パン職人の資格・試験とは?役立つ資格の特徴や試験の難易度、合格率などを解説

パン職人の資格・試験とは?役立つ資格の特徴や試験の難易度、合格率などを解説

定番のパンからおかずパンに至るまでさまざまなパンを作り、人を笑顔にするのがパン職人の仕事です。この記事では、パン職人になるために必要な資格、資格試験の内容や受験資格などを紹介します。

パン職人の資格とは?

結論から言うと、パン職人になるために資格が必要というわけではありません。ベーカリーで働きパン職人としての腕を磨く、製菓や製パンの専門学校に入学しそこで勉強するなどの方法でパン職人になることができます。

しかし、パン職人としてスキルアップするために持っていると有利な資格として「パン製造技能士」という資格があります。このパン製造技能士とはどんな資格なのか説明します。

パン製造技能士の資格

パン製造技能士とは、製パン工程における技能を認定する国家資格です。パン製造技能士は、下から順に、2級・1級・特級に分かれています。

この試験は、パン作りの実務経験者を対象にしたものですが、2級試験のみ、パン製造を学ぶことができる短大や専門学校の卒業生なら実務経験なしでもこの試験を受けることができます。

学科試験と実技試験に合格すれば、厚生労働大臣もしくは都道府県知事の名前で合格証書が交付され、「パン製造技能士」の資格が得られます。

パン製造技能士の資格の難易度・合格率

次に、パン製造技能士の資格試験の難易度、試験内容、受験資格などを紹介します。

パン製造技能士の試験の難易度は普通くらい!?

パン製造技能士は2級・1級・特級にクラスが分かれています。

2級の試験の合格率は60%ほどで、それほど難しくありません。1級の試験の合格率は45%程度です。普通よりすこし難しいくらいです。特級になると、1級より少し難易度が上がります。

全体的に見ると、パン製造技能士の試験の合格率は、受験者の5割程度ということになります。

パン製造技能士の試験の内容-2・1級

製菓・製パンの短大や専門学校の卒業生、パン製造の実務経験2年以上の方が、最初に受けるのが2級の試験です。1級試験を受験するには、2級合格者なら2年以上の実務経験、2級の資格がなければ、7年以上の実務経験が必要です。

試験内容は、学科試験と実技試験の2つです。2級と1級の学科試験の内容は以下の通りです。

  • 食品一般
  • パン一般
  • パン製造法
  • 材料
  • 関係法規
  • 安全衛生

実技試験は次の3つの中のいずれか、もしくはいくつかが組み合わさったものが試験問題として提出されます。

  • 制作等作業試験
  • 判断等試験
  • 計画立案等作業試験

実技試験は、制限時間内で決められた作業を行うことが求められます。

例を挙げるなら、2級実技試験では、支給された強力粉と中力粉から強力粉を選ぶ。各材料をはかりで計量する。直捏生地法でミキシングする。生地の発酵。指定のパン型を使い、山形食パン(イギリスパン)を3本焼き上げるといった内容です。これを標準時間5時間30分、打ち切りの6時間以内で行わなければなりません。

パン製造技能士の試験の内容-特級

パン製造技能士特級の試験を受けるには、1級試験合格後、5年以上の実務経験が必要です。

試験内容は、2・1級と同じ、学科試験と実技試験です。特級の学科試験の内容は以下の通りです。

  • 工程管理
  • 作業管理
  • 品質管理
  • 原価管理
  • 安全衛生管理及び環境の保全
  • 作業指導
  • 設備管理
  • パン製造に関する現場技術食品一般

学科試験の内容も、パン製造にかかわる分野だけでなく、店の管理や指導に関係する分野にまで広がっています。

実技試験は、計画立案等の作業試験となり、その中では以下の点について試験されます。

  • 工程管理
  • 作業管理
  • 品質管理
  • 原価管理
  • 安全衛生管理
  • 作業指導
  • 設備管理

パン製造技能士特級の実技試験の試験時間は3時間です。

パン製造技能士の受験資格や受験費用

パン製造技能士2級から特級までの受験資格や費用は以下の表のようになります。

受験資格
  • 2級 パン製造実務経験2年以上。もしくは、製菓・パン製造に関する専門学校や短大のカリキュラムを修了した者
  • 1級 2級合格者でパン製造の実務経験2年以上。2級の資格がなければパン製造の実務経験5年以上。
  • 特級 1級合格者でパン製造の実務経験5年以上
受験費用
  • 学科試験 3,100円
  • 実技試験 17,900円

※都道府県によって異なる場合があります

その他のパン職人に関連する資格

パン職人としてのスキルアップ、転職、独立開業を目標にしているなら、「製菓衛生師」の資格取得も考慮に入れることができます。

この資格は、国家資格であり、試験に合格した人だけが「製菓衛生師」を名乗ることができます。さらに、この資格があれば「食品衛生責任者」として認められるので、店長クラスで働くとき、自分でベーカリーを開くときなどとても有利に働きます。

加えて、この資格をおすすめするのは、この資格試験が筆記試験のみで行われるので、合格へのハードルが高くないという点です。次に、この製菓衛生師の資格についてさらに詳しく説明します。

製菓衛生師の試験の難易度は低い!?

製菓衛生師の試験の合格率は70%程度です。ですからそれほど難しいというわけではありません。筆記試験に出る問題の要点をしっかり押さえて勉強すれば、資格を取得することができます。

製菓衛生師の試験の内容

試験は四肢択一のマークシート方式です。以下の6科目の中から60問出題されます。

  • 衛生法規
  • 公衆衛生学
  • 栄養学
  • 食品類
  • 製菓理論および製菓実技

100点満点で、60点以上が合格ラインとなります。

製菓衛生師の受験資格や受験費用

製菓衛生師の受験資格や費用は以下の表のようになります。

受験資格
  • 中学卒業以上の学歴を持ち、厚生労働大臣の指定する製菓衛生師養成施設で1年以上、製菓衛生師に必要な知識および技能を修得したもの
受験費用
  • 東京都 9,500円

※都道府県によって異なる場合があります

パン職人に役立つ資格が取れる学校

今回紹介した「パン製造技能士」「製菓衛生師」のパン職人に関係する資格は、製菓・パン製造に関連する学校のカリキュラムを修了した人なら受験資格があります。

最後に、この2つの資格を取得できる学校を紹介します。

京都製菓製パン技術専門学校

京都製菓製パン技術専門学校は、製菓、パン製造に関係する合計6つの学科を備えています。

例えば、パン上級科を卒業すれば、パン製造技能士2級の試験を受けるために必要な知識や技術、そして受験資格を獲得することができます。

製菓衛生師の資格に関しては、全学科でこの試験の受験資格を獲得でき、2年制の学科では在学中に受験資格が得られます。

京都製菓製パン技術専門学校の資格取得に向けたサポート

この学校では、生徒の資格取得のために様々なサポート体制を整えています。

例えば、製菓衛生師の取得のために次のようなサポートを受けることができます。

  • ひとりひとりの学習状況を踏まえた指導
  • 学習レベルに合わせた教材
  • いつでもどこでも勉強できるe-Learning
  • 国家試験の出題範囲を授業で習得できる特別カリキュラム
  • 本番さながらの模擬試験

放課の自習室での勉強のときにも、指導教員がいるので、分からないことがあればすぐに質問できます。さらに、学習レベルの合わせたクラス分けや、教材の使用などで、確実に自分の知識をレベルアップさせることができます。

国家試験の重要ポイントを学ぶことができる特別なカリキュラムがあり、定期試験の内容も本番さながらの試験問題となっています。こうしたサポートを活用することで、製菓衛生師の資格取得のために必要な実力を身に着けることができます。

パン職人の資格・試験まとめ

パン製造技能士などの資格があれば就職やスキルアップも可能

パン職人になるためには資格が必ず必要というわけではありません。しかし、パン製造技能士の資格があれば、就職や転職に有利に働きます。

製菓衛生師の資格があれば、食品衛生責任者の資格がもらえるので、店長クラスで働きたい場合、パン職人として独立してお店を開業したい場合などに役立つ便利な資格です。

パン職人の仕事は楽ではありませんが、パンで人を幸せにするという素晴らしい仕事です。才能を開花させるためにも、資格を身に着けてみるのはいかがでしょうか。

パン職人の参考情報

平均年収300万円〜400万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種飲食

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