舞台機構調整技能士の仕事内容とは?やりがいや魅力について解説
演劇、ライブイベントなどを支える上で欠かせない仕事が、舞台機構調整技能士です。一体どのような仕事をしているかご存知でしょうか。ここでは、舞台機構調整技能士の具体的な仕事内容、仕事のやりがいなどについてご紹介します。
舞台機構調整技能士とはどんな仕事?
舞台機構調整技能士がどのような仕事を行なっているのか、大まかな内容を紹介します。
舞台の音響装置を調整
全国各地にあるライブハウス、劇場は全く同じ仕様の会場はありません。そのため各会場で調整をすることが求められます。このような場合に舞台機構調整技能士のスキルが求められます。舞台機構調整技能士が、実際の公演で使うことになるPA機器を調整し、その会場に最適な音を探ります。
この調整がうまくいかないと、舞台やコンサートの完成度に大きく影響するため腕の見せ所になります。
音響装置の設置場所を考える
舞台機構調整技能士は、各会場で最適な音を出すために音響装置の設置を追加で行うこともあります。既に備わっている舞台やライブハウスであれば、このような調整をする必要はありません。
しかし、 野外コンサート会場や野球場など、普段音を意識していない場所でコンサートや舞台を行うと追加でスピーカーを設置しないと会場全体に音を届けることができない場合があります。
このような会場で、どのような装置を設置するかイベント主催者側と打ち合わせをしながら、新たな音響装置を追加していくということが舞台機構調整技能士の仕事として課せられることになります。
舞台機構調整技能士の具体的な仕事内容
舞台機構調整技能士がどのような流れで仕事を行なっているのか、コンサートを作り上げるまでの例にとって紹介しましょう。
クライアントの打ち合わせ
イベントを開催する前に主催者となるクライアントと打ち合わせをします。この打ち合わせをしっかり行っていないと、公演の際に効果的な音響を発揮することができない可能性があります。そのようなトラブルを避けるためにも、どのような舞台にするのか、どのような会場でイベントを行うのか打ち合わせをすることになります。
また、ライブハウスや劇場などに常駐する舞台機構調整技能士は、自分の担当する劇場でどのような音響設備があるのかを主催者側に伝え、それに適した演出を検討してもらうことを依頼するケースもあります。
どのような舞台にするか
打ち合わせ時には、どのような演目を行うか、マイクは何本必要かを事前に調査します。場合によっては劇場、ライブハウスが用意できるマイクが足りない可能性もあるため、そのような際は、追加で手配するということを行うこともあります。
また、行う舞台によっては追加でスタッフが必要なケースもあるので、内容を判断した上で機材だけでなくスタッフの手配を調整することもあります。
できることと出来ないことの判別
音響の演出の中にはできることとできないことがあります。特に会場にスピーカーを設置する場合では、スピーカーの配置場所によっては観客が全く舞台を見ることができないという場所が出てしまうケースもあります。
このような場合、舞台機構調整技能士がアドバイスを行い観客席の見直し、会場に合わせたスピーカーの追加設置などイベント毎で判断し主催者側に助言をするという重要な役割を行うこともあります。
正しい判断ができないと公演が失敗に終わってしまうこともあるので、とても責任感のある仕事であると認識しておきましょう。
図面の確認、下見
フリーランスで活動をしている舞台機構調整技能士は、会場毎に下見を必ず行います。実際に会場を訪れないと分からないことに関しては、実際目で確認してから検討する必要があるので、色々な会場で活動をする舞台機構調整技能士にとっては必要不可欠な仕事です。
場合によっては当日まで会場に行けないこともあるので、そのような場合は主催者側や管理者側と打ち合わせをして不安な点を解消することもあります。舞台機構調整技能士の仕事は準備をいかに完璧に行うことができるかが重要になるので、本番前にこのような細かい仕事を多く行うことになります。
本番入り
公演本番になると、舞台機構調整技能士はリハーサルに立ち会い本番までスムーズに公演が進むように音響設備のサポートを行います。
機材のミキシング
コンサートの公演では、機材のミキシングが必要不可欠です。大きな会場になると複雑なPA機器のセッティングを行うことになり、楽器とボーカルとのバランスを考えながらその都度調整します。この時、実際に演奏をしてもらい本番に近い状態を再現します。この時、客観的に効果的な音が届いているかをチェックすることになります。
装置の微調整
設置したスピーカーなどがリハーサル時にうまく機能せず、配置を少し変えることもあります。この作業は場合によっては開場ギリギリまで行うこともあります。
このクラスの作業ができる舞台機構調整技能士は、素人では全くわからない音の質を判断することができる領域に達しているので、舞台機構調整技能士の中でも、確かな腕がある人になります。
本番立ち会い
一連のリハーサルを終えると本番に立ち会います。本番中は特に舞台機構調整技能士が行う仕事はありませんが、万が一のトラブルが起きた時にすぐに対応できるように待機しています。公演が終わると、舞台機構調整技能士の仕事も無事終了することになります。
舞台調整技能士の仕事のやりがい
舞台機構調整技能士のやりがいについて紹介していきます。
人に感謝される仕事
舞台機構調整技能士は、出演者にとって必要不可欠な仕事のため感謝されることがあります。良い公演を行うためには、舞台機構調整技能士が考えた緻密なプランが必要不可欠になるため、アーティストやイベント主催者が勝負をかけたイベント後には感謝されることもあります。
実績があればアーティストから指名されることも
優秀な舞台機構調整技能士になると、アーティストから直接指名を受けることもあります。一流のアーティストになると、最高の空間を常に求めるためスタッフも一流でなければなりません。自分の公演で最高の環境を提供してくれた舞台機構調整技能士は、この人でないと良い音が作れないと認識され仕事を任されることもあります。
また、実績を積み重ねていけば国内だけでなく海外の仕事を手がけることもあります。舞台機構調整技能士の仕事は観客にはあまり認識されてない仕事であるものの、出演者側からすればとても大切な仕事であると言えます。
人に感動を与えることができる
舞台機構調整技能士の仕事は人に感動を与えることができる仕事です。効果的な音を出す空間を作れば、多くの観客を魅了することができます。
達成感がある
舞台機構調整技能士の仕事は、本番前から当日までさまざまな工程を行うことになり、場合によっては激しい現場を担当しなくてはならないこともあります。このような現場がトラブルなく終わった後には、舞台機構調整技能士でしかわからない達成感を感じることができるでしょう。
舞台調整技能士の仕事内容まとめ
音楽が好きな人にはたまらない仕事
舞台機構調整技能士は、音楽イベントや劇場で欠かすことができない職業です。
裏方なので来場したお客さんにそのすごさを伝えることができませんが、舞台機構調整技能士がいなければ良いイベントもダメなイベントになってしまう可能性があります。まさに「縁の下の力持ち」といった立場で、イベントの成功を裏側からしっかりと支えることが求められる仕事なのです。
音楽や舞台に携わりたい方で、舞台機構調整技能士を目指したい方は音のプロフェッショナルとして活躍してみてはいかがでしょうか。
舞台機構調整技能士の参考情報
平均年収 | 250万円~400万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 国家資格 |
職業職種 | 音楽・ラジオ |
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