司書になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説

司書になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説

静粛な図書館で働くことのできる司書は女性に人気の職業です。最近では自治体が運営する図書館だけではなく民間が管理を委託される図書館も増加傾向にあり、人気を呼んでいます。この記事では地域になくてはならない図書館で働く司書になるには、どのようなスキルや特性、資格が必要なのかをお伝えします。

司書になるには何が必要?

司書に必要なのは、本と人を繋げる情熱と司書資格

司書の仕事は本と人を繋ぐことを最大の目標としています。その目標に向かう過程で本を選定、収集、分類するのが具体的な仕事内容となっています。図書館で働く司書を見ると、静かな環境で穏やかに仕事をされている姿を目にすることが多いですが、実態は膨大な本や資料と向き合い、多くの人に情報提供を行う日々を送っているのです。

そのため「読書が好き」「本が好き」という気持ちだけでは、長くモチベーションを保つのが難しい仕事です。本の力で人や地域を元気にすることに情熱を捧げられる人は、司書の仕事に大きなやりがいを得ることができるでしょう。

リサーチ力が活かされる仕事

司書には「レファレンス・サービス」という仕事があります。これは、図書館の利用者から本の検索依頼があった場合、適切な本を探し出し、関係する本を紹介するサービスのことを指します。最近では、インターネットの普及により、本や文献のリストなどを効率的に探し出すことができるようになりました。

一つの図書館だけではなく、全国の図書館に所蔵されている文献の検索が可能となったため、司書による情報提供の幅が広がっています。例えば、「西郷隆盛」の文献を探している利用者に対して、西郷隆盛に関する文献だけではなく、西郷隆盛に大きな影響を与えた勝海舟や大久保利通などの資料も紹介するなど、柔軟に対応することができるのです。

インターネットに司書のリサーチ力を加味することで、利用者に豊富な情報提供をすることが可能となっています。

多様な世代とのコニュミケーション能力が必要

司書の重要な仕事として、来館者や電話による問い合わせがあった場合など会話の中から何が知りたいのかを把握し、最善の情報提供をすることが求められます。

特に規模の大きい図書館の場合、複数人のスタッフと一緒に働くことになります。そのときもスタッフとコミュニケーションを取りながら、来館者への情報提供に努めなくてはいけません。取り扱う本が専門的になればなるほど多くの人と協力しながら働く必要が出てくるため、コミュニケーション能力は司書にとって欠かせない要素となります。

本の読み聞かせや未返却本の督促も行う

学校図書館や公立図書館に勤務する司書は、子どもたちへ本を読み聞かせる仕事も担っています。特に公立図書館では未就学児へ絵本の読み聞かせをする機会が多く、集中力を長く保つのが難しい小さな子どもたちにも絵本を楽しんでもらう工夫が必要です。

また公立図書館は年代を問わず様々な方が来館します。中には飲食禁止の館内で物を食べてしまう方、学習室以外の机で長時間学習し独り占めする方など、適正なルールを守れない利用者がいます。そのような方に対して注意や指導するのも司書の仕事になります。このときも利用者とトラブルにならないように注意しながら、ルールを守ってもらうよう指導するコミュニケーション能力が必要になります。

さらに本の返却期限を過ぎても未返却の借主に対して、返却を促す督促の電話をかける仕事も担当します。このときも司書のコミュニケーション能力が試されます。司書の仕事は本と向き合うだけのイメージがありますが、実は高度なコミュニケーションが必要不可欠な仕事なのです。

企画力が必要な仕事

数ある図書館の中でも公立図書館に就職した場合、本と地域を繋ぐ企画力が必要になります。公立図書館は地域に開かれた場所であり、本をきっかけとした交流の場となっています。

例えば、子ども向けに絵本の読み聞かせ会や大人向けの朗読会などを開催することもあれば、本の閲覧室に特集コーナーを創設することもあります。どのような企画が来館者に喜ばれるのかを考えるのも司書の重要な仕事の一つとなります。

司書や司書補の資格があると、就職活動で有利になる

図書館で働く場合、パートタイマーなどの非正規労働であれば司書の資格は必要ありません。ただし正社員として司書の仕事をしたいという方は、司書の資格を取得しておいた方が就職活動時に有利となります。

司書の仕事は非常に人気のある仕事であり、求人数もそれほど多くないのが現状です。その理由として公立図書館や学校図書館で勤務する司書は公務員として採用されます。しかも司書は女性が多い職種です。

そのため一度公務員の司書として採用されると、結婚や出産を経たあとも安定的に働くことができるのです。1人の司書を採用すると定年退職するまで勤め上げる方が大半を占めるため、なかなか新規採用枠が空かないという状況となっています。正社員の司書で採用されるには非常に狭き門であるため求人倍率も高く、司書の資格保持者が優先して採用される傾向にあります。

司書の資格取得方法

  • 大学や短大で司書養成科目の単位を取得する。
  • 大学、短大、専門学校卒業後に司書講習を受講する。
  • 高校卒業後に司書補講習を受けて「司書補」となり、3年以上の実務経験を積み、司書講習を受講する。

上記のいずれかの方法で司書の資格を取得することができます。

司書に向いている人、適正がある人

膨大な量の本を整理する几帳面さと体力が必要

司書の仕事の一つに「本の分類」があります。これは本がどの棚にあるのかを利用者に分かりやすく明示することを目的に、本の背表紙に貼ってあるラベルと本を収納する棚を繋ぎ合わせる作業のことです。

新しい本を追加する場合や棚を全て入れ替える場合は、間違いなくラベル作成する必要があります。本の分類は緻密な作業となるため、几帳面な性格で整理整頓することが好きな方は司書の仕事に向いていると言えるでしょう。

また図書館の規模にもよりますが、館内の蔵書数は約100万冊~900万冊といわれており、小規模図書館の司書であっても膨大な量の本を管理する必要があります。そのため数多くの本を分類し、整理するには体力が必要です。

特に学校図書館の場合は常駐の司書が1人のみという場合が多く、1人で本の整理・分類するのに大変な労力を費やします。司書の仕事はデスクワークのイメージが強いですが、実態は体力を使うことの多い仕事です。

本の力で人や地域を元気にしたい人は、図書館運営に向いている

近年、公立の図書館の運営を民間に委託する自治体が増加傾向にあります。特に図書館管理を任されることが多いのが、全国展開している大手本屋とNPO法人です。全国展開の本屋として有名なTSUTAYAの運営する図書館は、館内に喫茶店や音楽コーナーなどが併設されたことから来館者が急増し、大きな話題となりました。

またTSUTAYA以外の民間管理団体として司書仲間で立ち上げたNPO法人や、子どもたちへ読み聞かせ会を開催していた保育士たちが集まってできたNPO法人などがあります。それらのNPO法人は、地域の図書館を自分たちの手で守るという方針の基に、図書館を運営しています。

図書館で司書として採用されるには司書の資格を持っておいた方が就職に有利ではありますが、図書館を主体的に運営する側としてNPO法人などを立ち上げる場合は、優先順位として司書の資格を取得するよりも志と行動力が最も重要になります。

地域の図書館は自分たちが運営し本で地域活性化をするという強い気持ちがあれば、自ら図書館の管理者となる選択肢もあるのです。

司書になるための学校・教育

大学や短大在学中に司書の資格を取得する方法

平成30年4月1日時点の文部科学省「司書養成科目開講大学一覧」によると、合計203の大学や短大で「司書養成科目」を開講しています。中には通学だけではなく通信講座による受講が可能な大学もあるため、学生にとって受講しやすい環境となっています。

司書養成科目を開講する大学数

分類 大学数
国立大学 9校
公立大学 5校
私立大学 134校
公立短期大学 3校
私立短期大学 52校

大学在学中に司書養成科目を受講する場合、多くの学生は司書に関すること以外の学部で専門分野を学びながら並行して司書資格を取得しています。さらに本気で正社員の司書を目指している方は、公務員試験対策も必要です。

最近では大学の勉強に加えて、公務員専門予備校に通うなどして公務員試験対策をする学生が増えています。司書は特に人気の仕事であるため、ライバルの応募者に差をつけるには公務員試験対策は必須と考えたほうが良いでしょう。

大学・短大・専門学校を卒業後に司書を目指す場合

大学や短大を卒業した方は卒業後であっても条件に該当すれば「司書講習」を受講することで、司書の資格を取得することができます。その条件というのは、大学に2年以上在籍し62単位以上取得していることです。

その年度によって「司書講習」が開催される大学は異なりますが例年、夏季休暇の期間中に集中講義が行われます。講習期間は約2ヶ月間とする大学が多く、費用は大学によって異なりますが約15~20万円となる場合が多いです。

平成30年度司書及び司書補の講習を実施した大学

  • 富士大学
  • 聖徳大学
  • 明治大学
  • 鶴見大学
  • 愛知学院大学
  • 桃山学院大学
  • 別府大学

なお、年度によって司書講習を実施する大学は変わります。

専門学校の卒業者が司書講習を受講する場合

専門学校の卒業生が司書を目指す場合、条件次第で司書講習を受講することができます。ここでいう司書講習の受講が可能な専門学校とは、専修学校のうち専門課程を設けており、修業年限が2年以上で総授業時間数が1,700時間以上のことです。

この条件にあてはまる専門学校を卒業した方は、上記の大学で司書講習を受講し、司書の資格を取得することができます。

司書になるには?まとめ

司書には本と人を繋げる熱い情熱が必要!司書の資格があれば就職に有利!?

司書になるには本に対する情熱に加えて、リサーチ力やコミュニケーション能力が必要不可欠です。さらに膨大な量の本を整理するための体力や忍耐力がないと務まりません。

また公務員の司書として就職するには、司書の資格取得と公務員試験対策をする必要があります。司書の資格取得は、大学などに在籍しながら取得する方法と卒業後に司書講習を受講する方法があり、自身の状況に合わせた資格取得が可能です。

司書の参考情報

平均年収300万円~400万円
必要資格
  • 司書(図書館司書)
  • 司書教諭
資格区分 国家資格
職種教育・保育

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