貿易事務の資格・試験とは?通関士や貿易実務検定など持っていると役立つ資格をご紹介

貿易事務の資格・試験とは?通関士や貿易実務検定など持っていると役立つ資格をご紹介

貿易事務にはどのような資格・試験が必要なのでしょうか。貿易事務では実務が重視され、即戦力を求められることが多いため、資格取得が就職に直結するわけではありませんが、持っていれば有利になる資格はありますし、実務にも役立ちます。今回はこの記事で、貿易事務に関連する代表的な資格・試験の情報をご紹介します。

貿易事務の資格とは?

貿易事務は、輸出入の手続きや通関手続きなどを行うのが主な仕事です。貿易事務と関係が深い資格として、「通関士試験」と「貿易実務検定」があります。それぞれについて紹介します。

通関士試験とは?

通関士は、輸出入の際、税関を通るために必要な書類の作成、手続きなどを行なう専門職です。

所定の通関書類は、通関士しか審査や記名押印ができないということもあり、通関業者に重宝される資格です。貿易に関係する資格の中で、国家資格はこの通関士だけですので、貿易業界では通関士を目指すわけではなくても取得を目指す人が多くなっています。

特に、電子機器メーカー、自動車メーカーや、船舶会社、航空会社など、海外との直接取引を行っている企業などは、流通専門の部署を設けていることも多く、通関士の資格を持っていれば、貿易事務の採用試験で大いにアピールできます。

通関士の試験は誰でも受験することができます。年齢、学歴、国籍等の制限はまったくありません。

貿易実務検定とは?

貿易実務の能力・知識を客観的に示す民間の検定で、日本貿易実務検定協会が主催しています。

貿易実務検定は、難易度別に貿易実務上級の「A級」、中級の「B級」、初級の「C級」の3つの級があります。それぞれの概要は以下の通りです。

貿易実務検定A級

概ね3~4年以上の実務経験のレベル、貿易実務において判断業務を行うことができる実力

貿易実務検定B級

概ね1~3年以上の実務経験のレベル、貿易実務経験者の中堅層

貿易実務検定C級

概ね1~3年以上の実務経験のレベル、定型業務をこなすために必要な知識がある

貿易実務検定は、誰でも受験することができます。これまで実務経験等がない方が受験する場合は、まずはC級合格を目指し、その後実務経験を積みながらB級、A級を目指していくことをおすすめします。

通関士試験の概要

通関士の試験は年1回で、10月の日曜日に行なわれます。試験実施地は、北海道、新潟県、東京都、宮城県、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、兵庫県、広島県、福岡県、熊本県、沖縄県です。なお、受験手数料は3,000円です。

試験科目と時間は以下の通りです。

通関士試験の試験科目と時間

試験科目 試験時間
通関業法 50分
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法
(同法第6章に係る部分に限る。)
100分分
通関書類の作成要領その他通関手続の実務 90分

「その他関税に関する法律」というのは次の法律です。

  • 関税暫定措置法
  • 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律
  • コンテナーに関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律
  • 物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約(ATA条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律
  • 電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律

通関士試験の難易度・合格率

通関士試験の難易度は高めで、2018年試験の受験者数は6,218人、合格者数は905人で、合格率は14.6%です。

ここ数年の合格率を見ると、2017年は21.3%と比較的高かったのですが、2016年は9.8%、2015年は10.1%、2014年は13.2%となっていて、2017年を除けば概ね10%前後で推移しています。

貿易実務検定の概要

貿易実務検定の実施日は、A級は3月のみ(年1回)、B級は3月、7月、12月の年3回、C級は3月、7月、10月、12月の年4回です。

受験会場は、東京、横浜、埼玉、千葉、名古屋、大阪、神戸、福岡、沖縄の各会場です。会場は、大学や専門学校のほか、県民ホールや民間の研修センター等です。

なお、受験料は、A級は12,343円、B級は7,150円、C級は5,980円です。

試験科目と時間は以下の通りです。

貿易実務検定の試験科目と時間

貿易実務検定A級

試験科目 試験時間
貿易実務・貿易マーケティング 120分
貿易実務英語 70分

貿易実務検定B級

試験科目 試験時間
貿易実務・貿易マーケティング 105分
貿易実務英語 60分

貿易実務検定C級

試験科目 試験時間
貿易実務 90分
貿易実務英語 45分

貿易事務の資格の難易度・合格率

「通関士試験」と「貿易実務検定」それぞれの難易度や合格率について紹介します。

貿易実務検定の難易度・合格率

貿易実務検定の難易度は、級によってことなりますが、しっかりと事前の対策をしておけばそれほど難しくはありません。

貿易実務検定A級の2018年の受験者数は72人、合格者数は28人で、合格率は38.9%です。合格率は、2017年で30.7%、2016年で38.2%などとなっていて、概ね30%台で推移しています。

B級の2018年12月試験の受験者数は690人、合格者数は375人で、合格率は54.3%です。合格率は、2018年7月は47.8%、2017年3月は50.1%などとなっていて、概ね50%前後で推移しています。

C級の2018年12月試験の受験者数は1,792人、合格者数は1,099人で、合格率は61.3%です。合格率は、2018年10月は59.0%、2018年7月は54.9%などとなっていて、概ね50%から60%の間で推移しています。

その他の貿易事務関連資格

貿易事務は、特に資格を持っていなくても行なうことができます。しかし、貿易事務関連企業への就職や転職の際は、関連資格を持っていれば採用試験でのアピールにもなりますし、就職後の実務にも役立ちます。

貿易事務には欠かせない語学力

貿易事務には外国語が欠かせません。書類を作成することが多いため、特に読み書きの能力が問われます。中でも特に英語は世界中で広く使われていて、貿易事務に必須ともいえる言語です。また、英語以外にも、需要の多い中国語その他の各国言語の読み書きができると有利です。

貿易事務に英語力の資格が必須というわけではありませんが、客観的に示す資格を持っていれば就職試験でのアピールポイントとなるでしょう。ここでは、実用的な英語力を示す資格として、「日商ビジネス英語検定」と「TOEIC」について紹介します。

日商ビジネス英語検定

英語によるビジネスコミュニケーション能力を示す資格で、商工会議所法に基づいて全国で実施されています。難易度が最も高い1級から3級までがあります。

2級と3級はインターネットで試験から合否判定までを実施する「ネット検定試験」です。また、1級は、試験はインターネットで実施し、採点は専門家が行ないます。

試験日は毎月第3金曜日です。8月はお盆休み期間なので第4金曜日となることがあります。試験会場は全国の民間パソコン教室や大学、専門学校などです。受験料は、1級7,000円、2級5,000円、3級4,000円です。

TOEIC Listening & Reading Test

TOEIC(国際コミュニケーション英語能力テスト)は、英語のコミュニケーション能力を検定する、英語を母語としたに人向けの検定試験です。アメリカの教育試験サービスという団体が実施しています。

TOEICは、大きく「TOEIC Tests」と「TOEIC Bridge Test」に分かれていて、「TOEIC Tests」はさらにリスニング&リーディング、スピーキング&ライティング、スピーキング、ライティングの4種類があります。一般的に、ビジネス英語の能力で単に「TOEIC」という場合はリスニング&リーディングテストのことを指します。

試験は年10日、一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が実施しているほか、全国80の都市の高校や大学、商工会議所などで実施されています。受験料は5,725円です。

貿易事務に関する資格が取れる学校

過去問題を活用して対策を

通関士の試験は独学でも受験することは可能ですが、合格率が低いこともあり、予備校や通信講座で試験対策をする人も多くいます。また、貿易実務検定は「オフィシャル試験対策」として、テキスト・問題集、通信講座、通学講座があります。

英語の資格についても、過去問題が公開されているほか、テキストや講座などが多数ありますので、ぜひご自分にあった方法を見つけてください。

専門性を身に着けることも有効

貿易事務は決まった資格がなくてもできる仕事ですが、貿易関連の専門的な知識があれば就職試験でも有利と考えられます。新卒で貿易事務を目指す場合、大学や短大、専門学校の国際コミュニケーション、国際貿易、国際文化、港湾流通といった学部、学科で学ぶことが考えられます。

貿易事務の資格・試験まとめ

自分に合った方法で貿易事務を目指そう

貿易事務は、高い実務能力を求められる仕事なので、資格があるからなれるというわけではありません。また、特定の資格がないとなれないということもありません。

しかし、その分、新卒や関連実務経験がない方が貿易事務を目指す場合は、関連資格や語学力、大学等で学んだ専門知識等があれば、採用試験で大きなアピールポイントとなり、採用に有利になることが考えられます。ぜひご自分にあった方法を探してください。

貿易事務の参考情報

平均年収450万円~550万円
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種事務

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