ディスプレイデザイナーになるには?必要スキルや向いている人の特徴などを具体的に解説

ディスプレイデザイナーになるには?必要スキルや向いている人の特徴などを具体的に解説

ディスプレイデザイナーになるには、特別な空間を演出するための知識とスキルが必要です。ディスプレイデザイナーにはどんな人が向いているのでしょうか。本記事では、ディスプレイデザイナーに向いている人の特徴や、求められるスキル等についてご紹介します。

ディスプレイデザイナーになるには何が必要?

空間設計を通して「面白いこと」を提供したいという気持ちが不可欠

ディスプレイデザイナーは、店頭における商品陳列など小規模なものから、イベントスペースにおけるエンターテインメント性に特化した展示空間の設計など大規模なものまで、空間そのものに拘った手法を駆使して、特別な空間を演出する仕事です。

ディスプレイデザイナーが手がける仕事は多種多様ですが、共通しているのは、商品や展示物の設置に対し全般的な設計を担う仕事であることです。ディスプレイデザイナーが活躍する場は、一般的な量販店から、おしゃれな雑貨店、アパレルショップ、路面店など様々に用意されています。

例えば文房具など日常的な商品であっても、黒い布を敷いて、等間隔に並べておくだけで思わずおっ、と立ち止まってしまうような効果を生むことができます。かと思えば、広い鏡張りの部屋に映像を映すなどの大規模な仕掛けを用いて、人々をあっと言わせるような空間を作ることもまた、ディスプレイデザイナーの仕事です。

手が込んだ仕掛けを作らなくても、ちょっとした位置の工夫、アクセサリの工夫などによって、商品の姿が見違えるものになります。でも、大規模な手の込んだ仕掛けを導入すればもっと面白いことができるようになります。

そういった、空間を通して人々にエンターテインメントを提供できるような、遊び心を持っていることが、ディスプレイデザイナーにとっては何よりも大切です。

メディアというものの形式の変化に対して常に敏感であること

昨今は、メディアというものは日進月歩といっていいほど、非常にスピード感のある変化を次々と繰り返している時代です。10年前と今とでは、メディアの形は大きく様変わりしました。

スマートフォンの爆発的普及や、それに伴ったVR技術、AR技術、プロジェクションマッピング、人工知能による深層学習といった最先端の技術は、空間作りを大きく変え続けています。

一時期大きな話題を呼んだPokémon GOなどのARや位置情報を利用したゲームの普及は若年層の圧倒的な支持を集め、仮想世界のモンスターを集めるために大移動する様は、中高年世代には大きな驚きとなって映ったことでしょう。

今や空間はバーチャルリアリティによっていくらでも増幅可能な魅力を内包するものに変貌し、「空間そのものがメディアである」と言ってもいいくらいのレベルになってきています。

従来のメディアは、テレビという媒体を通したものであったり、空間にそぐわない看板であったり、巨大スクリーンによる喧伝など、空間とは直接結びつかない手法が主体となっていました。(そして空間と乖離しているからこその工夫もありました)

今は、空間そのものが表現媒体となり、インターネット上に構築された仮想空間との連携は一般的になり、店頭において位置情報に連動したキャンペーンが実施されるようになりました。例えば、店頭の特定の商品の前に立つことでゲーム上において特別なイベントが発生したり、特別なモンスターが出現するなどといったことが、普通になりつつあります。

また、インスタグラムなどのSNSを通して、魅力的なディスプレイそのものがスマートフォンによって撮影され拡散されることで、「空間そのものが広告になる」という現象も一般的となりました。

今の時代は、「店頭においての空間作りそのものがメディアとして発信される」時代になってきています。そうした時代に併せて、鋭敏な感性を発揮するディスプレイデザイナーが求められています。

ディスプレイデザイナーに向いている人、適性がある人

アイディアに溢れ、日々面白い空間作りを実践できる人

ディスプレイデザイナーには、様々な規模での仕事がありますが、主に求められるのは顧客の戦略や要望を汲んだ、面白さを感じられるディスプレイ作りです。

空間表現における可能性は随分と広がりましたが、そうした設計は好き勝手やるわけにはいきません。先ずはクライアントの予算規模や要望に応じてディスプレイ設計を行う必要があります。

しかし、予算や表現手段が制限されている場であればあるほど、ディスプレイデザイナーは熱意に満ち溢れます。規定の枠組みを保ちながらいかに面白さを加味できるかというのは、全て自由にやれる空間よりも面白さを感じるものです。

エンターテイナーが最も輝くのは、規定の枠組みやクライアントの希望などの縛りがある空間の中でこそ、というのはある種宿命のようなものです。鉛筆一本おくにしても、ディスプレイをちょっと工夫するだけで、人々はその鉛筆に魅力を感じられるようになります。

特別な空間でなくとも、スーパーの特売コーナーでも、配置や見せ方を工夫することは可能です。そうした日常空間でこそ、人々を惹きつけるようなディスプレイを作れると、より練りに練られた工夫が注目され、ツイッターなどで拡散されることもあります。

とある都内の書店では、新刊のハードカバー本を大量に平積みする際に、多角形のタワーを組むように積み上げているところがあり、SNSでも話題になりました。また、海外の、マレーシアやタイのお土産屋では、とても理に適わないようなとんでもない高さにまで同一商品を積み上げている例もあります。

ちょっとしたことのようですが、そうした日常的な光景に映える工夫も、ディスプレイデザインの手法の一つです。そうしたアイディアを日々思い浮かんではストックして、ここぞというときに発揮できるアイディアマンが、ディスプレイデザイナーに向いています。

人を感動させることが好きで、ディスプレイの未来を見据えて活動できる人

ディスプレイデザイナーの行う売り場の設計やイベント会場の設計は、人をワクワクさせたい、感動させたいという熱意を持って行われます。

アパレルブランドの展示会や、高級な電化製品の売り場などでは、わざと一部分だけを暗くして、1コーナーだけ非日常的な特別感を演出していることがたまにあります。

先述した通り、店舗の種類はあまり関係なく、ちょっとした工夫が広告になりますし、購買意欲の増大にも繋がります。ディスプレイデザイナーを目指す人は、常に「ディスプレイとは何か?」を見据えて行動できることが、今後ますます求められていくでしょう。

日用品を扱うショップでは従来、そんなに手の込んだ商品陳列は行われていませんでした。しかし、店舗において行なっていたちょっとした工夫が話題になることは物凄く増えていて、例えば独特のアンケートの回答が話題になった『生協の白石さん』など、日常にあるお店だからこそできたちょっとした演出が爆発的なヒットを呼びました。

こうした空間作りにおいて人を感動させたいという熱意は、緊張の緩和を促し、親しみを感じさせてくれます。非常に硬い雰囲気の本しかおいていない店の隅っこにぬいぐるみがおいてあるだけでも、ちょっと緊張がほぐれますし、実際にそうした意図による行動であれば、それだけで完璧なデザインです。

従来のディスプレイ、看板やポップアップなどは、広告としての視認性を重視するあまり装飾過多になりがちでした。しかしこれからのディスプレイデザインは、このようなちょっとした驚きや日常にふと気づくか気づかないか程度に盛り込まれた工夫こそが生きていきます。

これからのディスプレイに必要なことを、足し算だけでなく引き算で考えられるような素質も、これからのディスプレイデザイナーに必要なことです。

ディスプレイデザイナーになるための学校・教室

資格は必須ではない デザインを学べる学校へ進学しよう

ディスプレイデザイナーには特別な資格や免許などは必要ありません。しかし、普通の人間にはないセンスが必ず必要になってきます。

そういった素質については、学歴や学んだ分野に必ずしも関係なく身につくものではありますが、ディスプレイデザイナーとしての基本となるのは、空間構成力と、構図に対する強いこだわりです。

そうしたことを学ぶには、美術系の大学、あるいは専門学校のデザイン学科が最適です。基本的にデザイン学科では平面のデザインを中心に学びます。CGだったり、イラストだったり、そういった手法で、構図の基礎の基礎から学ぶことが可能です。平面におけるモチーフの構成力は、空間をデザインする際にも大いに役立ちます。

PhotoshopやIllustratorなどのドローイングソフトウェアを扱う経験を求める会社も少なくなく、そうしたソフトも学校に備え付けられたものを使うことができます。

なお、国家資格の「商品装飾展示技能士」は、実務経験が必須となる資格なので、就職後に取得するといいでしょう。

ディスプレイデザイナーになるには?まとめ

空間作りに特化したデザインの仕事は今後需要が上がっていく

ディスプレイデザイナーになるには、資格や学歴はあまり重視されず、空間作りや構成、構図に対する類稀なるセンスが問われます。これからのディスプレイ作りには派手な装飾ではなく、派手さは欠けても目を引くような、工夫の妙が必要です。

通販でなんでも買えるようになった時代だからこそ、店舗において提供できるのは商品だけではないという考え方が重要です。ディスプレイデザイナーに求められているのは、実店舗での購買体験におけるちょっとした感動を生み出すことです。

ディスプレイデザイナーの参考情報

平均年収300万円〜500万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種広告・デザイン・アート

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