空間デザイナーになるには資格は必要ない?関連する資格はあるのか?
イベントブースの設営や家のリフォーム、お店や部屋のデザインなど様々なところで活躍する空間デザイナーですが、空間デザイナーという資格はなく、仕事をする上で絶対必要な資格もありません。しかし関連する民間の資格はいくつかあります。今回はそうした空間デザイナー関連資格や資格取得ができる学校などについてご紹介します。
空間デザイナーの資格とは?
空間デザイナーとして持っていなければならない資格はない
イベントブースの設営や美術館の展覧会のデザイン、家のリフォーム、お店や部屋のデザインなど様々なところで内装や調度品を設置し空間をデザインするのが空間デザイナーの仕事ですが、空間デザイナーが取らなければならない資格というのは特にありません。
デザイン会社に勤めて空間デザインの仕事をしている人でも、独立開業して活躍している空間デザイナーも資格を持っていない人はたくさんいます。そのため空間デザイナーになりたいという人は資格を取るよりもまずデザイン会社に就職する方が早道と言えるでしょう。
空間デザインと関連する資格はいくつもある
しかし、空間デザイナーはインテリアや建築などの分野に関わる仕事なので、そうした分野に関係する資格を持っていると仕事上有利に働くこともあります。また、知識や技能を身につけるために目標として資格取得を目指すという人もいます。
ここでは空間デザイナーに関連する資格や、空間デザイナーに関係する学問を学べる学校、資格取得を目指す専門学校などを紹介します。
空間デザイナーに役立つ資格・試験
空間ディスプレイデザイナー認定試験
空間ディスプレイデザイナーは日本デザインプランナー協会(JDP)が実施している資格試験です。陳列の知識・技術や色彩演出、照明技術など空間ディスプレイデザイナーに必要な知識や技術を認定する試験で、内容的に空間デザイナーの仕事に一番合致しているのがこの資格と言えるでしょう。
空間ディスプレイデザイナー認定試験の難易度・合格率
空間ディスプレイデザイナー認定試験は1級と2級に分けられています。試験は偶数月に開催され、試験は在宅受験になっており調べながらの回答も許されているのが特徴です。受験料は1級2級共に10,000円、インターネットから申し込み、送られてきた解答用紙に記入し、返送するというシステムになっています。
合格基準は1級2級共に70%以上の点数を取ることになっていますが、平成26年度の1級試験の合格率は24.7%、2級試験の合格率は66.9%とかなり差が開いています。
■1級試験概要
空間ディスプレイデザインの基礎・応用技術に加え、空間を表現する技能を有していることを認定する。空間の陳列の基礎・応用、色彩・ヴィジュアルマーチャンダイジング(VMD)の基礎知識などについて出題される。
■2級試験概要
空間ディスプレイデザインの基礎・応用技術を有していることを認定する。空間の陳列の基礎・応用、色彩の基礎知識、ヴィジュアルマーチャンダイジング(VMD)の基礎知識などについて出題される。
インテリアコーディネーター資格試験
インテリアコーディネーターは公益社団法人インテリア産業協会が主催している資格試験です。
顧客の家族構成やライフスタイル、どんな風な空間に住みたいかなどのアバウトな情報から、インテリアや住宅、商品に関する知識や技術を持って具体的な住宅空間をコーディネートする専門家がインテリアコーディネーターです。単にインテリアを選ぶだけでなく総合的に空間を作り上げる仕事なため空間デザイナーのひとつと言っていいでしょう。
試験合格後資格登録手続きを行うことで資格登録証が交付されますが、5年ごとに資格の更新が必要になります。
インテリアコーディネーター資格試験の難易度・合格率
インテリアコーディネーター資格試験は1次試験と2次試験に分かれており、1次試験合格者のみが2次試験に進むことができます。2次試験不合格者は次年度からの3年間は1次試験を受けずに2次試験を受けることができる、1次試験の2科目のうち1科目のみ合格した場合も次年度からの3年間はその科目が免除されるという免除制度があります。
2018年度の合格率は1次試験の合格率が32.4%、2次試験の合格率は59.0%、1次と2次をあわせた合格率は23.8%と難易度の高い試験です。
1次試験はマークシート方式による学科試験で、試験範囲は以下のようになっています。
- インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること
- インテリアコーディネーターの仕事に関すること
- インテリアの歴史に関すること
- インテリアコーディネーションの計画に関すること
- インテリアエレメント・関連エレメントに関すること
- インテリアの構造・構法と仕上げに関すること
- 環境と設備に関すること
- インテリアコーディネーションの表現に関すること
- インテリア関連の法規、規格、制度に関すること
2次試験は論文と図面作成によるプレゼンテーション試験の2科目があります。プレゼンテーション試験では正確かつ見やすい製図ができているかが合否を分けるので、プロの目から見てきちんと図面を描けているかどうか判定してもらうためにも通信講座やスクールで勉強するのが良いでしょう。
その他の空間デザイナーに関連する資格
エクステリアアドバイザー
植栽や外壁塗装など建物の外側についての知識や技能を認定するのがエクステリアアドバイザーの資格です。住宅空間についての知識と合わせることで仕事の幅を大きく広げることができます。空間ディスプレイデザイナーと同じく日本デザインプランナー協会が開催している試験で、やはり自宅で受験することができます。
カラーコーディネーター
デザイナー系の資格では有名な試験で東京商工会議所が試験を開催しています。1級試験ではファッションだけでなくインテリアの色彩や建築計画についての知識も問われるので空間デザイナーの仕事にも役立ちます。
空間デザイナーの資格が取れる学校
東京デザイン専門学校
東京デザイン専門学校で設けられている空間ディスプレイデザイン科は40数年の歴史を持ち、ディスプレイデザインに特化した学科です。デザイナーに必要なイラストレーターやフォトショップ、製図ソフトなどについての講習や大手ディスプレイ会社でのワークショップなどが受けられます。
ユーキャンの通信講座
資格試験で有名なユーキャンでは「インテリアコーディネーター」の講座が開講されています。ウェブ上での24時間質問受付や論文の添削などのサポートもあり、1次試験から2次試験まで試験対策を受けることができます。1次・2次総合対策で59,000円とこの種の通信講座ではリーズナブルなのもメリットの1つです。
大学で空間デザイナーの基礎を学ぶなら
美術大学
多くの美術大学では空間デザインやインテリアに関する学科があるため、空間デザインの知識を学ぶことができます。また美術大学はデザイナー系の就職にも強く、有名美大卒というのは空間デザイナーの仕事をする上で役に立ちます。大学で空間デザイナーの勉強をするなら美術大学に進むのが一番一般的でしょう。
建築系・工学系学部
空間デザイナーの仕事の中をする上では建築物の構造や照明の配線など建築や電気工事の分野の知識が必要になることもあります。
また空間デザイナーは住宅メーカーやリフォーム会社から依頼を受けることもあります。そうした場合、建築関係の法規について詳しかったり建築の図面を引くことができたりすると、有利に働きます。そのため、建築系や工学系の学部を卒業するのも空間デザイナーへの道として考えられるでしょう。
空間デザイナーの資格・試験まとめ
国家資格はないが、民間資格はある
空間デザイナーには国家資格はなく、デザイン会社で働いている人でも特に資格を持っていないという人は多いようです。空間デザイナーになりたいのならば資格を取るよりデザイン会社に就職することを目指したほうがよいでしょう。
しかし、空間デザイナーに関係する民間の資格はいくつかあります。未経験から空間デザイナーを目指す人はこうした資格を取得することで就職につながることもありますし、知識や技能を身につけるためにこうした資格取得を目指して勉強する人もいます。民間資格を取得することで、キャリアアップを図っていくことは可能になるでしょう。
空間デザイナーの参考情報
平均年収 | 250万円~450万円 |
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必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 広告・デザイン・アート |
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