地方公務員の資格試験とは?地方公務員採用試験の概要と合格の秘訣

地方公務員の資格試験とは?地方公務員採用試験の概要と合格の秘訣

地域住民の生活をサポートする地方公務員として働くには、地方公務員採用試験に合格することが必須となります。しかし地方公務員採用試験にもさまざまな種類があり、どれを受験すればいいのか迷うのではないでしょうか?この記事では、地方公務員として働くための資格を得る、地方公務員採用試験の情報をご紹介します。

地方公務員の試験とは?

公務員採用試験はおもに3つのカテゴリーに分かれる

地方公務員採用試験は、地方自治体ごとに行われています。そのため、試験内容や受験資格は地域によって違いはありますが、基本的には上級、中級、初級に分かれて試験が行われます。

大学卒業程度の学力が必要な上級試験

地方上級公務員の仕事は幅広く、証明書類の発行や整理といったデスクワークだけでなく、地域活性化や福祉といった問題に取り組み、都市計画や公共事業にも深く携わります。そのため大学卒業程度の学力が求められます。

短期大学卒業程度の学力が必要な中級試験

地方中級公務員の仕事は、事務作業が中心となります。都道府県庁や市町村役場で書類手続きを行ったり、証明の申請を行ったりすると、必ず対応してくれる人たちがいます。そうした人たちのほとんどは地方中級公務員です。

地方中級公務員は、上級公務員ほどの学力は必要とされませんが、それでも短期大学卒業程度の学力が求められます。

高校卒業程度の学力が必要な初級試験

地方初級公務員の仕事も、事務作業が中心となります。特に採用される女性の多くは事務員として従事します。男性については機械の操作などの体力を必要とする作業に従事することもあります。

社会人経験者採用試験を行っている地方自治体もある

社会人経験者枠を設けて採用試験を行っている自治体もあります。以前は大都市でのみ募集を行っていましたが、平成29年度では全都道府県政令市の8割以上の自治体で社会人者枠の採用試験を行っています。

受験可能な年齢制限も徐々に引き上げられ、最近では59歳まで受験可能な自治体もあります。そのため、地方公務員を転職先として選びやすくなりました。

警察官や消防吏員も地方公務員

地域の安全を守る警察官や消防吏員も地方公務員です。採用試験についても地方公務員試験の一種として扱われます。ただし、試験日や試験内容については一般の地方公務員試験とは別に、それぞれの自治体で独自に行われています。

地方公務員採用試験の難易度・合格率

上級公務員採用試験は難易度高め。十分な試験対策を

上級公務員採用試験は筆記試験と面接試験に分かれています。各自治体で倍率は異なりますが、おおむね5倍~10倍程度になります。

たとえば平成30年度の埼玉県の一般行政の上級公務員採用試験の場合、応募者2,058人に対して採用されたのは156人でした。そのため合格倍率は6.0倍となっています。

上級公務員採用試験の応募者のレベルが高いため、まずは一般教養と専門知識を身につけることが大切です。また面接試験でも、他の応募者よりもアピールできることが採用へのカギとなります。

通常の学習とは別に、予備校などで試験対策を徹底的に行えば、試験に合格できる可能性は高くなります。また模試などにも定期的に参加して自分の学力レベルを確認しておくのも大切です。

地方公務員上級試験

合格倍率 自治体ごとによって異なるが、おおむね5~10倍
受験資格 自治体ごとによって異なるが、おおむね22~30歳。学歴については大学卒業程度の知識を有していることが望ましいものの、大学卒業などの学歴は必要としていません。
受験費用 無料。ただし自治体によっては人件費として1,000円程度かかるところもあり。
試験内容 採用試験は筆記試験と面接試験に分かれています。

筆記試験については、自治体ごとによって試験内容は異なりますが、多くの自治体では教養試験、専門試験2つのカテゴリーに分かれて出題されることが多く、その出題内容の幅もかなり広いです。出題形式はマークシート方式を採用している自治体が多く、教養試験と専門試験どちらも5肢択一問題で、40問程度が出題されるのが一般的です。

自治体によっては筆記試験において専門記述を課すところもあります。さらには、小論文を試験として課すところもあり、小論文の結果によっては二次の面接試験に大きく影響することもあります。

面接試験では個人についての質問や仕事上のトラブルでの対処方法などが聞かれます。また過去の経験談や失敗談について聞かれることもあります。

中級公務員採用試験の難易度はさほど高くない、面接試験には注意を

中級公務員採用試験は筆記試験と面接試験に分かれています。各自治体で倍率は異なりますが、おおむね5倍~10倍程度になります。

中級の筆記試験は上級の筆記試験に比べてそれほど難しくはありません。ただし募集人数が全体的に少ないため上級試験と同様に厳しい試験となります。

また中級試験では筆記試験よりも二次の面接の試験の方が重要になります。短期大学や専門学校を卒業した人なら、どんな資格を取得したのか、また地方公務員としてどんな仕事に従事したいのかを積極的にアピールすることが大切です。

地方公務員中級試験

合格倍率 自治体ごとによって異なるが、おおむね5~10倍
受験資格 自治体ごとによって異なるが、おおむね19~26歳。学歴については短期大学卒業程度の知識を有していることが望ましいものの、短期大学や専門学校卒業などの学歴は必要としていません。
受験費用 無料。ただし自治体によっては人件費として1,000円程度かかるところもあり。
試験内容 採用試験は筆記試験と面接試験に分かれています。

筆記試験については、自治体ごとによって試験内容は異なりますが、多くの自治体では上級試験と同じように教養試験、専門試験2つのカテゴリーに分かれて出題されます。ただし、難易度については上級試験よりは易しめです。出題形式はマークシート方式を採用している自治体が多く、教養試験と専門試験どちらも5肢択一問題で、40問程度が出題されるのが一般的です。

面接試験では個人についての質問が中心ですが、その中でも得意の専門分野について聞かれることが多いようです。どんな質問にでも分かりやすく説明することができるように、回答を準備しておくのが必要になります。

初級公務員採用試験の難易度は低めだが、競争率はやや高め

初級公務員採用試験は筆記試験と面接試験に分かれています。各自治体で倍率は異なりますが、おおむね5倍~10倍程度になります。

たとえば平成30年度の埼玉県の一般事務の初級公務員採用試験の場合、受験者329人に対して採用されたのは25人でした。そのため合格倍率は11.1倍となっています。

受験倍率は比較的高めですが、受験者のレベルはそれほど高くなく、また受験者によっては記念受験として応募する人もいるため、それほど試験の難易度はそれほど高くありません。試験のために毎日コツコツと学習することが合格への近道です。

地方公務員初級試験

合格倍率 自治体ごとによって異なるが、おおむね5~10倍
受験資格 自治体ごとによって異なるが、おおむね18~21歳。学歴については高校卒業程度の知識を有していることが望ましいものの、大学卒業の人も年齢制限に問題がなければ受験することができます。
受験費用 無料。ただし自治体によっては人件費として1,000円程度かかるところもあり。
試験内容 採用試験は筆記試験と面接試験に分かれています。

筆記試験については、自治体ごとによって試験内容は異なりますが、多くの自治体では教養問題と作文の出題が課されます。教養問題では、一般知能、一般知識、時事問題の出題が中心になります。高校までに学んだことをしっかりと復習しておけば問題はありません。

面接試験では個人についての質問が中心です。人柄や対人的能力をチェックする自治体が多いので、自分自身をしっかりとアピールすることが合格へのカギとなります。また志望動機についてもしっかりと答えられるように自治体についてよく理解しておく必要があります。

合格には綿密な試験準備が必要

地方公務員試験の場合には試験に合格するための準備が必要となります。採用試験を受ける多くの人は半年~1年程度の準備を行っており、試験対策のために1日3時間以上受験勉強をします。

二次試験の面接についても、予想される質問についての解答を準備して試験に臨んだり、あらかじめ模試面接を行ったりすることで心の準備をしておく人もいます。

社会人経験者採用試験は各自治体によって大きく異なる

社会人経験者採用試験は教養試験、小論文、経験者論文、面接試験を採用している自治体がほとんどです。しかし、出題内容については自治体によって大きく異なり、上級採用試験と同じようなレベルを出題する自治体もあれば、初級採用試験と同じようなレベルを出題する自治体もあります。

そのため、志望する自治体でどのようなレベルの出題がなされるかを確認しておく必要があります。

地方公務員試験に合格するための学校

大原法律専門学校

大原法律専門学校 は、地方公務員を目指す人のために地方公務員上級コースや地方公務員初級コース、公務員総合コースなどが用意されている専門学校です。

地方公務員に合格するために特化したコースもあるので、試験対策だけでなく、各自治体の情報を集めることにも優れています。

丁寧な指導で合格を目指す

大原法律専門学校では、高校や大学で学んだことの復習から公務員試験科目の勉強まで、幅広く学ぶことができます。パソコンを使った学習や、二次試験対策のための面接トレーニングルームなど最新の設備で受験対策を行うことができます。

盛岡公務員法律専門学校

岩手県盛岡市にある盛岡公務員法律専門学校は、公務員ビジネス科や公務員専攻科などがある学校です。

担任制度を採用しており、生徒一人ひとりがついていけるように個人指導や特別講習などを行っています。分かるまで親身になって教えてもらえる専門学校です。

基礎学力からノウハウまですべての地方公務員に必要なすべてを学べる学校

2年間で地方公務員の採用試験合格を目指すために、合格に必要な知識や一般教養などを学んでいきます。1年次では基礎学力を中心に学習し、2年次では模擬試験を通して実践的な経験を積んでいきます。

さらに簿記、ビジネス実務法務といった資格取得にも力を入れており、面接試験において即戦力で働けることをアピールできます。

地方公務員の資格まとめ

地方公務員を目指すなら採用試験の合格が不可欠、しっかりとした受験対策をしよう

地方公務員として働くためには、採用試験に合格することが必須です。まずは試験のための準備をしっかりと行うようにしましょう。

採用試験は上級、中級、初級と分かれておりそれぞれの難易度は異なりますが、合格倍率は高めな傾向があり、十分な受験対策を行うことが大切です。

採用試験合格のために資格を取得する必要はありませんが、簿記やパソコン関係の資格を有していると、二次試験の面接試験で自分のスキルをアピールすることもできます。

地方公務員の参考情報

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  • 地方公務員採用試験
資格区分 試験合格
職業職種公務員

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