陶芸家の資格・試験とは?役立つ資格の特徴や試験の難易度、合格率などを解説

陶芸家の資格・試験とは?役立つ資格の特徴や試験の難易度、合格率などを解説

陶芸家にとって資格取得はそれほど重要ではないと思われがちではないでしょうか。ですが資格取得が有利になる可能性もあります。今回はこの記事で、陶芸に関する国家資格、公的資格の試験内容や民間資格などの情報をご紹介いたします。

陶芸の資格、陶磁器製造技能士資格について

陶磁器製造技能士は国家資格

陶磁器製造技能士は、都道府県知事が実施する国家試験で合格をした者のことで、その者だけが 陶磁器製造技能士と名乗ることができる資格です。

この検定試験は、選択科目として「手ろくろ成形法」、「絵付け作業」、「原型製作法」があり、それぞれ1級、2級の認定を目指すことができます。

ただ、陶磁器製造技能検定試験は受験希望者が減少しているため、現在では3年ごとに実施されている「絵付け作業」以外は廃止、休止となっており平成30年実施においての受験希望者の人数によっては「陶磁器製造技能検定試験」そのものが今後は廃止となる可能性があります。

陶磁器製造技能士の資格の難易度・合格率

陶磁器製造技能士の1級で難易度は普通、2級の難易度は簡単なので挑戦しやすいといえます。

陶磁器製造技能士の概要

合格率 難易度超難関の司法試験、公認会計士の偏差値77であるのに対して偏差値70以下は難易度難関、偏差値60以下は難易度普通、偏差値50以下は難易度簡単を目安として、陶磁器製造技能士の1級は偏差値52で難易度は普通、2級は偏差値44で難易度は簡単に分類されています。
受験資格
  • 1級は、7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験
  • 2級は、2年以上の実務経験

※学歴により実務経験が不要になる

受験費用
  • 学科試験 3,100円
  • 実技試験 16,500円

※都道府県によって異なる場合がある

出題範囲
  • 学科試験(陶磁器製造法、材料、陶磁器一般、意匠図案、安全衛生、それぞれの選択科目であるが平成30年度は絵付け法のみ)
  • 実技試験(それぞれの選択科目であるが平成30年度は絵付け作業のみ)

陶芸の資格、伝統工芸士の資格について

伝統工芸士は、経済産業大臣指定の伝統的工芸品の製造に従事し高度な技術などを持つ技術者として認められた者に対して、伝産法(伝統的工芸品産業の振興に関する法律)に基づいて一般社団法人伝統的工芸品産業振興協会によって伝統工芸士として認定される公的資格です。

伝統工芸士の資格の難易度・合格率

知識試験と実技試験がありますが、幅広い知識と技術が問われます。合格率からすると難易度はそれほど高くはありませんが、経済産業大臣指定の業種は30以上ありますから、それぞれの認定基準によるのでばらつきがあると考えられます。

伝統工芸士の概要

合格率 合格率は約60~68%と言われています。一方、難易度超難関の司法試験、公認会計士の偏差値77であるのに対して偏差値70以下は難易度難関、偏差値60以下は難易度普通、偏差値50以下は難易度簡単を目安として、伝統工芸士の偏差値は65で難易度は難関に分類されています。
受験資格
  • 経済産業大臣指定の伝統的工芸品の製造に従事し12年以上の実務経験を有する者

※各産地組合にて独自の内部規定を設けている場合もある

受験費用 受験料:7,200円
出題範囲
  • 知識試験(伝統工芸品に関する一般知識と技術、技法、原材料、歴史、特色などの専門科目)
  • 実技試験(作業場での工程科目と規定材料での製作による課題審査)

その他の陶芸家に関連する資格

様々な陶芸家関連資格

国家資格、公的資格以外にも様々な陶芸家関連資格が存在しています。いずれも、日本の伝統工芸の普及を目的として設立された一般社団法人や教室によって認定される資格であり、資格取得後の支援体制が整っているものもあります。

それぞれに研修や講座を受けて試験に合格すれば資格を取得できますので、活動をすぐにでも始めたい人にとっては有利かもしれません。

  • 認定陶芸士・認定講師
  • 陶芸療法士
  • アマチュア陶芸家

他にも陶芸教室運営の陶芸スクールによる講師養成講座で陶芸講師を目指せる所もあります。

陶芸家に役立つ資格が取れる学校

陶芸家になるために必要な資格があるわけではありませんが、陶芸家になるために必要な知識や技術を学ぶことができる学校に高校、大学、専門学校、研究所などがありますので幾つかをご紹介いたします。

岐阜県立多治見工業高等学校

岐阜県立多治見工業高等学校は、地場産業の陶器業界を盛り上げる人材を育てるために設立された岐阜県陶磁器講習所(明治31年開設)より工業高校として誕生した学校です。

「セラミック科」、「デザイン科」、「電子機械科」、「電気システム科」の4学科あります。陶芸家になるために必要な教育を受けることができる学科は「セラミック科」で、ファインセラミックスの基礎から陶芸、陶磁器の製作などの専門的知識や技術を取得します。

在学中の取得可能な資格として全国セラミック教育研究会が実施する「全国統一陶芸技能検定」、「セラミック能力検定」、「陶磁器能力検定」があります。

東京藝術大学

東京藝術大学は、昭和24年に創立され、前身は明治20年創設の「東京美術学校及び東京音楽学校」で、「美術学部」、「音楽学部」があります。

陶芸家になるために必要な教育を受けることができる学科は「美術学部・工芸科」で、第1年次は全学共通の授業を履修しますが第2年次後期からは専門課程となり「彫金」、「鍛金」、「鋳金」、「漆芸(漆工・木工)」、「染織」、「陶芸(陶・磁・ガラス造形)」に分かれます。

美術や工芸の教員免許状(美術は日本美術史概説、工芸は工芸理論を必ず修得)の取得も目指せます。

京都伝統工芸大学校

京都伝統工芸大学校は、1995年に伝統工芸技術の後継者を育成するという目的を持つ学校として開校された私立専修学校で、在学中に種々の学位・称号・資格の取得が可能です。

工芸コース(ハイレベルの工芸技術を修得)と工芸クリエイターコース(工芸技術とデザインの融合を重視)の2つのコースがあり「陶芸」をはじめ「木、石、仏像の彫刻」、「木、漆、金属、竹、和紙の工芸」、「蒔絵」、「京手描友禅」といった11の専攻から選べます。

工芸コースは、専門課程の2年制、3年制、高度専門課程の4年制があり、2年制は終了後「同コース3年制」か「同コース4年制」に進学又はグループ校「京都美術工芸大学(美術工芸学科)」に編入することを選択してさらに学ぶこともできます。

取得可能な学位・称号・資格は、2年次は「工芸士(一般財団法人京都伝統工芸産業支援センター認定資格)4級と専門士」3年次は「工芸士3級と専門士」4年次は「工芸士2級と高度専門士」となっています。

工芸クリエイターコースは、高度専門課程の4年制のみで工芸コースからの進学(コースの変更)はできません。取得可能な学位・称号・資格は、4年次に「工芸士2級と高度専門士」となっています。

取得可能な他の資格

4年制のみカリキュラムの中に「放送大学教養学部(人間と文化コース)」の講義を含み、各4年次取得の「高度専門士」の称号は4年制大学卒業と同等の証明のため、卒業時に「学士(大学卒業資格)」が得られます。

「大学院入学資格」も得られますので、他の大学の大学院でさらに学びたい人にとっては大きなメリットとなります。例えば、教員免許の取得を希望する場合、国立鳴門教育大学大学院に入学し3年間の教育を受けるなら教育免許を取得できます。

実際、学校教員採用試験に合格して美術教員となった人もいます。また、教頭や校長になることができる専修免許の取得も目指せます。

さらに、特典として京都伝統工芸大学校の在学期間が「伝統工芸士」、「京もの認定工芸士」の受験資格を取得するのに必要な実務経験(伝統工芸士は12年以上、京もの認定工芸士は5年以上)に加算されるので、さらに資格を取得したい人にとって短期で試験に挑戦できる点で有利です。

充実したサポート

国、京都府、伝統工芸業界支援の学校であるため一流の工芸士による直接授業を受けられるというのは魅力です。

そして、設備が充実しており陶芸実習室では一人一台の電動ろくろを使用して実習に励むことができます。さらに、カリキュラムの約80%が実習の授業ですので実践力がつきます。身につく技術として「ろくろ成形」、「絵付け、「釉薬」、「手びねり」などの技法があります。

また、フランスで名高い「エコール・ブール国立工芸学校」やフランス最大の工芸振興組合「アトリエ・アール・ド・フランス」との提携によって交換留学による国際交流や相互で開催される作品展への出展をはじめイタリアへの海外研修(希望者)など様々な体験や学びの場が広がっています。

もちろん、就職も全国に渡るネットワークによりサポート体制が整っているので全国各地の工房、メーカーで活躍することができます。

陶芸家の資格・試験まとめ

国家資格や公的資格やその他の資格取得で陶芸家を目指す

資格は必ずしも必要でないとはいえ、陶磁器製造技能士や伝統工芸士という国家資格や公的資格は、高い専門的な知識や技術を持つ者として認められているという証明となります。

その他の資格取得についても言えますが、こうした資格の取得が活動を広げ、伝統工芸の普及にも役立つはずです。自分に合った資格取得を目指しつつ陶芸家の道を歩むのもいいのではないでしょうか。

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