マーチャンダイザーの資格・試験とは?役立つ資格の特徴や試験の難易度、合格率などを解説

マーチャンダイザーの資格・試験とは?役立つ資格の特徴や試験の難易度、合格率などを解説

マーチャンダイザーそのものに専門的な資格はありません。しかし、仕事そのものの難度が高い以上、様々な分野での専門性をベースにした総合力を問われます。どのような資格をとっておくと役立つのでしょうか。今回は、マーチャンダイザーにあると役立つ資格の詳細や、試験の難易度などの情報をご紹介します。

マーチャンダイザーの資格とは?

マーチャンダイザーという資格は存在しない

マーチャンダイザーは、主に小売業において、消費者の訴求に応えるために、消費者のニーズに合った商品の企画から販売戦略の策定、商品の並び方や見せ方を意識した売り場の設計や構築、実際の仕入れの計画、販促活動など、商品の開発から売り上げをあげるまでの全行程においての流れを作り、その責任を担う職業です。

マーチャンダイザーが担う「マーチャンダイジング」は、日本語でいうと、「商品政策」「商品化計画」を表します。百貨店など委託販売を行う企業でのマーチャンダイジングは、仕入れ、販売、管理などの全体的な業務フローにおけるマネジメント・コントロールのことであり、その性格上、経営マネジメント的な色合いの濃い仕事です。

ですので、マーチャンダイザーとして仕事を行うためには、担当する業界におけるマーケットの情況や事情への深い理解を始め、販売スキル、商品管理スキル、データ分析力、ニーズに沿った商品開発スキル、売り場管理、ディスプレイ設計など、多種多様な能力を総合的に持たないといけません。

そうしたマーチャンダイザーを専門的に育てる資格は存在せず、実際に現場に出て、現場を肌で感じ、業界に必要な様々な知識を習得し、実力を磨いていかないと、マーチャンダイザーになることはできません。

マーチャンダイザーの新卒採用も少ない

マーチャンダイザーの仕事はマネジメント的な側面が強いことから、未経験の新人が携わることは少なく、それゆえに、マーチャンダイザーとしての新卒採用もなくはないものの少ない傾向にあります。一般的に、売り場での販売職や、総合職で小売業の従業員としての経験を積み、スキルを着実に上げていくことがマーチャンダイザーへのステップアップに繋がります。

マーチャンダイザーとして新卒採用された場合にすぐさまマーチャンダイザーとしての業務に携わることはほぼなく、他部署に配属されてまずは現場経験を積むか、先輩マーチャンダイザーのアシスタントとして、仕事を叩き込まれながら、必要な能力を身につけていくのが主なプロセスとなっています。

マーチャンダイザーの応募人数の統計において20歳以下の割合が極端に低いのは、こうしたマネジメント・コントロール的な色合いが濃い仕事であるからで、少なくとも数年間、現場経験やアシスタント経験を積まないと、マーチャンダイザーとして活躍することは難しいでしょう。

どちらかというと、未経験の新卒採用よりも、現場叩き上げという形で見出されステップアップする場合や、他社で現場経験を積んだ経験者を中途採用で雇用する場合が多い職業です。ですので、求人自体も比較的少ない上、採用されるのも非常に難しいと言われています。

マーチャンダイザーに役立つ資格、その難易度と合格率

多様な消費者のニーズを捉える資格「リテールマーケティング(販売士)」がおすすめ

マーチャンダイザーは、市場調査をもとにマーケティング分析を行い、分析結果に基づいた商品の企画と構成の決定、予算管理から仕入れ先の確保、価格決定、広告戦略といった開発や仕掛けから、在庫管理、売り上げ高、返品対応まで一連の卸売・小売業の流れ全般において大きな責任を担う仕事です。

先述した通り、マーチャンダイザーを専門に育てる資格はないため、目指すべき方向性としては「マーチャンダイザーとして商品の流れをマネジメントしていくために必要なスキルを身につける」形になります。資格取得は必須ではありませんが、現場でのスキルを磨いていく中で、将来的なニーズ把握能力やマーケティング分析、商品管理に至る幅広い業務に必要な資格を随時得ていくことが近道となる場合もあるでしょう。

マーチャンダイザーとして必須の能力である、商品を世に送り出すにあたり出発点となる、多様化する消費者のニーズを把握する能力を磨くための資格としては、「販売士」があります。

販売士とは、流通業界においてもっとも必要とされる、顧客ニーズの的確な捕捉、豊富な商品知識に加え、ニーズとは別に求められる顧客への配慮を含んだ接客技術、商品開発や仕入れ、物流の流れの管理、販売などを合理的に、かつ効果的に行う「販売のプロフェッショナル」として認定される資格です。

リテールマーケティング(販売士)検定の難易度・合格率

リテールマーケティング(販売士)の資格取得には、年2回行われる所定の検定試験に合格する必要がありますが、受験資格に関しては年齢・性別・学歴・国籍など一切の制限なく、誰でも受験が可能となっています。また、資格等級として1〜3級までがあり、3級→1級の順番に内容が高度なものとなっていきます。

検定試験は日本商工会議所・各地商工会議所が公開している販売士検定試験の受験者データを参照すると、3級の合格率は45〜65%、2級の合格率は43〜58%、1級の合格率は19〜28%となっており、等級が上がるごとに合格率は落ちていきます。1級は際立って合格率が低いので、かなりの専門性を問われると言えるでしょう。

等級 合格率
1級 19〜28%
2級 43〜58%
3級 45〜65%

試験科目は、「小売業の類型」「マーチャンダイジング」「ストアオペレーション」「マーケティング」「販売・経営管理」となっており、等級が上がるに従ってその内容の専門性が高くなっていきます。このように販売士の資格を取得するのに必要な知識は、小売業におけるマーケティングから販売管理までの一貫したプロセスの全般にわたって網羅されています。

マーケティング、店舗運営管理から経営管理に至る総合力を問われるマーチャンダイザーを目指す人にとって、「販売士」資格は大きな手助けとなるはずです。

その他のマーチャンダイザー関連資格

マーケティングや経営マネジメントに関する資格

マーチャンダイザーは、小売店の現場における販売のみならず、マーケティングや商品企画、経営管理に至るまで一貫して責任を負う職業です。市場調査などのデータや、マーケティング分析、予算管理など数字を扱うことも多い職業ですので、企業経営に関する資格も得ておくといいでしょう。

企業経営に関する資格としては、例えば、「中小企業診断士」「簿記検定」「ビジネス能力検定」「マーケティングビジネス実務検定」「MBA」などを取得するといいでしょう。MBAとは経営学修士のことで、文部科学省による専門職大学院制度、あるいは従来の大学院修士課程において修得できる、経営学における修士号のことです。

商品展示、売り場における魅せ方に関する資格

マーチャンダイザーに求められる販売戦略の一つとして重要な位置を占めるのが、実際に売り場でどのようにディスプレイを魅せるかということです。魅力的な商品陳列や展示、ポップアップなどで消費者への訴求を行うためには、ビジュアル的な美的感覚が非常に重要になってきます。

ビジュアルに特化したマーチャンダイザーをビジュアルマーチャンダイザー(VMD)と呼ぶように、マーチャンダイジングにおける見た目重視の販売戦略はそれだけで専門のマーチャンダイザーを置くほど重要視され、ここをしっかりとしておくと大きな効果が期待できます。

ビジュアルマーチャンダイジングに役立つ資格としては、

  • 色彩検定
  • ファッション色彩能力検定
  • 色彩技能パーソナルカラー検定
  • インテリアコーディネーター資格試験
  • 商品装飾展示技能検定

などが挙げられます。商品装飾展示技能検定は国家資格であり、合格率など詳細な試験結果は非公表となっていますが、試験は比較的易しめであるようです。

マーチャンダイザーを目指すなら行きたい学校

経営に大きく関わっていくなら大学で経営学を学ぶのがおすすめ

先に見てきた通り、マーチャンダイザーは商品の開発から仕入れ、販売に至るまでの一貫した工程における責任者としての知識、スキルが要求されます。マーチャンダイザーになるためには企業経営の勉強は大きく役立つことでしょう。

マネジメントやビジネスにおけるセンスに特化した職業とも言えますので、ビジネスに特化した大学に進学し、経営学を修めることが今後のキャリア形成において大きく役立つと考えられます。経営学で大学院まで進めれば、MBAを取得できます。

とはいえマーチャンダイザーになるのに学歴や資格は問われません。販売職としての経験を積み、販売士検定によってスキルの可視化を積み上げてステップアップしたいという人は、大学に行かず高校卒業後すぐに百貨店やアパレルショップへ就職し、実力を積み上げていくのがいいでしょう。

関連資格もほとんどが学歴を問われませんので、学校に行くことが必ずしも効果的とは限りません。しかし、幅広い業務をこなす上で、教養があるに越したことはありませんので、自身のキャリアプランに応じて、進路を決めることが肝要です。

マーチャンダイザーの資格・試験まとめ

資格の有無は問われない、実力が問われる仕事

マーチャンダイザーは資格がなくても、仕事の経験やスキル次第で就職が可能な業種です。しかし、就職する上で、ビジネスや商品陳列に関する資格や、販売士の資格を持っておけば、選考に際して有利に働く可能性は十分にあります。現場経験を積む中で、仕事をしながら資格取得を目指すのもいいでしょう。

総合力が問われるマーチャンダイザーですから、経営学を始めとする教養を身につけることも、販売職を極めることも、どちらも効果的に働きます。自身がどういったマーチャンダイザーになりたいかを常に念頭におきながら、キャリアプランを構築していくことが大切です。

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