看護師の資格・試験とは?看護師国家試験の概要と合格の秘訣

看護師の資格・試験とは?看護師国家試験の概要と合格の秘訣

看護師として仕事を行うためには、大学や専門学校などで勉強して、毎年行われる国家試験に合格後、免許を取得しなければなりません。今回はこの記事で、看護師国家試験の情報と受験資格を得るために必要な進学先の選び方の情報をご紹介します。

看護師として働くために必要な資格、看護師国家試験とは?

看護師として必要な知識及び技能が身についているかどうかを見る国家資格

看護師国家試験は昭和23年制定の保健師助産師看護師法第18条に基づき、厚生労働省が定める国家資格です。資格保有者しかその業務に就くことができない業務独占資格で、免許は厚生労働大臣が交付、試験については毎年2月中旬に実施されます。

試験の目的は、看護師養成課程修了者(見込みを含む)を対象として、看護師になるために必要な最低限の知識及び技能をしっかりと身につけているかどうかを見ること。つまり、「合格後すぐにプロの看護師として、即戦力になることができるかどうか」を確認することが目的です。

2月の看護師国家試験に合格できなければ、内定取り消しとなる

国家試験の受験生および看護師になりたいと夢見ている人にとって気になる点のひとつが、「看護師国家試験に落ちたらどうなるのか?」という点ではないでしょうか。

これについては、病院の判断で分かれます。准看護師の資格を持っている場合は、准看護師として雇用してもらえる場合があります。もしくは、奨学金を貸与している場合であれば、看護助手として勤務することができる場合もあるようです。

この場合は、内定をもらった病院で准看護師もしくは看護助手として勤務しながら、翌年の国家試験合格を目指して再び勉強することになります。

しかし、こうした病院はあまり多くありません。様々な病院の採用情報を調べてみると、「国家試験に不合格の場合は採用内定を取り消す」という記載をしているところが多いようです。

あとで詳述しますが、既卒生の合格率は高くないので、できれば現役生のうちに合格したい試験といえます。

奨学金を貸与していた場合は、一括返済となる

先に奨学金の話が出てきましたが、病院によっては看護師の確保を目的として、卒業後に一定期間勤務することを条件に奨学金の貸与をしているところもあります。病院側は看護師国家試験に合格することを前提として奨学金を貸与しているので、不合格だった場合は貸与分を一括返済しなければなりません。

これも、設置母体によって事情は異なります。基本的に、公立病院や国立病院機構は厳しく、卒業後すぐに一括返済を義務づけられます。しかし、民間病院であれば1年猶予してもらえる場合もあるようです。

看護師国家試験の難易度・合格率

合格率は約9割と国家試験の中では高いものの、油断はできない。十分な試験対策を

看護師国家試験はマークシート形式で行われます。出題される問題は、必修問題・一般問題・状況設定問題の3つで、午前と午後でそれぞれ120問ずつの合計240問回答します。

ちなみに2019年2月に行われた第108回看護師国家試験は、63,603人が受験して56,567人が合格。合格率は89.3%でした。過去10年の合格率をみると88%~91%台で推移しているので、大学や専門学校の授業をしっかり聞いて真面目に勉強していれば、ほぼ9割が合格できる試験といえるでしょう。

ただし、専門的な知識を問われる試験なので、毎年5,000人~6,000人の不合格者が出る試験ということを忘れてはいけません。また、試験は必修問題と一般問題+状況設定問題で合格基準が設定されており、どちらかが基準点以下であれば合格できない試験です。

看護師国家試験はあくまでも看護師として働くために必要な知識や技術が身についているかどうかを確認することにあります。油断せずに普段からしっかりと知識や技能を身につけるべく真面目に勉強してください。そのうえで、十分な試験対策を行って試験に臨むことが何よりも大切です。

看護師国家試験の概要

合格率

89.3%(2019年2月実施・第108回)
※過去10年の平均は、89.8%

受験資格

次のうちいずれかに該当すること

  • 文部科学大臣の指定した学校教育法(昭和22年法律第26号)に基づく大学(以下、指定大学)において、看護師になるのに必要な学科を修めて卒業したもの(卒業見込者を含む)
  • 文部科学大臣の指定した学校(以下、指定学校)において3年以上看護師になるために必要な学科を修めたもの(卒業見込者を含む)
  • 都道府県知事の指定した看護師養成所(以下、指定養成所)を卒業したもの(卒業見込者を含む)
  • 免許を得た後3年以上の実務経験を積んだ准看護師もしくは学校教育法に基づく高等学校・中等教育学校を卒業している准看護師で、指定大学、指定学校または指定養成所において2年以上修業したもの(卒業見込者を含む)

受験費用

5,400円
※受験手数料の額に相当する収入印紙を受験願書に貼ることにより納付

出題範囲

全11科目

  1. 人体の構造と機能
  2. 疾病の成り立ちと回復の促進
  3. 健康支援と社会保障制度
  4. 基礎看護学
  5. 成人看護学
  6. 老年看護学
  7. 小児看護学
  8. 母性看護学
  9. 精神看護学
  10. 在宅看護論
  11. 看護の統合と実践

※厚生労働省発表の「保健師助産師看護師国家試験出題基準(平成30年改定)」より抜粋

看護師国家試験は1日がかりで行われる試験

看護師国家試験は毎年2月中旬頃に行われます(2020年は2月16日に実施)。試験時間は、午前の部と午後の部でそれぞれ2時間40分です。

時間 問題の種類 出題数 試験時間
午前 9:50~12:30 必修問題 25 2時間40分
一般問題 65
状況設定問題 30
休憩時間(1時間50分)
午後 14:20~17:00 必修問題 25 2時間40分
一般問題 65
状況設定問題 30

昨年度のタイムスケジュールは、上記表のとおりとなります。決められた時間内に解答しなければならないため、大変ハードな試験といえるでしょう。

問題数が多いので、時間配分と体力が大事

試験で出題される問題は、それぞれ下記のとおりです。

  • 必修問題 25問
  • 一般問題 65問
  • 状況設定問題 30問

最初にあげた表を見るとわかるように、試験時間は午前と午後で2時間40分。それぞれ120問ずつ、合計240問に解答します。間に休憩時間が1時間50分あるので、それを含めると7時間10分の長丁場となります。

看護師国家試験の試験時間はそれぞれ2時間40分で、120問に解答します。1問あたりにかけられる時間は1分20秒です。少しでも迷ったり、マーク記入ミスをしたりするとあっという間に時間が経過してしまいます。学校で各種模擬試験を受ける機会もあると思うので、問題を解く感覚をしっかりと体に覚え込ませることが大切です。

また、試験時間が長くなると途中で集中力が切れやすいので、集中力をできるだけ維持できるよう、しっかりと体力をつけておくこと、当日の体調を整えることが求められます。

看護師国家試験受験~合格後までの流れ

看護師国家試験は、官報や厚生労働省のウェブサイト上で、毎年8月頃に日程や試験委員などの詳細が発表されます。その後、指定期日までに願書などの必要書類を提出が必要です。

受験手続きについては、大学・専門学校などの学生であれば学校で指示があるので、その指示に従って下さい。受験票は翌年の1月中旬~末日頃までには届くので、受験場所や当日のスケジュールをしっかりと確認しておきましょう。

試験は毎年2月中旬に行われ、3月中旬~下旬に合格発表が行われます。合格していたら、免許申請の手続きを行います(免許申請については後述)。

■看護師国家試験の流れ

看護師国家試験受験・合格後までの流れは下記のとおりです。

  1. 厚生労働省のウェブサイトなどで詳細発表(8月頃)
  2. 受験手続き(毎年11月中旬~12月初旬まで)
  3. 受験票到着(翌年1月中旬~末日頃)
  4. 看護師国家試験受験(毎年2月中旬頃)
  5. 合格発表~免許申請(毎年3月中旬~下旬以降)

参考リンク:看護師国家試験の施行

合格率は約9割だが、現役学生と既卒生では大きな違いがある

先にも紹介したように、看護師国家試験の合格率を過去5年で見ると88%台~91%台で推移しています。もう少し範囲を広げて過去10年で見ても同じくらいの数字です。

厚生労働省も看護師の確保を長年の課題として打ち出していることもあって、毎年5万人以上の新人看護師が誕生しています。ただし、これはあくまでも全体の数字であって、現役学生と既卒生の合格率は大きく異なります。

開催 受験者属性 出願者数 受験者数 合格者数 合格率
2017年 第106回 全体 63,043人 62,534人 55,367人 88.5%
新卒 56,706人 56,381人 53,177人 94.3%
既卒 6,337人 6,153人 2,190人 35.6%
2018年 第107回 全体 65,070人 64,488人 58,682人 91.0%
新卒 58,288人 57,929人 55,764人 96.3%
既卒 6,782人 6,559人 2,918人 44.5%
2019年 第108回 全体 64,153人 63,603人 56,767人 89.3%
新卒 58,622人 58,308人 55,216人 94.7%
既卒 5,531人 5,295人 1,551人 29.3%

新卒生は全体の95%近くが合格していることに対し、既卒生は3割~4割前後と約3分の1にまで落ち込んでいます。できれば、現役生のうちに合格しておきたい試験といえるでしょう。

新卒に比べると既卒の合格率は低い

過去5回の合格率を見ると、既卒生の合格率は35%~40%台です。直近の第108回では、29.3%で3割以下となっています。既卒の合格率が低い理由として、もっとも大きいのは環境の差です。

新卒生は学校で学んでいます。学校で学んでいると、わからないことがあれば教員や同級生などに質問しながら理解を深めることも可能です。また、実習に行けば先輩看護師に質問することもできます。

しかし、既卒生の場合そうはいきません。学校にはいけないので、基本的には自宅や近所の図書館などで勉強することになります。受験生は周りには誰もいないので、常に孤独感にさいなまれるという人もいるでしょう。その他に、体力や金銭的な問題なども出てくるかもしれません。

いろいろな誘惑もあるので、その誘惑に負けずに勉強に打ち込めるかが合格への大きなカギといえるでしょう。

専門学校出身者が半数を占めているものの、大卒の看護師が増えている

近年、増えているのが4年制大学卒業の看護師です。大卒の看護師が増えた理由は、2つあります。

  1. 大学の看護系学部や大学が増えた
  2. 医療の高度化にともなって大学に進学する人が増えた

第108回看護師国家試験の学校種別ごとの合格状況は、下記表のとおりです。

学校種別 新卒 既卒 合計
受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率
大学 21,018人 20,382人 97.0% 584人 236人 40.4% 21,602人 20,618人 95.4%
短期大学(3年) 1,390人 1,274人 91.7% 204人 61人 29.9% 1,594人 1,335人 83.8%
専門学校(3年) 24,421人 23,311人 95.5% 1,285人 509人 39.6% 25,706人 23,820人 92.7%
専門学校(2年) 4,591人 4,364人 95.1% 465人 164人 35.3% 5,056人 4,528人 89.6%
通信制 2,602人 2,074人 79.7% 1,547人 334人 21.6% 4,149人 2,408人 58.0%
その他 4,286人 3,811人 88.9% 1,200人 247人 20.6% 5,486人 4,058人 74.0%
全体合計 58,308人 55,216人 94.7% 5,285人 1,551人 29.3% 63,593人 56,767人 89.3%

依然として専門学校出身者(2年制、3・4年制全体)が半数を占めているものの、大卒の看護師も36.3%おり、専門学校と大学で全体の86%となっています。

学校別の合格者状況は大学のみ公表されています。その中で、新卒・既卒とも全員合格した4年制大学は徳島大学や青森県立保健大学など48校でした。

看護師国家試験の出題範囲・出題形式は非常に広い

看護師国家試験の出題範囲は、4年に1度改定される「保健師助産師看護師国家試験出題基準」に記載されています(平成30年改定)。

看護師国家試験の出題範囲に関する記載は全部で60ページ、索引も含めると78ページあります。そのことからもかなり膨大な知識を問われる試験ということがわかるでしょう。

苦手分野を作らないようにすることが大切

厚生労働省が発表した「保健師助産師看護師国家試験出題基準(平成30年改定)」によると、看護師国家試験の出題科目は「人体の構造と機能」、「疾病の成り立ちと回復の促進」など全11科目です。どの学校でも、それぞれの科目について座学・実習などさまざまなカリキュラムが組まれますが、この出題基準に沿って作られます。

合格率は90%近くあるので、合格しやすいと思われるかもしれません。しかし、先にも書いたように試験の出題範囲は幅広いので、苦手分野があると合格が難しくなるでしょう。学生であれば、わからないところはすぐに教員や先輩などに質問して疑問点を解消していき、できるだけ苦手分野を作らないように心がけていきましょう。

より実践的な内容が出題されている

看護師国家試験では、2012年実施の第101回より「看護の統合と実践」という科目が追加されました。「各分野の知識を統合して看護の実践に活かす」ことを目的とした科目で、2014年に改正された出題基準において、範囲は下記のように区分されました。

  • 看護におけるマネジメント
  • 災害と看護
  • 国際化と看護

さらに第107回(2018年)からは、さらにこのような能力を問う出題がされるようになりました。

  • 複数科目の知識を統合する能力
  • 多重課題や集団へのアプローチに求められる広い知識を統合する能力

これからは、「このケアが適切な理由は何か?」「このような症状が出る理由は何か?」などのようにしっかりと根拠を考えた上で、実践的なアセスメントができるかどうかを見るような問題が増えてくるでしょう。

看護師国家試験の問題は、臨床の現場における状況を反映させています。臨床現場は日進月歩で変わっているので、必然的に出題内容の傾向も変化しています。これからも予告なく変更が加えられる可能性があるでしょう。

学校の授業や実習で学んだ内容を丸暗記するのではなく、看護師の実務についたときのことを想像して、今やっていることがどのように活かされるのかを考えながら勉強することが大切といえます。

将来的には禁忌肢が導入される可能性も

医療関係の国家資格では、医師国家試験で導入されているのが禁忌肢です。どういうものかというと、「患者などの生命を直接脅かす行為」や「脱法行為」、「倫理的でない行為」に関する選択肢を問題に加え、それを一定数以上選ぶと得点に関係なく不合格となる問題のことをいいます(出題数・選択肢については非公表)。

看護師国家試験でも、近年脱法行為などに関する出題が増えてきており、国家試験の段階で看護師としての適性がない(不的確な)人を選別しようという方針を明確に打ち出しています。

過去に禁忌肢の導入が検討されたことはあるものの、現時点では導入されていません。しかし、医療安全に対する意識が高まっていることを考えると、将来的に導入される可能性がまったくないとはいえないでしょう。

出題形式は多岐にわたる

前にも少し触れましたが、看護師国家試験の問題種別は3つに分かれます。

  1. 必修問題
  2. 一般問題
  3. 状況設定問題

出題形式については、全部で5つあります。

  • 4肢択一
  • 5肢択一
  • 5肢択二
  • 直接数字を解答
  • 視覚素材を用いた問題(写真やイラストなど)

それぞれの割合・特徴などについては、下記表を参照してください。

出題形式 主な出題種別 割合
4肢択一 主に必修問題
一部は一般問題・状況設定問題
約75%
5肢択一 主に一般問題・状況設定問題
一部は必修問題
約25%
5肢択二 一般問題・状況設定問題
※2つ正解しないと得点にならない
直接数字を解答 一般問題・状況設定問題
計算問題で出題される形式
視覚素材 一般問題・状況設定問題
2009年から導入された形式

近年の出題傾向を見ると、写真やイラスト・表を使った問題、計算問題、読解力が求められる問題が出ていることが特徴です。特に計算問題は、直接数字を答えさせる形式なので、短時間で計算しなければなりません。

出題数は多くないものの、苦手意識を持つ人も少なくないので、普段から早めに対策を打っておくことが大切です。

看護師国家試験はボーダーラインを超えていないと合格できない

看護師国家試験の問題種別は、必修問題・一般問題・状況設定問題の3種類です。合計で240問出題され、満点は300点で行われます。

問題によってボーダーラインが設定されており、これを超えているかどうかが合否判定の材料です。看護師国家試験のボーダーラインは2種類あります。

  1. 必修問題
  2. 一般問題・状況設定問題

この両方でボーダーを超えないと不合格となります。

問題種別 配点 ボーダーライン
必修問題
全50問
50点
(1問1点)
80%以上
一般問題
全130問
130点
(1問1点)
年によって変動
状況設定問題
全60問
120点
(1問2点)

例えば、一般問題と状況瀬底問題で基準を満たしたとしても、必修問題の得点が1点でも足りなければ不合格となります。必修問題は一定以上の正答率(絶対基準)が求められるのに対し、一般問題と状況設定問題についてはその年の問題の難易度によって変動する(相対基準)ことが特徴です。

看護師国家試験の過去10年における平均合格率は約89.8%。全受験者のうち約90%が合格する試験です。実際、第102回(2013年)以降は毎年50,000人以上の新人看護師が誕生しています。

日本は超高齢化社会で、常に看護師不足が叫ばれています。厚生労働省もその点を問題視しており、看護師の確保は全体の課題としています。そのことを考えると、看護師を少しでも確保するために合格率が90%近辺になるようにボーダーラインを設定しているともいえるでしょう。

必修問題は8割以上の正答率が必要

必修問題は全体の80%以上がボーダーラインです。必修問題は1問1点で、合計50問出題されます。不適切問題(※)が1つもしくは0であれば、49点~50点満点中40点以上。2つあった場合は満点が48点でボーダーラインは38点となります。

不適切問題が複数ある場合は、満点が下がる分、ボーダーラインも下がります。ただし、「80%以上」という基準が変更されることはありません。このように、難易度に関係なく一定以上の正答率を基準としていることが必修問題の特徴です。

※「不適切問題」とは、択一の問題で正解が複数個あるなどの理由で採点の対象外となった問題のこと。

一般問題・状況設定問題のボーダーラインは毎年変わる

一般問題と状況設定問題の2つは、その年度の難易度によってボーダーラインも上下することが特徴です。

つまり、全体の得点が低ければ、その分低くなる可能性があります。逆に全体の得点が高くなると、その分ボーダーラインも上がることが予想されるでしょう。ちなみに、過去10回分のボーダーラインは下記のとおりです。

開催回 ボーダーライン 満点 正答率
第99回 151点 250点 60.4%
第100回 163点 250点 65.2%
第101回 160点 250点 64.0%
第102回 160点 250点 64.0%
第103回 167点 250点 66.8%
第104回 159点 250点 63.6%
第105回 151点 247点 61.1%
第106回 142点 248点 57.3%
第107回 154点 247点 62.3%
第108回 155点 250点 62.0%
平均 156.2点
※第105回・106回・107回は採点除外問題があったため、満点が変わっています。

上記表を見ると、第106回は142点と落ち込んでいるものの、それ以外は例年150点台~160点台の間で推移していることがわかります。過去10年のボーダー平均は156.2点、平均正答率は60.8%(250点満点)です。

過去10年のデータから見ると第106回を除いて過去10年で最も低かった正答率が第99回の60.4%、高かったのが第103回の66.8%なので、過去問や模擬試験で65%前後の得点を取ることができるかどうかが目安といえるでしょう。

看護学校や各種予備校の中には、試験終了後に受験者の回答データを集め、独自に予測したボーダーラインの目安を公表しているところがあります。あくまでも参考ですが、目安を知りたい場合は予備校のホームページや自分が通っている学校に問い合わせてみましょう。

合格後は看護師免許の申請を忘れずに

合格発表は毎年3月中旬~下旬。合格していたら、厚生労働省から合格証書が届きます。証書交付後、各自で住民票がある市町村の保健所にて、看護師免許の交付申請を行うことが必要です。この免許がないと、看護師としての業務を行うことができません。

ちなみに、申請に関する期限は特に定められていません。ただし、申請は合格時に住民票があったところで行うことが必要です。東京の看護学校や大学などに進学した学生で、住民票が都内にある場合は、その住所を管轄する保健所で申請を行うことになります。

そのため、すぐに転居する予定の人は、合格発表後すぐに申請するようにしましょう。また、免許証は交付までに約2~3ヶ月かかるので、転居届を出して確実に受け取れるようにすることも忘れないで下さい。

入職先によっては、必要書類を提出するだけで一括申請をしてもらえるところもあるので、特に新卒の場合は確実に申請するようにして下さい。

看護師免許申請を忘れるとどうなる?

看護師国家試験の合格発表後、免許申請が必要です。申請期限は特に定められていません。ただ、長期間申請していないと面倒な手続きが必要になります。

  • 合格後1年以上経って申請する場合は、問い合わせが必要
  • 合格していても免許証がないと、「無資格者」扱いとなる
  • 登録されてから医療行為に従事できることになっているので、仕事開始日に影響が出る
  • 病院によっては「登録済証明書」の提出を求められる場合がある
  • 姓・本籍地が変更になって30日以上経って変更申請した場合は、遅延理由書を書かなければならない

参考リンク:看護師国家試験の施行

その他、看護師に関連する資格

看護師の仕事に役立つ資格はさまざまある

看護師免許を持っていることを前提として、看護師の仕事に役立つ資格を探すと、さまざまな資格があります。

  • 保健師
  • 助産師
  • 介護職員初任者研修
  • 介護福祉士
  • 認定看護師
  • 専門看護師
  • 臨床心理士・心理カウンセラー
  • 医療環境管理士
  • リンパ浮腫療法士
  • 体外受精コーディネーター
  • 福祉住環境コーディネーター
  • ケアマネジャー
  • 英語関連の資格

この中で、保健師は統合カリキュラムを導入している専門学校もしくは大学で受験資格を得られます。助産師は大学で所定の科目を学び単位を取得することで受験資格を得ることが可能です。これらの資格は、2007年4月1日より看護師の資格がないと登録できない資格となりました。

次に、認定看護師・専門看護師の2つも看護師免許がないと取得できません。いずれも看護師としての実務経験が5年以上(うち、3年以上は認定看護分野の実務経験)とされているので、豊富な実務経験が求められる資格です。

この他、超高齢化社会の到来にともなって増えつつあるコミュニティナースとして活躍している人は、介護職員初任者研修・介護福祉士・ケアマネジャーなどといった福祉関連の資格を取得している人も多くいます。

また、患者とのコミュニケーションを取るために心理学の知識を学ぶ人も多くいるようです。薬学や医学に関する資料は、英語で書かれたものが多くなります。そのため、製薬会社や医療機器メーカーで働く場合、TOEICや英検など英語関連の資格を持っていると語学力もあると判断され、転職に有利に働く可能性があるでしょう。

看護師国家試験の受験資格を得るためには?

看護師養成所や看護系学部などで学ぶことが必要

看護師国家試験を受験するためには専門学校などの看護師養成所、もしくは看護系学部のある大学・短期大学などで所定の科目を学び、単位を取得したうえで卒業もしくは卒業見込みであることが必要です。

受験資格を得るための手段は意外と幅広く、これだけの手段があります。

  • 5年一貫看護師養成課程を卒業(高等学校看護科+専攻科)
  • 看護師養成所(専門学校)で学ぶ(3年制)
  • 統合カリキュラム校(専門学校)で学ぶ(4年制)
  • 看護系学部・学科のある短期大学で学ぶ(3年制)
  • 看護系学部・学科のある大学で学ぶ(4年制)
  • 准看護師資格取得後(※)、専門学校で学ぶ(2年制)

※中学校を卒業して資格取得した場合は3年以上の実務経験が必要。通信制の養成所で学ぶ場合は、7年以上の実務経験が必要。

以下、それぞれの特色について解説していきます。

学校にはそれぞれの特色がある

先にも紹介したとおり、看護師国家試験を受験するためには、学校で所定の単位を修めて過程を修了することが必要です。学ぶための学校の選択肢は幅広く、それぞれに特色があります。

修業年限だけでなく、学べる内容などにも個性があるので、希望に合わせて学校選びを行うようにしましょう。

高等学校・専攻科

■修業年限

5年
※高等学校看護科(3年)+専攻科(2年)

■特色
  • 中学校卒業後に進学できる
  • 最短20歳で看護師免許を取得可能
  • すべての都道府県にあるわけではない

専門学校

■修業年限

3年(定時制は4年)

■特色
  • 公立・民間とも病院附属が多い
  • 実践的なカリキュラムを組んでいるところが多い
  • 統合カリキュラム校では、保健師受験資格も得られる
  • 3年過程では専門士、4年過程では高度専門士が与えられる
  • 大学3年次への編入学が可能
  • 4年制過程卒業者は、大学院への進学が可能

統合カリキュラム校

■修業年限

4年

■特色
  • 公立・民間とも病院附属が多い
  • 実践的なカリキュラムを組んでいるところが多い
  • 統合カリキュラム校では、保健師受験資格も得られる
  • 3年過程では専門士、4年過程では高度専門士が与えられる
  • 大学3年次への編入学が可能
  • 4年制過程卒業者は、大学院への進学が可能

短期大学

■修業年限

3年

■特色
  • 一般教養を学ぶことができる
  • 看護の知識だけでなく幅広い知識が身につく
  • 短期大学士が得られる

大学

■修業年限

4年

■特色
  • 学士(看護学)が得られる
  • 専門的な知識・技術について、時間をかけて学べる
  • 基礎分野の教育科目が充実している
  • 大学院でより専門的な学びが深められる
  • 選択制のカリキュラムが多い
  • 看護師と保健師の受験資格が得られる
  • 所定の科目を選択すると、助産師の受験資格が得られる
  • 保健師資格を取得すれば、養護教諭二種免許が取得可能

5年一貫過程の高校では、最短で受験資格が得られる

5年一貫というのは高等学校と専攻科を合わせた学科のことで、2002年度から誕生しました。

高校では看護の基礎科目を、専攻科では更に進んだ専門科目や実習科目を学びます。看護師国家試験の受験資格を得るために必要な教育課程の中では、最短で受験資格を得ることができ、現役で合格できれば20歳で看護師になることが可能です。

一貫過程は中学卒業後に進学できますが、すべての都道府県にあるわけではなく、沖縄県や島根県など一部5年一貫過程がないところもあります。学校を選択する際は注意が必要です。

看護専門学校は実習科目が多い

看護専門学校は、文字通り看護師の育成を目的とした学校で、看護師養成機関の半数以上が専門学校と言われています。

3年間で情報科学や心理学などといった一般教養を高めるための基礎分野、病理学・医療制度などの専門基礎分野、基礎看護学・看護の知識・医療処置や看護知識を得るための実技演習・病院実習などを通し、看護師国家試験の受験資格を取得します。

進学した学校が統合カリキュラム校(看護師・保健師統合カリキュラム)であれば、看護師と保健師両方の受験資格を得られるので、仕事の幅を広げたい人はそうした学校を選んでもいいでしょう。

「専門学校」というだけあって、現場で即戦力として活躍できる人材育成を目指しており、全体の授業時数のうち3分の1が看護実習です。そのため、看護の現場を肌で感じたい人にとって人気が高く、学校によっては高い倍率になっているところもあります。

短期大学は一般教養科目も学ぶことができる

看護短期大学は専門学校と同じく修業年限は3年です。3年間で看護の知識と技術を学んで、看護師国家試験の受験資格を得ます。

看護師養成課程のカリキュラムは、基礎分野・専門基礎分野・専門分野で、専門学校との違いは一般教養科目の授業時間が多い点です。先にも書いたとおり大学より1年短い修業年限なので、少々駆け足で一般教養も含めて学ぶことになります。

専門学校より一般教養科目が多い分、社会人に求められるコミュニケーションスキルやマナーを身につけやすい環境にあるものの、大学に押されて減少傾向にあります。

大学は時間をかけて専門性を高められる

看護系の大学は新設校・新規過程設置も含めて大幅に増え、1990年から比べると約25倍に増えています。

大学の特色は修業年限の深さで、4年間かけて看護の専門的な知識と技術を学びます。授業内容は基礎分野・専門基礎分野・専門分野なので、その点では専門学校・短期大学と教わる内容は大きな差はありません。

しかし、大学は基礎分野となるカリキュラムが充実しているのが特徴です。学べる内容も情報科学や心理学だけでなく、哲学やドイツ語などが含まれているところも見受けられます。また、4年間かけて専門的な領域をより深く学ぶことができるとともに、選択できるカリキュラムも豊富です。

もう一つの大きな特徴は、得られる受験資格・免許が多い点です。大学では、看護師の他に保健師の受験資格も得ることができます。その他にも、所定の科目を選択して単位を取得すれば助産師の受験資格も得ることが可能です。

3つの試験に合格すれば、卒業時に看護師・保健師・助産師、3つの免許を取得することができます。また、保健師に合格することで養護教諭二種免許取得が可能です。

また、将来的に専門分野の看護を極めたいと思ったとき、看護系大学院への進学・修了が必要となりますが、大学卒業であれば比較的上級学校への進学もしやすいので、その分有利となりやすいでしょう。

その分、修業年限分の学費も高額になってしまいます。しかし、看護師以外にも保健師・衛生管理者・養護教諭など多数の受験資格・資格を得られる点は大学ならではの魅力といえます。将来の選択肢を増やしたいのであれば、大学進学が一番のおすすめです。

看護師の資格が取れる学校

昭和大学医学部附属看護専門学校 ・昭和大学

昭和大学医学部附属看護専門学校は昭和大学に併設されている看護専門学校で、学校法人昭和大学が運営しています。運営母体の学校法人昭和大学は、医学部・歯学部・薬学部・保健医療学部の4学部を有する医歯薬系総合大学の昭和大学を経営していることでも有名です。

本体となる昭和大学の保健医療学部にも看護師養成課程があり、昭和大学では大学と専門学校の両方で看護師の育成を行っています。大学では、看護師の他に保健師の受験資格を得ることが可能です。

大学と専門学校を合わせて、毎年100名以上の合格者を輩出しています。

学部・学校間の交流が盛んに行われる

専門学校と大学の両方を有する強みは、大学内の他学部・学校(大学と専門学校)間での交流です。

近年はチーム医療を導入している病院が多くなっている中、医療系総合大学として医師・歯科医師・薬剤師・理学療法士・作業療法士・看護師を目指す仲間と交流を持つことで、卒業後の人脈形成にも大きく役立つでしょう。

学生だけでなく教員の交流も盛んに行われています。大学附属病院も全国に8院あり、それぞれの病院で現役の医師・研究者として活躍されているので、常に最新の医療を学べる環境があります。

専門学校も大学と同じ敷地内に隣接されているので、最新の施設・設備で学ぶことが可能です。

順天堂大学

順天堂大学は東京都文京区に本部のある大学で、学校法人順天堂が運営母体です。

本部キャンパスのある文京区の他に、千葉県(印西市・浦安市)と静岡県三島市にキャンパスを有し、医学部・スポーツ健康学部・医療看護学部・保険看護学部・国際教養学部・保健医療学部を持つ、健康・スポーツ系の総合大学として知られています。

看護師養成課程は、医療看護学部(千葉県浦安市)と保険看護学部(静岡県三島市)にあり、看護師の他に保健師・助産師(選抜制)、衛生管理者免許、養護教諭二種免許が取得可能です。

附属病院や訪問看護ステーションなどで1年次から実習が行われる

順天堂大学の附属病院は、本部がある東京都文京区の順天堂医院をはじめとして関東(東京・埼玉・千葉)と静岡に6院です。その他、提携している病院・訪問看護ステーション・保健所・保健センターなどがあり、1年次から臨地実習が行われます。

附属病院には、臨地実習の教育・指導を行う看護教員の他、医学部の教員も多数在籍しており、医学部・看護系学部(医療看護学部・保険看護学部)と病院が連携して指導に当たり、指導内容・体制とも充実しているのが特徴です。

国際交流も積極的に行われる

大学教育のグローバル化へ対応するために、充実した互角教育が行われるとともに、留学生の受け入れも積極的に行っています。また、異文化看護領域に関するリーダーを養成するために、アメリカ・英国・タイなどと連携して、看護研修を行うなど国際交流も盛んです。

■研修先
  • デモントフォート大学
  • オレゴン健康科学大学
  • タマサート大学

玉野総合医療専門学校

玉野総合医療専門学校は岡山県玉野市にある、医療系の専門学校で学校法人加計学園が運営母体です。設置学科は、4つ。

  1. 保健看護学科
  2. 介護福祉学科
  3. 理学療法学科
  4. 作業療法学科

このうち、保健看護学科に看護師養成課程を有しています。同校は「看護師・保健師統合カリキュラム校」なので、修業年限は通常の看護系専門学校より長い4年となります。

その分、学業はややハードとなるものの、看護師・保健師の国家試験受験資格を得ることができ、在籍する学生全員が両方の資格試験合格を目指しています。

4学科が併設されており、他分野の知識・技術を知ることができる

玉野総合医療専門学校の特徴は、医療系の学科が4つあることです。介護福祉学科では介護福祉士やケアマネジャー(実務経験5年以上必要)、理学療法学科では理学療法士を、作業療法学科では作業療法士を目指して学業に励んでいます。

医療・福祉の現場は高度化しており、実際の現場ではそれぞれの領域における知識・技術が求められる場面が増えているのが現状です。そこで、個別の専門分野はもちろんのこと、介護福祉分野・理学療法分野・作業療法分野の各領域に関する専門知識・技術に関する授業・実習も行っています。

看護・保険の専門分野でも座学と実習のバランスを取った授業構成となっているので、近年浸透しているチーム医療で活躍できる人材育成を目指しています。

看護師の資格・試験まとめ

看護師が求められていることもあり、合格率は90%あたりで推移。しっかりと勉強することを忘れずに。

厚生労働省も「潜在看護師(退職して働いていない看護師免許保持者)の活用」を課題にあげていることからもわかるように、看護師の人材不足が現状です。そのため、新人・経験者を問わず、看護師を確保したいという思惑があります。

2019年2月に実施された第108回看護師国家試験の合格率は89.3%で、国家試験の合格率は過去10年の間89%~91%台で推移しています。ここからいえるのは、決して「落とす(優秀な人を選抜する)ための試験」ではなく、「必要な基本的知識・技術が身についているかどうか」を確認するための試験ということです。

つまり、学校で教わった知識・技術をしっかりと身につけていけば合格できる試験といえます。しかし、毎年5,000人~6,000人近くの受験者が不合格となっているので、油断は禁物です。新卒の受験者が93%~96%台の合格率であることに対して、既卒生は平均で3割~4割台と半分以上が不合格となっている現状があります。

このことから考えると、できる限り新卒で合格したほうがいいといえるでしょう。学校に行っている間は苦手分野を作らないように普段から勉強をしっかりと行って、3年後(もしくは2年後・4年後)の国家試験に備えてください。

看護師国家試験を受験するためには、高等学校看護科・専攻科の5年一貫過程、もしくは専門学校・大学などへ進学して、看護師になるための専門的な知識・技術を身につけ、国家試験の受験資格を得ることが必要です。

現在は看護系学科を持つ大学が増えており、短期大学・専門学校の数は減少傾向です。一方で、専門学校でも看護師国家試験の受験資格だけでなく、保健師国家試験の受験資格も同時に得られるカリキュラム(統合カリキュラム)を組んでいる学校が増えるなど、全体的に教育内容が高度化しています。

その他にも、専門学校では実践的な授業が多い、大学・短期大学では一般教養科目が多く、専門領域を深く学ぶことができるという特徴があります。将来、どのような道に進みたいのかを考えて進学先を選ぶようにするといいでしょう。

看護師の参考情報

平均年収400万円~520万円
必要資格
  • 看護師
資格区分 国家資格
職種医療

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