歯科衛生士になるには?求められることや向いている人の特徴などを具体的に解説

歯科衛生士になるには?求められることや向いている人の特徴などを具体的に解説

歯科衛生士になるためには国家資格が必要になり、受験資格を得るためには専門学校や短大、4年制の大学に通う必要があります。国家資格に合格した後、歯科衛生士として活躍するためには、コミュニケーション能力や丁寧さ、歯学への向上心などが必要になります。本記事では、歯科衛生士になるための学校や適性について解説します。

歯科衛生士になるには何が必要?

歯科衛生士になるには国家資格の取得が必要

歯科衛生士になるには、厚生労働省が認定する国家資格の歯科衛生士が必要です。

この資格試験を受けるためには、文部科学大臣が指定する歯科衛生士学校や、歯科衛生士養成所として認定されている短期大学、専門学校での養成課程を修了することが条件になっています。

特別な学校に通った後、国家資格に合格した人だけが歯科衛生士になることができます。

歯科衛生士試験の内容

歯科衛生士の試験は以下の内容になっています。

  • 歯・口腔を除いた人体の構造と機能
  • 歯・口腔の構造と機能
  • 疾病の成り立ちおよび回復過程の促進
  • 歯・口腔の健康と予防にかかわる人間と社会の仕組み
  • 歯科衛生士概論
  • 臨床歯科医学
  • 歯科予防処置論
  • 歯科保健指導論
  • 歯科診療補助論

上記の9科目から問題が出題され、マークシート方式で回答します。合格するなら一般財団法人歯科医療振興財団から通知され、指定の機関に申請することで歯科衛生士としての免許書が交付されます。

国家資格に合格した後の進路

歯科衛生士として国家資格に合格した後は希望の就職先を探すことになります。一般企業に就職する場合、景気動向に準じて就職率が大きく左右されますが、歯科衛生士の需要は高い水準を維持しており、就職しやすいというメリットがあります。

歯科衛生士の多くは、大学病院や総合病院の歯科や歯科医院に就職することになります。当然、採用してもらうためには国家資格に合格していることが最低条件になり、歯科衛生士になるにはとにかく試験に合格しなければいけません。

歯科衛生士になるための年齢制限

歯科衛生士になるための年齢制限はないので、国家資格を取得すれば歯科衛生士になることができます。大学や専門学校を卒業してから歯科衛生士になるのが一般的ですが、社会人を経験してから国家資格に合格して歯科衛生士になる人もいます。

一度試験に合格するなら一生涯、資格を保有することができますから年齢を重ねても続けることが可能です。

歯科衛生士に向いている人、適性がある人

歯学に興味がある人

歯科衛生士として長く活躍したいと思っているなら、歯学に対する興味を持っている人が適しているでしょう。解剖学や病理学、生理学など歯学に関係する知識を習得する必要がありますが、好きな人ほど研究熱心な傾向があります。

好きなことであれば、過去の論文や研究書などを参考にしながら患者に対して最適な治療を施せるように努力するでしょう。小さな努力の積み重ねが歯科衛生士としてのスキル向上につながり、キャリアアップするきっかけになります。

一つ一つ丁寧に仕事ができる人

歯科衛生士の仕事は患者の体に直接触れる仕事なので、正確性が求められます。口腔内のスクリーニングや歯周病予防の薬剤の塗布など細かな仕事を丁寧に、確実にこなせなければいけません。

スピードや効率を重視するよりも、患者の健康のために一つ一つの仕事を丁寧にこなす力が必要です。

全体を見渡せる能力

歯科衛生士は患者に対して治療行為を行うことができますが、基本的には歯科医師のアシスタントとして働くことになります。必要な機材を揃えたり、患者の口腔内の状況を適切に判断するなどの能力が求められます。

時には、一度に数人の患者の対応を任されることもあるので全体を見渡せる広い視野が欠かせません。さらにキャリアを積むと、一歩先を読む力や患者への気配りなども求められるようになります。

コミュニケーション能力

歯医者に行くことに不安や恐れを感じている患者も多く、そのような気持ちをほぐしてあげるのも歯科衛生士の仕事です。特に子どもが来院する時には、患者本人との意思疎通も重要になりますが、親御さんとの会話も大切です。

ぶっきらぼうな説明や表情をしてしまうなら不安を助長させることになりますし、病院の評判を損なうことにもなります。歯科衛生士になりたいと思っているのであれば、コミュニケーション能力を高める必要があるでしょう。

チームワーク

歯科衛生士は単独で自分の仕事をこなすというよりも、チームワークを重視して働きます。個人の歯科医院であれば歯科医師との協調性が欠かせませんし、総合病院で勤務する場合には他のスペシャリストと協力して治療を進めていきます。

自分の意見に固執したり、独自のやり方を強要するのではなく、院内全体の調和が保たれるように努力する必要があります。

清潔感のある人

医療従事者全般に言えることですが、歯科衛生士には清潔感が欠かせません。患者の口の中に手を入れて治療するので、不潔感があると患者は不安になり、治療に集中できなくなります。

身だしなみを整えることはもちろんのことですが、手指の消毒や機材の滅菌などにも注意を払い、常に清潔な状態を維持できるように努めます。

分かりやすく説明できる能力

歯科衛生士は虫歯や歯周病を予防のための治療を行ないますが、事前に患者に説明しなければいけません。なぜこの治療は必要なのか?放置しておくとどうなるのか?などを患者目線で伝える必要があります。

また、治療を行なった後には、予防のための方法などを詳しく解説します。歯磨きの方法や口腔ケアなど、患者自身が納得できるように説明することによって、信頼され歯科衛生士としての実力を身に着けることができます。

歯科衛生士になるための学校

専門学校や短大、4年制の大学に通う必要がある

歯科衛生士になるためには文部科学大臣が指定した学校に通う必要があります。国内には歯科衛生士学校が約150校あると言われており、その中には専門学校や短期大学、4年制の大学などが含まれます。

どの学校を選ぶにしても、歯科衛生士になるための学校としての基準は満たしているので、学校の難易度や卒業後の就職率などを比べながら自分に合った学校を選びましょう。

大学と専門学校、どっちがおすすめ?

歯科衛生士になるために大学と専門学校、どっちが有利なのでしょうか?一概には言えません。なぜなら、自分がどのような進路を歩みたいと思っているかで変わってくるからです。

例えば、歯学以外の一般教養を深めたり、卒業後、歯科関連の会社や企業への就職を目指しているのであれば大学進学がおすすめです。

しかし、歯科衛生士になることだけに集中して学習したいと思っている人や手厚い就職サポートを受けたいと思っているなら歯科関係の専門学校の方が適しているかもしれません。

まずは、自分がどのような過程を経て歯科衛生士になりたいのか、どのような場所で活躍したいと思っているのかを考えてから決定するといいでしょう。

男性の受け入れが整っていない学校もある

歯科衛生士は女性の仕事という認識が強く、専門学校や大学でも歯科衛生士を目指す生徒のほとんどは女性です。最近では、法律の見直しが行われ、男性の歯科衛生士も増加傾向にあります。

しかし、まだまだ女性が中心となっている職業のため、歯科衛生士になるための学校の中には男性生徒を受け入れる体制が整っていない場合もあります。男性が歯科衛生士を目指す場合には、学校の受け入れ態勢も事前に確認しておきましょう。

歯科衛生士になるには?まとめ

歯科衛生士になるには国家資格、コミュニケーション能力、適性が求められる

歯科衛生士になるためには、歯科衛生士の国家資格に合格しなければいけません。受験資格を得るためには専門学校や短大、4年制大学などに通う必要があり、自分のなりたい歯科衛生士のイメージに近づけるような学校を選ぶ必要があります。

また、特別な学校に通って国家資格に合格した後も歯科衛生士として活躍するためには、コミュニケーション能力や丁寧な仕事、全体を見渡す視野などの適性が求められていきます。

歯科衛生士は将来的な需要も安定した仕事であり、年齢を重ねても続けやすい仕事です。興味のある方は是非チャレンジしてみましょう。

歯科衛生士の参考情報

平均年収300万円~400万円
必要資格
  • 歯科衛生士
資格区分 国家資格
職業職種医療

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