便利屋の給与・年収は?初任給や独立開業した場合の収入想定も解説

便利屋の給与・年収は?初任給や独立開業した場合の収入想定も解説

ちょっとした電気工事や害虫駆除、車を使った送迎などから、専門業者がいないような特殊な依頼まで。さまざまな分野の依頼に対応してくれるのがよろず屋ともいわれる便利屋です。では便利屋はどの程度の給与をもらい、年収を得られるのでしょうか。便利屋の給与や年収、将来性について紹介します。

便利屋の初任給

時給制のスタートが多い

便利屋の給与は時給制からスタートすることが多く、求人募集では時給1,000円前後からスタートすることが多く見受けられます。

月給に換算するとおおよそ15~20万円からスタートとなり、実績や対応可能な業務に応じて時給アップ、正社員登用につながっていきます。

正社員は20万円前後から

正社員募集をしている便利屋の場合には、20万円前後からスタートすることが多いです。

厚生労働省が公表している「平成30年度賃金構造基本統計調査」における、全産業を平均した初任給の額は以下の通りであり、便利屋は平均と大きく差がない程度の初任給をもらえる業種としてみてよいでしょう。

最終学歴 全産業
大学院修士課程修了 23.9万円
大学卒 20.7万円
高専・短大卒 18.1万円
高校卒 16.5万円

便利屋の平均給与の統計

給与統計

便利屋の給与を統計したデータは存在していないため、「平成30年度賃金構造基本統計調査」において便利屋に最も近い業界である「その他の生活関連サービス業」の給与統計を紹介します。

年齢 その他の生活関連サービス業 全産業平均 比率
全年齢 27.4万円 30.4万円 90.08%
~19 17.0万円 17.6万円 96.75%
20~24 20.1万円 20.7万円 97.05%
25~29 22.5万円 23.9万円 94.31%
30~34 25.4万円 27.2万円 93.17%
35~39 28.5万円 30.1万円 94.75%
40~44 29.9万円 32.7万円 91.23%
45~49 32.1万円 35.2万円 91.12%
50~54 33.4万円 37.3万円 89.66%
55~59 32.0万円 36.4万円 87.90%
60~64 23.5万円 27.5万円 85.61%
65~69 20.5万円 25.0万円 81.89%
70~ 23.2万円 25.9万円 89.73%

全産業と平均して1割程度低い給与額であり、また年を重ねるごとに得られる昇給幅が小さめの業界であることが伺えます。

専門分野で給与アップ

給与のアップを目指すには、対応できる依頼のジャンルを広げていくことがよいでしょう。便利屋に来る依頼の中には、資格や免許を取得しないと法的に対応が許されないようなものもあります。

例として次のような依頼と、それに対応する資格があります。

二種電気工事士 コンセント修理やエアコン設置などの簡単な電気工事
普通自動車二種免許 自動車での送迎や運転代行
貨物軽自動車運送事業 軽トラックで引っ越しなどの荷物の運搬
建築物ねずみ昆虫等防除業 建物のねずみや害虫の駆除

これらの依頼は便利屋が受ける依頼としてはメジャーな部類に入ります。このほかにも多くの依頼と対応する資格がありますので、需要の大きい依頼に幅広く対応するためにも資格を取得しておくとよいでしょう。

便利屋の年収統計

年収統計

同じく「平成30年度賃金構造基本統計調査」において便利屋に最も近い業界である「その他の生活関連サービス業」の平均給与から、年収を類推したものを紹介します。

年齢 その他の生活関連サービス業 全産業平均 比率
全年齢 421.8万円 491.2万円 85.87%
~19 234.6万円 248万円 94.60%
20~24 291万円 314.9万円 92.41%
25~29 356.6万円 391.3万円 91.13%
30~34 404.3万円 450.5万円 89.74%
35~39 443.7万円 495.1万円 89.62%
40~44 462.9万円 536.4万円 86.30%
45~49 503.9万円 576.2万円 87.45%
50~54 511.9万円 606.5万円 84.40%
55~59 484.2万円 583.2万円 83.02%
60~64 338.8万円 409.3万円 82.78%
65~69 280.0万円 348.8万円 80.28%
70~ 322.5万円 348.3万円 92.59%

年代が上がるごとに全産業平均との差が広がる傾向は、給与と比べてもより顕著となっています。

便利屋の価格から見る給与

便利屋は依頼に応じて対応し、その内容に応じた報酬をえることができますが、どの程度の報酬を得ることができるのでしょうか。

全国に支社を持つ、大手チェーンの便利屋では、以下のような価格表を公開しています。

車両を使う作業 1台3,000円
作業員出張費 1人2,000円
作業員の作業費 1人1時間あたり3,000円
その他経費 実費

作業員本人に係る売上は1時間あたり3,000円の売上となるため、作業員本人が得られる収入は時給換算で1,500円前後までが上限と考えてよいでしょう。

正社員が時給換算1,500円の給与をもらう場合、
1,500円×1日8時間×22日=月給264,000円

ボーナスが夏冬2か月ずつもらえるとした場合には
264,000円×(12か月+4か月)=年収4,224,000円
が、便利屋の作業員としての給与として考えられるでしょう。

年収1,000万円を目指すには

便利屋として高額収入を得るには、作業員として雇われない就業形態をとることが必要でしょう。便利屋にはどのような就業形態が考えられるのでしょうか。

独立開業

代表的なものは便利屋として独立開業することです。作業員して修行を積み、幅広いジャンルの依頼に対応できるようになれば、多くの依頼を受けることができるでしょう。

先に紹介しました大手チェーンの価格表と同等の価格で事業を展開した場合、毎日8時間分の依頼を受けることができれば、時給換算で3,000円×8時間=24,000円が自分自身の収入として得られます。

事業の備品等の維持費や運営費用もかかるため、売上のすべてが収入とはなりませんが、それでも月収50万円は十分狙えるでしょう。さらに他の便利屋にない強みとして、特殊なジャンルの依頼を受けられるようになれば、さらに需要は高まり、収入も大きくなっていくことでしょう。

自分自身が対応できない場合でも、特殊な技能を持ったスタッフを雇うことや外注スタッフを活用することで、事業を拡大していくことができます。営業活動をしなければ収入にならない反面、アイディア一つと本人の努力でどこまでも事業を拡大できるのが独立開業の夢といえるでしょう。

フランチャイズのオーナー

もう一つの方法が、全国展開するような大手の便利屋のフランチャイズに加盟することです。開業にあたっての知識だけでなく、便利屋を運営し続けていくための、大手ならではのノウハウを得ることができます。

また、テレビCMを流すような大手の看板を使った営業ができることで、顧客からの認知度も高く、営業が楽になることが期待できます。もちろんフランチャイズ加盟のための講習費用や毎月のロイヤリティといった支出はありますが、それを補うだけのメリットも十分に得られるのがフランチャイズの良い点です。

個人で開業した場合にはすべて自分ひとりで賄わなければなりませんが、フランチャイズで多店舗とグループ化している場合には、一人では困難な依頼を他のフランチャイズオーナーと相互に助け合うこともできるでしょう。

伸びる便利屋の需要

内閣府が公開した「平成29年度版高齢社会白書」によれば、65歳以上の者がいる世帯数は2010年の20,705に対し、2015年は23,724と13%も増加。さらに独居または夫婦のみの世帯割合も54.1%から57.8%と増加しています。

この65歳以上のみの世帯が増加している状態は、便利屋業界にとっては追い風となっており、とある大手チェーンの便利屋のサイトではここ10年で需要が10倍に伸びているとうたっています。

部屋の掃除、庭や外回りの掃除、不用品の片づけといった少し体力を使うような作業だけでなく、買い物代行や電球の取り換え、病院の付き添いといったシニアならではの依頼内容に対応することで、うまく需要を捉えているようです。

また今後高齢者の平均年齢が上がるにつれ、遺品整理や生前整理といった依頼も増加。今後ますますシニア世代からの需要が高まることが期待されています。現代は、独立開業やフランチャイズ加入により、便利屋業界に参入していくには非常によいタイミングといえるでしょう。

便利屋の給料・年収まとめ

一般的にはやや低め

便利屋の給料は一般的な企業と比較してもやや低めであり、年齢を重ねても給与額は大きく伸びていかない業界です。

開業かオーナー化で年収を伸ばす

年収を大きく伸ばすには、独立開業かフランチャイズに加盟してオーナーとなることが近道です。今後進む高齢化社会において、細かな依頼に対応してくれる便利屋の需要は高まるばかり。将来を見据えて参入するにはよいタイミングであるといえるでしょう。

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便利屋の参考情報

平均年収250万円~400万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種販売・サービス

統計情報 出典元:

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