公認会計士の資格試験とは?3大国家試験と呼ばれる公認会計士資格試験の概要まとめ
公認会計士として働くためには、合格率も低く難しい公認会計士試験に合格して国家試験を取得しなければいけません。今回は公認会計士の資格や試験の難易度と合格率、公認会計士試験の対策におすすめの学校についてご紹介します。
公認会計士の資格とは?
3大国家試験と呼ばれる国家資格
公認会計士の資格は、医師国家試験、司法試験と合わせて3大国家試験と呼ばれています。会計に携わる資格の中で最高峰の資格となっていて、公認会計士として働くためには必須の資格となっています。
公認会計士資格の独占業務は「監査業務」で、法律によって財務諸表の監査業務に関わることが認められている資格です。
公認会計士資格を取得してもすぐに公認会計士と名乗れない
難しい試験に合格し、公認会計士資格を取得したあとでも、すぐに公認会計士を名乗れるわけではありません。試験合格者は日本公認会計士協会の「準会員」となります。
資格取得後、さらに2年以上の実務経験を積み、日本公認会計士協会が実施する実務補習を受けて修了考査に合格する必要があります。その後、内閣総理大臣の確認を受けて公認会計士として登録されて、初めて正式な公認会計士として認められることになります。
このように、資格取得後も時間をかけて公認会計士になるまでの経験を積まないといけないところが、公認会計士試験の特徴です。
公認会計士の資格の難易度・合格率
公認会計士試験の難易度は高い
公認会計士の試験はとても難易度が高くなっています。「短答式試験」と「論文式試験」の2つの試験があり、どちらも合格しないといけません。短答式試験はマークシート方式で、短答式試験に合格したら論文式試験を受験します。
短答式試験は年2回、論文式試験は年1回のみ試験を実施しています。なので、論文式試験を再受験するときは1年後になります。
公認会計士試験は合計9科目受験
公認会計士試験には、必須科目5科目と選択科目4科目の合計9科目があります。
必須科目は「財務会計論、管理会計論、監査論、企業法、租税法」の5つ、選択科目は「経営学、経済学、民法、統計学」の4つです。必須科目の「財務会計論、管理会計論」は会計学として1つにまとめます。
短答式試験では「経営学、経済学、民法、統計学」の4科目を受験します。論文式試験では必須科目の「会計学(財務会計論、管理会計論)、監査論、企業法、租税法」と選択科目の「経営学、経済学、民法、統計学」いずれか1科目を選択して受験します。
つまり、短答式試験では4科目、論文式試験では5科目の合計9科目を受験することになります。
短答式試験は全科目合格点に達さないと不合格
公認会計士試験の短答式試験は複数科目を同時に受験しますが、科目ごとに合格点が設定されていて、全ての科目で合格点に達さないと不合格になってしまいます。受験するすべての科目で合格点を超えられるようにまんべんなく勉強しなくてはいけません。
短答式試験は4科目の総点がだいたい70%以上、論文式試験は5科目の総点がだいたい52%以上を超えていることが、合格基準になります。また、短答式試験は合格した場合のみ、2年間は短答式試験の免除を受けることが出来ます。
論文式試験の合格科目は2年間免除
公認会計士試験の短答式試験は科目合格制が不適用でしたが、論文式試験は科目合格制が採用されていて、合格した科目は2年間免除を受けることが出来ます。
なので、初回の受験で全科目合格出来なくても、次回受験時は不合格だった科目のみ勉強して受験することが出来ます。
合格までに必要な勉強時間の目安は3,000時間
公認会計試験に合格するために必要な勉強時間の目安は約3,000時間と言われています。公認会計士試験は難易度の高い2種類の試験があるため、それぞれの試験勉強をしなければいけません。なので、短時間の勉強で合格することを目指すよりは、少し時間をかけてじっくり勉強するほうが良さそうです。
公認会計士試験の合格率は約10%
公認会計士試験は最高峰の試験となっていて、合格者は毎年10%前後となっています。毎年少しずつ合格率は上がってきていますが、難関試験であることには変わりません。
また、短答式試験と論文式試験それぞれの合格率を見てみると、短答式試験が15%前後、論文式試験が35%前後となっています。
その他の公認会計士関連資格
日商簿記
公認会計士試験を受けようと思ったら、簿記の勉強も検討してみてください。公認会計士試験でも簿記の知識が問われる部分が多く、簿記の知識があることで公認会計士試験の勉強を進めやすくなります。
もし簿記の資格を取っている時間的余裕が無ければ、いきなり公認会計士の勉強を始めてもいいですが、じっくり時間をかけて勉強できる方はまず簿記の勉強から始めてみてもいいと思います。
税理士
公認会計士とよく似た資格に税理士があります。公認会計士と税理士は似ているので両者は同じだと思っている方も多くいますが、実際は全く異なる仕事をする職業です。
公認会計士は「監査業務」が独占業務であるのに対して、税理士は「税務代理、税務書類作成、税務相談」を独占業務とします。つまり、公認会計士は企業の監査を、税理士は主に企業や個人を顧客として税務に関する業務を行うので、似ていると思われがちな2つの資格は全く異なると認識しておいてください。
米国公認会計士
日本の公認会計士は、日本の制度における公認会計士を指します。つまり、会計ルールは各国ごとに異なるので、海外で公認会計士として働くには海外の公認会計士資格を取る必要があります。
海外の公認会計士資格として人気なのが米国公認会計士です。米国公認会計士試験は、英語ができる人であれば日本の公認会計士試験よりも難易度が低いので、海外で公認会計士として働く場合は米国公認会計士取得をおすすめします。
公認会計士の資格が取れる学校
大原学園
大原学園には公認会計士コースがあり、難関試験と言われる公認会計士試験に合格するために、合格ノウハウが詰まったオリジナル教材や個別相談などで合格までサポートしてくれます。毎年多くの合格者を出していて、高い就職率も記録している実績の高い学校です。
TAC
TACには公認会計士初受験者の初学者向けコース、受検経験者向けコース、試験合格者向けコースの3コースが開設されていて、自分に合うコースで勉強することが出来ます。試験合格に向けての勉強はもちろん、試験合格後の修了考査対策講座も開設されています。
試験に合格したら終わりではなく、試験合格後のサポートも充実しているところがTACの魅力です。
CPA
CPAの公認会計士コースには大きく分けて5つのコースに分かれていて、自分のレベルや勉強時間に合わせてコースを選ぶことが出来ます。
- 週6~7回講義を行い1年間で合格を目指すコース
- 週3~4回講義を行い2年間で合格を目指すコース
- 週4回講義を行い2年弱で合格を目指すコース
- 週5回講義を行い2年弱で合格を目指すコース
- 2年間かけて勉強できるが、1年で合格も目指せるコース
合格までの期間が短いほどタイトなスケジュールで講義を行うため、ご自身の都合に合わせて週何日なら講義に出れるのかを考えてコース選びをしましょう。特に社会人の場合は仕事と並行して勉強するのか、仕事を辞めて勉強に専念するのかでコース選びも変わってくると思います。
無料で説明会や体験授業を行っているので、まずは話を聞いてみることをおすすめします。
公認会計士の資格まとめ
公認会計士になるためには公認会計士資格を取得しなければならない
公認会計士になるためには、まず難易度の高い試験に合格して国家資格を取得しなければなりません。合格するためにも合格実績の高い学校に通ったり、関連資格の知識を活かして勉強したりと、地道な努力が必要です。
しかし、合格が難しい分公認会計士資格は価値のあるものですし、会計に関する知識を活かせる場面も多いので、公認会計士資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
公認会計士の参考情報
平均年収 | 800万円~ |
---|---|
必要資格 |
|
資格区分 | 国家資格 |
職業職種 | 金融 |
公認会計士の関連記事
「フォロー」をお願いします
最新情報をお届けします