タクシー運転手の資格・試験とは?普通自動車第二種免許が必要で地域によっては地理試験もある
タクシー運転手になるための試験・資格のメインは旅客用自動車を運転するために必要な普通自動車第二種運転免許で、難易度は比較的難しいです。一部地域では、タクシーセンターで地理や法令に関する試験に合格しなければタクシー運転手になれません。
タクシー運転手に必要な資格とは?
普通自動車第二種運転免許は、タクシー会社に入社後取得でも大丈夫
タクシー運転手になるために学歴などは必要ありません。ただし、旅客用自動車にお客様を乗せて運ぶ目的で運転する場合、普通自動車第二種運転免許が必要です。
第二種運転免許を取得するためには第一種運転免許を取得してから3年以上経過している必要があります。そのため、第二種運転免許を取得する場合は21歳以上となり、タクシードライバーの求人も21歳以上です。
またタクシー会社に就職してタクシー運転手を行う場合、タクシー会社に就職後第二種運転免許を取得でOKという会社もあります。第二種運転免許は最短で10日ほどで取得可能です。教習所に通う費用などを補助してくれる会社もあります。
東京・大阪・神奈川でタクシー運転手になる場合、地理試験に合格する必要がある
東京都(23区、三鷹市、武蔵野市)、大阪府(大阪市、堺市など一部の市)、神奈川県(横浜市、川崎市、横須賀市及び三浦市)の指定地域でタクシー運転手になるためには地理試験を受け、合格する必要があります。
正式名称は「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」です。「タクシー事業にかかる法令」「安全及び接遇と当該指定地域にかかる地理」の二科目に分かれています。
普通自動車第二種運転免許はタクシー運転手のほか、運転代行なども可能
普通自動車第二種運転免許を取得することで、運転代行の仕事をすることも可能になります。運転代行は、お酒を飲んだ人に代わり車を運転する仕事のことです。昨今では飲酒運転が社会問題となっていますので、需要は高いです。
運転代行ではお客様の車と、運転代行をするドライバーが乗ってくる随伴車が必要となります。依頼があればドライバー2人が随伴車両でお客様の元へ行き、運転代行のドライバーがお客様の車を運転して自宅に送り届ける、というものです。
タクシー運転手と明らかに違うのは、お客様の車、つまり運転しなれていない車にお客様を乗せて運転する必要がある、ということです。
普通自動車第二種運転免許取得の難易度
普通自動車第二種免許の難易度はやや高く、しっかり対策を取るべき
普通自動車第二種運転免許を取得するには一種運転免許を取得する時同様、学科試験と技能試験を受ける必要があります。学科試験については普通自動車第一種運転免許でも学習した内容に加えて旅客車自動車に関する問題が出題されます。
学科・技能試験合わせた合格率は毎年40%前後です。第一種運転免許の合格率が80%前後であることを踏まえると、難易度は高いと言えるでしょう。すくなくとも、第一種運転免許を取得する時と同じ心構えで行くと落ちてしまう人が多いようです。
特に技能試験において、合格率は10~20%、1発合格できる人は10%未満と言われるほど難易度が高い試験です。お客様を乗せ、命を預かる仕事に従事するわけですから、厳しい試験になります。
普通自動車第二種運転免許の取得方法は?第一種免許取得時と同様のルート
受験方法は主に3つですが第一種運転免許と全く同じです。一つ目は教習所へ通わず直接運転試験会場へ行き、適性試験・学科試験・技能試験を受けて合格する方法です。試験は厳しく審査され、合格率はかなり低くなっています。
二つ目は自動車教習所に通い、仮免許を取得してから試験場に行き本免許を取得することです。費用はそれなりにかかりますが、学科も技能も基礎からしっかり教えてもらえ、学科試験に関しては教習所独自のサポート体制が整っていることも多いです。
三つ目は合宿免許で取得することです。第一種運転免許も合宿免許で取得する人は多いですが、二種の場合も合宿免許が存在します。まとまった時間がとれ、日程が合うようでしたら短期集中で合宿免許を利用するのもよいでしょう。
東京・大阪・神奈川の一部地域ではさらにタクシーセンターで研修や試験を受ける
東京都・大阪府・神奈川県の一部指定地域でタクシードライバーになるためには、タクシーセンターで研修を受け「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」試験に合格する必要があります。「タクシー事業にかかる法令」「安全及び接遇と当該指定地域にかかる地理」の学科試験二科目で「地理試験」と呼ばれることもあります。
地理に関する問題では道路の名前、地名、有名な建物の名前や駅の場所など、地域の地理に基づいた問題が40題出題され、32問以上(80%以上)正解しなければ合格できません。安全と接遇の問題に関しては道路運送法などの法律に関する内容や、高齢者、障碍者などの乗車・降車などタクシー運転手としての対応に関する内容があります。
45問出題され36問以上(80%以上)正解しなければ合格しません。また1科目ずつの受験も可能で、どちらか片方合格すれば2年間は次回受験時に免除が適用されます。
合格率は50%前後で、指定地域でタクシー運転手になるために必ず必要な資格としては、低めの数字と言えるでしょう。ただし、試験が頻繁に行われているため何度も挑戦することで合格できる可能性が高い試験です。
一度合格し、同じ地域でタクシー運転手を続ける場合は更新の必要も再受験の必要もありません。しかし2年以上タクシー運転手の仕事をしていない場合や、2年以上指定の地域以外でタクシー運転手をしていた場合などは再受験して合格する必要があります。
観光タクシー運転手に関連する資格とは?
観光タクシーを運転する人は勉強が必須
観光タクシーとはタクシーを指定の時間中借り切って、観光ができるタイプのタクシーです。タクシー運転手が車から降りて観光地を案内してくれることもあります。どの交通機関で行くか、時間や料金、乗り継ぎのことなど、気にすることなく観光が楽しめます。
また、タクシー運転手が観光ガイドをしてくれるので、おすすめの観光スポットや美味しい食事ができるグルメスポットなど、直接訪ねて連れて行ってくれるメリットがあります。数人が乗り合わせたバスで観光地を回るバスツアーとの違いは、あらかじめ決められたプランだけではなく客の要望に合わせて動くことができる点です。
東京観光タクシードライバー認定制度は心強い資格
「東京観光タクシードライバー認定制度」は国内外から訪れる観光客に、タクシーを利用してより快適に観光を楽しんでもらおうと、オリンピック招致の東京観光振興の一環として始まりました。
認定を受けるには「東京シティガイド検定」にまず合格する必要があります。「東京シティガイド検定」の内容は東京の歴史や地理、伝統工芸に関する内容までさまざまです。合格後、実践的な研修を受けた後、認定となります。東京で観光タクシーの業務を行う人にとっては心強い資格とも言えます。
旅行業界唯一の国家資格「総合旅行業務取扱管理者」で旅行について総合的に学ぶ
「総合旅行業務取扱管理者」は旅行業界で唯一の国家資格と言われています。旅の企画立案や取引・実施にまつわる幅広い業務を取り扱うことができます。旅行業務取扱管理者の中には国内のみ、地域限定などがありますが、総合旅行業務取扱管理者の場合は国内外を問わず旅を総合的にプロデュースできます。
タクシー運転手になるために必ずしも必要な資格ではありません。しかし、観光にかかわるタクシー運転手として働きたいのであれば、旅の企画、旅行プランの作成など学ぶことで仕事に役立ちます。
観光タクシー運転手に関連する資格・知識を身に付けられる学校
名古屋観光専門学校 旅行学科では対策授業があるので資格の取得率が非常に高い
名古屋観光専門学校 旅行学科では「トラベルコース」「トラベルカウンターコース」「ツアーコンダクターコース」「ツアープランナーコース」の4つのコースに分かれて旅のスペシャリストを養成する学校です。
「総合旅行業務取扱管理者」の資格取得率も高く、対策授業がカリキュラムに組み込まれているため授業の中で試験対策ができます。過去問や出題傾向を抑えた授業内容なので、効率的に資格取得に向けて勉強できます。
さらにインターシップや実習制度が充実しているため、在学中に実践的な能力を身に付きます。例えば旅行プランニングやツアーコンダクター実習では、自ら企画した旅行を実施し、添乗員の業務を経験することができます。旅行会社の協力もあり、プロの目線からのアドバイスをもらうこともできます。
タクシー運転手の資格・試験まとめ
タクシー運転手になるなら、まず普通自動車第二種運転免許を取得しよう
タクシー運転手になるには普通自動車第二種運転免許を取得する必要があります。タクシー会社によっては入社後に補助金を出してしてくれることもあります。第一種運転免許と比べると筆記・技能試験ともに難易度が高くなります。
東京・大阪・神奈川の指定地域でタクシー運転手をするためには、タクシーセンターで地理や法令に関する試験を受け合格する必要があります。第二種免許を取得すると観光タクシーとして働くことも可能です。
タクシー運転手の参考情報
平均年収 | 300万円~400万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 免許 |
職業職種 | 運輸・乗り物 |
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