公認会計士になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説

公認会計士になるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説

公認会計士は弁護士・不動産鑑定士と並ぶ日本三大国家資格の一つであり、経理・財務系の最高峰の資格です。公認会計士になるにはどうすればよいのか、どんな性格の人が向いているのか、国内最難関とも言われる試験に合格するためにどうすればよいのかを紹介します。

公認会計士になるには何が必要?

公認会計士はステータスの高い職業ではありますが、難しい試験だろうというイメージはあるものの、どんな試験なのか、合格後に何が必要なのかは実はあまり知られていません。公認会計士の試験とその後について紹介します。

日本最難関の試験の一つ「公認会計士試験」に合格

公認会計士の試験が難しいと言われる理由の1つに、その出題範囲の広さがあります。短答式で「財務会計論」「管理計算論」「監査論」「企業法」の4科目、論文式で「会計学」「監査論」「企業法」「租税法」の4科目と選択科目の「経営学」「経済学」「民法」「統計学」の中から選択した1科目、計9科目の試験が存在するのです。

そして何より、この全ての科目について1回の試験で全て合格しなければなりません。公認会計士と比較されることの多い税理士は同じように難易度の高い資格ですが、税理士の場合は合計5科目を個別に受験することができ、1科目合格してから次の科目を受験できるため、公認会計士のほうが1度の試験の内容としては非常に難易度が高いとされています。

資格を取っただけでは公認会計士ではない

実務経験2年を経て晴れて公認会計士へ

非常に難易度の高い公認会計士試験ですが、この試験を突破してもすぐに公認会計士になれるわけではありません。公認会計士法第三条において、公認会計士または監査法人の補助を2年以上行い、実務補習を修了した後に内閣総理大臣の確認を受けて初めて公認会計士の資格を得られると規定しています。

公認会計士は試験の難易度だけでなく、実務経験も資格取得の条件に含まれていることから、さらに難関としての度合いを高めているのです。

公認会計士に向いている人、適性がある人

全ての職業には必ず人によって向き不向きが存在します。公認会計士がどんなにステータスが高くても、まったく向いていない人には就いてもつらいだけになるかもしれません。公認会計士に求められる適性から、どんな人が向いているのかを紹介します。

数学ではなく数字に強いこと

公認会計士は企業の財政状態、経営成績を監査することが独占業務として扱えるため、企業の会計に関する数字を常に扱い続ける職業です。「数字を見ただけで眩暈が……」というような方は、残念ながら向いていないと言えます。

ここでいう数字とは、必ずしも数学に強いことではありません。試験の選択科目に「統計学」がありますので数学に強いことは有利にはなりますが、必須とは言えないでしょう。

自身が会計としての数字に強いかどうかを確かめるには、簿記の資格を取得してみることがよいでしょう。簿記は会計の基本ですので、自身が会計に適性があるかどうかを確かめるには打ってつけと言えます。

正義感が強く勇気を持てる人

公認会計士の業務は企業の監査のため、金額の誤りや計上漏れなど、意図されているかどうかに関わらず不正を正していかなければなりません。そのため、正しい行いを強い意志を持って行える正義感がある人が向いているでしょう。

会社に利益を残すために売り上げを過少に計上したり、損失を隠すために過剰に計上したりといった粉飾決算の話題が上がりますが、会社の状態について正しい情報を市場に提供できなければ、不正に損害を受ける人々が出てきてしまいます。健全な市場の形成のため、勇気と正義感を持った監査を行える人物が求められるのです。

論理的思考で正解に向かえる人

公認会計士の業務の中で、昨今伸びを見せているのがコンサルティング業です。財務諸表の数字や経営計画から、会社が抱えるリスクを判断し解決の提案をしていくのが公認会計士に求められるコンサルティングです。

なぜリスクが発生し、どうすれば回避できるのか、利益の最大化のための不安要素をどう無くしたらいいかを論理的に考え、適切に説明できる公認会計士は、企業から厚い信頼を勝ち取れるでしょう。

新しいことを吸収できる人

日本経済の変化に伴い、公認会計士の業務も日々変化が求められます。コンサルティングの内容はもちろん、国際的な対応が求められることも多々あります。新しいサービスやルールの登場により発生するリスクに対し、素早く柔軟な対応が求められています。

柔軟な対応には広く新鮮な知識が必要です。そういった対応を可能にできるよう、常に勉強をし、新しい情報を取り入れていける人は成功していけるでしょう。

何より努力家である人

大変な難関である公認会計士試験を突破できるだけで、大変な努力が必要です。会計事務所で働きながら、何年も受験し続けている人もたくさんいるでしょう。合格した後も世の中の変化に対応するため、新しい情報を吸収し続けなければいけません。

公認会計士に最も必要な素養は、目標・目的に向けて努力をし続けることのできる気持ちであると言えるでしょう。

公認会計士になるための学校・教室

日本最難関試験の1つである公認会計士試験に合格するためには、効率よく勉強することが望ましいでしょう。最短で合格するために、どんな環境で勉強することができるのか紹介します。

大学で学ぶ

大学の経済学部・商学部といった商業系の学部学科は、その分野における専門知識について深く学ぶことに適しています。それぞれの分野で最先端の研究を行っている教授の講義を受けることで、その分野の最新の知識を得、理解をさらに深めることができます。

ただし、広い範囲の知識を学ぶ必要がある試験対策としては、講義だけでは不十分と言わざるを得ません。大学によっては公認会計士向けの特別カリキュラムや、受験者をサポートするための専門の研究室を設置しているところもありますので、それらを活用することもよいでしょう。

専門学校で学ぶ

試験対策としては専門学校が最適です。試験の傾向を分析し、対策までしっかりサポートしてくれます。大学に行きつつ、専門学校でダブルスクールをしている学生も少なくないようです。

専門学校の優れた点の1つに、同じ志を持った学生達と一緒に勉強するという環境が挙げられます。お互いに刺激を与えつつ、合格に向けて切磋琢磨できる環境は、何よりの力になるでしょう。

独学はいばらの道

大学にも行かず、専門学校にも通わず、独学で合格を目指すという方法もあります。毎年多種多様な対策問題集や参考書が発行されますので、情報量としては十分かもしれません。

しかし、会計だけでなく、学問は難解な言葉での説明が多く、参考書を読んだだけではなかなか理解できないことが多々あります。わからない用語を一人で調べてまた戻ってを繰り返すうちに、勉強が進まずモチベーションが下がる危険性が、大学や専門学校で学ぶよりも高いと考えられます。

大学や専門学校は費用も掛かりますが、体系的に学ぶノウハウを持った講師陣が教えてくれるため理解も早く、合格までの時間は短縮されるでしょう。

公認会計士になるには?まとめ

まずは数字と向き合おう

公認会計士になるために必要なことは、まず自身に適性があるかどうかを確認することでしょう。簿記の問題集を買い、一冊終わった時に「会計って面白いかも」と思えれば、公認会計士に向くかどうかの第一関門はクリアしたと言えます。あとは目標の達成に向けて、弛まぬ努力を続けていきましょう。

試験合格に向けて効率よく学ぼう

公認会計士試験の合格は一朝一夕で達成できるものではありません。長く厳しい勉強の日々が続きますが、効率よく効果的に学ぶために、各種学校を利用しましょう。会計の分野について深く知りたいのなら大学へ、試験突破のために集中したいのなら専門学校へ通うのがおすすめです。

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