文具ソムリエールになるには?求められることや向いている人の特徴などを具体的に解説
文具のある暮らしを企画・提案する文具ソムリエール。文具ソムリエールになるには、どのような人が向いているのでしょうか。この記事では、向いている人の性格やキャリアの積み方、格好・資格の情報などについてご紹介します。
文具ソムリエールは誰でもなれる?
文具ソムリエールとは文房具の専門家
ソムリエールというのはもともとフランス語で、ソムリエの女性名詞です。フランス語で書くと「sommelière」となります。ちなみに男性の場合は「ソムリエ」で、フランス語で書くと「sommelier」です。
もともとはワインの管理・お客様に提案などをする専門家という意味で使われていますが、日本ではその道の専門家であることを示す目的で「ソムリエール(ソムリエ)」という言葉を用いています。
つまり、「文具ソムリエール」とは女性の文房具専門家ということになります。
「文具プランナー」や「文具アドバイザー」と名乗っている人もいる
前述したように「文具ソムリエール」という言葉は、文房具の専門家という意味で、このような仕事をしています。
- 文房具に関する知識を活かして管理を行う
- お客様の好みに合った文具(文具のある生活)を提案する
- お客様の文具選びを手伝い、ライフスタイルに合った文具の楽しみ方を提供する
- メーカーや文房具店のアドバイザーなど
その他、文具関連の専門家であることをあらわすためによく使われる名称としては、「文具プランナー」や「文具アドバイザー」があり、これらの言葉を使って活動している人もいるようです。
いずれも文具のある生活を企画・提案して、それぞれのライフスタイルに合った文具の楽しみ方を探すお手伝いをするという意味で用いられており、「文房具の専門家」という意味ではほぼ同じと思っても差し支えないでしょう。
文具ソムリエールになる人は、何らかの形で文房具業界に携わっている人が多い
「ソムリエール(ソムリエ)」というのはワインでよく使われる言葉ですが、そう名乗るからには専門家と見なされます。
そのため、単に文房具が好きな一般人よりは、何らかの形で文房具業界に関わりのある人が多いようです。たとえば、文房具メーカーの社員や雑貨店や書店などの文具コーナーの販売担当者などが考えられます。
文具ソムリエールになるのに決まりごとはなし!資格なしでもなれる
文具ソムリエールになるには、決まったルールは特にありません。なるために必要な学歴の基準が特に定められていないのはいうまでもなく、名乗るために必要な資格もないので、極端にいうと自分で名乗ってしまえば活動することが可能です。
ただ、自分で名乗ってしまえばその肩書で活動することができるため、フリーランスで活動する人よりは文具メーカーの社員や文具コーナーの販売員・ショップの経営者もしくは経験者が、副業のような形で活動しているケースが多く見られます。
文具ソムリエールになるには文具の知識が求められる
文具ソムリエールとは、お客様の話を聞きながらその人のライフスタイルに合った文具の案内を行ったり、文具のある暮らしの企画・提案を行ったりする職業です。
お客様に文具の提案を行うためには、多くの文具に精通していることが大切です。そのため、積極的に多くの文具を使用するなど、文具に関する知識が必然的に求められます。
文具知識能力検定を持っていると、知識の証明になる
文具ソムリエールという職業や資格の名称があるわけではないので、誰でもそう名乗ることで仕事を開始することが可能です。とはいっても、関連知識がなければそのことはすぐにばれてしまうので、名乗る際には注意しましょう。
最初にも書いたように、文具ソムリエールになるには特別な資格を持っている必要はありません。ただし、文具に関する資格試験はあります。
文具関連の出版社などが共済して実施している「文具知識能力検定」という資格がそれです。この資格を持っているからといって、仕事がすぐにできるというものではないものの、最低限知っておきたい基礎知識は網羅されているので、知識の証明として持っておくといいでしょう。
文具ソムリエールに向いている人、適性がある人
聞き上手は文具ソムリエールの重要な要素
文具ソムリエールになるには、コミュニケーション力の高さが大切な要素といえます。
近年では、活躍する場も店舗内に限らずホームページなどのコラムやメルマガなどの媒体などにも広がっているので、話すだけとは限りません。それでも、相手のライフスタイルに合った文具の提案を行うという点に変わりはないので、コミュニケーション力は必要です。
それも、ただ自分の話をする、意見を言うだけというわけにはいきません。最終的には相手に満足してもらうことが重要なので、しっかりとお客様の話を聞いて、どんな文具が一番いいのかを予算や使用用途を聞き出す力が求められるでしょう。
相手の話をしっかりと聞き、一緒に考えていくことも大切な要素のひとつ
文具ソムリエールに大切なことは、聞き上手であることだけではありません。お客様の話を聞きながら、相手の要望を聞き出してどのような利用用途を考えているかを一緒に考えていくことができるかどうかも大切です。
お客様の本音は一見雑談に見える会話の中に隠れているというのも実はよくある話、もちろん、文具に関する知識があったほうがいいのは言うまでもありませんが、それは仕事を通して身につけられます。
知識以上に、お客様の立場になって尽くせる人かどうかが、文具ソムリエールの適性があるといえるでしょう。
文具に対する情熱があること
文具ソムリエールになるには、文具が好きな気持ち、積極的にいろいろな文具を試してみるという興味・好奇心が何よりも大切です。
「文具のある暮らしを提案して、喜んでもらいたい」という気持ちこそ、文具ソムリエールとして仕事をするためのモチベーションになると考えます。
店舗に勤務しているのであれば来店された方に、店舗勤務でなくとも、文具の紹介を通して使いやすい文具選びに寄与することが仕事であることを考えると、文具に対する情熱、積極的にいろいろなものを試してみようとする姿勢が大切といえるでしょう。
文具ソムリエールには伝える力も必要
伝える手段は言葉や文章などがありますが、どのような商品なのか、他の商品との違いはなにかなどの点をいかに正確に伝えられるかというのも、文具ソムリエールとしての適性には必要不可欠です。
お客様とのやり取りの中でわかった利用用途にいかに合っているか、どのように変わるかを伝えるためには、どのような言葉で伝えるか、プレゼンテーション力がなければなりません。
企画力はもちろんのこと、お客様にその場面を想像してもらえるような伝え方ができるかが大切です。
文具ソムリエールは最新知識をアップデートできることも大切
文具ソムリエールとしてもっとも大切なのは、知識のアップデートです。
文房具も日々進歩しており、機能を改善した新製品が次々と誕生します。定番と言われるものは変わりありませんが、それでも持ちやすさや書きやすさなどの機能性にこだわった製品が開発されているのが現状です。
人気のある商品も時代によって変わってくるので、そうしたトレンドをいち早く把握して奥努力が求められます。
自分でも試してみて使用感をつかんでおくことが大切
「ソムリエール」という言葉がついている以上、文具ソムリエールは文具の専門家として見られます。
点数は非常に多いので、全てを試すのはなかなか難しいとしても、主要なものはできるだけ自分で試してみて使用感などを把握するなどの努力が大切です。
知らずに案内するのと、知った上で案内するのとでは、やはり雲泥の差があります。地道な努力を忘れずに行いましょう。
文具ソムリエールになるための学校や講座
文具ソムリエールになるために特別な条件や資格試験などは必要ありません。極端にいえば、文房具に関する知識のある人が「文具ソムリエールです」と名乗ってしまえば、誰でもその肩書で活動することが可能です。
「ソムリエール」と聞くとワインを連想する人も多いと思いますが、多くの人はこの言葉を聞いて「専門家」というイメージで見る人が多いでしょう。
中途半端な知識ではできない仕事なので、本気で「文具ソムリエール」として活動したいのであれば、文房具メーカー社員として商品企画・デザイン、もしくは雑貨店・書店などの文具コーナーの販売担当者などを経験することをおすすめします。
知識が身についていることを前提として、コミュニケーションスキルも必要不可欠なので、普段の仕事でそういったことを意識してみるといいでしょう。
文具ソムリエールとして活躍する人の学歴はさまざま
文房具関連の企業の場合、高校卒業後に入社する人もいれば、専門学校・短大卒業、大学卒業もしくは大学院修了生、異業種・同業種からの転職者などが一緒に働いています。
経験を積んで文具ソムリエールとして独立する人は、デザイン系職種(商品企画・開発、デザイナーなど)出身者もいますが、多くは文具コーナーなどでの販売、もしくは卸売などの販売・営業経験者が多いようです。
最初は文房具の知識を身につけることからはじまりますが、特別にどの学部が有利・不利ということはありません。
大学・短大|一般教養から専門科目まで幅広く学べる
大学や短大に進学して学ぶメリットは、一般教養から専門科目まで幅広く学べる点にあります。
文具に関することを直接学べるわけではないものの、将来社会に出て必要となる正しい言葉遣いなどのビジネスマナーを身につける授業、マーケティングを学ぶ機会もあるので、ビジネスの側面から文具業界を見つめることも可能です。
学部にもよりますが、初年度納付金は約80万円~200万円前後というのが一般的な相場となります。
文具ソムリエールに近づける学部・学科は?
文具ソムリエールになるには文具メーカー、もしくは雑貨店などの小売店で文具コーナーの販売担当として経験を積むことが近道です。
就職先として文具メーカーや小売店を選ぶ場合、特に営業系の新卒採用は総合職採用される場合がほとんど。そのため、有利な学部・学科というものはなく、文系理系関係なく採用されます。
ただ、マーケティングの知識があると、仕事をする上で便利なので、進学先を意識するのであれば、経営学部や情報系の学部を考えてみてください。
また、文具メーカーでデザイナー・プランナーなどクリエイティブ職を希望する場合は、デザインなど美術系の学部にいるほうが有利になると考えられます。
専門学校|より実践的な勉強が可能
先にも書いたように、文具メーカーでデザイナーなどクリエイティブ職を目指す場合は、デザイン系の専門学校でデザインの基礎知識・スキルを身につけるという選択肢もあります。
デザイン系専門学校の特徴
専門学校の特徴は1~2年で卒業できる学校が多い点です。また、大学や短大と比較して実践的なカリキュラムを組んでいるところが多くなっています。これは、卒業後はメーカーやデザイン事務所などのデザイン業界に就職することを前提にしているからと考えられます。
「デザイン」といっても「グラフィック系」、「プロダクト系」、「インテリア系」があります。文具のデザイン・プランナーなどを目指すのであれば、プロダクト系のデザインを学べる学科のある専門学校を選びましょう。
ただ、最近のデザイン系専門学校は、学ぶ内容がかぶっていたり、名称も複雑になっていたりします。そのため、名前だけで選んでしまうと、学びたいことが学べないということも考えられるでしょう。
学校を選ぶ際は、学べる科目や卒業後の就職先など確認してみてください。
専門学校の場合、初年度約100~160万円が一般的な学費の目安といわれています。大学や短大に比べれば、若干費用を抑えられるものの、やはりデザイン系はやや高めなので、学校選びは慎重に行うことがおすすめです。
デザイン系以外の専門学校でも文具ソムリエールになるチャンスはある
文具メーカーであれば営業の総合職としての採用、小売店であれば販売・営業系の総合職としての採用があります。文具ソムリエールになるには、そういった企業で文具に関する知識などを磨いて経験を積むことがその近道です。
デザイナーとして経験を積んで独立するのであれば、デザイン系の学校を選ぶといいですが、それ以外であればやはりマーケティング関連の知識を得られる専門学校を選んだほうが近道といえます。
専門学校は大学・短大ほど学費も高くないことが多く、初年度納付金で50万円~100万円ほどです。
社会人が文具ソムリエールになるには
すでに社会人として働いている場合でも、文具ソムリエールになれるチャンスは十分あります。社会人としての経験がある人は、即戦力として見ることが多いからです。
社会人が文具ソムリエールを目指すのであれば、2つの方法があります。
- 文具メーカーや小売店に中途入社する
- 文具メーカーのデザイナーになる
中途採用は基本的に職種別採用なので、異業種でもマーケティングや営業の経験者であれば、応募を受け付けてもらえる可能性があります。ただし、求められるスキルや経験によっては書類審査で落とされる場合もあるので注意が必要です。
社会人がデザイナーになるのであれば、夜間の専門学校に通う方法があります。学費も全日制と比べると30万円台~80万円前後と手頃ですし、短期集中型や夜間開講型の講座も多いので、時間のない方でも短期間で基礎知識を身につけることができます。
文具メーカーのデザイナーはプロダクト系のデザイナーです。デザイナーを目指すのであれば、プロダクト系のデザインを学べるところを選ぶようにしましょう。
文具ソムリエールになるには?まとめ
文具ソムリエールになるには、お客様の立場に立って文具のある生活を提案する力が大切
文具ソムリエールになるには、コミュニケーションスキルや企画。提案力など、さまざまな要素が求められます。中でも重要なのは、お客様の話をしっかりと聞いて、本当に必要な文具を提案する能力でしょう。
特別な学歴・資格がなくてもなれる可能性がある職業ですが、「ソムリエール」という言葉のイメージ通り専門家として見られます。そのため、文具に関する知識が求められます。
できれば、小売店の販売部門で経験を積みたいところですが、まずは文具に対する好奇心・興味を強く持ち、正社員の求人がなければ、最初はアルバイトから目指すことも経験になるでしょう。
文具ソムリエールの参考情報
平均年収 | 300万円~600万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 販売・サービス |
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