建築模型士の給与・年収は?初任給や平均月収などの収入について解説

建築模型士の給与・年収は?初任給や平均月収などの収入について解説

建築模型士という職業は、建築士・設計事務所職員などが兼任していることが多く、それ自体で独立して収入を得ている人は年々減っています。CAD、3D技術に押され需要が減っているからです。では、建築模型士として働く場合、収入水準は実際どのくらいなのでしょうか。本記事では、建築模型士の初任給、平均的な給与、平均的な年収など、収入面についてご紹介します。

建築模型士の初任給

新人建築模型士の初任給は16万円〜19万円

新人建築模型士の初任給は、およそ16万円〜19万円前後と言われています。民間の一般企業の大卒初任給の平均が20万円〜22万円前後という統計が出ていますので、建築模型士の初任給はさほど高い水準ではありません。むしろ平均を大きく下回っている厳しい数値と言えるでしょう。

専門的な技術が必要になってくる建築模型士としては非常に低い水準のように思われますが、これには設計事務所や模型製作メーカーなどが「建築模型士」として、専門職として採用することがそもそも少ないという事情があります。

「建築模型士」として求人が出されることは殆どない

新卒採用段階で建築模型製作のスキルや経験を身につけておくに越したことはありませんが、基本的には企業への就職後に模型製作の技術を身につけるのが定石となっていますので、採用段階ではあまり専門性は重視されません。

「建築模型士」としての求人は無いに等しく、建築模型士の就職先は基本的には設計事務所や模型製作会社が多いです。住宅や建造物の設計や、大規模施設や庭園、都市計画に基づいた都市模型などの模型を専門に製作する企業に採用されてキャリアをスタートします。

正社員あるいは契約社員として製作や営業・設計などを行いながら、徐々に建築模型士としての専門的な技術を身につけていく人が多いです。建築模型士として専門的に仕事に取り組むというパターンは、少なくとも企業への就職に関していえばほとんどないと言っていいでしょう。

建築模型士の平均給与

建築模型士の平均給与は22万円〜25万円前後

先程も説明した通り、基本的に建築模型士としての求人がそもそも少ないこともあって、厚生労働省が行なっている賃金構造基本統計調査などの国家規模の統計からは、建築模型士そのものの平均給与を窺い知ることは難しいです。

そのため、特に建築模型を使うことの多い設計事務所・模型製作メーカーなどで、模型製作も含めた仕事を行う正社員・契約社員等の平均的な給与をインターネット上の求人情報や口コミなどから算出すると、建築模型士全体の平均月額給与は22万円〜25万円前後となっています。

一般的なサラリーマンの平均月額給与がおよそ35万円前後となっていることを考えると、平均を大きく下回る数値であり、収入的には比較的厳しい業界であると言えるでしょう。

また、大手ゼネコンや建築会社などでCADオペレーションや製図などの業務を兼ねている建築模型士の場合では、平均月額給与は25〜30万円前後と給与水準はある程度上がりますが、これでも民間企業のサラリーマンの平均と比べると非常に低い水準です。

設計事務所や模型製作メーカーでは非正規雇用も多い

建築模型士が行う建築模型製作の仕事では、設計事務所や模型製作メーカーの正規職員や建設会社の建築士・建築家だけでなく、アルバイト・パート・業務委託・契約社員といった非正規雇用で雇われる人も少なからず存在します。

建築模型には、大体の立体感と構造を把握する簡単な模型(スタディ模型)と本格的な提案の際に用いるプレゼンテーション模型があり、特に前者のスタディ模型の場合では扱う数も多いため、こうした非正規雇用された人や、業務委託の建築模型士が製作を行うことが多いです。

図面が読めることが必須条件ではありますが、簡易的な模型製作にはそこまで高度な技術は要求されないため、非正規の場合の時給相場は1,000〜1,600円前後で、あまり収入的には高くありません。

建築模型士の平均年収

建築模型士全体の平均年収は300〜400万円

建築業界は、特に公共事業の有無によって平均年収が大きく変動する特殊な業界です。また、建築模型士の場合、特にそれ専業で行なっている人の絶対数が少ない関係上、建築模型士そのものの明確な年収の統計は取られていません。

そのため、ここでは大小様々な設計事務所、ゼネコン、模型製作会社、建設会社などで建築模型の製作やCADオペレーションを扱う仕事のモデル年収、求人サイト上の給与待遇や正規職員や建築士や営業などの口コミなどから大体の平均年収を算出しました。

上記から算出した建築模型士全体の平均年収は、およそ300万円〜400万円前後となっています。一般的なサラリーマン全体の平均年収が420万円前後となっていますので、平均よりは低い水準を推移していることがわかります。

技術の発展によって需要は下がりつつある

建築模型士が特に就職段階であまり給与の水準が高くないのは、近年、建築模型士の仕事である「紙や合成樹脂などを用いて模型を作る」という仕事そのものの需要が低くなっていることが挙げられます。

建築業界では広く使われているイメージのある建築模型ですが、近年ではPCを用いたCADオペレーションが主流となっていることから、模型製作の需要自体は以前ほどは高くない傾向にあります。特にハウスメーカーや工務店でそこまで規模が大きくない企業においては、もともと模型の活用を重視してはいません。

CADオペレーションとは、設計担当やデザイナーが決めた形をCADと呼ばれるソフトウェアに入力し図面や3Dデータに起こす作業のことで、仮想的に立体物をPC上に気軽に再現できるようになったことで、実際に物理的な模型を作るケースは少なくなってきています。設計事務所でもこうした作業をCADに置き換える所も増えてきています。

また、近年目覚ましい発展を遂げている機器として3Dプリンターがあります。将来的には3Dプリンターで立体物を自動で「印刷」して、PCで仮想的に製作した立体物を気軽に再現できると言われており、こうした技術が一般に浸透すれば建築模型士の仕事は激減するかもしれません。

建築模型士として実績を積み独立すれば高い年収を得られる可能性も

先程も少し触れましたが、建築模型士には非正規雇用や業務委託で仕事を請けている人もいます。主に設計事務所や模型製作会社の下請けとして、業務委託で建築模型製作を請けているのがフリーランスの建築模型士です。

建築模型には様々な種類があり、一つの住宅やマンションの簡易的な模型(特に色塗りせず真っ白のもの)のみである場合もあれば、庭や建物の詳細な外観や周辺の街の景観まで再現した非常にリアルで精密なものまで非常に多岐に渡ります。

建築模型の受注金額も規模によって様々な水準があり、簡単なものでは1つにつき数千円〜数万円前後というものもあれば、100万円〜250万円以上にものぼる非常に高額で大規模なものもあります。

100万円を超えるような大規模な模型製作においては、一人ではなく複数人の建築模型士が協力して製作することが多いので、個人事業主であるフリーランスの場合は比較的小規模な、数千円〜数万円の建築模型製作を複数請け負う形になります。

会社勤めではなくフリーランスですから、収入は月に何個受注したかによって決まります。また、経験とスキルを積み、人脈を築き、安定的に需要が見込める状態で独立すれば、安定的に仕事を常に継続できるようになり、そのことによって知名度が上がっていき、結果として収入が飛躍的に伸びていく可能性もあります。

特に大規模なプロジェクトの場合、扱う規模が大きすぎてCADや3Dプリンターのみでは必ずしも対応しきれないため、模型製作にはまだまだ需要があります。個人として大手ゼネコンと取引できて、複数のアシスタントや部下を雇えるような規模感になれば、大規模な仕事の安定的な受注にも繋がっていくでしょう。

建築模型士の給与・年収まとめ

全体的な需要は下降気味、用途に応じた特別な需要を見出そう

建築模型士という職業は、最新技術の発展や浸透によって今後仕事そのものは大きく減少していくと考えられています。しかし建築模型にも様々な種類があり、用途に応じて模型製作が絶対に必要になる場合もあるため、需要そのものは潰えることはないでしょう。

特に街単位の大規模な再開発プロジェクトや、博物館用の過去の建造物や古墳、遺跡などの古建築模型をはじめとする様々な模型など、模型があることによってわかりやすく構造が伝わる場合も多々あります。

社会の変化にうまく対応し、多様化・細分化するニーズを的確に捉えることが、建築模型士として着実に稼いで行くために必須のスキルとなっていくでしょう。

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建築模型士の参考情報

平均年収300万円〜400万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職種建築・不動産

統計情報 出典元:

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