海上保安官の資格・試験とは?海上保安大学校・海上保安学校の試験概要と解説
海上保安官を目指す上で、海上保安大学校か海上保安学校への入学試験に合格することが条件です。本記事では、海上保安官が避けては通れない試験「海上保安大学校学生採用試験」「海上保安学校学生採用試験」や、取得しておくと業務で役立つ可能性が高い資格などについてご紹介します。
海上保安官の試験「海上保安大学校学生採用試験」
海上保安大学校とは?幹部候補の海上保安官を養成するための学校
海上保安大学校とは、広島県呉市に本部を設置している省庁大学校です。大学校の設立は1951年で、幹部として働く海上保安官を養成するために作られました。
海上保安大学校は入試試験が行われますが、合格して入校した場合には海上保安官の課業となるので、入試試験よりも採用試験の意味合いが強いでしょう。
4年で海上保安官のために必要な知識やスキルを習得する
海上保安大学校では、4年の期間を通して海上保安官のために必要な知識やスキルを身につけます。卒業をすると三等海上保安正に任命されます。
その後、専攻科で世界一周の遠洋航海や国際業務過程を経てから海上保安官として従事します。
海上保安大学校学生採用試験の概要
難易度は高め、十分な試験対策が必要
海上保安大学校学生採用試験では、筆記試験と面接試験、身体検査や体力測定などがあります。筆記試験については多岐選択式の問題と記述式の問題が用意されています。さらに、作文の試験もあり、課題に対する理解力や文章の表現力をチェックします。
海上保安大学校は毎年500人以上が応募しますが、合格するのは80人前後です。合格率は10〜15%ほどとなっており、難易度は高めです。
海上保安大学校学生採用試験は国家試験並みともいわれています。試験科目である数学や英語に関しては基礎的な学力をしっかりと身につけておくことが必要です。公務員対策試験をしている予備校や塾に通うなど、試験勉強の工夫をすることが大切です。
受験資格には身長や体重の制限がある
海上保安大学校の試験には身長や体重の制限があります。
身長は、男性は157cm以上、女性は150cm以上の制限があり、体重に関して男性が48kg以上、女性は41kg以上でなければなりません。
試験合格のためには1日10時間の試験勉強が必要
試験のための勉強時間については個人によって差がありますが、可能なら1日10時間は必要でしょう。また、勉強の際には自分に合った参考書を見つけておくことも大切です。海上保安大学校のサイトではおすすめの参考書などを載せています。
合格率 | 全国平均 約10〜15% |
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受験資格 |
■次のうちいずれかに該当すること
|
受験費用 | 無料 |
出題範囲 |
■一次試験公務員として必要な基礎能力、数学、英語、物理または化学、作文 ■二次試験身体測定や面接試験 |
海上保安官の試験「海上保安学校学生採用試験」
海上保安学校とは?一般の海上保安官になるための学校
海上保安学校とは、京都市舞鶴市に本部を設置している海上保安庁の研修施設です。海上保安学校の設立は1948年です。
海上保安業務を遂行するのに必要な知識やスキルを得るために作られました。学生は卒業と同時に海上保安官として採用されます。
海上保安学校は5つの過程に分かれている
海上保安学校は以下の5つの過程に分かれています。
- 船舶運航システム課程
- 航空過程
- 情報システム過程
- 管制過程
- 海洋学科過程
学習する期間は過程によって1〜2年と異なります。
海上保安学校学生採用試験の概要
難易度は高め、作文などの試験もあるので注意が必要
海上保安学校の入試試験台では、筆記試験と面接試験、身体検査や体力測定などがあります。筆記試験については多岐選択式の問題と記述式の問題があり、受験する過程によっては作文などの課題が用意されているところもあります。
海上保安学校は毎年3,000人以上が応募しますが、合格するのは600人前後です。合格率は12〜16%です。試験自体が他の公務員試験とかぶらないという理由で、毎年多くの人が受験をしているので合格率が低くなっています。受験科目についてしっかりとした対策をとることが重要です。
海上保安学校の受験資格にも身長や体重の制限がある
海上保安学校の試験についても身長や体重の制限があります。
身長は、男性は157cm以上、女性は150cm以上の制限があり、体重に関して男性が48kg以上、女性は41kg以上でなければなりません。
海上保安学校試験の内容は高校の授業が基本
海上保安学校の試験は難易度が高いのが特徴です。試験内容は高校の授業が基礎となっています。
高校で習ったことを繰り返し復習することが合格への近道です。また、問題集などを活用することもおすすめです。
合格率 | 全国平均 約12〜16% |
---|---|
受験資格 |
■次のうちいずれかに該当すること
|
受験費用 | 無料 |
出題範囲 |
※出題範囲は受験する過程によって異なる
■一次試験基礎能力にくわえて英語や数学、作文などの試験 ■二次試験身体測定や面接試験 |
海上保安官に役立つ可能性が高い資格
総合無線通信士
総合無線通信士は1989年に制定された総務省所管の国家資格です。無線従事者に関連する資格で電波法に基づいています。
総合無線通信士の資格を有していると、海上の無線局の無線設備の操作ができる資格です。
総合無線通信士の試験は1〜3級にわかれている
総合無線通信士の試験は1〜3級にわかれています。どの級に関しても難易度は高く、合格率は1〜10%です。試験は無線工学を中心に出題がされますが、計画的な受験対策を取ることが重要です。
1級と2級については英語や地理の問題もあります。英語については筆記だけでなく会話の出題もあるので、しっかりと予習をしておくことが大切でしょう。
海技士
海技士は船舶職員および小型船舶操縦者法で定められている国家資格です。大型船舶に船舶職員として乗務するためには必ず必要な資格です。
4種類の免許区分があり、船舶で従事する内容によって区分が異なります。
問題集などによる受験対策が重要
海技士の受験者数は160人前後ですが、合格者は50人ほどです。合格率は20〜30%で推移しており、難易度はやや高めです。
問題集などを使用してしっかりとした受験対策を立てることが重要です。なお、海技士の試験を受けるためには、一定の乗船履歴が必要です。
海上保安官の資格試験が学べる学校
上野法律専門学校
上野法律専門学校は東京都台東区にある専門学校です。公務員試験の合格を目指すための学科を設置しており、海上保安官の試験に合格するためのカリキュラムも用意しています。
講師は公務員試験のプロフェッショナルで、官公庁の情報や仕事にも精通しています。
担任制を採用しており丁寧な指導が期待できる
上野法律専門学校では、すべての学生が合格できるように担任制を導入しています。
最大40人の少人数制のもと、1つのクラスを複数の講師が丁寧に指導するので、着実にスキルをアップさせることができるでしょう。
実習室にはパソコンも設置しており、1人1台で使用できるのも魅力です。
大原スポーツ公務員専門学校盛岡校
大原スポーツ公務員専門学校盛岡校は岩手県盛岡市にある専門学校です。公務員総合コースや警察官・消防官コースなど、海上保安官を目指す人のためのコースを設置しているのが特徴です。
公務員試験に関する授業のほかに、身だしなみや敬語などのビジネスマナーについてのスキルも習得できます。
模擬試験によって着実なレベルアップを目指す
大原スポーツ公務員専門学校盛岡校では、毎年変化する試験の内容を細かく分析してオリジナルの出題を用意しています。
模擬試験によって本番に対する準備を整えることができるでしょう。大原スポーツ公務員専門学校盛岡校では、丁寧な授業を心がけており、授業時間内に理解できなかった内容についても、先生が丁寧にサポートします。
海上保安官の資格・試験まとめ
海上保安官に海上保安大学校か海上保安学校への入学を目指そう
海上保安官を目指す上で、合格する必要があるのが「海上保安大学校学生採用試験」または「海上保安学校学生採用試験」です。
どちらの学校も試験の難易度は高めです。そのため、しっかりとした試験対策をすることが大切でしょう。そのほか、総合無線通信士や海技士の資格を有していると、海上保安官としてデビューした時に役立ちます。
海上保安大学校・海上保安学校の試験合格を目指すなら専門学校や参考書を活用しましょう。また、試験では体力測定などもあるため、体つくりも行っておく必要があります。
海上保安官の参考情報
平均年収 | 500万円~800万円 |
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必要資格 |
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資格区分 | 試験合格 |
職業職種 | 保安 |
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