演出家の資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説

演出家の資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説

演出家として活躍するには、センスや能力が強く求められます。演出家になるために必ず取得すべき資格や試験はありませんが、資格を得ることで技術的な知識が身につき、業務に活用できる場合があります。今回は、演出家に関連する資格の内容や難易度、学べる学校についてまとめました。

演出家の仕事に役立つ資格試験とは?

演出家自体に必須となる資格や試験はありませんが、仕事をする上で役立つ資格はあるのでしょうか?

演出家としての仕事に活かせるであろう資格や試験をご紹介します。

映像音響処理技術者資格認定試験

映像音響処理技術者資格認定試験(JPPA認定資格)とは、その名の通り映像や音響に携わる人が、業務に必要な技術や知識を備えているかどうかを図る試験です。演出家は技術者とは異なり、直接映像や作品を制作するわけではありませんが、技術者の指揮をとり、作品全体の監修を行う立ち位置となります。

照明や映像演出の指示を行うにあたり、映像音響処理技術者資格を持っていることで、技術者との円滑なコミュニケーションがとれるようになります。業界で通じる技術を身につけることで自らの価値を高め、よりよいコンテンツづくりに反映させることができるでしょう。

映像音響処理技術者資格認定試験の内容

映像音響処理技術者となるための基礎知識を図るテストです。年に1度試験が開催され、誰でも受験することが可能です。四者択一のマークシート形式で、以下の5つのカテゴリーから合計50問出題されます。

  • 技術基礎問題
  • 映像基礎問題
  • 音響基礎問題
  • デジタルメディア・コンピュータ基礎問題
  • 著作権基礎問題

原則として、全問の60%以上の正解によって合格となります。

映像音響処理技術者資格認定試験の難易度・合格率

映像音響処理技術者資格認定試験は実務経験なく受験のできる資格です。内容も基礎知識を中心としているため、映像や音響業界での活躍を志す人にとって第一歩となる資格であるといえるでしょう。

試験においては、出題される50問の中から60%以上の正解率が合格の基準となっています。出題範囲についても、「一般社団法人日本ポストプロダクション協会」が発行している資格試験問題集のレベルのものであるため、受験勉強の対策がしやすい資格であるといえます。

その他の演出家に関連する資格

Pro Tools技術認定試験

「Pro Tools」という音響レコーディングソフトの技術力を図る試験です。「Pro Tools」とは、Digidesign社によって作られたソフトウェアで、国内外問わずレコーディングスタジオにおいて広く普及しているソフトとなります。

音楽スタジオで働く人にとっては主流ソフトとなっており、Pro Toolsを扱う技術が重要視されてきているという業界の流れがあります。演出家において音響とは、舞台・映像どちらの作品づくりにおいてもコンテンツを構成する非常に重要な要素です。

演出家として音響の指示を行うにあたり、音響技術者とのコミュニケーションは必須です。意思疎通を図る際、ソフトウェアの理解度によって伝えたい演出の意図に齟齬が生まれることを防ぐためにも、最低限Pro Toolsの知識を備えておくことは作品づくりの助けになるでしょう。

技術者としての合否を判断するのではなく、今の自分の立ち位置を知ることができる

Pro Tools技術認定試験の特色として、試験結果は合否ではなくランクによって通知されるという仕組みがあります。

認定試験を主催している「一般社団法人日本音楽スタジオ協会(JAPRS)」では、試験終了後に受験者に「認定書」および各分野別の「成績証明書」を交付します。ここにはA~Eのランク形式で結果が記載されており、受験者の技術レベルがどの段階であるかを示しています。

試験の難易度としては、既に実務で使用している人からすれば比較的易しいと感じられますが、一から学び始める人にとっては、難しく感じる場合もあります。いずれにしても、協会から発行される「Pro Tools技術認定試験問題集・技術資料集」からの出題となりますので、対策をきちんと取ることが良い評価を得るための鍵となるでしょう。

舞台・テレビジョン照明技術者技能認定

こちらの資格は舞台やTV業界で働く照明技術者が身につけるべき基礎知識を図り、試験の合格者に対してその知識を認定する取り組みです。照明技術者の知識基盤の強化や社会的な位置づけの確立を狙い、試験だけではなく公開講座を定期的に開いています。

講座は誰でも受講することができますが、認定試験を受けるには照明実務経験が1年以上必要となります。舞台の演出における「照明」は音響に続いて重要な要素です。現場では、照明技術者との打ち合わせを通して、直接指示をすることもあるでしょう。

舞台・テレビジョン照明技術者技能認定では、作品づくりに関わる照明の知識や技術のほか、他のセクションとのコミュニケーションの取り方や、業界における設備や専門用語などの知識も求められます。幅広い知識と他セクションへの理解が求められる演出家にとって、学ぶべき知識が詰まった認定試験であるといえるでしょう。

演出家に役立つ資格が取れる・学べる学校

エンタメ系職種を目指す人のための専門学校

演出家に限らず、映画やドラマの制作スタッフ、音響照明の技術者、脚本家や構成作家を育成する専門学校が東京を中心に多く存在します。演出家を志す人が集まるコースでは、脚本の解釈や、実際にひとつの作品を作り上げるといった授業もあります。

このようなスクールでは講師として現役の現場で活躍する演出家を招く学校も多く、より実践的な知識を身につけられることが特徴です。代表的な専門学校としては、業界で活躍する卒業生を多く輩出する「日本映画学校」や「東放学園専門学校」などがあります。

これらの学校は「映像音響処理技術者資格認定制度」に参加しており、資格取得に適したカリキュラムの元で学習ができたり、教材の割引を受けられたりなどの参加校特典があります。

美術・デザイン系の学校

芸術やデザイン系の大学にも、映像や演出を学べる学科が用意されているところがあります。芸術系の大学として有名な「多摩美術大学」には、「演劇舞踊デザイン学科」があり、その中に「劇場美術デザインコース」が設立されています。

ここでは舞台美術や映像美術、照明などの専門的な知識を幅広く学べます。演出家に特化したカリキュラムではありませんが、総合的にエンターテイメントの作品づくりに必要な知識を身につけることができます。

短期間で技術を学ぶ専門学校とは異なり、時間をかけて様々な分野の知見を得ることができるのが、美術系大学のメリットです。比較的時間が自由に使える大学生の時期に、「映像音響処理技術者資格」や「Pro Tools技術認定試験」などの資格取得に向けて勉強をするという過ごし方も可能です。

学校に関わらず、劇団で経験を積み資格取得を目指す方法も

冒頭で述べたように、演出家の仕事において必須となる資格や試験はありません。また同様に、必ずしも演出を学べる学校で勉強をしなければいけないというわけでもありません。通常の大学に通いながら演劇に関わる活動を続け、広く活躍する演出家となる方も多くいます。

大学の劇団サークルや民間の演劇チームなどに所属し、役者やスタッフとして活動する中で技術や知識を身につけ、演出家として業界に進出するという選択肢も大いにあります。エンターテイメント業界で力を発揮するには、熱量やセンスが求められることも多いため、知識や資格ばかりに捉われすぎないことも大切です。

演出家の資格・試験まとめ

演出家を目指すのであれば、他セクションを理解できる資格が役立つ

演出家という仕事は、制作に関わるさまざまな人を動かし、人の心に残る作品とするために導く仕事です。

必須の資格はありませんが、各技術者とのコミュニケーションを円滑とするため、よりよい作品を生み出すためにも、映像や音響、照明といった作品にとって重要な要素について幅広く知識や技術を得ることが大切です。

関連資格の取得を通して、演出家としての価値を高めてみてはいかがでしょうか。

演出家の参考情報

平均年収300万円~400万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職種テレビ・映画・映像

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