シンガーソングライターの給与・年収は?生計を立てるのは難しく、高収入を得られるのは一握り

シンガーソングライターの給与・年収は?生計を立てるのは難しく、高収入を得られるのは一握り

憧れのシンガーソングライター。給与・年収は一体いくらなのでしょうか。成功すれば、印税、グッズ売り上げ、チケット収入など、多様な収入が見込めるようです。本記事では、シンガーソングライターの給与・年収や収入アップの可能性などについてご紹介します。

シンガーソングライターの初任給

駆け出しの時期の収入はかなり低め

シンガーソングライターの給与・年収は、一般的な会社員のように経験年数・勤務年数などによって昇給するわけではなく、人によってかなりばらつきがあります。また、シンガーソングライターの働き方も、プロダクション等に所属する場合や個人で活動する場合など様々です。

加えて、シンガーソングライターの収入源も多種多様です。歌唱印税、歌詞印税、作曲印税などの印税収入や、コンサート出演料、グッズ販売の売り上げに応じた収入などがあります。

このため、シンガーソングライターには初任給という概念は馴染まないと言えます。プロダクション等に所属すれば、契約によっては固定給を貰うこともありますが、駆け出しで仕事が少ないシンガーソングライターの場合、貰える金額はかなり低く、アルバイトをしながら生計を維持する人も多いようです。

転職して目指す場合は良く考えて

シンガーソングライターは、学歴や資格に関係なく誰でも目指すことができる職業です。転職してシンガーソングライターになることも可能ではありますが、シンガーソングライターとして一人前になるまでには時間がかかることを念頭に置く必要があります。

シンガーソングライターは、事務所等に所属したからといって即安定した給与が得られるというわけではありません。個人で仕事をする場合は、売れるまでの収入はゼロです。

いずれにしても他業種からの転職の場合、それまでの職務経験がシンガーソングライターの仕事に活かせる可能性は低いので、年齢に関係なく新人としてスタートすることになります。転職してシンガーソングライターを目指す場合、当面の給与・年収はそれまでより大幅にダウンすることを覚悟しましょう。

また、シンガーソングライターの収入のみで生計を立てられる人はごくわずかです。仕事がなければアルバイトをして食いつなぐこともありますし、芽が出なければずっとアルバイト生活ということになるかもしれません。

自分の夢のためにと安易に考えず、厳しい現実もあるということも考えて行動することが大切です。

シンガーソングライターの平均給与

収入は個人差が大きい

シンガーソングライターの収入源は多種多様で、実力はもとより知名度・人気度やCD・関連グッズ等の売り上げなどによっても大きく変化します。したがって、給与は月数万円前後の人もいれば、数十万円、数百万円という人もいます。

シンガーソングライターの平均給与の統計はありませんが、関連する統計で業界の概況を知ることはできますので参考に見ていきましょう。

仕事として成立している人はほんの一握り

はじめに、日本にシンガーソングライターが何人くらいいるのかを統計で見てみましょう。

総務省所管の政府統計「平成27年国勢調査」では、職業別の就業者数が公表されています。シンガーソングライターは、作詞と作曲をする仕事で、国勢調査の職業分類では、作詞家は「著述家」、作曲や演奏をする人は「音楽家」に分類されているので、この2つの職業に注目します。

統計によると、平成27年時点で著述家は25,290人、音楽家は23,180人です。著述家、音楽家とも全就業者数(58,890,810人)の0.04%にすぎません。この中には、放送業、出版業、飲食サービス業、興行団など、シンガーソングライターではない職業の人も含まれていますので、シンガーソングライターのみの人数はさらに少ないものと推測されます。

すなわち、シンガーソングライターとして仕事についている人は、全就業者の中でもほんの一握りであるという実態が見て取れます。

著述家・音楽家の就業者数

区分 就業者数 割合
著述家 25,290 0.04%
音楽家 23,180 0.04%
全就業者数 58,890,810 100.00%

(平成27年国勢調査抽出詳細集計)

小規模企業は売り上げも少ない

次に、音楽業界の概況を知る参考として、経済産業省「特定サービス産業実態調査」で音声情報制作業について見てみましょう。なお、音声情報制作業には、音楽CDなどの企画・制作や、音楽出版業務、ラジオ番組制作などを行なう企業が含まれています。

「平成30年特定サービス産業実態調査(速報)」によると、音声情報制作業の企業数は289企業、音声情報制作業務に従事する事業従業者数は4,582人、音声情報制作業務の年間売上高は3,013億円で、事業従業者1人当たりの年間売上高は6,576万円です。

資本金規模別に見ると、資本金が5千万円以上1億円未満と1億円以上5億円以下の企業では1人当たりの年間売上高が10億円以上となっていますが、規模が小さくなるにつれ売上高も小さくなっています。

音声情報制作業務の事業従業者数1人当たり年間売上高

資本金規模 事業従業者数(音声情報制作業務)(人) 年間売上高(音声情報制作業務)(億円) 音声情報制作業務事業従事者1人当たりの主業年間売上高(万円)
合計 4582 3013 6576
1千万円未満 385 39 1,023
1千万円以上5千万円未満 1,308 317 2,423
5千万円以上1億円未満 263 272 10,326
1億円以上5億円未満 1,512 1,597 10,562
5億円以上 1,087 787 7,239
資本金なし 26 1 307

(平成30年特定サービス産業実態調査(速報))

給与・年収はさらに小額に

次に「平成29年特定サービス産業実態調査(確報)」によると、レコード、CDの販売やインターネット配信による収入を示す「レコード販売収入」は全体で1,965億円で、このうち521億円がインターネット配信によるものです。販売枚数規模別に見ると、規模が小さい方が売上高が多い傾向にあります。

これは業界全体の金額なので大きな金額と感じられるかもしれませんが、上で見たように数千人規模の関係者でこのくらいの売り上げ規模なので、1人あたりではそれほど大きな金額とはなりません。従業員へ渡る給与・年収はさらに少なくなります。

販売枚数規模別レコード販売年間売上高

販売枚数規模 年間売上高(百万円)
合計 196,536
1万枚未満 86,690
1万枚以上~5万枚未満 54,942
5万枚以上~10万枚未満 17,543
10万枚以上~30万枚未満 14,895
30万枚以上~50万枚未満 6,548
50万枚以上 15,918

(平成29年特定サービス産業実態調査(確報))

シンガーソングライターの平均年収

年収は人によって幅がある

シンガーソングライターの年収を示す統計はありません。人によって、年収数百万円から数億円までかなり幅があるようです。シンガーソングライターとしての収入では生計を立てられないくらい低い年収の人も多くいます。

シンガーソングライターは、作詞、作曲や歌唱、タレント活動など色々な活動をするので、収入も活動状況に応じて変わってきます。

作詞、作曲や歌唱については、印税が収入源となります。一般的に、歌唱印税はCD等の売り上げのうち約1%程度と言われています。また、作詞や作曲の印税は売り上げの数%程度です。このパーセンテージも一律ではなく、売れっ子であれば、パーセンテージも上昇します。

コンサートやメディアへの出演料やグッズ販売などについては、2~5割程度をプロダクションが、残りをシンガーソングライターが得ることが多いようです。その他、カラオケで曲が歌われた時にも1回につき数円の印税が入ってきます。

プロダクションに所属しない人もいる

プロダクションに所属していなければ、プロダクションの取り分はなく、すべて自分の収入にすることが可能です。ただし、ライブを開催したり、CDやグッズを制作・販売したりする費用もすべて自分持ちとなります。ライブの入場料やCD・グッズの販売料などでコストを賄って黒字にすることはなかなか難しく、生活も安定しません。

ある程度以上の売れっ子になれば生計を立てられるようになります。ヒット曲が出たり、タレントとして注目されたりすれば、大きな収入につながります。毎年何十人、何百人ものシンガーソングライターがデビューしていると言われます。その中で成功している人はごくわずかではありますが、努力や才能に応じた十分な収入を得ることも可能です。

作詞、作曲をしてデビューするまでには時間もお金もかかりますので、マネジメント機能があるプロダクション等に所属する人も多いようです。

シンガーソングライターの給与・年収まとめ

シンガーソングライターは実力主義のため、給与・年収の個人差が大きい

シンガーソングライターの給与・年収は、プロダクション等との契約状況や知名度・人気度などによって大きく変動します。

なかなかヒット曲が出ない厳しい収入状況の人もいれば、大ヒット曲が出て多額の印税を得たり、タレント・俳優として活動の幅を広げて高収入を得ている人もいます。

自分の想いを歌にして人に伝える夢のある職業。成功の陰には下積み時代の努力もあるようです。

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シンガーソングライターの参考情報

平均年収-
必要資格 必要資格なし
資格区分 -
職業職種音楽・ラジオ

統計情報 出典元:

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