診療情報管理士の資格・試験とは?役立つ資格の特徴や試験の難易度、合格率などを解説

診療情報管理士の資格・試験とは?役立つ資格の特徴や試験の難易度、合格率などを解説

診療情報管理士が担当する仕事自体には、資格の取得などは不要です。しかし診療情報管理士の資格を取ることで専門性が深まり、競争を勝ち残り正規の職員になれる可能性が高まっていくでしょう。今回は、診療情報管理士の資格を取得する方法や、認定試験の情報をご紹介します。

診療情報管理士の資格とは?

診療情報管理士の資格の概要

診療情報管理士は、医療機関等における患者の診療情報をはじめとする、人の健康状態に関する様々な情報を収集し、国際統計分類に基づき管理を行い、データベースを抽出、加工、分析し、多種多様なニーズに見合った情報を提供する専門職です。

診療情報管理士の資格は、そうした医療に関する情報を取り扱う人の技術や専門性を担保するものとして、四病院団体協議会(全日本病院協会、日本医療法人協会、日本病院会、日本精神科病院協会)および医療研修推進財団の共同で付与する民間資格です。当初は診療録管理士という名称でしたが、1996年4月に改称され、現在に至ります。

国家資格ではありませんが、診療情報、医療情報の管理と活用の需要は年々高まっており、診療情報管理士の重要性は拡大しています。また、診療情報管理士は、諸外国ではHealth Information Manager(HIM)と呼ばれ、近年、多くの国々で育成が進んでいます。

医療機関の情報に関する体制評価や、機能評価に寄与する仕事

2000年4月の診療報酬改定によって、医療機関等における診療情報等の管理体制を評価し、一定の診療報酬を得ることが可能になりました。これが診療録管理体制加算と呼ばれるもので、患者の診療情報などが適切に管理されているかの評価によって、患者1人あたりの診療報酬を得られる仕組みとなっています。

また、病院機能評価に関わる諸制度、例えば診療報酬支払制度(DPC/PDPS〈診断群分類別包括支払制度〉)、医療事故調査制度、がん登録等の推進に関する法律に基づく情報利用及び提供など、診療情報管理士が関係する重要な制度は他にも多くあります。

日本国内においても医療機関におけるデータ管理とその活用は、適正な医療政策の構築のために必須となっており、診療情報管理士の仕事である診療情報の取り扱い、管理、分析などは、情報化社会における情報資源としてますます重要視されています。

診療情報管理士の資格の難易度・合格率

「診療情報管理士」認定試験の概要

診療情報管理士の資格を取得するには、認定試験を受けて合格する必要がありますが、認定試験を受けるためには、一定の受験資格を満たす必要があります。

受験資格を得るために必要なステップとしては、「一般社団法人日本病院会が指定する大学や専門学校などの養成校において所定の単位を取得する」か、あるいは、「養成校以外の大学・短期大学・専門学校などを卒業後、診療情報管理士通信教育(2年)を受講し修了すること」が挙げられます。このどちらかの道を辿った後で、認定試験を受け、合格することで診療情報管理士の資格を得ることができます。

診療情報管理士の認定試験は、年1回開催され、概ね毎年2月上旬に行われています。会場は日本全国におよそ17箇所あり、北海道、宮城、栃木、東京、神奈川、新潟、長野、愛知、三重、大阪、岡山、広島、高知、福岡、熊本、鹿児島、沖縄となっています。

認定試験の受験資格は、「養成校を修了した者、または養成校において3年以上修学し、当養成校を卒業見込みの者」あるいは、「診療情報管理士通信教育(2年)を修了した者、あるいは受験年の5月末日までに修了見込みの者」に与えられます。

また、医師、歯科医師、看護師(保健師、助産師)、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士、歯科衛生士、歯科技工士、臨床工学技士、義肢装具士、救急救命士、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師の有資格者は、申請を行うことによって基礎分野の試験が免除されます。

「診療情報管理士通信教育」にも受講資格が設けられている

診療情報管理士の養成課程がある指定校を卒業していない場合、2年間に及ぶ「診療情報管理士通信教育」を受講しなければ、認定試験の受験資格が与えられません。その診療情報管理士通信教育にも、所定の受講資格が設けられています。

一般社団法人日本病院会が主催する診療情報管理士通信教育の受講資格は、原則として2年制以上の短期大学、専門学校、大学等を卒業し所定の学位を授与されている者に限られます。しかし高校卒業程度の学歴であっても、受講時に病院に勤務している者は、「当分の間、高卒者でも良い」とされています。

基礎課程1年、専門課程1年の計2年ですが、医療関係の諸資格を持っている場合、専門課程に「編入」という形で、1年のみの受講で済む場合が有ります。ここでいう医療関係の諸資格とは、「医師、歯科医師、看護師(保健師、助産師)、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士、歯科衛生士、歯科技工士、臨床工学技士、義肢装具士、救急救命士、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師」となっています。

受講に際して審査があり、審査に合格すると受講が認められます。また勿論ですが、所定の受講料の納入も必要です。

問題の難度は比較的高め、受験合格率は概ね40〜50%

診療情報管理士の認定試験は基礎分野と、専門分野の試験に別れ、専門分野は1〜11章の試験と、12章の試験にさらに別れています。それぞれ多肢選択方式の筆記試験で、その全てにおいて合格すれば、診療情報管理士の資格を取得することができます。試験時間は、基礎分野と専門分野1〜11章は90分、資料持ち込みにて行われる12章の試験は20分、となっています。

診療情報管理士の認定試験の合格基準としては、すべての科目でおよそ6割以上の得点が必要であるとされていますが、年によって受験難度は異なるため、合否ラインは6割に限らず、多少調整が入る場合があります。そうした調整があった年は、6割を切っていても合格できる可能性があります。

認定試験に出題される内容は、養成講座における教科書以上のレベルの難度の高い問題も含まれていますが、そうした問題が解けなくても6割以上は取れるように作られていますので、そうした問題は多少飛ばしてでも、全問わかる範囲はすべて回答しておくのが得策と言えます。

診療情報管理士の認定試験の合格率は全体で概ね40〜50%で、例えば2013年は47.8%、2014年は49.8%などとなっています。しかしこれは既卒者も含めた受験生全体の合格率で、指定養成校の新卒者、卒業見込みの現役学生の合格率はそれぞれの指定校で80%を超え、平均として80〜100%であると発表しています。

新卒者の合格率が極めて高く、既卒者となると一気に合格率が落ちるのは、指定校において養成講座を設けている資格の場合にはよくあることです。診療情報管理士の場合も多分に漏れず、現役学生の場合はしっかり学校で勉強した内容が身についていれば問題ないレベルの試験であるということができます。

しかし既卒で受験する場合には、しっかりと自己管理して、徹底した復習が必要となってくるでしょう。

診療情報管理士認定試験概要

合格率 40〜50%前後
受験資格 ・診療情報管理士養成校を修了、あるいは修了見込みの者。
・診療情報管理士通信教育を修了、あるいは修了見込みの者。
受験費用 10,000円(ただし資格の認定料に別途30,000円かかる)
出題範囲 (1)基礎分野(1~12 章)
科目:医療概論、人体構造・機能論、臨床医学総論、臨床医学各論Ⅰ、臨床医学各論Ⅱ、臨床医学各論Ⅲ、臨床医学各論Ⅳ、臨床医学各論Ⅴ、臨床医学各論Ⅵ、臨床医学各論Ⅶ、臨床医学各論Ⅷ、医学・医療用語

(2)専門分野(1~12 章)
科目:医療管理総論、医療管理各論Ⅰ、医療管理各論Ⅱ、医療管理各論Ⅲ、保健医療情報学、医療統計Ⅰ、医療統計Ⅱ、診療情報管理Ⅰ、診療情報管理Ⅱ、診療情報管理Ⅲ、国際統計分類Ⅰ、国際統計分類Ⅱ

その他の診療情報管理士関連資格

日本診療情報管理学会が認定する「診療情報管理士指導者」

診療情報管理士の資格を取得し現場に出て働く人を対象にした認定資格として、「診療情報管理士指導者」というものがあります。これは日本診療情報管理学会が主催するもので、診療情報管理士の技能・資質の向上を図るための指導者の養成を目的として、平成17年度より創設された認定制度です。

この資格の認定は試験ではなく審議によって行われるのが特徴で、受審資格として、「診療情報管理士として5年以上業務に従事している者」で、かつ、「日本診療情報管理学会の会員であること」が必要になります。また、日本診療情報管理学会の会員であっても、入会してから5年以上経過しないと、診療情報管理士指導者の受審資格を得ることができません。

それ以外にも、当学会や国際学会において筆頭者として3回以上の発表をおこない、かつ学会の認定する一定のレベル以上の発表でないといけないなど、条件はかなり厳しく設定されています。

診療情報管理士指導者の資格は基礎資格ではなく、診療情報管理士として経験を積み、かつ日本診療情報管理学会に所属している人向けの、さらなる専門性の裏打ちを行うための発展的な資格と言えるでしょう。

診療情報管理士の資格を取るための学校

日本病院会が認定する養成校への進学が最も合理的

先に見てきた通り、診療情報管理士としての仕事を行うことそれ自体に資格は必要ありませんが、診療情報管理士の資格をとるには、一般社団法人日本病院会の指定する養成校に進学するのが最も有利と言えるでしょう。日本病院会が認定する養成校へ進まなかった場合で、医療従事者でない場合は、別途2年間の通信教育の受講が必要です。(医療従事者で所定の資格の有資格者は1年のみでOK)

診療情報管理士を最初から目指すならば、日本病院会認定の養成校へ進んでおくと、卒業見込み時点でそのまま受験が可能で、かつ高い合格率を誇ることから、資格を取る上で非常に有利になります。

日本病院会認定の診療情報管理士養成校は、2019年1月1日現在で、24の4年制大学および短期大学、および56の専門学校があり、全国各地に存在します。大学と短期大学、及び専門学校を合わせて現在80校と数も多いので、比較的選択肢も豊富です。

4年制大学へ進んでおけば様々な教養を積むことができ、学位号も取得できます。短期大学や専門学校であれば、より短期間でより実践的な内容を学ぶことができます。その選択はそれぞれ、自身のキャリアプランに応じて決めるといいでしょう。

診療情報管理士の資格・試験まとめ

資格を取るなら養成校に進学して効率よく取りましょう

診療情報管理士の資格をとるなら、一般社団法人日本病院会が指定する養成校を修了した上で認定試験に合格することが、最もシンプルかつ合理的な方法と言えるでしょう。

先に説明した通り、診療情報管理士の資格は民間資格であり、資格がなくても就業は可能です。しかし、仕事そのものの求人数が少なく、正規職員としての採用であれば一定以上のレベルの高さが要求されます。そのレベルの高さを担保するものとして、診療情報管理士の資格取得は最低条件となります。

診療情報管理士の参考情報

平均年収300万円~400万円
必要資格
  • 診療情報管理士
資格区分 民間資格
職種医療

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