地方公務員の給与や年収は?資格専門職の地方公務員ならば高年収の可能性もある

地方公務員の給与や年収は?資格専門職の地方公務員ならば高年収の可能性もある

景気にも左右されない安定が売りの地方公務員。平均の給料や年収はいくらくらいなのでしょうか?今回はこの記事で、地方公務員の平均給与や年収とともに、給与アップの可能性や手段についてご紹介します。

地方公務員の初任給

地方公務員の初任給は平均15~18万円

地方公務員として働く場合、初任給は14~18万円前後が相場です。安定といったイメージのある地方公務員ですが、給料面では決して高くはありません。

地方公務員の給料は、受験した地方公務員試験によって金額が異なります。総務省の「平成29年地方公務員給与実態調査」によると、大学卒業程度の学力が求められるⅠ類の初任給は180,000円程度、短期大学卒業程度の学力が求められるⅡ類の初任給は160,000円程度、高校卒業程度の学力が求められるⅢ類の初任給は150,000円程度となっています。

どの地方公務員試験に合格したかによって多少初任給は変わりますが、民間企業と比較した場合には、決して高収入とは言えません。

地方公務員には地域手当がある

地方公務員が貰える手当てに地域手当というものがあります。地域手当とは、勤務する地域によって異なる物価の違いを埋めるものとして支給されています。また、勤務する地域の民間の平均給料と地方公務員の平均給料の差を埋めるための意味でも用いられています。

地域手当は、勤務地によって異なりますが、基本的に給料の0~20%分が支給されます。またボーナスの支給についても地域手当が発生します。

技術職の地方公務員の初任給もほとんど同じ

地方公務員の中には、事務職だけでなく技術職として働く人もいます。技術職は市役所の設備課や環境課、農業振興課や土木課で勤務することになりますが、初任給は事務職とほとんど変わりません。

ただし、仕事内容は事務職よりもハードで、公共の施設を建設したり修繕したりするなどの大きなプロジェクトに参加することもあります。知識だけでなく体力を使うことも多いので、決して楽に稼ぐことができる仕事とまでは言えません。

ただし収入の面に関しては、技術職の仕事は事務職と比較してもかなり忙しく、残業が多いという特徴もあります。そのため基本給は同じでも、残業手当の差で事務職よりも多く給料を貰えることもあります。

異業種から地方公務員への転職を目指す場合には計画的に

異業種から地方公務員を目指す人も多くいます。一般的な転職と違い、地方公務員へ転職する場合には必ず地方公務員試験に合格しなければなりません。そのためには、学習計画をきちんと立てて、十分な試験対策を行う必要があります。

地方公務員は一般の企業とは違い、仕事についてのノルマがないといったメリットもありますが、転職前よりも給料が大幅に下がるというデメリットもあります。また地方公務員試験には年齢制限もあるため、転職を考えるときには慎重な判断が必要になるでしょう。

地方公務員の平均給与の統計

地方公務員の平均給与は約32万円

総務省の「平成29年4月1日地方公務員給与実態調査結果」のデータによると、一般行政職として勤務する地方公務員の平均給与は、全国平均が約32万円となっています。

地方公務員の仕事は地域住民の暮らしをサポートするために、普段から法律や条令に関する知識を蓄える必要もある仕事です。給与自体は決して多くはありませんが、普通に生活するには問題ない金額といえます。

地方公務員の賞与や手当についてもチェックを

2018年8月の人事院勧告では、国家公務員の賞与は4.45カ月分との改定がなされました。一般的に地方公務員の賞与は国家公務員の賞与に倣うことが多く、国家公務員の賞与に基づいて計算すると、年間に支給される賞与は142万円ほどになります。

地方公務員の賞与は、民間企業と違って会社の業績によって増減されることがありません。毎年必ず賞与を貰うことができるのは大きな魅力のひとつです。

さらに地方公務員には様々な諸手当があるのも特徴です。残業手当や地域手当のほかに、半年間の在職期間に応じて支給される期末手当、半年間の勤務成績に応じて支給される勤勉手当、北国や雪国限定で11月から3月まで特別に支給される寒冷地手当などがあります。

地方公務員の給与をチェックするときには、給与以外にどのくらいの賞与や各種手当が揃っているか確認するようにしましょう。

平均給料は地方公務員として働く場所や地域によっても変わる

前述した地方公務員の給料はあくまで全国的な平均の数字です。勤務する場所によって、給料も変動します。

総務省の統計によると、都道府県職員が平均33万円と最も高く、以下指定都市職員が平均32万円、市職員が平均31万円、町村職員が平均30万円となっています。賞与についても都道府県職員の場合は平均で146万円なのに対して、町村職員の場合では平均133万円で、10万円以上の開きがあります。

また地方公務員は、勤務する地域によっても、給料が変動します。

一般行政職の平均給与を都道府県別で比較した場合、神奈川県では平均で34万円の給与なのに対し、沖縄県では平均30万円の給与になります。なるべく給料の多いところで働きたいと考えている場合には、各都道府県の平均給与もチェックしておくのは大切です。

地方公務員の仕事はスキルのレベルが反映されにくい

地方公務員の仕事は、民間企業とは異なりスキルのレベルが給料に反映されにくい職業です。出世についても、成果ではなく年功序列によって決まるため、仕事の結果によって判断してもらいたいと考えている人にとってはやや不向きな職業です。

しかし民間企業とは異なり、倒産のリスクもありませんし、定年まで安定して働くことができます。仕事で成功してたくさんのお金を稼ぐのではなく、毎日コツコツと与えられた業務をこなして仕事したいと考えている人には向いている職業です。

資格専門職は給料が高め

地方公務員には、事務職や技術職などの一般行政職のほかに資格専門職があります。資格専門職には、公立学校の教諭や警察官、公立病院の医師などが挙げられますが、一般行政職に比べて給与は高めです。

たとえば、小中学校の教諭の平均給与は36万円、高校の教諭の平均給与は37万円です。警察官は32万円で、医師や歯科医師については平均50万円になります。資格専門職として勤務する場合には、資格の取得が必須になりますが、給与に反映されるため魅力的な仕事と言えます。

地方公務員の年収統計

地方公務員の年収は250~750万円前後

地方公務員の平均年収を、総務省の「平成29年地方公務員給与実態調査」の統計一覧の平均給与と年間賞与から算出すると、年収は約500万円になります。

新人の場合月々の給料が14~18万円であれば、年収は250万円前後になることも考えられるため、地方公務員の一般的な年収は250~750万円前後と予想されます。

役職が上のポジションになるにつれ、さらなる給料アップは見込めますが、民間企業と比較した場合にはそれほど高い年収とまでは言えません。

資格専門職の地方公務員の年収は高め

地方公務員でも、資格専門職の場合には年収も高くなります。公立学校の教諭の年収は平均600万円、警察官の年収は平均500万円、医師については平均800万円になります。

地方公務員の離職率は低め

総務省の「平成29年地方公務員給与実態調査」の統計によると、平成28年度の地方公務員の総職員数に占める退職者数の割合は、都道府県職員が9.4%、指定都市職員が5.3%、市職員が5.4%、町村職員が5.5%となっています。

一般企業の離職率は10%を超えることを考えると、地方公務員の離職率は低めで、定着率が高いことが分かります。

一般行政職の地方公務員の転職にはそれほどメリットはありません。40歳を超える人の転職については中間管理職としての評価もありますが、地方公務員には利益追求という概念がないため、それほど大きくは評価されません。そのため地方公務員として働くならば、定年まで続けることが理想的といえるでしょう。

資格専門職は民間への転職にも有利

資格専門職として勤務している地方公務員は、転職しやすい傾向にあります。主な転職先として以下の職種が挙げられます。

専門職 転職先
教師 塾、予備校講師
警察官 警備会社社員
医師 民間医療施設職員

地方公務員としてある程度経験を積んでから、民間企業へ転職するのもキャリアアップの方法のひとつです。

地方公務員の給料・年収まとめ

地方公務員の年収レベルは平均的。給料よりも安定が得られる仕事

地方公務員の平均給料や年収レベルは平均的ですが、倒産のリスクもなく、定年まで働くことができるという魅力があります。地方公務員は、各種手当も充実しているので大きな不満もなく働くことができます。

地方公務員の世界は実力重視ではなく、年功序列が一般的です。与えられた仕事を忠実にこなすことによって職場内での評価を上げることができます。

地方公務員が大きな給料を見込むことは難しいですが、資格専門職として働く場合には高い収入を期待できます。資格があれば転職してキャリアアップを狙うこともできます。地方公務員は、自分の夢を叶えるというよりも、地域の住民のサポートのためにコツコツと仕事するという気持ちを持ち続ければ、長く働くことができます。

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地方公務員の参考情報

平均年収500万円~750万円
必要資格
  • 地方公務員採用試験
資格区分 試験合格
職業職種公務員

統計情報 出典元:

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