彫刻家になるには?必要スキルや向いている人の特徴などを具体的に解説

彫刻家になるには?必要スキルや向いている人の特徴などを具体的に解説

彫刻家は、彫刻制作で生計を立てる職業です。プロとして食べていける人はごくわずかですが、そんな彫刻家になるには何が必要となるのでしょうか。本記事では、彫刻家になるために求められるスキル、向いている人の特徴などについてご紹介します。

彫刻家になるには何が必要?

第一に、彫刻が好きであることが何よりも不可欠

彫刻家として彫刻制作のみで生活していくことは絵画や音楽で食べていくことよりもはるかに難しいというのが現状です。

絵画や音楽であれば、現在、表現の場や収益モデルは多様化していることから、個人でも食べていける可能性がいくらかでも高まりますが、彫刻、特に大きな彫刻を作って生活していくのはかなり大変です。

まず、彫刻は初期投資が非常に大きくなる傾向にあります。彫刻は立体物であり、小型の彫刻を作り込むにしても、ある程度大きな彫刻を作るにしても、必要な予算が高額になる傾向にあります。木材や粘土であればある程度安価に制作することは可能ですが、金属や石材の場合、加工したり、削り出したりするだけでも大規模な設備を必要とします。

また立体物であることから直接的に魅力や構造が伝わりにくいというのがあります。写真を撮ればある程度特徴を伝えることが可能ですが、彫刻に大切なのは直接見て、感じることです。直接見てもらうにはどうしても置き場所を確保しなければなりませんし、見にきてもらうだけの知名度や実績も積まねばなりません。

そうした障壁がありながらも、それでも彫刻で食べて生きたいと考えるには彫刻が好きであること、彫刻制作が好きであることが何よりも大切です。

自分を的確に売り込む事ができる能力

彫刻家として知名度を上げるためには制作物をコンクールに出すことも大切ですが、彫刻制作を通して自身のメッセージを広く伝える能力が必須となります。十分に知名度があれば別ですが、多くの場合、世間の誰もが知るレベルでない限りにおいてはそう簡単に彫刻制作依頼はきません。

第一線で活動する知名度の高い彫刻家でも、百貨店やギャラリーといった多くの人に見られる場に作品を出展し、その場で売り込むことによって売り上げを出しています。自分の作品を自信持って勧められる明確なコンセプトも大切ですが、そのコンセプトをうまく人に売り込んでいく営業トークも磨かないといけません。

自分を売り込む能力は芸術分野において共通して求められるスキルではありますが、芸術というものは伝わらないと意味を成しません。特に物質感がどうしても重視される彫刻の分野では、直接物を見てもらってその場でアピールできる能力は非常に大事になってきます。

彫刻家は知名度と実績が物をいう人気商売ですから、こうしてコツコツと販売実績や入賞実績を積んでいくことによって知名度を上げていくことが、彫刻家として食べていくためには必須となります。

彫刻家に向いている人、適性がある人

彫刻制作に際する確固たる信念がある人

彫刻家は、非常に多くの時間を掛けて材料を切断し、加工し、彫り込みます。そうした繊細かつ根気の求められる努力を常日頃から行なっていても、あまり世間的には評価されない仕事です。また、知名度が無いと多くの場合見向きもされず、多くの作品が陽の目を見ない可能性もある、ある種残酷な仕事でもあります。

今や世界的な彫刻家として知られ、オークション市場でも史上最高額で落札されたスイスの彫刻家ジャコメッティも、国際的な評価を得たのは晩年になってからです。しかしジャコメッティのように生前評価される例は極めて一握りであり、何十年と彫刻を作っていても、全く評価されないことがざらにある世界です。

特に大きな彫刻を専門に制作しながら知名度に恵まれない場合は、時間と手間と費用が多くかかるだけで、全く報われません。そうした逆境が続いても、自分の作品に対する確固たる信念を失わず、根気強く制作をし続けることができる人が、彫刻家に向いています。

伝統文化を次世代に伝えていく社会的役割を意識している人

彫刻家の中でも、伝統木彫刻や仏像の制作を担当する彫刻家は自分の個性よりも地域に根ざす彫刻制作の伝統的な技術を受け継ぎ、次世代へと的確に伝えていく責務をも負うことになります。そうした社会や地域全体にとっての大きな社会的役割を担うのが、これからの彫刻家です。

特に伝統木彫刻は常に後継者不足に悩まされています。富山県南砺市や新潟県村上市に古くから伝わる、地域独自の木彫刻の技術を受け継ぐ若い世代の彫刻家を育てるための地域ぐるみの取り組みが、事業協同組合によって行われています。

そうした次の時代のことも考えた、人材の育成、技術の継承をある程度担うことが、彫刻家に課せられた使命でもあります。自身のことだけでなく、地域の伝統文化を守っていくという気概と、社会的な意義を示していく活動をおこなっていける責任感が強い人が、彫刻家に向いています。

きちんとした制作スケジュールを構築し、人材管理、時間管理ができる人

彫刻制作は、多くの場合は中長期的な時間を要しますし、大規模なものになれば、多くの工房スタッフを巻き込んでのプロジェクトになります。工房での働き方、組織の作り方、人材の管理の仕方は人によって異なりますが、現代の彫刻家に求められているのは適切な時間管理、人材管理、予算や生産数の管理です。

古い職人気質の空気感は、今の時代には合っていません。例えば大森暁生さんの工房では、昼シフト、夜シフトで働き方を分け、きちんとした定時を設けることで、工房スタッフに負担を掛けすぎないようなしっかりとした現場管理を実施しています。

締め切りは厳しく守っていますが、締め切りに間に合うように生産数もきちんと調整し、また、売り上げに直接つながる仕事と自分が本当に取り組みたい仕事のバランスもきちんと調整しています。長期的な段取りも考えつつ、こうした様々な調整を行う力も彫刻家には必須の能力です。

職人の世界は長時間労働と低待遇が当たり前という時代は終わりつつあります。多様な働き方が求められる時代に合った適切な人材管理、組織運営を意識していくことが、これからの彫刻家に求められています。

彫刻家になるための学校・教室

彫刻の基礎を学ぶなら美術大学、芸術大学へ

彫刻家になるためには、特別な資格や免許もなければ、学歴の有無も全く問われません。彫刻家は作品で全てを物語ります。メッセージ性がきちんと伝わる彫刻は、しっかりとした基礎を身につけてこそ生み出せるものです。

そうした彫刻の素養を身につけるにあたり向いているのは美術大学や芸術大学の彫刻専攻で学ぶことです。大学では様々な設備や制作環境が整っているので、幅広い様々な彫刻技法を学ぶことが可能です。

大学進学時点で彫刻の腕に自信がなければ、入試時点でのレベルをあまり高くは問われない教育大学の美術科に進むといいかもしれません。大学に進めば学士号を取得することができますので、講師などの兼業への道も幅広くひらけます。

また、伝統的な木彫刻を学ぶ場合には木彫刻に特化した専門コースを設けている専門学校に進むのもいいでしょう。あるいは木彫刻の道を見据えている場合には直接弟子入りすることも考えるべきです。名工と呼ばれる技術者は加齢によって年々減少しているからです。

彫刻家になるには?まとめ

まずは彫刻の技術を磨き、実績を着実に重ねて知名度向上を

彫刻家になるために必要なことは、報われなくても地道に彫刻制作を続けていける熱意と情熱ですが、その熱意が空回りしないような基本的な技術、集団で大規模な制作を行っていくためのスケジュール管理能力も必須となります。

彫刻制作のみで食べていくのが難しいからこそ、時間管理や生産数の調整といった適正なバランス感覚も重要になってきます。しっかりとした信念を保ちつつ、冷静に段取りを意識できる人が、これからの彫刻界を担っていくことになるでしょう。

彫刻家の参考情報

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