司法書士になるには?求められることや向いている人の特徴などを具体的に解説
司法書士になるためには、司法書士試験に合格する必要があり、その後、司法書士会への登録が求められます。司法書士には年齢制限がなく、学歴も関係ないので誰にでもチャンスがありますが、責任感や強い精神力、几帳面さなどの適性が求められます。本記事では、司法書士になるために求められること、向いている人の特徴などについてご紹介します。
司法書士になるには何が必要?
司法書士になるには難易度が高い司法書士試験への合格が必須
司法書士になるには、法務省が認定する国家資格の司法書士試験に合格しなければなりません。
法務省が主催する司法書士試験は年に一回行われ、難易度も非常に高く、合格するまでに数回受験する人もいます。試験は筆記試験と口述試験があり、両方に合格する必要があります。
司法書士会への登録
司法書士試験に合格したなら司法書士会への登録が必要になります。全国で開催される研修に参加の上、カリキュラムを修了して初めて、司法書士として活動できるようになります。
司法書士会の実施期間や内容は各司法書士会によって異なりますが、配属研修を必須条件にしている会もあります。配属研修とは数カ月程度、司法書士で働き事務経験を積むシステムです。
司法書士試験を受ける前に、自分が登録したいと思っている司法書士会の条件を確認しておくといいでしょう。登録を完了した後に、業務違反や不祥事などを起こして、除名処分を受けると、司法書士の資格を持っていたとしても司法書士の業務を行なうことができなくなるので要注意です。
登録の費用
司法書士会への登録には10万円程度の登録手数料が掛かり、新人研修をうけるなら宿泊代など20万円程度の出費が必要になります。個人差がありますが、司法書士試験に合格した後に30万円ほどの費用が掛かることを念頭に置いておきましょう。
司法書士試験に年齢制限はない
司法書士試験には年齢制限がないので、何歳の人でも受験することができます。大学在学中でも、高齢者でも試験に合格して司法書士として活躍することが可能です。
司法書士の平均年齢は30~40代となっていますが、社会人として別の仕事に就いていたものの、可能性を広げるために司法書士試験にトライして司法書士になっている人もいます。
医師や歯科医師になるためには特定の学校を卒業する必要がありますが、司法書士には学歴は関係なく、すべての人が司法書士試験を受験することができます。
司法書士試験を受けずに司法書士になる方法
司法書士試験を受けなくても司法書士になれる方法があります。実は、裁判所事務官や検察事務官を10年以上務めるなら、法務大臣から司法書士としての認定をもらうことができます。
最低でも10年の期間が必要になりますから、今すぐにというわけにはいきませんが、確実性の高い方法です。すでに、裁判所や検察事務官として活躍しているなら司法書士への転向を検討してもいいでしょう。
司法書士に向いている人、適性がある人
責任感
司法書士は人の人生に大きな影響を与える職業です。法律の解釈が難しかったり、当事者同士のやり取りが複雑な時もありますが、どんな時でも責任感をもって最後まで仕事を全うする姿勢が必要です。
曖昧な理解のまま案件を処理してしまったり、途中で仕事を投げ出してしまうような司法書士は依頼人から信頼を得ることはできませんし、司法書士の世界で活躍することができないでしょう。どんな仕事にも言えることですが、特に司法書士には責任感が必要です。
コミュニケーション能力
司法書士に案件を依頼する人の境遇は様々です。金銭トラブルや財産上の問題などを抱えており、まずは相談者の悩みを的確に聞き出す必要があります。十分に意思を通わせたあと、最適な解決策を提示してあげることで司法書士としての信頼を得ることができます。
相手に対して横柄な対応をすると評判が悪くなりますし、新規営業開拓にも悪影響が及びます。こちらの言い分を理解してもらい、スムーズに問題を解決するためにもコミュニケーション能力が欠かせません。
几帳面さ
不動産登記や商業登記など、司法書士は人の財産を取り扱います。そのため、書類作成などの作業をミスなくこなす能力が必要です。必要とされている仕事内容を的確に判断して、確実、且つ几帳面に処理していかなければいけません。
また、取り扱う書類の保管などにも注意を払います。重要な書類を紛失したり、漏洩すると依頼人の重要財産を損なうことになるかもしれませんし、取り返しのつかない事態になる可能性もあります。些細なミスも見過ごさない几帳面さは司法書士に必要な適性と言えます。
ビジネス思考
司法書士は独立しやすい仕事と言われているので、将来、自分で事務所を構えたいと思っている人も多いでしょう。確かに、独占業務を有する士業ですが、司法書士として成功するためにはビジネス思考が欠かせません。
実際、司法書士の業務は多様化しており、新しいアイデアを考えだし、行動できる人がチャンスをつかみ取っています。資格起業家という言葉も聞かれるようになっているので、司法書士資格を持っているから…と安心するのではなく、新しいことを生み出していくという前向きな姿勢も重要になります。
マルチタスクをこなせる能力
司法書士は案件ごとの報酬を受け取ることが多く、一人の司法書士が複数の案件を抱えることもあります。一つの案件に縛られてしまうのではなく、時間を有効に使ってマルチに活動できる人の方が司法書士として活躍しやすいでしょう。
一概には言えませんが、司法書士に支払われる報酬は数万円から20万円程度のものが多く、効率よく案件を処理していく能力が必要です。
継続的に勉強できる人
司法書士は法律の専門家なので、法改正が行われるたびに情報を更新していく必要があります。古い情報と知識に固執するのではなく、常に新しい情報に触れる意欲と努力が求められます。
司法書士の研修会に出席したり、関係する省庁の情報に目ざとくあるなど、継続的に勉強できる人が適しています。法律の得意分野を広げるなら、自身の営業活動につなげることもできますし、高額案件の依頼を受けて年収をアップさせることも可能です。
強い精神力
司法書士は休日を返上して依頼者の案件を処理したり、複雑な書類を急いで仕上げなければいけないこともあります。重要度の高い依頼を受けると、プレッシャーを感じることもありますが、それらに左右されず仕事をこなしていかなければいけません。
高度な専門家として立ち振る舞うためには、強い精神力が必要になり、自分の体力や精神面を上手にコントロールできる人が適しています。
司法書士になるための学校
独学でも司法書士になれる
司法書士になるために学歴は関係なく、特別な学校に通う必要はありません。つまり、司法書士試験に合格して司法書士会に登録すれば、制度上は独学でも司法書士になることができます。
しかし、司法書士試験では法律の問題が幅広く出題され、合格率も非常に低くなっています。そのため、効率よく学習を進めることが重要になり、合格者のほとんどが大学や専門学校、通信教育などを利用しています。
司法書士試験に合格するためには、自分のライフスタイルにあった学校に通うのが現実的でしょう。
大学に通うなら法学部が有利
司法書士になるための専門知識を習得できる大学というものはありません。しかし、司法書士試験は民法や商法などから問題が出題されるので、法学部の法律学科や法学科が有利になります。法学系の大学で法解釈の思考を身に着けることで司法書士試験に合格できる確率が高くなります。
大学によっては課外授業として、司法書士試験対策講座を実施しているところもあり、事前に試験対策を行うことが可能です。また、法学系の大学では、法曹界での人脈が作りやすかったり、司法書士に関する情報を共有できるというメリットもあります。
専門学校なら法律系か専門コース
司法書士になるために専門学校に通いたいと思っているなら、法律系の学校を選ぶといいでしょう。学校によっては法律系に特化したカリキュラムを少人数制のクラスで受講できるものもあり、効率よく学習を進めることができます。
また、司法書士試験対策コースを用意している学校もあり、比較的短期間で資格取得を目指すことができます。授業の時間帯も生徒の需要にマッチしたものになっており、日中に集中して学習するコースや社会人向けに夜間や休日をメインにしているものがあります。
自分の生活スタイルと学習内容に会ったカリキュラムを選ぶ必要があり、事前にパンフレットを請求するなどの調査が必要です。
資格スクール
大学や専門学校に通う時間がないという人のために、資格スクールというものがあり、通学や通信制の場合が多いので、自分の都合に合わせて学習することが可能です。
それらのスクールでは、司法書士試験に合格することに特化したカリキュラムが用意されており、経験のある講師陣から効率よく司法書士のなる秘訣を学習できます。
また、参考書をベースにして、インターネット授業を提供している場合もあり、社会人としてまとまった時間が取れないという人も隙間の時間を使って勉強できます。
大学や専門学校と比べると費用が安いというメリットがありますが、自分のスケジュールに従って学習する必要があるので強い意志力が求められます。
司法書士になるには?まとめ
司法書士になるには責任感や強い精神力などの適性も必要
司法書士になるためには司法書士試験に合格する必要があり、その後は司法書士会への登録を済ませることで本格的に活動をスタートすることができます。
司法書士になるために年齢制限はなく、特別な学校に通う必要もないので誰にでもチャンスがあります。司法書士は人の生活に影響を与える業務を行なうため、責任感や強い精神力、コミュニケーション能力などの適性が必要です。
大学や専門学校、資格取得をサポートしてくれるスクールに通うなら効率よく学習でき、司法書士になるという夢に近づくことができます。
司法書士の参考情報
平均年収 | 250万円~600万円 |
---|---|
必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | 国家資格 |
職業職種 | 法律・政治 |
司法書士の関連記事
「フォロー」をお願いします
最新情報をお届けします