医師になるには?求められることや向いている人の特徴などを具体的に解説

医師になるには?求められることや向いている人の特徴などを具体的に解説

超高齢化社会に突入した日本において、医師に求められる役割は大きくなっています。さて、医師になるにはどのようなステップを踏まなければならないのでしょうか?この記事では、医師に必要な適性や資格、向いている人の性格的特徴などを紹介します。

医師になるには何が必要?

医師になるには、命を預かることに対する責任感と向上心など多くのものが求められる

医師になるには、その求められる要素として考えられるものはいくつかあります。その中でも、もっとも大切なのが医師としての向上心と命を預かることへの責任感、そして医師免許です。

これは医師だけではなく、医療業界全体にいえることですが、手術方法などの医療技術や医学的知識は日々進歩しています。それこそ「今日の常識が明日の非常識」になることも十分に考えられるくらいの早さです。

こうした技術や知識だけでなく、さまざまな病気の治療薬についても新薬が開発されるなど、医薬品に対する知識も求められます。

次に、医師に求められる要素としてもう一つあげたのが、命を預かることに対する責任感です。

病状などに違いはあるものの、病院を訪れる患者さんやその家族は不安をかかえて来院しています。それが命に関わりそうなものであれば、なおさら不安に感じる気持ちは強くなるでしょう。

医師は、そういった不安をかかえて来院する患者さんや家族に対して、時には力強く励ましたり、話を聞いてあげたりすることも求められます。病院で患者さんの診察をしたり、手術を行ったりする医師は「臨床医」ですが、医師の仕事はそれだけではありません。

医師の中には、そういった臨床医ではなく、大学病院などの研究施設で病気の原因などを研究する「研究医」と呼ばれる人もいます。こうした研究医は、一つのことを学び続ける粘り強さが必要です。

最後に、臨床医もしくは研究医のいずれを選んだとしても、医師には体力が求められます。

医師の仕事には誠実さが求められる

医師の中でも、病院で患者さんの診察や手術、治療に必要な医薬品の処方を行う人は、別の名称として「臨床医」という名称があります。

臨床に携わる医師は、日々多くの患者さんや家族の方と関わります。一言で「患者さんや家族」といっても、その性格や考え方はさまざまです。中には、どの病院に行ってもなかなか治らず不信感を持って来院している人もいるかもしれません。

これは、私たち患者の側も勘違いしていることですが、医師はあくまでも病気を治すための手助け(医療行為)をしているだけです。実際に完治(寛解)まで持っていくためには、患者さん本人に「何が何でも治そう」と思う気持ちを持たせなければなりません。

そのために、患者さんや家族と同じ目線で向き合い、時には話を聞いてあげる。時には力強く励まして、治療を促すなどの誠実な姿勢が大切です。

コミュニケーションスキルやリーダーシップも医師に求められる要素

近年では、どの病院でも「チーム医療」という概念をかかげています。従来は医師をトップとして、医師からのトップダウンで看護師・薬剤師・栄養士などの職員に指示が出るというのが一般的でした。

しかし、21世紀に入ってからがん患者に対する治療でそれぞれが対等な立場で医療を行う「チーム医療制度」が導入されはじめ、2010年頃から多くの病院や地域医療でこの考えが浸透してきました。

チーム医療では、医師の配下につくのではなく、独立した専門職としてそれぞれが意見を出し合うことになるので、医師もチームの一員として意見を出す・聞くということが求められます。

それでも、医師がリーダーであることに変わりはないので、そのチームを率いるためのリーダーシップ、チームメンバーの意見を聞き、治療に反映させるためのコミュニケーション能力も必須です。

医師、特に研究医には粘り強さも大切な要素

医師が求められるフィールドは、何も病院だけではありません。

病院で働く医師は、一般的に「臨床医」と呼ばれるのですが、国家試験合格後は病院の研修医としてではなく、大学院もしくは大学病院、その他研究施設に入って医学に関する研究に従事する道を選ぶ人もいるのです。こうした医師のことを「研究医」と呼びます。

研究医の仕事は、簡単にいうと「病気の原因や医薬品の効用を解明する」ことです。現在は2020年ですが、今でも原因不明の難病といわれる病気はたくさんあります。その他にも、アレルギーの予防、難病のより効果的な治療法、ガンができるメカニズムなど、解明すべきテーマはたくさんあるのです。

この中には、もちろん長年にわたって研究されてきたテーマもあります。しかし、いまだに全部は解明されていないことがほとんど。もしかしたら「解明され尽くしたかも」と思われるものの中にも、新しい発見があるかもしれません。

医学というのは、それだけ奥の深い世界。研究部門で研究医として働く医師であれば、一つのものごとに粘り強く取り組んでいく姿勢が大切です。

医師になるには医師免許が必要

医師になるには、まずは大学の医学部もしくは医科大学(医学部の単科大学)へ入学しなければなりません。そこで6年間学んだ後、毎年2月に行われる医師国家試験に合格することが必要です。

合格後は大学病院や指定医療機関で2年以上臨床研修を受けなければなりません。

流れとしては、下記のようになります。

1. 高校卒業

2. 医学部・医科大学入学(6年間)

3. 医師国家試験合格(毎年2月頃)

4. 大学病院・指定医療機関で臨床研修(2年以上)

5. 医師として勤務

こうしてみると、まずは大学入学と医師国家試験合格の2つが関門ですね。

特に国家試験には、「禁忌肢」と呼ばれる、絶対に間違えてはいけない問題もあります。これに触れてしまうと不合格になるなど厳しい試験。いずれもしっかりと勉強することが求められます。

なお、医師国家試験は年1回なので、もし不合格に終わったら翌年もう一度受験しなければなりません。

既卒者の方が医師になるには、学士入学の方法もある

最初にも書いたように、医師になるには大学の医学部または医科大学で6年間学ぶことが必要です。しかし、どの大学も合格するための難易度はかなり高め。実際、「医師になりたい」と思って受験したものの、結局合格できずに諦めた人も多くいます。

以前は、一般入試に合格して学部入学を目指すしか方法がありませんでしたが、最近は医学部への編入試験で学士入学を目指す人も増えてきました。

編入学に関しては、私立よりも国公立のほうが熱心で、「書類審査(一次)・学科試験(二次)・面接(三次)」もしくは、「学科試験(一次)・面接(二次)」という手順を踏むのが一般的です。

ただ、生命科学は大学の教養課程レベルが求められ、英語も専門用語を知らないと理解できないので、対策をしっかり立てた上で試験に臨む必要があります。

医師になるための前段階、研修医としての就職先は?

医師国家試験に合格したら、最低2年間は研修医として臨床の実務を学ぶことが義務付けられています。この研修先となる病院は、厚生労働省によって指定された施設で、大学病院から地域医療の中核を担う総合病院までさまざまです。

研修は初期臨床研修と後期臨床研修に分かれており、初期の段階では出身校の大学病院もしくは出身者の多い病院を選ぶ傾向にあります。ただ、後期になると大学病院から出る人も多いようです。

これは、特に卒業後すぐに受けなければならないなどの決まりはなく、試験合格後(卒業後)すぐでも問題ありませんし、大学院に進んだ場合であればその修了後でも問題はありません。

そのため、基礎研究を行う研究医のように診療に従事しない人の中には受けない人もいるようですが、病理研究などができないので多くの大学・大学院では臨床研修を受けることを奨励しています。

医師に向いている人、適性がある人

人の命を預かっていることへの責任感を求められる医師という職業の適性は、多岐にわたります。

医師には体力が求められる

実際に病院の現場で臨床医として働いている医師に求められるのは、体力と答える人が多くいます。

主な仕事の一つに、来院する患者さんの診察がありますが、それだけではありません。手術するときもあれば、場合によっては当直で24時間勤務をすることもあります。

また、手術を行わない科目の医師、もしくは他の科目の医師でも、場合によっては手術に立ち会う、もしくは別の理由で突発的に残らなければならなくなる場合も。

こういったことが日常茶飯事なので、突発的な事態にも対応できるだけの体力が求められます。

医師は明るく前向き、かつ誠実な人がいい

これは適性とは少し違いますが、患者さんに人気の高い医師には一つの特徴があります。それは、「明るく前向きである」という点です。

病院というのは予防として来院する人もいますが、主には程度の差こそあっても病気になってから来院します。そのため、患者さんや家族の方は、少なからず不安や憂鬱な気持ちでいるものです。

また、ガン患者の方であれば、ステージ4などかなり進行した段階の人もいます。こうした患者さんは、かなり悲観的になっていて、もしかしたらやけくそになっている人もいるかもしれません。

少なからず不安を持っている人や悲観的になっている人に対して、冷静に診察を行い治療を行う、病状が進行した患者さんに前向きに治療を進めるよう促すのであれば、やはり悲観的な性格の人より明るくて前向きな人のほうがいいでしょう。

医師には高いコミュニケーション能力が必須

ビジネスモデルの話になってきますが、従来はどの病院でも医師をトップとしたトップダウン体制でした。

つまり、医師が診察してどのように治療していくかなどの指示を看護師や薬剤師、栄養士などに行い、その通りに動いて治療していく方針が取られていました。しかし、これでは各職員が主体性を持って動きにくいという点がデメリットでした。

そこで、2001年頃からガン治療において医師が中心というのは変わりないものの、看護師・薬剤師・検査技師・ケースワーカー・コメディカルスタッフなどの職員がチームとなり、それぞれが対等な立場で意見を出し合い、患者さんにも聞いてもらい同意を得ながら治療を進めていく「チーム医療」という方針を採用するところが増えました。

こうしたことから、医師にも病院内の他職員、もしくは患者さんとのコミュニケーションスキルが求められるようになりました。

わかりやすい言葉で医師から患者さんに伝える

近年は、「チーム医療」によって患者さんや家族の方とより近い距離で接する機会も増えてきました。よくテレビドラマなどで出てくる横柄な態度で患者さんに接する態度の悪い医師は減りつつあります。

患者さんと近い距離で接する機会が増えてきた今だからこそ、医師にはその病状や治療法をできるだけわかりやすい言葉で伝える能力が必要です。

医療の世界は専門用語が多くあります。なので、職員同士であればともかく、医師や看護師が患者さんや家族の方に説明するときに専門用語を並べて説明しても、なんのことやらさっぱりわからないでしょう。

実際、それぞれの知識レベル差が大きいので、そういう医師は敬遠されることになります。ですので、医師の側から患者さんの側に降りてできるだけ噛み砕いて伝える努力が大切です。

医師には意見を聞いて、その意見を反映させる力も必要

お「チーム医療」では、医師だけでなくすべての職員が対等な立場で治療に対する意見を出し合います。もしかしたら、「これが当たり前」と思ってやったことを、別の職員から「こちらのほうが最適では?」と言われることもあるかもしれません。

それでも否定的にならずに、まずは「聞く」という姿勢を見せることが大切です。そして、その意見を聞いた後、実際にどのように活かせそうかを検討した上で、実際の治療に取り入れていくこともまた大切な要素といえます。

医師には思いやりの心が求められる

医療の基本は、「病気を治す」ことにあります。ただ、医師はあくまでも医療行為を通して、その手助けをしているだけにすぎません。あくまでも、治そうという気持ちは患者さんが持っているのです。

いくら最高の医療を提供してもらったとしても、患者さんの側に医師を信頼する気持ちがなければ、その効果も半減してしまうでしょう。もちろん、患者さんの側にも問題がないというわけではないと思いますが、医師に冷たい態度を取られると、やはり信頼関係が壊れてしまいます。

そういうことを考えると、医師には思いやりを持って相手のことを考える気持ちが何よりも求められるといえるでしょう。

これからの医師には、子供に好かれることも必要

これは意外に思う人もいるかもしれませんが、子供が好きな人というのも大事なこととなるでしょう。

最近は、家族単位でかかりつけという人も増えています。実際に子供が診察や治療を受け、嫌がらなかったのを見て、その医師を家族ぐるみで信頼するようになったという例もあるくらいです。

これは少し極端な例かもしれませんが、「子供だから」といって敬遠せず、しっかりと誠実に対応する姿勢を見られていると思って接する姿勢が大切です。

医師になるための学校

医師になるには、医歯薬系の学部・大学へ進学することが必要です。ここでは何を見て決めることが必要か、大学の入学難易度や勉強についてまとめていきます。

医師になるために必要な大学。全国に何校ある?

医師になるには、医学部のある大学(総合大学)か医科大学(単科大学)に進学しなければなりません。どんなになりたくても、大学に入学することが最初の関門になるので、ここで合格できなければアウトです。

医学部では、6年間かけて医学に関する基礎知識や医師として必要な基礎技術を、座学や実習を通して学びます。

医学部のある大学・医科大学は、全国47都道府県のすべてに最低1校は設立されています。全体的な大学数でいえば、国立・公立・私立を合計して、約80校です。医学部はどの大学も難易度が高いので、相当勉強しないと入れない難関といえます。

特に理数系科目の準備が大変

医学部は、文理でいうと「理系」に分類されます。そのため、特に理数系科目の準備が大変です。

特に国公立大学を受験しようと思ったら、まずは大学入試センター試験を受験しなければならず、ここで5教科7科目受けなければなりません。次に二次試験。二次試験では、英語・数学・理科2科目+小論文・面接が基本です。中には、国語が入っているところや理科3科目というところもあるので、注意が必要です。

私立も国公立と科目は同じです。理科の2科目は、物理・化学・生物から2科目ですが、どれか1科目が必須、もしくは最初から必須科目が決まっているところもあるので、注意してください。

学費や国家試験への合格率から選ぶ方法もある

医学部を受験する際、どの大学を選ぶかについて、いろいろな基準があります。入学難易度以外の基準は、大きく分けると2つ。

  • 学費
  • 国家試験の合格率

国家試験において出題される分野・内容は、どこで受験しても同じものなので、学ぶ内容(カリキュラム)という点ではほとんど変わりないと言ってもいいでしょう。しかし、上であげた学費や国家試験の合格率は、大きく違ってくるのが実情です。

ここからは、それぞれの現実について書いていきましょう。

国公立と私立では、学費の高さはケタ違い

国公立と私立で大きく違うのは、学費という点です。国公立大学医学部であれば、下記のようになります。

国公立大学医学部の学費
項目 必要となる学費
入学金 282,000円
年間授業料 535,800円
6年間総額 約3,500,000円

私立は、大学によりさまざまです。ここ最近は、特に首都圏にある医学部で学費が下がる傾向にありますが、国公立大学と比べるとやはり差があります。

6年間の総額で見ても、もっとも安い国際医療福祉大学でも1,850万円で、多くの大学が2,000万円台~3,000万円台です。学費だけで見ると、6倍~10倍近くという計算ですね。

ただ、私立の医学部は高額な学費となる分、奨学金などの支援体制もしっかりしています。

大学選びには、国家試験合格率も重要

医師になるには、大学の医学部などで6年間学んだ上で、医師国家試験に合格することが必要です。

医師国家試験は医学に関する幅広い基礎知識が求められるので、決して簡単なわけではありませんが、全体の合格率は89%台~91%台と9割近辺の合格率があるので、しっかり勉強して理解していれば合格できる可能性がある試験といえるでしょう。

しかし各大学の合格率を見ると、おおむね90%以上の合格率があるものの、中には70%と低いところも多く見られます。

国家試験へのケアの手厚さ、国家試験に落ちたらもう一度受けなければならないので、そのあたりのサポートに関しても、大学で差があるのかもしれません。そういった点から、進学先を考える必要もあるでしょう。

医師になるには?まとめ

医師国家試験への合格が必須。そのうえで、コミュニケーション能力など人間力の部分が求められつつある

医師は人の命を扱っている自覚と責任が求められる、とても重要な仕事です。実際、診察の他にも、手術や当直・救急対応など24時間勤務をしなければならない時もあり、どんな状況でも対応できる体力が求められます。

また、最近ではどの病院でも「チーム医療」を柱として掲げていることから、病院職員間では言うまでもなく、それ以外にも対患者や家族とのコミュニケーション能力も同じように求められるようになりました。

このあたりは以前は求められなかったものだけに、時代に対応してそこに合わせて進化する気持ちを持つことが、これからの医師に求められる能力といえるでしょう。

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