通訳案内士の給与や年収は?フリーランスとして働いている人が多い

通訳案内士の給与や年収は?フリーランスとして働いている人が多い

観光ガイドの国家資格である通訳案内士。高いレベルの語学力と、観光地について広い知識を持つ観光ガイドのプロフェッショナルですが、実際のところどのくらいの収入をもらっているかはわかるという人は少ないのではないでしょうか。今回は、通訳案内士の収入事情についてご紹介します。

通訳案内士の初任給

通訳案内士1年目の初任給は平均15万円~20万円

難関とされる通訳案内士試験に合格し、都道府県に登録をすることで、「通訳案内士」と称して仕事を行うことができます。

合格者の多くが、まずはフリーランスとして経験を積んでいくことになります。旅行会社や旅行代理店などに正社員として勤務することから始めるという人は少なく、大半がフリーランスなので、実際のところ正確な給料事情というのははっきりしていませんが、おおむね通訳案内士の初任給は15万円~20万円となっています。

フリーランスとしてどのくらい稼働できるかで変動

フリーランスの場合についてみると、固定の就業先で働き、おおむね固定の額の給与をもらう正社員と違い、フリーランスは仕事の依頼1回ごとに日当として給与が支払われる形態のため、どうしても収入が不安定になってしまいます。

観光客が増える繁忙期であれば、そこまで仕事が途絶えるということはないですが、観光客が多くない閑散期では、仕事の絶対量がどうしても減ってしまい、かつ、フリーランスに仕事がまわってくる量も必然的に減ってしまうため、どうしても通年で安定して収入を得ることが難しいというのが現状です。

もちろん、通訳案内士として、観光ガイドの経験を多く積み、その道のプロとして第一線で活躍するくらいのレベルになれば、フリーランスでも非常に安定して生計を立てることはできますが、それは一握りです。

そのため、フリーランスとして現実的にはどのくらい稼働することができ、どのくらいの収入を確保することができるかを計画的に見据えたうえで働くことが大事といえます。

正社員としての就業者は少ないのが現状

すでにお伝えしたとおり、通訳案内士については、フリーランスとして働いている人が圧倒的に多く、旅行会社や旅行代理店などに正社員として勤務している人は極端に少なくなっているのが現状です。

ただ、ここ数年の観光客の増加に伴い、今後通訳案内士の需要が高まる可能性は非常に高く、国家資格者としてのアドバンテージを活かすことのできる場面は増えてくると考えられますので、現時点で正社員勤務者が少ないことに対し悲観的にとらえる必要はないでしょう。

通訳案内士の給与データ

公のデータによると、給与は低め

厚生労働省が発表している『賃金基本構造統計調査』に最適なデータがないため、観光庁が発表している『通訳案内士の就業実態等について』(平成26年12月)をみると、「0万円」が2.9%、「1万円~9万円」が13.2%、「10万円~99万円」が30.1%、「100万円~199万円」が11.3%で、合計した『200万円未満』が57.5%となっています。

通訳案内士として仕事をしている人の半数以上が年収200万円(=月収16.6万円)に満たない、というのが現状です。もちろん、兼業で仕事をしている人も専業で仕事をしている人も含んだ数字であるため、正確には違いが出てきます(なので、参考程度におさえておきましょう)。

収入アップがどうしても難しいのであれば転職の検討もあり

半数以上が月収約17万円未満ということを聞くと、たとえ頑張っても、それに見合う給与がもらえないのではと思ってしまうかもしれませんが、発表された内容には、ほとんど仕事をしていない人も含まれており、また、年収400万円以上(=月収約33万円)もらっているという人も実際には存在していますので、目先の数字にとらわれすぎないことが健全かと思います。

どの職業でも同じように、すべきことをきちんとやっている人は高い年収をもらっていますので、ニーズを的確にとらえて高いレベルのサービスを提供することを求めていくことは大切です。

それでもやはり収入が思うように上がらず、そのままでは生活に支障が出るということであれば、通訳案内士以外の仕事をすることも考える必要が出てきます。自身の状況と希望のバランスをみて考えるようにしましょう。

フリーランスとして働いたときの日当は1万円~3万円が相場

通訳案内士の月収についてはこの後お伝えしますが、いったん、フリーランスの収入事情について先にみておきましょう。フリーランスとして依頼を受けて1日稼働すると、おおむね1万円から高くて3万円を日当として受け取ることができます。そして、支払いは、稼働した日ごとになされるのが一般的です。

金額については、繁忙期であったり、長期のツアーだったりすると、通常よりも多く支払われることがあります。なので、通訳案内士として実績を多く積み、数週間にわたる長期のツアーを定期的に受けられるようにすることで、通訳案内士一本で生計を立てることも現実的になってきます。

あっせん業務としての収入の場合は数千円~2万円が相場

ちなみに、通訳案内士の仕事には、純粋な観光ガイド以外にも、空港やホテルなどへの観光客の送迎、観光客が宿泊する宿泊先の手配といった「あっせん業務」があります。

通訳案内士の主要業務である観光ガイドに比べると若干金額は減りますが、それでも1回(または1日あたり)数千円~2万円の収入を得ることができます。観光ガイドの仕事とセットにして仕事を受けることができると、それだけでほかの通訳案内士と収入の面で差をつけられるでしょう。

通訳案内士の年収データ

通訳案内士の推定平均年収は約288万円

通訳案内士の年収を、観光庁の『通訳案内士の就業実態等について』(平成26年12月)を参考に推定すると、年収は約288万円となります。月収になおすと約24万円です。

また、世代別に推定年収をみると、20代が約216万円、30代が約264万円、40代が約312万円となります。月収換算では、20代が約18万円、30代が約22万円、40代が約26万円です。決して高い額とはいえず、人によっては低いと感じるかもしれません。

地域でも収入額に違い

世代で金額に違いが出るほかに、通訳案内士の場合は、働く地域によっても変わってきます。主要都市についてみると、年収は、東京が「288万円~360万円」で最も高く、大阪が「216万円~312万円」、福岡が「192万円~300万円」、札幌が「156万円~216万円」となります。

東京と札幌でおおよそ140万円前後の違いがあることがわかります。年収額の違いだけで働く場所を選ぶことは避けたほうがよいかと思いますが、実際に就業先を検討する際に、1つの要素として考える必要はあるといえます。

東京では収入額が他地域よりも高い。その理由は?

地域による違いについてもう少しみてみると、正社員として旅行会社や旅行代理店に勤務する場合、その多くはフリーランスと比べて収入額が高くなるのですが、ここでも地域による違いが生じています。

1つ前にお伝えしたとおり、収入額は東京が高く、福岡や札幌では低くなる傾向にあるのですが、東京のほうが高いという点については、高いなりに理由があります。

すべての旅行会社や旅行代理店にあてはまるわけではないですが、観光ガイドやあっせん業務以外にも、特に閑散期においては営業活動や企画業務などをこなし、繁忙期に売り逃し・取りこぼしのないような土台づくりを業務として行うというのが東京においては顕著なようです。

通訳案内士の給与・年収まとめ

通訳案内士の年収レベルは低め。でも、年収額では測れない魅力がある

通訳案内士の平均給与や年収は、他の職業と比べると、正直なところ低くなりやすい傾向にあります。

資格を得るために突破しなければいけない通訳案内士試験が難関試験とされているにもかかわらず、合格後の年収レベルが低い傾向にあるというのでは、勉強中も仕事中もモチベーションが保てないかもしれません。

しかし、観光産業の発展を目指す流れが日本全体で進んでいるなか、これからますます需要が高まる通訳案内士は、年収額では測れない意義とやりがいを感じられる職業になるといえるでしょう。

通訳案内士の参考情報

平均年収200万円~400万円
必要資格
  • 通訳案内士
資格区分 国家資格
職種旅行・ホテル

統計情報 出典元:

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