歯科技工士の資格・試験とは?歯科技工士 資格試験の概要と合格の秘訣

歯科技工士の資格・試験とは?歯科技工士 資格試験の概要と合格の秘訣

歯科技工士として活動するには、歯科技工士試験への合格が必要です。歯科技工士は国家資格で、受験するには専門学校や大学で特別な学習を受ける必要があります。試験の難易度は高くなく、平均の合格率は95%程度です。授業の内容をしっかりと把握しておけば高い確率で合格できるでしょう。この記事では、歯科技工士試験の内容や合格率を詳しく解説します。

歯科技工士の資格とは?

厚生労働大臣免許の国家資格

歯科技工士の資格は、厚生労働大臣免許の国家資格に分類されており、無資格のまま歯科技工士として仕事をすることは法律で禁止されています。

歯科技工士の資格に合格するには、歯科技工物に関する知識だけでなく、人体の首から上に関する総合的な理解が求められます。

受験資格

歯科技工士試験を受けるには受験資格があります。

厚生労働省が認定している専門学校や大学へ入校し、歯科技工士学校養成所指定規則で定められている教育内容に基づいたカリキュラムの修了が必要です。

専門学校や大学では、一般教養に加えて、歯学や解剖学などを学習し、歯科技工士としての必要な知識を習得します。

歯科技工士になるための学校には2年制や3年制、4年制大学などがあり、自分の状況や希望に合った進学先を選択できます。

歯科技工士試験の内容

歯科技工士試験は専門学校・大学などで学んだ内容を問われる学科試験と、歯科技工実技を行う実地試験とに分かれて実施されます。

学科試験では、有床義歯技工学や解剖学、保存修復学に関する問題が出題され、小児歯科技工学や矯正歯科技工学に関する知識が必要です。歯科技工法や歯科理工学などの法規問題も出題されるので総合的な理解も欠かせません。

実地試験では、人工歯配列および歯肉形成の実技試験が出題され、カービング技術のチェックも行われます。さらに、任意問題として、部分床義歯の維持装置・連結装置製作や歯冠修復物のワックス形成が出題されることもあります。

合格後の手続き

国家試験に合格したら、自動的に歯科技工士として働けるというわけではありません。試験に合格したあと、保健所にて歯科技工士免許の申請を行い、歯科技工士名簿に登録してもらう必要があります。

その後、歯科技工士免許書を受け取って初めて歯科技工士として仕事ができるようになります。歯科技工士は、以後も状況に応じた申請が必要となります。歯科技工士が行う申請には、2年ごとに行う就業届や独立開業届、廃止届などがあります。

歯科技工士資格試験の難易度・合格率

平均合格率は95%程度

歯科技工士国家試験の平均合格率は95%程度となっており、国家資格でありながら合格が高い試験です。

合格率が高い理由には、厚生労働省が認可している歯科技工士養成学校での履修が規則として求められること、専門学校のカリキュラムが充実していることなどがあります。養成学校で真面目に学習すれば、大半の人は国家試験にも合格できるでしょう。

歯科技工士試験では、彫刻などの実技試験も出題されます。ただし、専門学校の多くで実技主体の授業が行われていることもあり、授業の感覚をもって落ち着いて取り組めば問題ないでしょう。

試験の合格基準

歯科技工士試験の合格基準は以下の通りです。

合格基準
学説試験 800点満点中、480点以上で合格
実地試験 900点満点中、540点以上で合格

尚、受験料は30,000円となっていますが、変更される可能性があるため事前に確認が必要です。

合格するための対策

実技試験では歯のデッサン力がカギ

歯科技工士の実技試験に合格するためには、デッサン力が重要になります。具体的には、全部床義歯の人工歯排列と歯肉形成に関する問題が出題されるので、何度も練習問題をこなしてスムーズに形成できるようにしておきましょう。

さらに、石膏棒を使って歯を彫刻・造形するカービングのスキルも試されます。彫刻する型が指定され、その場で作り上げて試験官にチェックしてもらいます。

デッサン力やカービングのスキルは双方とも単なる受験対策のために必要なものではありません。歯科技工士という職業の基本であり、この職業で成功を目指す上で絶対に欠かせない技術です。

結局のところ、日頃の養成学校での授業からスキル向上へ真剣に取り組んでいくことが、一番の近道と言えるでしょう。

学説試験では首から上を総合的に学習

学説試験では以下の項目が出題されます。

  • 歯科理工学
  • 歯の解剖学
  • 顎口腔機能学
  • 有床義歯技工学
  • 歯冠修復技工学
  • 矯正歯科技工学
  • 小児歯科技工学
  • 関係法規

多くの項目が出題されますが、端的に言うと、首から上の人体知識が総合的に必要になると考えていいでしょう。歯だけでなく、歯を支える顎や骨格、口周りの筋肉の構造などをしっかりと把握することが重要です。

また、歯科技工法などの関係法規の知識も必要になりますが、専門学校等のカリキュラムで網羅されているので授業内容にしっかりとついていくことが合格の条件です。

歯科技工士の資格が取れる学校

大阪歯科大学

大阪歯科大学は近畿でも名の知れた歯科技工士のための学校です。この大学では、解剖学や組織学、生理学などを総合的に学習することができ、歯科技工士として活躍するための知識を習得できます。

一例として、口腔解剖学では口腔領域の構造や形態、歯科の基本知識を習得、総義歯学実習カリキュラムでは全部床義歯の仕組みや制作スキルを習得します。

3年制になると、CAD/CAMの操作方法を学習し、現代の歯科技工士に欠かせないスキルを身に着けることが可能です。また、附属病院にて実習を受けることもできるので実践能力を鍛えることができます。

新東京歯科技工士学校

新東京歯科技工士学校では、歯科技工士に必要な基礎スキルから応用技術まで幅広く学習できます。具体的には、金属床義歯やセラミックスなどの最新歯科技工物の制作スキルを習得することになります。

この学校では、即戦力として活躍できる人材を輩出するための特別授業が設けられており、患者のニーズを的確に判断して対応する能力を培います。

一例として、スポーツ歯学に関するカリキュラムが充実しており、アスリートのマウスガードの制作実習なども行っています。

多くの生徒が働きながら学習を行っており、学費を抑えて働きながら学習したいという人におすすめです。

東洋医療専門学校

東洋医療専門学校は3年制のカリキュラムを組んでおり、国によって指定されている2200時間を上回る2900時間の授業体制を設けています。そのため、歯科技工士としての基本的な知識だけでなく、ワンランク上のスキルと知識を習得できます。

少人数制の授業になっているので、分からないところは遠慮なく講師陣に尋ねることができ、確実にレベルを向上させることが可能です。

国家資格に合格することだけを目指すのではなく、最新の歯科技工技術を習得したいと思っている人におすすめです。もちろん、CAD-CAMの使用スキルも習得できるので今後の活躍に期待できます。

歯科技工士の資格・試験まとめ

歯科技工士資格の合格率は95%程度。カリキュラムの内容を習熟すれば合格できる可能性が高い

歯科技工士として活動するためには国家資格が必要になり、受験するためには専門学校や大学などで特別な学習を受ける必要があります。

歯科技工士試験の合格率は95%程度なので、学校でのカリキュラムをしっかりと受けて勉強すれば合格できるでしょう。

歯科技工士試験に合格するためには、実技試験と学説試験をクリアする必要があり、歯科技工士に必要なスキルと知識を総合的に習得することが求められます。

歯科技工士の参考情報

平均年収400万円~600万円
必要資格
  • 歯科技工士
資格区分 国家資格
職業職種医療

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