ディスプレイデザイナーの資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説

ディスプレイデザイナーの資格・試験とは?取得しておくと役立つ資格の特徴などを解説

ディスプレイデザイナーに必須の資格は特にありません。しかし空間を演出する以上、ディスプレイデザインなどに関する一定の知識やスキルが必要です。どのような資格をとっておくとディスプレイデザイナーの業務に役立つのでしょうか。今回は、ディスプレイデザイナーに役立つ資格や、試験の難易度などの情報をご紹介します。

ディスプレイデザイナーの資格とは?

ディスプレイデザイナーの仕事を進めていくうえで、必ず取得していなければならない資格というものはありません。

しかし、就職や転職、キャリアアップの際に有利になる資格というものはあります。ここでは就職やキャリアアップだけでなく、仕事を進めていく中でも役立つディスプレイデザイナーの資格について紹介していきます。

ディスプレイデザイナーに役立つ資格「商品装飾展示技能検定」

国家資格の商品装飾展示技能検定とは

商品装飾展示技能検定とは、品揃えや陳列を視覚的に演出するビジュアルマーチャンダイジング(VMD)の考え方を基にした商品プレゼンテーション技術及び技能を試す国家資格です。

難易度によって1級から3級まで分かれていますが、1級は厚生労働大臣の技能士章(バッジ)と合格証書、2級と3級は都道府県知事名の技能士章(バッジ)と合格証書が交付されます。

社会人で商品装飾展示の実務経験があれば誰でも受験することができ、厚生労働大臣指定を受けた専修学校や各種学校の卒業予定者、商品装飾展示技能職種の関連学科を専攻した短大、高等学校(職業課程)、高等専門学校の卒業予定者は在学中でも受験することができます。

試験内容と難易度

試験は学科試験と実技試験がありますが、両方合格することで検定合格となり、学科試験か実技試験のいずれかに合格した場合は、次年度以降は不合格であった方を単独で受験することができます。

学科試験については3級が○×式で、2級・1級は○×式と多肢択一法で出題され、実技試験は掲げられたテーマで、実際の売り場やプロモーションスペースを想定した商品プレゼンテーションを行います。

合格率は非公開となっていますが、1級が普通レベル、2級が易しい、3級がとても易しいレベルとされています。試験実施は1級・2級が8月と9月(平成31年度)、3級が7月(平成31年度)となっています。

ディスプレイデザイナーに役立つ資格「空間ディスプレイデザイナー認定試験」

在宅で受験できる空間ディスプレイデザイナー認定試験

空間ディスプレイデザイナー認定試験は日本デザインプランナー協会が実施する資格認定制度で、陳列の技術や知識、色彩演出や照明技術など、空間ディスプレイデザインに必要となるさまざまな知識や技術レベルを認定します。

空間ディスプレイデザイナー認定試験には1級と2級があり、すでに現場で活躍していてディスプレイデザインについての技術と知識が身についていれば、独学でもいいでしょう。

そうでなければ、日本デザインプランナー協会認定校の資格取得講座で学ぶことをお勧めします。試験は偶数月に実施され、在宅での受験が可能で取得しやすい資格として人気があります。

試験内容と難易度

空間ディスプレイデザイナー認定試験2級では、空間ディスプレイデザインの基礎や応用技術を試す試験で、空間陳列の基礎や応用、色彩の基礎やビジュアルマーチャンダイジング(VMD)について問われます。

1級は空間ディスプレイデザインの基礎や応用技術に加え、3DCGを使った空間表現力を試す試験で、空間陳列の基礎・応用、色彩の基礎やビジュアルマーチャンダイジング(VMD)に加え3DCGの基礎について問われます。1級・2級ともに受験資格は特になく、70%以上の正答率で合格となります。

日本デザインプランナー協会のホームページでは平成26年の試験結果が公開されていて、1級が24.7%、2級が66.9%の合格率となっています。

ディスプレイデザイナーに役立つ資格「インテリアプランナー」

インテリアプランナーの資格

インテリアプランナーの資格は、住空間におけるインテリアの選択や配置、構成などのトータルプランニング能力を認定するもので、学科試験と設計製図試験があります。

インテリアプランナーの資格は、住空間など室内中心のデザインをしますが、空間中心のデザインをするディスプレイデザイナーの仕事にも充分活かすことができます。

受験資格の制限はなく、学科試験は誰でも受けることができますが、設計製図試験を受けるためには以下の条件を満たす必要があります。

  • 4年以内に学科試験を合格していること
  • アソシエイト・インテリアプランナーであること
  • 建築士(1級・2級・木造建築士)であること

試験内容と難易度

学科試験はインテリア計画、インテリア装備、インテリア施工、インテリア法規、建築一般の中から出題され、設計製図試験の試験内容は毎回変わりますが、平成31年は「建物での空間の使われ方や、生活感が判るようなインテリア設計」という出題内容でした。

建築技術教育普及センターからインテリアプランナーガイドブックが刊行されているので、うまく活用するといいでしょう。設計製図試験に合格し、所定の登録要件を満たすことで「インテリアプランナー」の称号が付与されます。

試験時間は学科試験が2時間30分、設計製図試験が6時間で、合格率については公表されていませんが、学科試験が約60%、設計製図試験が約27%といわれています。

ディスプレイデザイナーに役立つ資格「カラーコーディネーター検定試験」

色彩について問われるカラーコーディネーター検定試験

カラーコーディネーター検定試験は、東京商工会議所が実施する検定試験(民間資格)で、毎年6月・12月(1級は12月のみ)に実施されています。

検定の内容には理論的・専門的内容を含み、工業デザインに関わる人が多く受験する検定資格で、1級から3級まで3つのレベルに分かれています。

カラーコーディネーター資格を取得すると、色彩の特性を理解して、正しい配色や効果的な配色を指導することができるようになります。色彩の特性はファッションや広告デザインだけでなく、道路標識やプレゼン資料まで幅広く役立てることが可能です。

まずは3級を取得して、現場で経験を積みながら上の級を目指していくといいでしょう。

試験内容と難易度

試験内容については東京商工会議所の公式テキストから出題され、3級は3級テキストの基礎知識から応用問題、2級は3級・2級テキストの知識と応用力を問う問題、1級は3級から1級テキストの知識と、その応用力を問う問題が出題されます。

受験資格はなく、誰でも受験することができます。合格基準は各級とも100点満点中、70点位上で合格となりますが、3級・2級が2時間、1級が2時間30分の制限時間となっています。

近年の合格率は1級が35%から40%程度、2級が40%から45%、3級が60%から65%程度となっています。

ディスプレイデザイナーに役立つ資格が取れる学校・通信講座

ディスプレイデザイナーとして仕事をするためには、ファッション系や美術系の学校へ通い、基礎知識や技術を学ぶことも大切です。

そこで学びながら関連資格を取得することで、ディスプレイデザイナーとしての力を付けていくことができます。

デザイン系・美術系の学校へ通う

空間デザイン学科が設けられた学校もありますが、空間デザインにこだわらず、色彩やデッサン、絵画の知識などが学べる学校なら問題ないでしょう。

生活科化学や家政科などでも空間デザインを学べるところはあります。学科やカリキュラムをよく調べて、どの学校へ行くかを決めるといいでしょう。

専門学校の場合もファッション系や美術系の学校を選びます。そこではデザインの仕事に必要な色彩の知識やデッサン、CG技術や装飾素材などの知識を学びながら必要な資格を取得することができます。

民間スクールや通信講座で学ぶ

働きながら空間デザインについて学ぶ場合は、民間のスクールへ通うという方法もあります。週に数回通いながらディスプレイデザインについての知識を身に付けていくことができ、10万円から50万円ほどで学んでいくことができます。

また、空間ディスプレイデザイナーなどの資格を通信講座で学んでいくこともできます。通信講座の場合、費用は10万円以下で半年かけて学ぶ形が多いですが、最短2ヶ月で資格取得できるという通信講座もあります。

デザイン系・美術系の学校へ通ったり、民間スクールや通信講座で学んだりすることもいいですが、ディスプレイデザイナーに必要なものは、美的センスや流行を先読みする目、消費者やクライアントのニーズへの対応力でもあります。

これらを身に着けるためには、日頃から美的センスを磨き、常に情報収集を怠らないことが大切です。

ディスプレイデザイナーの資格・試験まとめ

資格取得は就職や転職で有利になるだけではない

ディスプレイデザイナーとなるために取得しなければならない資格はありませんが、国家資格の商品装飾展示技能検定やカラーコーディネーター検定試験など、仕事に役立つ関連資格はあります。

これらの資格を取得すれば、就職や転職、キャリアアップの際に有利になるだけでなく、自分自身の知識やセンスを磨くことができ、円滑に仕事を進めていくことができるようになるでしょう。

ディスプレイデザイナーの参考情報

平均年収300万円〜500万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種広告・デザイン・アート

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