映画監督の資格・試験とは?映画監督の資格・試験は合格ラインが決まった試験ではない
映画監督の資格・試験は合格ラインが決まった試験ではありません。採用数も時期により異なるため、厳しい事もあります。しかし、最新機材を活用した学習環境や実力を示す自主映画の公開環境など近年ではチャンスも広がってきました。
映画監督の資格とは?
認定試験を受けて決められる資格ではない
映画監督の資格とは、筆記試験など資格試験を受けて認定するものではありません。映画制作に対して資金提供を行うスポンサーより認定されてプロの映画監督となります。
映画監督は名称独占資格ではないため、名乗ることは自由にできます。しかし、撮影スタッフなどの他者から認められる技量が必要です。映画制作のプロとして商業ベースでも成り立たせることが必要です。
アマチュアとプロの差が大きい
映画監督は名乗る事は自由であるため、アマチュアとプロの差が大きい資格として知られています。映画監督の仕事は作品制作がすべてと思いがちになります。
しかし、プロの映画監督では商業ベースで作品が成り立ち、成功させる所までを見通して作品制作に取り組みます。映画制作の前段階にて、スポンサー企業との交渉をまとめる事から映画監督としての活動が始まる事も昨今では多くあります。
アシスタントから助監督として認められる事
映画監督として認められるには、基礎を学んだ後にアシスタントから助監督、そして新人映画監督というステップが近年は増えてきました。
まずは、大学や専門学校で映画について基礎を学びます。その後、アシスタントとして映画制作現場に携わり、助監督として映画監督の取り仕切り分野を学びます。商業ベースでの新作映画を任せられると評価された後、新人映画監督としての監督デビューを果たします。
この基礎学習、アシスタントから助監督、そして映画監督というコース通りではなく、映画監督としてデビューする方法もあります。例えば、俳優など映画制作現場に立ち会う中で自分が撮ってみたいアイデアと周りの支援も一致して映画監督を任される形もあります。
チーム内の専門家から映画監督と認められてから
映画監督が携わる映画制作の現場ではカメラマンや俳優、スタイリストなど各担務のスペシャリストと共に作り上げていきます。
周りから映画監督と認められてこそ成り立ちます。他のスペシャリストから認められるということは、同レベルで議論ができる必要もあります。
また、専門外だから分からないという姿勢では、映画監督という統括する立場は成り立ちません。あらゆる映画にかかわる専門分野への理解が必要とされます。
映画監督の資格の難易度・合格率
新人映画監督として採用される人はとても少ない
商業ベースで成り立つ新人映画監督となるのはとても少数です。他の資格試験における合格定数や合格ライン、合格率が定められていない相対比較における判定となり大変です。
映画監督の大半はフリーランスとして担務にあたります。制作会社に就職していれば年功序列にてポジションが回ってくる形とは異なります。実力を兼ね備えてチャンスをうかがう事となります。
採用されるチャンスは広がってきた
自主制作映画の公開は、敷居がとても低くなりました。背景としてyoutubeなど動画インフラの発達があります。作品を見てもらえる環境が広がったという事は、映画監督として採用されるチャンスの広がりとなります。
これまでは映画監督としての独創的アイデアがあっても、表現を行い多くの人に判定してもらう場が少ないという問題がありました。
しかし、昨今では映像として多くの方に評価をうかがう機会は様々あります。よきアイデアを形にできればチャンスが広がってきた、という事です。ただ、それだけ全国規模で才能ある者同士がしのぎを削る厳しい世界でもあります。
相対評価で決まる厳しさ
優れたアイデアを持っていたとしても、それだけで映画監督は成り立たない厳しさがあります。他の映画監督候補者との比較で採用が決まるからです。合格点を取れば一律で合格できる絶対評価ではない厳しさがあります。
映画監督は他者目線での評価が大切な資格となります。作品の斬新さはもちろんの事、商業ベースになるかという観点や、現実的に作品として完成できるかという現実目線も必要となります。
相対評価であるため、いかに埋没しないオリジナリティを出せるかにかかっています。あらたなヒット作品をつくりだせるようなオリジナリティです。前例がないため、何事も恐れずに挑戦していく姿勢が求められます。
その他の映画監督関連資格
映画制作に関わる専門職資格は多い
映画制作には多様なスペシャリストの方が携わります。映画監督という立場上、すべてのスタッフの仕事を理解することが必要とされます。
調整や変更指示も、相手の仕事を正確に理解している事が前提となります。チームスタッフの力を引き出すことができなければ、結果として映画作品の低評価につながります。関連の深い資格は次の通りとなります。
- 演出家
- 脚本家
- 俳優
- カメラマン
- スタイリスト
演出家と脚本家、そして俳優から映画監督への転身という流れは多い関連資格となります。それだけ映画監督の仕事に対して似ている箇所も多いと言えます。
映画監督の資格が取れる学校
映画監督としての基礎を学ぶための大学や専門学校に注目が集まっております。撮影技法の近代化など、現実に即した授業形態で特に注目度があがっております。
日本大学
日本大学芸術学部に4年制大学として映画学科があります。映画のみならず様々な芸術分野で活躍するOBも多い日本大学芸術学部にて、映画制作の基本を徹底して学べます。
映画学科という専攻形態から、多くの同級生も卒業後は映画分野にて活躍します。基礎養成の大事な時期に共に学んだ同士として卒業後も強い人脈となります。
1年生から監督コースがある
1年生から映画学科内でもコース分けがあり、映画監督コースがあります。目的をはっきりさせて理論だけではなく、映画撮影現場に出た後に活躍できるだけの習熟を図ります。
さらに、映画監督として大切なチームワークについて体感できる内容となっております。同じ映画学科内の他のコース(撮影および演技)を専攻されている方との共同演習を通じて、映画監督としての立ち振る舞いから共同制作の難しさを学んでいきます。
授業内容も特徴があります。短編やドキュメンタリーを撮影した上で、演出から編集まで行います。演出など正解が一つとは限らない選択肢の多い表現について、講師より指導を受けることができます。
東邦学園映画専門学校
2年制の映画制作科において、映画監督を目指す技術やセンスを学べます。1年生の内に映画監督のみならずシナリオや役者、照明など現場で欠かすことができない映画制作にかかわる多くの職種を学べます。2年生ではより映画監督に特化した専門分野を掘り下げていきます。
最新機材と現役の映画監督による講義
校舎に撮影スタジオも完備され、4Kデジタルカメラなど最新機材も充実しています。現代の映画撮影で必要な、最新設備に強いという付加価値を付けるための学びが行えます。
機材のメンテナンスも生徒が学習の一環として行う事により、現場で起こり得るトラブル対策も学べます。さらに、授業時間以外にも最新機材の貸し出しサービスがあり、習熟を高める事ができます。
講義には現役で活躍される映画監督自身も登壇します。理論だけではなく、現場でどのような立ち振る舞いが求められるかまで吸収できる環境です。
専門学校東京ビジュアルアーツ
2年制の映画学科において映画監督専攻があります。入学時点から映画監督になると決心した同級生が多数集まってきます。撮影手法の習熟にとどまらず、実際の映画制作と同じ順序で体感する事により、現場に出た際に活用できるレベルまでの実力を養成します。
カリキュラムは映画監督として成功するために大切な、実践機会をとても大切にする内容となっております。1年生から作品制作に取り組み、2年生では授業の演習でも年間10本から15本の映画制作を行います。
映画祭への出品やインターンシップにも取り組む
在校中に撮影を行った作品に対して評価を聞く機会も設けております。学外の映画祭に出品することへの後押しもしてくれます。
さらに、映画撮影の現場にインターンシップできるメニューを豊富に取り揃えています。映画監督像として思い描く、近い作風の現場を探せるくらいの豊富なラインナップです。インターンシップとして体感することは貴重な経験となります。
映画監督の資格・試験まとめ
厳しい世界だがチャンスは広がっている
プロの映画監督として資格認定されるには、商業ベースで成り立つ前提が必要であり厳しい世界です。しかし、自主制作映画の公開が行いやすい環境となり、実力を示す機会は広がりました。
大学や専門学校の学習環境も最新機材に対応した現代の映画制作に適した内容となりました。厳しい世界ながらもチャンスを掴みに行く環境は整ってきました。
映画監督の参考情報
平均年収 | 400万円~1000万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | テレビ・映画・映像 |
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