DTPデザイナーの資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説

DTPデザイナーの資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説

DTPデザイナーに必須となる資格試験はありませんが、就転職する際にデザイン関係の資格や編集ソフトに関連する資格を有しておくと有利になります。民間の学習スクールでも習得できますし、参考書を使って独学で学ぶこともできます。本記事では、DTPデザイナーに役立つ可能性がある資格や試験などについてご紹介します。

DTPデザイナーに役立つ資格は?

DTPデザイナーに関する国家資格や公的資格はありませんが、関連する資格を保有しておくと就職や転職に有利になるでしょう。

DTPデザイナーはパソコンのデザインソフトを駆使して仕事を行うため、デザインに関係する資格を持っておくと効果的です。どのような資格を持っておくといいのか具体的に紹介します。

DTP検定

DTP検定は企画・デザイン・編集・印刷に関連する業務のレベルを向上させるために作られた資格制度で取得希望者は増加傾向にあるようです。

DTP検定は以下の二つのコースに分かれています。

  • ディレクションコース(DTPII種)
  • ビジネスコース(DTPIII種)

企業での編集職や企画を担当する人のために用意されているのがディレクションコースで、社内向けの資料や事務所に活用できるのがビジネスコースです。

どちらも活用できるシチュエーション別に分けられているので即戦力として活躍できる実用性の高い資格試験になっています。

DTP検定に向いている人

DTP検定では以下の能力を磨くことができます。

  • コンテンツ理解力
  • デザイン能力
  • 編集・レイアウト能力
  • オペレーション能力

DTPデザイナーだけでなく出版社や広告関係のプロフェッショナルを目指す方にもおすすめです。

企業におけるプレゼンテーションや文書作成、カタログやパンフレットなどDTPの活躍できる分野は拡大している一方でDTPを習熟したデザイナーは不足傾向にあると言われています。

DTP検定に合格することで自分をアピールすることができるでしょう。

DTPエキスパート

DTPエキスパートは1994年に開始された検定で日本印刷協会(JAGAT)が主催しています。DTP(DeskTop Publishing)に関係する業務能力が問われる認定試験で印刷・編集を行うための総合的な知識が必要になります。

網羅している分野として以下のものがあります。

  • 製版印刷の基礎知識
  • DTPの基礎知識
  • 編集やデザインの知識
  • 印刷工程の知識
  • 色彩に関する知識
  • DTP業務を行う際に必要になる知識

DTPデザイナーや製版担当者や編集者を目指す人が受験しており、合格しておくことで就職や転職に有利になります。

通常年二回、試験が実施されており、資格の保持期限は2年のため資格を更新するためには再試験を受ける必要があります。

DTPエキスパート検定に向いている人

DTPエキスパート検定は自分のスキルをさらに向上させたい人に適しているでしょう。例えば、印刷会社やデザイン会社に勤務しており、そこからさらにキャリアを伸ばしたい人向けのようです。

DTP検定よりも応用能力が求められるので将来的に活動の幅を広げたい人におすすめです。

デザイン業界で重宝されるその他の資格

DTPデザイナーとして活躍するためにはデザイン業界で知られている資格を持っているといいでしょう。どのような資格があるのか詳しく解説します。

Photoshopクリエイター能力認定試験

Photoshopクリエイター能力認定試験では画像や写真の加工編集の方法を学びます。基本的な操作方法だけでなくプロフェッショナルとしての課題に取り組み、スムーズまた的確に課題をクリアすることが必要になります。

Photoshopクリエイター能力認定試験ではスタンダードとエキスパートという2種類のコースが用意されており難易度も異なります。どの程度のスキル、知識を目指したいのかによって受験するコースが変わるでしょう。

Illustratorクリエイター能力認定試験

Illustratorクリエイター能力認定試験は印刷業やデザイン企業で必須ともいわれているIllustratorのスキルを磨くための資格試験です。

IllustratorはAdobe社が手掛けているグラフィックデザインのソフトですが、高いスキルを持っておくことでDTPデザイナーとしても有利になります。

Illustratorクリエイター能力認定試験はスタンダードとエキスパートに分かれており、与えられた制限時間内に課題をクリアしなければいけません。

合格者の多くは広告代理店やデザイン事務所、Web制作会社などで活躍しており、DTPデザイナーとしての活動の幅も広がるでしょう。

アドビ認定エキスパート

アドビ認定エキスパートはIllustratorやPhotoshop、Acrobatなどのアドビ製品に関する認定資格です。この資格を取得しておけばアドビのソフトウエアに関する知識を有していることを証明できるのでDTPデザイナーとしても有利になります。

アドビのデザインソフトはDTPデザイナーの世界でも必須と言われているので資格取得を目指してみてもいいでしょう。この認定試験には以下の種類があります。

  • 単一製品認定
  • スペシャリスト認定
  • マスター認定

自分の希望する技能レベルに合わせて選ぶといいでしょう。

色彩検定

色彩検定は文部科学省後援の公的資格で公益社団法人色彩検定協会が実施しています。1990年に開始されてから140万人以上が受検したと言われています。色彩検定では色の基礎知識から配色知識などを学習します。

1~3級までにレベル分けされており、自分の能力に合わせて受講できます。DTPデザイナーは色の使い方も熟知しておく必要があるので、色彩検定に合格しておくことで有利になるでしょう。

資格・試験をうけることのメリット

DTPデザイナーになるためには公的な資格はなく、無資格でもDTPデザイナーとして勤務することは可能です。ただし、上記の資格を有しておけば即戦力として活躍できることになりますし、採用側も全くの未経験者よりも優遇して採用してくれるでしょう。

実際、大手の印刷会社やデザインの求人広告を見るとデザイン経験者や関連資格保有者を優遇しているようです。

検定試験を受けることによってデザインの世界を深く知ることができますし、就職後も幅広い分野において活躍することができるでしょう。

DTPデザイナーに役立つ資格の難易度・合格率

DTP検定の難易度

以前、DTP検定は三つのコースに分かれていましたが、2015年3月をもってⅠ種の受験は終了しています。2014年の合格率を参考にするとⅡ種59.6%、Ⅲ種67.8%という結果になっています。

約半数が合格していることを考えると難易度はさほど高くないでしょう。対策をしっかりと講じていれば合格できる可能性はあります。

DTP検定はデザインの資格試験の中でも名の知れた検定です。DTPデザイナーを目指す人だけでなくデザイン関係者も多く受検しており、受験者の延べ人数は5万人近く、合格者は2万人ほどと言われています。関心のある方は受検してみるといいでしょう。

DTP検定はⅡ種とⅢ種に分かれています。それぞれの内容を説明します。

DTP検定Ⅱ種 ディレクションコースの内容

DTP検定Ⅱ種、ディレクションコースの内容は以下のようになります。

■DTPディレクション検定(制限時間90分、問題数100問)
  1. 紙面構成の決定
  2. 原稿発注・確認
  3. フィルム出力・印刷・加工の発注
  4. 各データの作成依頼・修正
  5. 出力依頼

Ⅱ種ではフィルムの出力や印刷・加工、デザインの構成や原稿の発注と確認などを学習します。レベルとしては素人以上プロ未満といったところでしょう。

DTP検定Ⅲ種 ビジネスコースの内容

■DTPビジネス検定(制限時間60分、問題数60問)
  1. レイアウトデータ作成
  2. 写真画像データ作成依頼・修正
  3. 図版画像データ作成依頼・修正

Ⅲ種は写真画像データの作成や修正、レイアウトの作成などを学習します。多少の難しさはありますがデザインの基本的な学習レベルなので初心者であってもしっかりと対策を講じておけばさほど難しい検定ではないでしょう。

DTP検定の受験費用

DTP検定の受験費用は以下の通りです。

  • Ⅱ種 10800円
  • Ⅲ種 10800円

クレジットカードやコンビニエンスストアでの支払いが可能です。

DTP検定のための勉強方法

今ではインターネットを使って通信教育でDTP検定対策を行うこともできます。しかし、基本的にはDTP検定公式ガイドブックを参考にして対策を進める人が多いようです。

また、CD-ROMが付いている参考書を使って動画解説や作例データを参照しながら学習することもできます。ポイントとしては自分に合った勉強スタイルを見つけて、継続的に対策を行うことが重要です。

また、デザインのアプリケーションを全く触ったことがない方であればDTPスクールなどに通って基本的な操作方法習得するのもいいでしょう。参考書だけでなく実際に手を使って学習することによって楽しみながら習得できます。

DTPエキスパート検定の難易度

DTPエキスパートの合格率は40~50%程度と言われています。約半数が合格することを考えると正しい対策を講じれば難易度はさほど高くないと言えます。

DTPエキスパートは社団法人日本印刷技術協会が主催しており、製版知識を幅広く網羅している民間試験です。受験資格はなく、興味ある人であれば初心者でも受験できます。

DTPエキスパート検定の受験費用

DTPエキスパートの受験料は20,000円となっており、先のDTP検定よりも高い設定になっています。一概には言えませんが、DTP検定はこれからDTPデザイナーを目指したい人や就職活動に向けて準備したい人に人気のようです。

一方、DTPエキスパートはすでに印刷会社やデザイナーとして活動しており、さらなるキャリアアップを目指して受検する人が多いようです。多少の費用の違いはありますが、自分の目指したいキャリアに合わせて受検するといいでしょう。

試験日程とスケジュール

DTPエキスパートの検定は年に二回行われています。基本的には3月と8月になっており、東京や大阪、名古屋などの主要都市で開催されています。年によっては年に一回しか試験が行われない場合もあるので事前に確認が必要です。

DTPエキスパート試験の勉強方法

DTPエキスパートは複数のカリキュラムに分類されており、幅広い知識が必要になります。しかし、基本的には過去の問題を中心として出題される傾向があるため参考書などを使って独学で合格することも可能です。

また、DTPエキスパート検定は選択式の回答方法となっているため、基本的なポイントを押さえておくと合格率も高くなるでしょう。

もし、絶対に合格したい!と思っているならDTPエキスパートの資格試験対策を行っている民間のセミナーを受講することもできます。DTP検定よりも高い受験料を支払いますからしっかりとした対策を行いましょう。

Photoshopクリエイター能力認定試験の難易度

Photoshopクリエイター能力認定試験にはスタンダードとエキスパートがあります。出題の傾向もコースによって違い難易度も異なってきます。

スタンダードの難易度

Photoshopクリエイター能力認定試験のスタンダードの場合、基礎的な問題が出題されるため難易度はさほど高くないでしょう。実技試験がありますが、基礎的な操作方法が主なので初心者であっても不可能ではありません。

判断基準は実践問題が70%以上、実技問題が65%以上の正解で合格になります。全体の約70%が合格すると言われており、独学でも十分可能性があります。

エキスパートの難易度

Photoshopクリエイター能力認定試験のエキスパート試験は基礎レベルを習得した向けになっており、基礎知識の応用が求められます。

スタンダードコースと比較すると難易度が高くなりますが、合格率はスタンダードとあまり変わらないようです。Photoshopなどのデザインソフトに関する知識があれば十分に合格できる可能性があります。

Photoshopクリエイター能力認定試験の受験費用

  • スタンダード受験料 7,400円
  • エキスパート受験料 8,400円

DTPデザイナーの資格が取れる学校や講座

デザイン系の専門学校

将来的にDTPデザイナーになりたいと思っているならデザイン系の専門学校で学ぶという方法もあります。色や配色に関するデザインに関する基礎知識や編集ソフトの使い方を学習できます。

より実践的なスキルと情報を得ることができるので就職した際、即戦力として活躍できるでしょう。一流の印刷会社やデザイン会社では、デザイン系の専門学校を卒業した人を優先的に採用する傾向があるようです。

もし、DTPデザイナーとしての道に進まなかったとしても他の分野で経験を活かすこともできるでしょう。

民間のデザイン系スクール

民間のデザインスクールでは基本的なデザインの方法やソフトの使い方などを教えてくれます。DTPデザイナーに特化しているわけではないかもしれませんが、全くの初心者の方にとっては基礎知識を蓄える良い場所となるでしょう。

特に社会人や主婦の方など専門学校などには通えない方におすすめです。基本的なスキルと知識を習得してから独学で資格取得を目指す方法もあるでしょう。民間系のスクールには通学型と通信型がありますので詳しく解説します。

通学型

通学型のスクールではマンツーマンの指導を受けることができ、全くの初心者であっても一つずつ理解を深めながら学習できます。最初はわからないことが多く、ちょっとしたことでもつまずいてしまい先に進めないことがあります。

最初は丁寧に教えてもらい、ある程度のスキルが身についてから参考書などで学習するといいでしょう。ある程度のまとまった時間を定期的に取れる方に適しています。

オンライン型のスクール

オンライン型のスクールではインターネットを活用して自宅や他の場所で受講できます。サラリーマンやまとまった時間が取れない方などにおすすめです。

オンライン型の場合、マンツーマンと言っても先生が隣にいるわけではないので、少しの不便さはあるかもしれませんが、画面を見ながら操作をすることができますし、場合によっては遠隔操作で操作方法を教えてくれることもあるでしょう。

事前にカリキュラムや講師陣を良く調べてから入校する必要があります。スクールによっては全く参考書を使わない場合もありますし、スクールが推薦する参考書を購入する場合もあります。もし、関心があるなら資料請求などして情報収集から始めるといいでしょう。

DTPデザイナーの資格・試験まとめ

DTPデザイナーに役立つ資格は専門学校や独学で習得可能

DTPデザイナーは無資格でもなることができますが、プロフェッショナルとして活動するためにいくつもの資格が関係しています。デザイン関係や編集ソフトに関する資格を持っておけば就職の際に有利になりますし、転職に関しても自分を効果的にアピールできるでしょう。

今回取り上げた資格の多くはデザイン系の専門学校で学習することができますが、やる気があれば独学でも習得が可能です。参考書や民間のスクールなどを活用すると効果的な資格対策が行えます。

DTPデザイナーを目指している人は、資格取得に是非チャレンジしてみるといいでしょう。

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