探偵の資格試験とは?必須資格は無し、民間資格が知識・技能を証明

探偵の資格試験とは?必須資格は無し、民間資格が知識・技能を証明

チラシや看板で、興信所や探偵事務所の広告を見かけることがあると思います。よく依頼されるという浮気調査・盗聴器の発見・身辺調査などを行うには専門知識や技能が必要です。では探偵になるには、どんな資格や試験が必要なのでしょうか。

探偵に必須の資格はない

絶対に取らなければならない免許はない

探偵業を始めたり、興信所の調査員として調査業に従事したりする際に、免許のような必須の資格は特に定められていません。一方、アメリカでは探偵は免許制ですから、国によって違いがあります。しかし、日本で探偵の免許が設けられていないからといって自由に探偵を名乗っていいわけではありません。

日本では開業届が必要

探偵業を始める場合には、平成19年6月1日施行の探偵業法に基づいて、都道府県の公安委員会に開業の届出をする義務があります。これは単に手続上の申請が必要ということであり、技能や知識は問われません。すなわち、届出を行えば誰でも探偵業を始めることはできるのです。

もし届出をせずに探偵業を行った場合

届出をせずに探偵業を始めると法律違反となり、30万円以下の罰金または業務停止命令が下ります。また、一部の人は探偵になることを許されていません。

例えば暴力団関係者、未成年、過去5年以内に禁固刑を受けた人などで、彼らには探偵になる資格がありません。これらの他、探偵業法では名義貸しの禁止などを規定していますから、探偵はこの義務を全うする必要があります。

探偵に与えられる民間資格は大きく分けて2つ

民間資格とその意味

探偵になるために必須の資格はありませんが、調査には専門知識や技能が不可欠です。特に、尾行・張り込み・聞き込み・撮影の技術は探偵としての調査力に直結します。これらの調査技術を証明し、顧客に信頼と安心を持ってもらうよう設けられているのが民間資格や検定です。

NPO法人や社団法人が設立した各協会が試験を実施し、資格を認定します。複数の協会が探偵に関するさまざまな資格試験や検定を行なっていますが、大きく分けて2つの資格があります。いずれも「一般社団法人 日本探偵業協会」という団体が定めています。

  • 一級探偵調査士検定
  • 探偵業務管理者検定

一級探偵調査士検定

一級探偵調査士検定は調査員の知識・技能を保証するもので、筆記試験と実技試験があります。探偵業法や関連する法令を問うペーパーテストに合格すると、実技試験の受験資格が与えられます。実技試験では、探偵の主要業務である尾行・張り込みの技能やPC・カメラ・ビデオなどの機器取り扱いについて熟練度をテストし、さらに講習を受講します。

探偵業務管理者検定

探偵業務管理者検定は、探偵事務所の事業者や管理職に対して管理体制や運営の健全さを問うもので、調査能力よりも管理能力を評価する検定と言えます。法令に関する深い知識や理解があるかを証明するもので、筆記試験と面接によって認定されます。

一級探偵調査士検定は優良探偵の証。ハードルも高い

筆記試験は90%以上の得点が必要

調査員としての力量を認定する試験であるだけに、実力がものをいいます。まずは法令知識を問う筆記試験を受け、2時間以内に50問の設問に解答し、45問以上正解しなければなりません。こうしてようやく実技試験を受けることができるのです。

一級探偵調査士検定は一朝一夕では通らない

実技試験では、探偵業務に欠かせない尾行・張り込み・聞き込みの技術を評価します。これは年月をかけて身につくものですから、素人が受験したところで合格するのは難しいでしょう。だからこそ、検定に合格して認定を受けるということは、専門的な技能のある証といえるのです。

探偵業務管理者検定は客観的に信頼できる事業所の認定

一級調査士検定よりも厳しく、筆記の合格ラインは95%

探偵業務管理者検定は、事業所レベルで適正な業務を行っているかどうか認定する資格です。法令のより詳しい知識や理解が問われます。当然合格基準は厳しく、筆記試験では2時間以内に50問の設問中95%以上の正答を求められます。その後の面接では法令に関する具体的な設問に適切に解答し、さらに講習の受講が必要です。

内部監査が機能している事業所・管理職に与えられる

法令に基づいて営業していることの証明となるのが探偵業務管理者検定です。それと同時に、内部監査を常に行って適切な管理体制を守っていること、調査員の教育指導や業務環境が整えられていることを認定するものでもあります。

なお、いずれの資格も合格率は公表されていませんが、認定には相応の能力が不可欠ですから、業界で数年以上の経験を積み、法令知識を身につけた上で臨むことが必要といえます。

意外に多様な探偵関連団体と、取得できる資格

全国に40近くの団体があり、規模や認定資格もさまざま

現在、日本には全部で40近くの調査業団体があります。社団法人やNPOなど形態はそれぞれ異なり、活動範囲や規模もさまざまです。それぞれに認定資格を定めており、試験内容や合格基準は資格によって変わってきます。多数ある資格のうち、主なものは次のとおりです。

認定資格 試験形式 団体名
探偵業務認定試験 研修会参加・筆記 一般社団法人 日本調査業協会
探偵調査員資格検定・探偵指導員資格検定 筆記・技能・面接 社団法人 探偵協会
適正調査士・適正調査管理士 筆記・技能 社団法人 日本調査業適正協議会(JDAD)
公認調査士3種 筆記・研修会参加 一般社団法人 北海道調査業協会

探偵業務認定試験

一般社団法人 日本調査業協会が実施している検定です。協会の指定する研修会に参加すると受験資格が与えられ、試験内容は法令や憲法、個人情報保護法などに関する筆記試験です。認定資格は次の4段階あり、順に取得していく形式になっています。

  1. 探偵業務取扱者
  2. 探偵業務取扱主任者
  3. 探偵業務指導教育責任者
  4. 探偵業務管理責任者

3つめの探偵業務指導教育責任者以降では経験年数も取得条件に含まれるため、知識量だけでは取得することができない資格と言えます。

探偵調査員資格検定・探偵指導員資格検定

社団法人 探偵協会が実施している検定で、いずれも筆記・技能・面接の3種類の試験によって判定されます。探偵の養成スクール設立や探偵入門マニュアルの発行を行っている団体のため、各検定の筆記試験は探偵入門マニュアルから出題されます。

探偵調査員資格検定にはさらに上級・最上級というランクがあり、上級資格があると協会の加盟員に認定され資格取得の優遇措置があります。探偵調査員資格検定に合格すると探偵指導員資格検定を受験できるようになり、こちらも上級・最上級のランクがあります。指導員資格は実務経験が3年以上必要であるなど、経験が問われます。

適正調査士・適正調査管理士

社団法人 日本調査業適正協議会(JDAD)が定める資格です。JDADが設立・運営する探偵スクールを卒業することで適正調査士の受験資格が得られ、スクールで学ぶことのできる探偵技術と本格心理に関する実務試験・学科試験が行われます。

適正調査管理士については、調査員を監督する管理職および探偵事務所を運営する事業者が受験し認定を受けることのできるもので、学科試験によって判定されます。

公認調査士3種

一般社団法人 北海道調査業協会が実施している資格です。筆記試験は選択式と記述式、論述式の3種類が毎回出題されます。それぞれ知識・資質・技量を問うもので、法令知識だけでなく探偵としてふさわしい考え方や行動について評価するのが特徴です。なお、協会指定校である、さくら幸子探偵学校を卒業すると法令関連問題の解答を免除されます。

試験に合格した後さらに研修会を2回受講する必要があり、これを経て資格認定となります。

就職から開業までコースは多彩。全国にある探偵学校

探偵学校の多くは大手探偵社や協会が運営元

探偵になるには、興信所や探偵事務所に就職するか、開業するという方法があります。いずれにせよ、まったくの素人という状態で始めるよりは、探偵学校でノウハウを学んでから入職するに越したことはありません。

探偵学校にはさまざまなものがありますが、ほとんどが全国規模の大手探偵社や探偵関連の協会が運営するものです。プロが講師として知識・技術を教えてくれるとあって、独学よりはるかに実践的であることは確かです。

学校やコースによって授業内容やカリキュラムは異なりますが、主に基礎を短期間で学ぶコース、スキルアップを目指すコース、独立開業を目的としたコース、そして通学できない人向けの通信コースなどがあります。学校や成績によっては卒業後に運営会社が探偵として採用してくれる可能性もありますから、探偵として働く際のことも考えた上で学校を選ぶのが賢明でしょう。

全国展開している主な探偵学校

大手探偵学校は、全国の主要都市に校舎があります。通学日数や費用、カリキュラム内容がそれぞれ異なるため、通いやすさや受講システムが自分に合うものを基準に選ぶことがすすめられます。主な探偵学校は次のとおり。

  • JDAD探偵スクール
  • HAL探偵学校
  • MR探偵学校
  • ガル探偵学校
  • さくら幸子探偵学校

短期なら1週間程度で10〜20万円、開業コースは100万円代も

料金システムや受講内容は学校によってかなり幅があります。基礎的なコースであれば、座学・見学・実習を90〜120分×8コマ、あるいは集中的に4、5日間通って10〜20万円前後というのが相場です。通信コースでは基礎内容を10万円未満に抑えることができます。なお、上述の探偵協会が運営する探偵スクールは4日間で30万円です。

より専門性の高いコースでは実習が増え、内容も実践的になり、話術や報告書作成といった実務スキルも学ぶことができます。民間資格を取得して実務をこなせるレベルのコースでは90分〜120分×25コマ程度で30〜50万円、独立開業が目的のコースでは全80時間以上、学校によっては60日間で100〜300万円という費用がかかります。特殊機材の知識や経営テクニックについて受講できることも値段の背景にあるのでしょう。

授業内容に規定がなく、学校によって費用や期間に幅がある

こんなにも価格に幅がある探偵学校ですが、一般の大学とは違って授業内容に決まった規定がないのが一つの理由といえます。どのような内容をカリキュラムに盛り込むかは学校の一存で決められているためそれぞれ学べる内容が異なりますし、それゆえに値段もバラバラというわけです。

そのような中で、卒業後に運営元の探偵社で採用枠がある学校や認定資格を受けられる学校は、一定の実務基準を持って講義内容を決めていると考えることができます。

探偵の知識・技能を証明する資格の解説まとめ

必須の資格はないが、民間資格を持つのは優良探偵の証

日本では探偵になるために必要な資格はなく、届出をすれば開業することができます。しかし、信頼できる探偵と呼べるには知識・技能が不可欠であり、それを客観的に証明するのが民間資格なのです。

資格は各種ありますが、どれも豊富な知識や経験がなければ取得できないものですから、資格を保有する探偵は優良な調査員といえるでしょう。

探偵の参考情報

平均年収300万円~400万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職種その他

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