花火師の資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説

花火師の資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説

花火師として花火大会などにおいて打上花火を揚げるには、都道府県ごとの許可と煙火打揚従事者として日本煙火協会に認められていると証明できる「煙火消費保安手帳」が必要となります。また、花火師として火気取扱に関する資格は取得しておくことが求められます。本記事では、花火師として取得しておきたい資格などについてご紹介します。

花火師に必要な資格とは?

花火師になる上で必要な資格は無い

花火師として就職するために取得するべき必須資格は、2019年現在まだ存在しません。入社する場合、基本的には一般的な就職活動と同じような手順を経て入社することになります。

持っておくと有利な資格はある

しかしながら、花火師の世界では実力や知識の多さが重視されます。そのため、事前に持っておくと有利な資格はもちろん存在します。

主に以下の2つの資格が該当します。どちらも危険な火薬を取り扱う上で事故や重大な損害を避けるために設けられた資格です。

火薬類取扱保安責任者

火薬類取扱保安責任者は、火薬類の消費場所(発破現場など)において火薬類を消費する際に、種々の保安に関する職務を担う者です。

要するに、実際に花火を打ち上げる際に火薬を大量に使用するため、この資格を持った人の配置が必要となるわけです。この資格を持った人がいないと花火を打ち上げることができないので、重要な資格と言えるでしょう。こちらの資格は乙種と甲種に分かれています。

乙種の場合は火薬類の貯蔵合計量、つまり倉庫などにしまっていい量は年間に20t未満、また消費合計量は1ヶ月に1t未満に限定されます。甲種を取得すれば、その制限はなくなります。

火薬類製造保安責任者

上記した火薬類取扱保安責任者が、花火の打ち上げ場所での火薬の取り扱いに関する資格であるのに対し、こちらは花火を製造する際の火薬の取り扱いを管理する資格です。

この資格を持っていると、花火師として活動する際に火薬の取り扱いの指揮や監督、消費量のチェックなど責任感もありながら充実した仕事を任されることになります。

これはどちらの資格にも共通して言えることですが、2年に1回、自動車免許のように更新する必要があります。受講しなかった場合は免許が失効となるので注意しましょう。

花火師になった後に必須の資格

花火会社に就職し、花火師と働くために資格取得の必要はありませんが、就職後に絶対取得をしなくてはいけない資格があります。

煙火消費保安手帳

煙火消費保安手帳は、花火を打ち上げる場合に必ず必要となる資格です。厳密には資格ではありませんが、花火師として活動していく上では非常に重要な資格となります。原則、煙火店従業員しか取得できない資格なので、就職後に取得することになりそうです。

種類として、5年毎更新の1種煙火保安手帳と、10年毎更新の2種煙火保安手帳に分かれています。それぞれの違いは、取り扱う品目などの種類に制限が掛かることです。また、補助作業をしてくれる人数が、1種は5名、2種は10名となっています。

2種手帳を取得するためには、1種を取得してから3年以上、花火店に勤務して5年以上という制限もあります。また、免許取得者は毎年行われる講習会を受ける義務があります。

花火師の資格「火薬類取扱保安責任者」

花火大会などにおいて火薬類を消費する際に必要となる資格

火薬類取扱保安責任者試験の出題内容は、主に火薬に関することを筆記試験で問われます。

資格試験の中では比較的優しめの難易度ですが、さすがに何も勉強せずに合格できるほど甘いものではありません。事前に講座の受講や、市販の書籍、テキストを読み込んでいくことをおすすめします。

合格率はおよそ40%となっており、合格点は60点以上となっています。

また、甲種・乙種火薬類製造保安責任者免状を持っている方は、全ての試験が免除となります。大学や高校などで火薬学を専攻していた方は、基礎的な知識が備わっているとみなされ、一般火薬学の試験が免除となります。

火薬類取扱保安責任者の資格試験概要

資格種類

国家資格

試験地

都道府県

受験資格

特に制限なし

受験費用

18,000円

出題範囲

火薬類取締に関する法令、一般火薬学

合格率

40%

花火師の資格「火薬類製造保安責任者」

花火を製造する際など火薬の取り扱いを管理するための資格

火薬類製造保安責任者試験の出題範囲は、火薬類取扱保安責任者よりも広がり、難易度が少し高めになっています。そのため、テキストや講座を受講することが、より一層重要となってくるでしょう。試験科目が甲種乙種と丙種で分かれており、合格率もそれぞれで異なっています。

甲種の合格率が18%、乙種の合格率が13%、そして丙種の合格率が40%以上となっています。合格点は、おおむね60点以上です。また、学歴や学科次第によっては、試験が免除になる場合もあります。

火薬類製造保安責任者の資格試験概要

受験資格

特に制限なし

受験費用

  • 甲種、乙種 25,900円
  • 丙種 18,000円

出題範囲

甲種・乙種 火薬類製造保安責任者

■1日目(1科目/1時間30分)
火薬類取締に関する法令、火薬類製造工場保安管理技術、火薬類製造方法

■2日目(1科目/1時間30分)
火薬類性能試験方法、火薬類製造工場に必要な機械工学及び電気工学大要、一般教養、丙種火薬類製造保安責任者、法令、保安管理技術、製造方法、製法試験方法、一般教養

合格率

  • 甲種 18%
  • 乙種 13%
  • 丙種 40%

花火師の資格が取れる学校

火薬学や化学を学べる学科を選ぶと良い

花火師として働くために重要な知識は、火薬に関するものです。また、爆発に関する知識も必要なので、物理学も重要な知識となります。

これは、化学系や工学系の学科、物理学科のある大学や専門学校に進むと学ぶことができます。

今回は、以下の学校をおすすめしていきたいと思います。

  • 足利大学
  • 東京理科大学
  • 東京工業専門学校

足利大学

栃木県足利市にある大学です。こちらでは、土木建築コースで火薬類取扱保安責任者の資格を取得できる知識を学ぶことができます。

その他にも、建築やデザインについて学ぶことができる機会もある学校なので、花火をデザインする力をつけることができる学校と言えるでしょう。

東京理科大学

東京都新宿の神楽坂などにキャンパスを構える大学です。こちらの大学は、理科系の大学の最高峰であり、工学や建築学などさまざまな分野についてじっくり学べます。

どちらの学門も花火師になる上では非常に重要なのですが、特に工学部の工業化学科で学べる有機化学や無機化学に関する知識は、花火師として働く上で非常に重要なものであるので、こちらの学科を狙ってみることをお勧めします。

東京工業専門学校

東京都八王子市にある工業専門学校です。中学卒業後、高校の授業と並行しながら学ぶ5年制の専門学校です。早くから花火師として活躍したいと思っている方には、非常におすすめの学校です。

こちらの機械工学科では、熱力学について学ぶことができます。熱力学を学ぶことによって、花火が炸裂するときの原理や威力などを知ることができます。

その他にも、物理学全般に関する知識を学べるので、花火師として活躍できる知識を多く吸収できるでしょう。

花火師の資格・試験まとめ

経験が一番の財産だが資格も必要

花火師として働く上で必要な資格などについて説明をしてきました。花火師は危険な火薬を扱う職業であるため、花火大会などで業務を行うにあたり、火薬類取扱保安責任者や火薬類製造保安責任者などの資格が必要となります。

現在は、大学や専門学校などで火薬や物理学に関する知識を習得できるので、まずはそこで火薬に関する知識を学び、基礎力をつけて火気取扱に関する資格を取得し、就職をして経験を積むというのも良いかもしれません。

花火師の参考情報

平均年収250万円~350万円
必要資格
  • 煙火消費保安手帳
資格区分 免許
職業職種その他

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