空間デザイナーになるには?必要資格や向いている人の特徴などを具体的に解説
クライアントの要望に沿って空間を作り出す「空間デザイナー」。デザインの知識・技術・美的センス以外にも空間デザイナーになるには多くの能力が必要です。今回はこの記事で空間デザイナーになるための学校や適正能力などについて詳しく説明します。
空間デザイナーになるには何が必要?
空間デザイン学科のある大学で学ぶ
空間デザイナーになるには、必ずしも学歴や資格が必要となる訳ではありません。しかし、実際に仕事をする上では基礎となる知識や技術を持ち合わせていることが重要です。よって空間デザイナーになるには、空間デザイン学科がある美術大学などに進学して勉強することが一番の近道と言えるでしょう。
美術大学で学ぶ1番のメリットは「美術大学を卒業したというブランド力」がつくことで社会的評価が高くなり、就職がしやすくなる点にあります。ただし、ブランド力をつけるためには倍率の高い試験に合格し、なおかつ高い学費を払うことが求められます。また、一般的な大学入試に加えて実技試験が実施されるので、実技用の専門的な勉強も必要です。
専門学校でも空間デザインは学ぶことができる
大学に通う環境が整わない場合は、空間デザインを学ぶことができる専門学校に行くという方法もあります。美術大学に比べ専門学校は入学試験を必要としない場合が多く、なおかつ卒業までの期間が大学より短いことが特徴です。
また、専門学校は職業訓練をする機関であるため、2~3年の短い期間で実践的な知識や技術を集中的に学ぶことができます。就職の斡旋などにも積極的な協力を得ることが期待できることや、名の知れた空間デザイナーを迎えての講義など、大学にはない魅力を設けているところもたくさん存在します。
通信教育で学ぶ
さまざまな事情で学校に通うことができない場合は、資格取得を目的とした通信教育で空間デザインについて学ぶとよいでしょう。学習内容は、空間デザインに関する基礎理論・配色・色彩などです。大学や専門学校に比べて圧倒的にコストが低く、自分の好きな時間に勉強可能であることがメリットです。
建築事務所・デザイン事務所などに就職する
学校を卒業して空間デザイナーとして活躍するためには大きく分けて2通りの就職方法があります。1つ目は会社の中に設置されているデザイン部署(インハウス)として働く方法。
例えば飲食店を経営している会社なら新規店舗の空間デザイン、ハスウメーカーならモデルハウスなどの空間デザインのように社内専用の空間デザイナーとして働き、長い時間をかけて1つのブランドを育て上げることに貢献します。
2つめはデザイン会社に所属して、あらゆる会社の空間デザインの外部委託を請け負うことです。仕事先の業種が広範囲にわたることから、各々の業種の知識や雰囲気などに応じて能力を発揮することを求められます。
小さな企業では仕事の一部として空間をデザインすることも
小さなデザイン事務所や内装設計事務所に就職した人の中には、仕事の一部として空間デザインの仕事を請け負う場合も多くあります。
また、どのような規模の会社に入社しても最初から大きな仕事を任せられることはありません。先輩につきながら雑用をこなし、アシスタントとして他の仕事をしながら、空間デザインの仕事をおぼえていくことが必要です。
フリーランスとして活躍することも可能
有名な建築物の空間デザインを経験したり、賞を受賞したり、人から能力が認められるようになったらフリーランスとして独立することも夢ではありません。
新卒ですぐに独立するのは難しいとされていますが、インテリアコーディネーターやインテリアデザイナーなどの経験者であれば、転職して時間をおかずに空間デザイナーの仕事に就くことも可能でしょう。フリーランスになるなら企業で働きながら実績を積み、人脈を広げつつ独立の機会を狙うのが得策といえるでしょう。
空間デザイナーに向いている人、適性がある人
体力がありフットワークが軽い
空間デザイナーはクライアントとの打ち合わせ・プレゼン資料を作る・現場に入って指示や作業をするなど、仕事内容は多岐にわたります。また、納期までの時間が短くスケジュールが厳しいときや、複数の案件をかかえた時は労働時間が長くなることも決して珍しくありません。
空間デザイナーの仕事をするなら、このような環境に耐えることができる体力があり、事務作業だけでなく現場にも出向くフットワークの軽さが求められます。
センスがある
空間デザイナーに必要なのは、クライアントの要望を汲み取り、その希望を実現することはもちろん、色彩や空間デザインの感覚に優れていることです。店舗やイベント会場、公共施設などを「限られた予算の中でいかに魅力的な場所に仕上げるか」が腕の見せ所といえるでしょう。
よい仕事をして人に認められれば、次の仕事の受注にもつながります。また、デザイナー独自の個性やセンスを発揮することで、多くの人に認知される可能性を広めることにもつながります。
人とのコミュニケーションが苦にならない
空間デザイナーの仕事はたくさんの人と接する機会の多い仕事です。クライアント・設計士・大工・外注業者など色々な人との関わりが必要です。また、独立やフリーランスで活躍している場合は、アルバイトを雇うこともあるでしょう。
自分のアイディアを形にするには、関係する全ての人の力が必要になります。そのため、人と円滑な関係を続けることができる能力・相手の人の意思を正しく理解できる能力・自分の考えていることを伝えられる能力などが求められます。
常にトレンドに敏感であること
空間デザイナーに求められるものは、発注内容に適した空間作りのセンスです。時代の移り変わりとともに、世間の流行やトレンドは日々変化します。よって、常に新しい情報を仕入れながら「何が今流行っているのか」「これから何が流行するのか」「トレンドをどうやって空間デザインに活かすか」ということを考えながら、感覚を研ぎ澄ませて仕事に反映させることが大切です。
特にフリーランスの空間デザイナーなら、個人の独自性や個性を発揮することを求められます。単なる業者に空間デザインを外注するのではなく「このデザイナーに仕事を頼んだからこそ、このデザインができあがった」と思われるような、オリジナリティある作品を作ることが仕事を続ける上で重要な要素となるでしょう。
スケジュール管理がきちんとできる
空間デザイナーの仕事は、初めから完成日や納期が決められています。また、場合によっては納期が早まることも考えられます。そのため、資材などの物品の発注・現場作業の日程・効率の良い現場計画など、多くの人が関わるスケジュールをきちんと計画し、それを実行に移すことができる力が必要とされます。
スケジュール管理をきちんと行わないと信用問題にも関わってくるので、仕事の計画をきっちりと立てて実行することができる人が向いているといえるでしょう。
空間デザイナーになるための学校・教室
空間デザインを学べる大学・短大
日本には空間デザインを学ぶことができる大学が多く存在します。これらの大学では空間デザインに以外にも、他分野のデザインに関係するあらゆる知識を身につけることができます。ただし大学によって特色が様々なので、どのような講義を実施しているのかよく調べておく必要があるでしょう。空間デザインを学ぶことができる大学の一部を紹介します。
大学名 | 学科 |
---|---|
武蔵野美術大学 | 造形学部・空間演出デザイン学科 |
京都造形芸術大学 | 空間デザイン学科・空間デザインコース |
東京工芸大学 | 芸術学部・デザイン学科 |
千葉工業大学 | 創造工学部・デザイン科学科 |
桐生大学短期大学部 | アート・デザイン学科 |
空間デザインを学べる専門学校
専門学校では4年制大学よりも短い期間で集中的に空間デザインを学ぶことができます。入学難易度は大学よりも低い傾向にありますが、デザインの基礎を学習した後に応用・実践の専門的分野を学ぶことができます。空間デザインを学ぶことができる専門学校の一部を紹介します。
学校名 | 学科 |
---|---|
修成建設専門学校 | 空間デザイン学科 |
東京デザイン専門学校 | 空間ディスプレイデザイン学科 |
山脇美術専門学校 | スペースデザイン学科 |
青山製図専門学校 | 商空間デザイン科 |
空間デザイナーになるには?まとめ
空間デザイナーはセンス以外にも求められることが多い
空間デザイナーになるには、美的センスや知識以外にも多くの能力が必要です。人と上手くコミュニケーションをとる能力・自分や他人を管理する能力・体力やフットワークの良さなどさまざまです。
まずは日々感性を磨きながら、空間デザインに関する知識や技量をものにして、空間デザインを手がけている会社への入社を目指すとよいでしょう。
空間デザイナーの参考情報
平均年収 | 250万円~450万円 |
---|---|
必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 広告・デザイン・アート |
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