美術スタッフの仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

美術スタッフの仕事内容とは?やりがいや魅力について解説

テレビ番組や映画、舞台の裏方で、場面に合ったセットや道具などを用意するのが美術スタッフの仕事です。デザイナー、大道具、小道具と担当により仕事内容は異なりますが、雰囲気をイメージする想像力をはじめ、表現力、体力が重要です。このページでは、美術スタッフの具体的な仕事内容、仕事のやりがいなどについて詳しくご紹介します。

美術スタッフとはどんな仕事?

テレビ番組や映画、舞台の内容を理解し目に見える形にする。センスが問われる仕事

美術スタッフは、舞台や映像の制作現場になくてはならない存在です。台本などから内容を深く理解し、世界観や雰囲気に合った背景を作り出したり、役者が使用する小道具を準備したりします。

スタジオや舞台などの何もない場所に、楽しげなバラエティ番組のセットやドラマに登場する人物の部屋などを一から作り上げていきます。美的センスが必要なのはいうまでもなく、予算の範囲内でどれだけリアリティを出せるかも大切な要素となります。

背景などの大きな構造物を作るのは大道具、食器や文房具などのアイテムを用意するのは小道具などと担当が分かれており、それぞれが台本のイメージ通りの世界を再現するのに力を尽くします。古い時代設定なら昔の建物らしさを出したり、当時使われていた道具を調達するか、自分でそれらしく見えるように作ったりという工夫が不可欠です。

美術スタッフ全体を統括する立場として美術監督がいるため、最終的には美術監督の指示で各担当のスタッフをまとめ、制作物を一つの空間に仕上げていきます。また、どのような空間や背景にするかあらかじめデザインを決めるのも美術監督です。美術監督には最初からなれるわけではなく、美術助手として下積み経験を重ねることが必要です。

美術スタッフは若手が多い業種ですが、最初は美術助手として働き、デザイナー、美術監督とステップアップを目指す人も少なくありません。

映画や舞台、ドラマは制作期間中ずっと現場に通い続けるのが一般的

美術スタッフはさまざまな制作現場に携わりますが、担当する仕事の撮影があるときは基本的に制作現場にいて仕事をしています。

映画やドラマをはじめとする仕事では撮影期間が数か月にわたることも珍しくありません。さまざまな場面の撮影があるため、期間中はたえず制作に携わる必要がでてくるため、休みを取ってのんびりするということが難しいのが実情です。

所属先の映像制作会社にもよりますが、仕事がひと段落したときにまとめて休むか、フリーランスで仕事をしている美術スタッフは次の仕事までスケジュールの間隔を空けることで休みが確保できます。

また、制作現場での仕事は長時間に及ぶことが多くあります。その時々で忙しさが変わるため一概には言えませんが、例えばドラマのクランクアップが近づくとスケジュールが厳しくなるなどして睡眠不足になることも増えます。逆に、簡単な場合は1日4時間程度で仕事が終わるということもあります。

近年ではCGなどのコンピューター技術が求められる現場も多い

近年、映画などの制作現場ではCG技術とアナログ手法を組み合わせて撮影を行うことが多くなっています。そのため、美術スタッフの中にもコンピューター技術を駆使できる人材へのニーズが高まり、クリエイティブ系の専門学校などを卒業した人が現場に加わることも増えています。

これまでにない視点で制作に関わることができるため、PCリテラシーの高い人は能力を生かすチャンスがあります。

美術スタッフの仕事の具体的な内容

美術デザイナーは台本からイメージした空間を図面に書き起こすのが仕事

美術スタッフの中でも、制作の中核を担うのが背景をデザインするデザイナーの仕事です。雰囲気や世界観に合った背景をイメージし、図面に書き起こします。

テレビ番組ではセットと呼ばれる背景をスタジオ内に組み立てますが、セットの全体的な設計を担います。駆け出しの美術助手や、格上の美術監督がデザインを手がけることもあります。

映画やドラマでは、臨場感を出すために時代背景なども考慮しなくてはなりません。また、いろいろなシチュエーションを手がけることになるため、ジャンルを問わずたくさんのものを見て自分の引き出しを広げておく努力が必要です。

時代劇を担当することになれば、当然その年代の文化について知る必要があります。時代ものに限らず、例えば昭和初期の話に携帯電話が出てきたら、違和感のあまりストーリーに集中できなくなってしまいます。背景作りによって作品のリアリティを高めるのが使命ともいえるのです。

大道具は舞台の背景や番組のセットを制作。家などを手がけるため工作技術が必要

大道具は美術制作の中でも大掛かりなものを担当します。具体的には舞台の背景、テレビ番組で使うセットの制作などです。

足場を組んで家を作るような仕事になるため、木材を加工するなど大工のような工作技術を持っています。単に図面どおりの物を作るだけではなく、見た目に美しく、求められた雰囲気に近いものを仕上げる器用さも必要になります。

例えば古い時代の家のセットを制作する際には、古く見えるようくすんだ色で塗ったり、表面をわざと傷つけて質感を変えてみるなどの工夫を凝らします。どうやってリアルなものを作るかは腕の見せ所であり、先輩のやり方を目で盗むという方法がいまだに一般的です。

長期間の撮影現場では次々と場面ごとのセットを作っていき、可動式のものは操作するほか、撮影が終わると解体する必要もあるため多忙です。体力がものをいう仕事のため、体の丈夫な人は適性があるといえます。

小道具は食器や文房具、食べ物などを準備し管理する仕事。細かい作業が多い

小道具とは出演者が使用するものを用意します。イス、食器、ペン、時には食べ物の準備も行います。

映画やドラマなどで使用する小道具は特に時代背景にあったものを調達する必要があることから、古いものを各地から借りたり、業者からレンタルしたり、あるいは自分でそれらしい小物を作ったりと細かい仕事が多い傾向にあります。

撮影が始まる前から小道具を調達して保管しておき、収録が終わるまで管理することも仕事のうちです。どこから何を借りて、いつ使うか、どこに保管しているか、そしてどこへ返却するかも含めて把握しておく必要があるため、神経を使う仕事といえます。

この他、装飾という担当があります。小道具係に含めることも多いのですが、背景の飾りや、出演者が身に着けるものを管理します。どこに、あるいは誰に何を使ったか把握して管理することが必要なため、こちらも細かな仕事が多いです。

映画やドラマで、一度終了した場面の撮影で撮り直しが発生した場合、同じものを準備しなくてはシーンが繋がりませんから、リアリティを出すために重要な役割を担っています。

美術スタッフの仕事のやりがい

イメージを形にできるのがやりがい。大勢で一つの作品を作る達成感もある

美術スタッフのやりがいは、なんといっても台本からイメージされる空間を自分の手で具体化できることです。尊敬する監督のドラマや映画の世界観を現実の世界に作り出せるということに、さらなるやりがいを感じている人も少なくありません。

また、映画や舞台の中の雰囲気を再現するには、大勢の人の力が関係しています。一つの作品を作り上げるためにたくさんの人が一つの方向を向いて、制作に力を尽くしていく工程そのものにやりがいを感じるという人もいます。

そして、出来上がった作品を見て制作に携わったことを誇りに思い、達成感にしみじみと浸れるというのも、職種ならではのモチベーションとなります。

実績を積むことでキャリアアップでき、歳を取っても続けられる

長年の経験がある人ほどいい仕事ができるようになり、評価されることがやりがいにつながります。また、独立すれば定年がなくなるため、何歳になっても働き続けることができます。美術スタッフという仕事が大好きで、制作現場にずっと携わりたいという人には大きなメリットです。

また、AI(人工知能)をはじめとするIT技術が発達するとともに、職種によっては人間の仕事がコンピューターに取って代わられるものも増えています。

ところが、美術スタッフのように人の感性や手仕事が欠かせない職種では、将来のAI技術発達や業務の機械化によって職を奪われるということがありません。そうした面からも、キャリアを積んでベテランになる意義は大きいといえます。

美術スタッフの仕事内容まとめ

美術スタッフは撮影現場や舞台で活躍できる。想像力が欠かせず、体力も大切

映画やテレビ番組の撮影現場、あるいは舞台の裏方で活躍できるのが美術スタッフです。台本のイメージに合った背景やセットを設計・制作し、担当によっては食器や装飾品、食べ物などの細かい道具を手配・管理することもあります。

職種全体に言えるのは、台本から世界観や空間をイメージする想像力が欠かせず、実際に具体化するための器用さ、美的センスなど表現力が必要とされるということです。現場によっては数か月にわたって忙しく働くこともあるため、体力があるに越したことはありません。

美術スタッフの参考情報

平均年収300万円~500万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職種テレビ・映画・映像

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