庭師の給与・年収は?住み込み・社員・独立開業など働き方によって大きく異なる

庭師の給与・年収は?住み込み・社員・独立開業など働き方によって大きく異なる

庭師は、独特の技術と感性を持っている職人です。その技術は鍛練と長い経験によって培われ、年数を経るごとに深みを増していきます。また、依頼を受けた一軒一軒のご家庭に合わせ、独自の感性で庭造りをプロデュースする力も重要です。そのような専門職である庭師の給与・収入についてご紹介します。

庭師の初任給

社会に出ようとする若者が自分の一生の職業として庭師を志そうとする場合、新人の働き方には、主に2通りの選択肢があります。

その1つは、造園会社などに就職して社員として働きながら仕事に必要な知識や技術を身に付ける方法、もう1つは親方のもとに弟子入りして住み込みで修業をしながら庭師としての知識や技術を学ぶ方法です。

社員として庭師を志す場合の初任給

造園会社に就職すればその会社の社員になるので、毎月決まった給料が支払われます。この場合、社員として最初に受け取る給料が初任給です。その金額は会社によっても異なりますが、10万円から15~16万円といったところです。20万円ももらえれば、業界の初任給としてはかなり高水準といえます。

庭師の給料は技術や実績、経験によって決まっていきます。そのため、この世界に入ったからには最初のうちは下積みの修行期間と考え、収入云々よりも、仕事を通して庭師としての経験と実績を積みながら技術を学び、能力を高めていくことに専念しようと、仕事に励む新人庭師の姿が見えてくるようです。

住み込みで修業をする場合の初任給

親方の家に住み込んで庭師の修行する場合、収入は給与というよりお小遣い程度ということになります。その金額は、入門する親方によっても異なります。

住み込みの場合は、庭師としての修行に専念できる上、住む場所と食費・光熱費などの生活費は不要になります。また、修行のために休みも少ないため、お金があっても使う暇がないので、お小遣い程度の少ない収入でもそれほど気にならないという新人の庭師が多いようです。

住み込みの場合も会社員と同様、実績や経験を積んで技術が上がれば収入も上がっていくので、それを励みに修行に打ち込むことができます。親方の仕事ぶりを身近に接して技術を盗み、直接指導を受けながら修行に専念できるのが、若い庭師にとって、住み込みの良さということもできるでしょう。

庭師の平均給与の統計

庭師の給与は、持っている技術水準や経験、それまで手がけてきた仕事の実績によって上がっていきます。通常は経験年数が長くなればそれだけ技術も上がっていくので、年齢が上がれば収入も伸びていきます。

とはいっても、造園会社はそのほとんどが中小企業なので、一般の会社に比べれば給与水準がそれほど高いとはいえないのが現状のようです。

年齢別にみた社員庭師の平均給与

庭師の年齢別の平均給与は、20代で約17万円、30代で約22万円、40代で約35万円前後です。具体的な金額は会社によっても異なりますし、持っている技術力やそれまでの実績、手がけてきた仕事の経験の種類などによる個人差もあります。

庭師の世界では多くの場合、若いうちは収入が少なくても修行の時期。将来は独立開業して自分の能力を生かして高収入につなげようという意識と目標を持って仕事に取り組んでいます。

また、庭師の方々は本当に好きでこの仕事に就いているという方が多いので、低収入の苦労はそれほど気にならず、むしろ好きな仕事に専念しながら技術の向上を目指していける環境を喜びとして働いているという方がたくさんいらっしゃることに気づかされます。

自分が手がけてきた庭造りが完了した時の達成感や、依頼主であるお客様が喜ぶ姿に接するのは、庭師にとって経済的な収入を超えた大きなやりがいだといえるのです。

求人から見た庭師の給与

庭師の仕事は、雨の日には仕事ができないなど、天候によっても左右されるものです。1日作業ができないと、その日は収入につながりません。

また、庭造りの仕事は依頼によって発生するので、せっかく会社にスタッフがそろっていても、仕事の依頼が少なければ人件費に必要な収入も見込めません。そのため造園会社によっては、必要な時だけ働いてくれる日雇いの契約社員や業務委託、アルバイトを多く募集し、採用しているところもあります。

日雇いで働く場合の給与額は、時給制を採用している会社では1時間当たり850円~1,200円程度というのが一般的です。中には時給1,700円という高額が提示されている会社もありますが、こちらはすでに高い技術を持っている庭師に向けて業務委託をする際の金額でしょう。

造園会社で日雇いの労働者を募集しているところは、ほとんどの場合日給制を採用しています。その際の一般的な金額は、1日あたり9,000円~12,000円といったところです。中には27,000円など提示している会社もありますが、こちらも高額な時給と同様、高い技術を持っている庭師か、すでに独立開業している庭師に業務委託をする際の金額だと考えられます。

このスタイルで働く庭師の月収は、日給額に働いた日数をかけた金額になります。日給1万円の場合20日間働くことができれば、その月の収入は20万円ほどになりますが、天候不順のため作業が出来ない日が多かったり、仕事の依頼が少なかったりする月もあるので、安定した収入を得られるとはいえないのが、このスタイルによる働き方の特徴です。

庭師の年収統計

社員や親方付きの庭師の年収

造園会社の社員や契約社員として庭師の仕事をしている場合の年収は、仕事の実績や技術の向上によって昇給があるとはいえ、それほど大きな伸びは期待できません。一般の会社に勤める会社員と比べても、まだまだ少な目であるというのが現状です。

主に社員として働いている庭師の年齢は20代~30代の方が多いのですが、その年収は300万円以上400万円未満という方の割合が最も多く、次いで多いのが300万円未満の方です。収入面での不満はあるものの、仕事のおもしろさややりがいを感じられるから、それで良しとしようと思って働いているというのが、社員として働く若い庭師の方々の気持ちです。

また、親方のもとで修業しながら仕事をしている庭師も、ある程度技術が身に付けば新人の頃お小遣い程度だった収入から給与と呼べるまでに金額はアップしますが、それでも社員として働く庭師に比べると少な目だというのが実情です。こちらのケースでは年収300万円以下の人の割合が多くなっています。

このように親方のもとで働いている庭師の方は、早く一人前になって独立開業することを目指し、修行と仕事に励んでいます。

独立開業で収入アップ

庭師として自分の持っている技術や感性を生かして思う存分仕事をするためには、独立開業して個人のお客様などから仕事の依頼を受けるという働き方があります。高い年収を得ている庭師の多くは、自分で開業して仕事の依頼を受けているというケースがほとんどです。

庭師の仕事は個人宅の庭造りの依頼を受けて行うのが主な仕事ですが、庭造りを手がけた庭園の年間管理や、不動産屋からの依頼、公園やゴルフ場など公共の場での造園工事の仕事が入れば、安定した高収入も夢ではありません。

ちなみに、ある庭師の方が受けた中で最も高額だった仕事は、工期が8カ月で合計1,300万円。このような大きな工事の場合、かかった費用は主に植木や石材などの材料費と人件費、そして収益に3分割されます。つまり、実際に収益として手元に残るのは、依頼主から受け取った合計金額の3分の1程度の金額になります。

独立開業して庭造りの依頼を受ける際には、自分で金額を設定しなければならないため、見積もりの計算も難しいのですが、相場を参考にして自分の実績や経験、技術に見合う金額を考慮して設定することができます。

また、庭造りの依頼を1件受けると、そのお宅からはその庭園の年間管理の仕事も継続して依頼されるので、安定収入を得ることが可能になります。

庭師の給与・収入まとめ

低収入でも仕事のおもしろさとやりがいを求めながら独立開業で高収入も目指せる庭師

親方のもとで修業したり、造園会社に勤めたりしながら仕事の経験を積んでいる若い庭師にとっては、決して豊かな収入を得られる仕事ということはできません。

しかし、その下積みの間に技術を磨き、経験と実績を積み、独立開業を果たしてたくさんの仕事の依頼を受けることができれば、高額の収入を得る事が可能な職業だということができます。

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庭師の参考情報

平均年収300万円~400万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種自然・動物

統計情報 出典元:

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