照明デザイナーの資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説
照明デザイナーとして働くために必ず受けなければならない試験・資格はありませんが、関連する資格が業務上で役立つことがあります。今回はこの記事で、照明デザイナーに関する主な資格・試験について、難易度・合格率や資格を取るための学校などをご紹介します。
照明デザイナーの資格とは?
必須ではないが持っていると有利な資格
照明デザイナーに必ず取得しなければならない資格や試験はありません。なろうと思えば誰でも目指せる仕事ではありますが、実際の仕事をしていく上では、照明や空間についての専門知識が必要です。
照明デザインに関する知識やスキルを客観的に証明するためにも関連する資格を持っていれば、就職試験で有利になったり独立開業の際に役立ったりするでしょう。照明に関連する資格としては、「照明コンサルタント」「照明士」「ライティングコーディネーター」といった資格があります。
また、照明デザイナーの仕事には、建築計画における配灯計画や照明のあり方、照度計算などが深く関わっています。このため、「建築士」「インテリアコーディネーター」「インテリアデザイナー」といった建築・内装、インテリアに関する資格も関連資格に挙げられます。
これらの資格を取得するために勉強したことは、実際に照明デザイナーの職に就いた後も実務を行なう上での知識として大いに役に立つでしょう。
照明デザイナーに役立つ資格3選!
照明コンサルタント
受講資格 | 制限なし |
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受講料金 |
■インターネットの場合
■郵送の場合
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合格率 | 80%前後 |
合格基準 | 100点満点中60点以上 |
資格有効期限 | 5年間(5年ごとに更新可能) |
照明コンサルタントは、一般社団法人照明学会が認定している民間資格で、照明計画や照明コンサルティングのスキルを示す資格です。照明学会主催の照明基礎講座を受講し、定められた科目の合格点を取った上でレポートやスクーリング(特別講義)の条件を満たすことができれば、資格を取得できます。講座の受講資格はありませんので、誰でも取得を目指すことができます。
照明基礎講座は、テキストをもとに自習します。テキストの内容は、照明器具、照明計算、屋内照明計画・設計などの基礎的な内容や、オフィス照明、店舗照明、屋外照明や、非常時用照明、色覚弱者のための照明、照明の保守と経済などに至るまで多岐に渡ります。
講座の受講料は、演習問題(テスト)の解答方式がインターネットの場合は一般26,352円、学生20,995円、郵送の場合は29,376円(各税込)です。演習問題の解答提出は合計5回あり、テキストの科目に応じた問題が計10問で、選択形式です。それぞれ100点満点中60点以上で合格となります。不合格の場合は追試験があり、こちらも60点以上で合格です。
ほかにレポートやスクーリング(特別講義)があります。レポートは指定されたテーマについてA4用紙1ページ分を提出し、60点以上の採点で合格となります。スクーリングは、原則としてインターネットを利用したe-learning講義を受講することになっています(ネット環境がなければ郵送等)。
照明コンサルタント資格の認定は5年間有効で、5年ごとに更新できます。難易度や合格率の詳細は明らかではありませんが、演習問題はテキストをもとに勉強すれば合格できる内容で、合格率は毎年80%以上となっているようです。
照明士
受講資格 | 照明学会の会員であること |
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受講料 | 36,720円(税込) |
合格基準 | 100点満点中60点以上 |
照明士は、照明コンサルタントと同様に一般社団法人照明学会が認定しています。照明についての、より高度な専門知識を習得しているコンサルタントであることを示す資格です。
照明学会の会員であることが受講資格となっています。受講料は36,720円(税込)です。教材(テキスト)とそれに基づくテスト、レポートに合格し、スクーリング履修が認められれば資格が取得できます。テストは合計4回で、それぞれ10問の選択形式、100点満点中60点以上で合格です。
なお、照明士のテストの難易度や合格率は公表されていませんが、高度な専門知識が必要とされるので難易度も比較的高いようです。
ライティングコーディネーター
通信教育講座
受講資格 | 18歳以上の方 |
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受講料 | 48,600円(税込) |
ライティングコーディネーターは、一般社団法人日本ライティングコーディネート協会が認定している民間資格です。
協会の指定講座を受講し、試験に合格すると取得することができます。指定講座は、通信教育講座、短期集中講座、認定委託団体の3種類があります。
通信教育講座は、全6回の講座を受講し、毎月1回、問題の解答を提出します。受講料は48,600円(税込)で、受講資格は18歳以上の方です。講座の内容は、電気や光源、照明器具の知識や、照明理論、表現手法、インテリア照明、プレゼンテーション技術など、基礎知識と実践知識・技術の両方を学べる内容となっています。
短期集中講座
受講資格 |
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受講料 | 48,600円(税込) |
短期集中講座は、東京と大阪の2会場でそれぞれ2日間行なわれます。受講料は48,600円(税込)で、実務経験3年以上または建築に関する学校を卒業しているか、関連資格を取得していることが受講資格要件となっています。
なお、ライティングコーディネーターの試験の難易度や合格率は明らかにされていませんが、専門的な内容を含んでいるので、講座内容をしっかりと勉強する必要があります。
その他の照明デザイナーに関連する資格
建築士
建築物の設計や工事の監理をするための資格で、国土交通省が所管する国家資格です。
日本では、ごく小規模な例外を除いて、建物を設計するためには建築士の資格が必要で、設計できる建物の種類によって、一級建築士、二級建築士、木造建築士などの種類があります。照明デザインは建築物と深い関連がありますので、建築士の資格を持っている人が業務の中で照明デザインも担うことがよくあります。
建築士になるためには国家試験に合格する必要がありますが、試験を受検するためには学歴や実務経験等の受験資格を満たさなければなりません。建築士の難易度は高く、一級建築士の合格率は1割強、二級建築士は2割強程度です。建築士の資格を持っていれば、仕事の幅がかなり広がりますし、就職や転職の際にも有利となるでしょう。
インテリアコーディネーター
快適な住環境を作るための提案やアドバイスをする資格で、公益社団法人インテリア産業協会が認定する民間資格です。
受験資格は特になく、年齢や学歴等を問わず誰でも受検できます。試験は一次試験と二次試験があり、一次試験はマークシート方式の選択問題ですが、二次試験では論文や製図などもあります。インテリアコーディネーターの難易度や合格率は公表されていませんが、合格率は一次試験、二次試験を通じて全体の2割強程度のようです。
照明デザイナーの資格やスキルが取れる学校
関連する分野を学ぶ中で照明デザインも学ぶ
照明デザイナーになるために学歴が必須ということはありませんが、大学や短大、専門学校などで関連する知識を深めておけば、就職試験で有利になりますし、就職後の実務にも役立つことが多いでしょう。現在、照明デザイナーになっている人の多くは、空間デザインや電気、光、インテリア、プロダクトデザインなどを学んでいるようです。
ただし、照明デザイナーはまだまだ発展途上の職業で、専門職として照明デザイナーを育成したり、照明デザインのみを専攻したりできる学校は少ないのが実情です。関連する学科を履修する中で、照明デザインについても学ぶのが現実的です。
大学・短大・専門学校など
空間デザインや建築物の照明について大学で学びたい場合は、建築学科や機械工学、電気工学などの学科で学ぶことが考えられます。また、デザインに重きを置きたい場合は美術、芸術などの分野が考えられます。
短大や専門学校でも、照明デザインに関連する分野のカリキュラムが多くあります。インテリアデザイン、雑貨デザインなどのクリエーターを目指したい人向けや、設計・設備や電気機械などの技術や知識を身につけたい人向けなど、様々なコースがあり、学校によって校風や修学期間、学費も異なります。
その他に、社会人や主婦等も通うスクールなどもあります。実際に学べる内容は学校によって異なりますので、入学を考える場合は事前にしっかりと下調べすることをおすすめします。
照明デザイナーの資格・試験まとめ
照明デザイナーになるなら関連する資格取得を目指そう
照明デザイナーは、資格を持っていなくても仕事に就くことができますが、まだあまり一般的な職業ではないこともあり、就職や転職の際には、関連する資格を有している方が有利になると考えられます。
照明コンサルタントなどの資格があれば、照明についての知識やスキルを客観的に示すことができます。また、建築士などの資格は建築・空間デザインの能力を証明できますし、資格取得のために学んだことは実務でも役立つでしょう。
照明デザイナーの参考情報
平均年収 | 300万円〜500万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 広告・デザイン・アート |
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