陶芸家になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説

陶芸家になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説

陶芸家は、一人一人違った按配で土を捏ね上げ、成形し、磁器、陶器、土器などを生み出します。いい陶芸品を生み出すためには、綿密な計算と、経験による勘のようなもの、芸術的な美を追求するセンスなどが陶芸家には求められます。今回は、陶芸家に向いている人の特徴や、必要なスキルについてご紹介します。

陶芸家になるには何が必要?

ものつくりが好きで、自分なりの作り方を見出せる力

陶芸家には、第一に、「ものつくりが好きであること」が強く求められます。

陶芸という技術は、土というどこにでもあり、不確定要素の強いものをベースにして、きらびやかで美しい磁器、重厚さと上品さを兼ね備えた陶器、シンプルで扱いやすい土器など様々なバリエーションのある製品を生み出すことができる技術です、アイディア次第でいくらでも応用がきくので、基本的にものつくりが好きでないと、魅力のある陶芸品は生み出せないでしょう。

いくら伝統的な工法を守り、受け継いでいるとは言っても、個々人によって制作する際の土の扱い、水分量や捏ね方、成形の仕方、焼き方などには様々なバリエーションや分量の違い、細やかな装飾の違いなどは必ず生まれます。こうした違いが生まれるのは、伝統的な工法を守っている工房の場合、陶芸家一人一人が土作りから仕上げまでを一貫して引き受けているからです。

工業生産品はまた別ですが、伝統的な工法を用いて陶芸家として作るものに対して、自分なりの作り方や細かな調整の按配、工法の違いなど、自分で自分に最も適した工法を探し当てることができる能力も、陶芸家には欠かせないものです。

伝統的な陶芸は人間が作るからこその魅力を出すことによって、唯一無二の作品が生み出せる源泉を持っています。古来より受け継がれてきたことによって、数多の失敗例も生まれていますが、それも先人たちが常に新たな試みを絶やさなかったという証でしょう。

そうしたことに対してワクワクするような気持ちを持つことができるかどうかが、陶芸家として生きるかどうかにも密接に関わってくるはずです。

手先が器用であること

これは陶芸のみならず、すべてのものつくりに言えることですが、特に立体物を作る仕事の場合、手先の器用さは必須です。

いくら細やかな装飾が得意であっても、全体の重力のかかり方や立ち具合がめちゃくちゃでは、造形物は一気に崩れてしまいます。平面のイラストなどではなんとかなる場合もありますが、立体物の場合は、高さ、奥行き、幅が適正でないと、すぐさまアンバランスになってしまいます。

特に焼成前の陶芸品は土なので、非常に柔らかく、繊細です。焼きあがったときのことも考えながら、最低限綺麗に成形する必要があります。細かに土から空気を抜き、水分量を調整する際にも、手先の器用さが大きく問われます。手先が不器用な人は、力のかけ方に偏りが出たり、完璧な対処が技術的に行えなかったりするので、結果的に器が割れてしまったり、穴が空いてしまったり、取っ手が壊れてしまったり、致命的な失敗をしてしまう可能性が高まります。

最低限の手先の器用さは、特に実用性の高い食器などを作ることが多い陶芸家には必須の能力でしょう。

陶芸家に向いている人、適性がある人

集中力が高く、何かを始めると没頭してしまう人

陶芸家は、実用品にせよ、芸術品にせよ、一人が一つの作品の最初から最後まで丁寧に向き合って作ります。土から不純物を細かく取り除いたり、土と水のバランスを細かく調整したり、成形する際に細かく空気を抜いたり、轆轤を回す際の遠心力を含めた微妙な力加減を調整したり、どの工程でも繊細な気遣いが必要です。

集中力を高めて一気に作業を行わないといけない仕事ですので、短期的、あるいは中長期的に集中力を発揮できる人が陶芸家に向いています。また、様々な工程の段取りをしっかり組み立てながら、頭の中と手を両方動かせる人だと尚いいでしょう。一つのプロセスの細かな失敗あるいは工夫が、作品の出来を左右してしまうので、注意力が散漫になってしまうと、失敗する確率が飛躍的に上がってしまいます。

作業にメリハリをつけて、集中するときに一気に作品に全感覚を集中できる人は、陶芸家に向いていると言えるでしょう。

焼きものが好きで、美術が得意な人

陶芸に従事する者に最も大切な感性は、「焼きものが好きであること」と言われます。

昔から「好きこそ物の上手なれ」とも「下手の横好き」とも言いますが、陶芸の場合、一人の陶芸家が一貫してすべての作業工程を任されますので、焼きものに対する思いが強いほど、一つ一つの工程に対して親身に対応できますし、空気抜きや釉薬を施す際も細やかな対処ができます。

こうした一つ一つの細かい対応に一つでも抜かりがあると途端に失敗してしまうのが陶芸ですから、作業全体にわたる細やかなバランスづくりを生み出すことが非常に大切になってきます。その際に重要となるのが、焼きものが好きであるという気持ちです。

また、陶芸には乾燥の過程で細かく溝を彫り、釉薬などによって下絵、上絵を細かく施していく工程のものもあります。こうした装飾のセンスが問われる工程に関しては、美術が得意な人でないと難しいものがあります。

こうした装飾を重視するにしても、装飾を前提とした下地作りも含めて最適なバランスを保っておく必要があります。油絵などもそうですが、美術が得意な人は、最終的な仕上がりを想定する能力も上がりますので、そうした下地作りも自然と得意になっていきます。

作りながら工夫を思いつける柔軟な発想力を持った人

陶芸は、先に述べたとおり、いくらでもアイディア次第で応用が効く技術です。基本の基本さえ忠実に守れていれば、改変はいくらでも可能です。実用性が問われる器の場合は最低限の機能性がないと話になりませんが、芸術品として陶芸を作る場合もあります。そうした場合、可能性は無限大です。

例えば機能性の高い器を作るにしても、陶芸は工程の中の些細なところの微調整が、後々に大きく影響を与えるものなので、非常に繊細に気を遣いながら作らないといけないのは間違いありません。ですが、一人の陶芸家が最初から最後まで担当するので、随所に工夫を取り入れることが非常に大きな効果を生むことにも繋がります。

またアクシデントが起こり、失敗することもあるでしょう。そうした時、失敗を失敗とみなして捨てる前に、この失敗を生かせないだろうか、他の工程でカバーできないだろうか、新しい利便性が生まれないだろうか、と直接手で触りながら考えることも大切です。

そうしたことが思いつける楽しみは、一人で最初から最後まで全て担当できる陶芸の魅力でもあります。

陶芸家になるための学校・教室

陶芸を学べる美術系の大学や専門学校にいくのがお勧め

陶芸には、様々な器具や大きな窯などしっかりとした設備が必要です。美術系の大学で陶芸のコースがある場合は、大学内にそうした専用の施設が設けられていることが多いので、日々実践的な陶芸制作を学ぶことができるでしょう。

また、陶芸を専門に学べる専門学校もあります。専門学校はその道のプロが講師を務めている場合が多いので、より実社会で仕事として陶芸に打ち込むためのノウハウを持っている講師陣が揃っているという魅力があります。ですので、商業的な意識を重視した陶芸制作が行えるという利点があります。

それぞれに良さがありますが、芸術性の高い陶芸を志望する場合は、美術系の大学に進むといいでしょう。美術系大学の最高峰である東京藝術大学にも、陶芸専攻が用意されています。

またあまり知られていませんが、陶芸を学べる高等学校もあります。中学卒業前に陶芸の道を目指すと決めたなら、高校から陶芸を学ぶのもいいでしょう。どんな分野でも取り組む時期は早いに越したことはありません。

例として、神奈川県立上矢部高校には美術陶芸コースがあり、長崎県立波佐見高校にも陶芸デザインコースがあります。岐阜県の多治見工業高校にも、陶磁科学芸術科という専攻が用意されています。

陶芸家になるには?まとめ

専門的な設備のある教育機関で腕をしっかり磨こう

陶芸家にとって大切なことは、自分なりの個性を見出す前に、伝統的な手作業による技法を身体の隅々まで叩き込んでしまうことです。それが血肉となり、骨となります。伝統的な技法は先人の知恵です。それをベースに、自分に見合ったバランス感覚を経験によって身につけることが大切です。

そうした伝統的な技法を学ぶのは、早いに越した事はなく、志が早ければ、高校から陶芸コースを専攻するのも一つの手です。陶芸家に明確な資格は必要ないため、自分の手で生み出せる製品の完成度、独創性が物を言います。

伝統をしっかり受け継ぎながら、需要に応えていく器の広さも保ちながら、好きな作業に打ち込めることほど楽しい事はありません。楽しんで作業に取り組み、自分なりの陶芸をとことん追求していくことが陶芸家の務めです。

陶芸家の参考情報

平均年収200万円~300万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職種広告・デザイン・アート

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