の部の試験免除者であることから、それら資格保有者が受験している試験だと理解してよいでしょう。もちろん、午前の部と午後の部を両方受験してもかまいませんが、体力的にも精神的にも負担の大きい試験日となることは避けられないでしょう。

次に記述試験では、「土地に関する記述問題」と、「建物又は区分建物に関する記述問題」が出題されます。択一式だけでなくこちらの対策もしておく必要があります。

土地家屋調査士試験の内容:口述

口述試験では、土地家屋調査士試験の試験官が口頭で受験者に質問をし、それに対して正しい知識で回答できているかという点での試験となります。口述試験は、筆記試験で問われる知識と大きくかけ離れた問題が出るわけではありません。

筆記試験の対策を十分に行っており、また問題集の丸暗記ではなく、関連する法令の理解や、立法趣旨などの理解がしっかりとできていることが重要です。それらの聞かれたことに対して的確に答えられるかという点が試験場では問題となります。

繰り返し筆記試験への対策を重ね、問題文にしろ試験官からの問いかけにしろ、即答できるレベルにまで達していれば恐れる必要はないでしょう。反面、択一問題に特化してしまい、正解例だけを暗記するような勉強方法をしてきた方にとっては難しい試験となることが予想されます。

試験にはどのような知識が必要?

土地家屋調査士試験で必要とされる知識には、法律の理解のほか、法律以外の知識も求められます。それは、法律をどのように運用するかという知識です。

多くの場合、法律は抽象的な書き方をされているため、そこに「解釈」が生まれる余地があります。それら解釈が、現実の登記事務などでどのように使われているのか、実務上扱われている解釈はどのようなものかを示したものが、たとえば「通達」や「回答」、「先例」と呼ばれるようなものです。

これらは土地家屋調査士として仕事をするようになれば頻繁に触れるものであることから、試験でも必要とされる知識だと言うことができます。

また、試験科目として出されている民法は基本法であり、これに対して特別法として、不動産登記法、土地家屋調査士法、建物の区分所有等に関する法律、借地借家法、土地区画整理法、土地区画整理登記令、行政手続法などの手続法への理解も必要です。

これらもまた土地家屋調査士としての実務に必要な知識であるといえるためです。

土地家屋調査士試験の合格者の傾向は?

土地家屋調査士試験の合格者アンケートでは、どのような方が合格しているかということがわかります。

合格者の性別

男性 92%
女性 8%

まず性別については、男性92%、女性が8%と、圧倒的に男性が多いという結果です。

合格者の学歴

大学院卒 8%
大学卒 72%
専門学校卒 12%
高校卒 8%

学歴については、大学卒が72%、大学院卒が8%、専門学校卒が12%、高校卒が8%となっています。

合格までの受験回数

1回 12%
2回 22%
3回 19%
4回 17%
5回以上 30%

合格までの受験回数は、1回が12%、2回が22%、3回が19%、4回が17%、5回以上が30%となっており、複数回受験する方のほうが圧倒的に多いという結果です。

合格までの実質学習期間

1年以内 24%
2年以内 33%
3年以内 30%
4年以内 4%
5年以内 9%
6年以内 8%
7年以内 15%

合格までの実質学習期間では、1年以内が24%、2年以内が33%、3年以内が30%、4年以内が4%、5年以内が9%、6年以内が8%、7年以内が15%となっています。

合格者の受験指導校利用率

試験に合格した人のうち92%が受験指導校を利用しています。

合格者の1日あたりの平均学習時間

平日 4.8時間
休日 6.4時間

1日の平均学習時間では、平日4.8時間、休日で6.4時間となっており、1日の中でもかなり長い時間を学習に費やしているということがわかります。

申込者数のうち合格した人物という観点での合格率

平成25年 6.8%
平成26年 7.1%
平成27年 7.1%
平成28年 7.1%
平成29年 6.9%

次に、申込者数のうち合格した人物という観点での合格率では、平成25年が6.8%、26年が7.1%、27年が7.1%、28年が7.1%、29年が6.9%となります。申込者のうち、実際に受験した人(受験者数)を基礎にして合格率を算出すると、高確率はここに1.5%ほど上乗せした数字となります。

土地家屋調査士試験に合格するための学習法

土地家屋調査士の業務は基本的に法律に基づいて行われますし、試験でも法律科目が非常に多くあります。しかしながら、たとえ法だけを暗記したところでもちろん試験に合格できるわけではありません。

それでは、土地家屋調査士試験の合格のためにはどのような学習を進めていくとよいのでしょうか。以下には、土地家屋調査士試験に合格するために抑えておくべきポイントについて解説していきます。

学習が必要となる法・法令

まず、試験科目となっている民法、土地家屋調査士法は必須です。

次に、不動産登記を取り扱うため、登記制度の根幹・手続を定める「不動産登記法」、これの付属法令とされる「不動産登記令」、「不動産登記規則」、そして、登録免許税・登記簿の閲覧・交付の手数料等について定めている、「登録免許税法」、「登録免許税法施行令」、「登録免許税法施行規則」、「登記手数料令」などの学習が必要です。

これに加えて、登記官が登記事務処理を行う上での指針としている「不動産登記事務取扱手続準則」などは、重要な先例として扱われています。また、「建物の区分所有等に関する法律」「借地借家法」「土地区画整理法」「土地区画整理登記令」「行政手続法」の学習も必要といえるでしょう。

学習はどのように進める?

土地家屋調査士試験については、問題集が発売されています。問題文と解説書を確認しながら六法を引いて、常に関連法規も合わせて確認するように習慣づけることが必要であるといえます。また、記述式試験では、申請書の記載事項と添付書類についての理解が必要です。

申請書に何を書かなければならないのか(記載事項)、そしてどのような書類を添付しなければならないのかという点も合わせて覚えておく必要があります。最近では、択一式問題であっても、問題文が長文となっており、簡単に答えを出すことが難しい問題構成となってきています。

このことから、単純に正解パターンを暗記するのではなく、試験会場で問題を一読して正しい答えを導くことができるように法令の理解を進めておき、その場で即座に正解を作れるように対策をしておくことが求められます。

口述試験の対策は?

口述試験では、複数の試験官から知識を問う問題が出されます。筆記試験ではいくら考えてもよいですが、口述試験となると、あまり長時間考えることはできないでしょう。また、実際に目の前に試験官がいるというプレッシャーもあります。

しかし、聞かれる内容は筆記試験と同様の知識領域であり、特別な質問が用意されているわけではありません。筆記でなく口頭で聞かれた場合であっても答えられるように対策をし、落ち着いて回答できるように準備しておくのがよいでしょう。

土地家屋調査士試験に合格すればすぐに働ける?

土地家屋調査士として働くためには、土地家屋調査士試験の筆記、口述試験の両方に合格する必要があります。

しかし、実際に土地家屋調査士を名乗るためには、合格後に日本土地家屋調査士会連合が備える土地家屋調査士名簿に登録を受ける必要があります。

このためには、管轄する都道府県内に設立された「土地家屋調査士会」へ入会する必要があります。試験に合格すればすぐに働くことができるわけでないことは知っておく必要があるでしょう。

土地家屋調査士の試験まとめ

法令の趣旨や運用、解釈にいたるまでの正確な理解が必要

土地家屋調査士試験は、単に「法律知識」を問う問題ではなく、なぜ法がそのように規定しているか、実際に手続をする際にはどのように運用されているかといった、かなり突っ込んだ内容の問題が出題されます。

そのため、法律や用語の暗記にとどまらず、正確で深い理解が必要となります。合格率は高くありませんが、その分、合格した際の達成感も一段と大きくなることでしょう。

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