レコーディング・エンジニアに必要な資格や試験は?詳しい内容と関連資格を解説
レコーディング・エンジニアに必須となる資格は特にありませんが、自分の技術力を証明してくれる資格がいくつか存在しています。その中でも楽曲作成に欠かせないツールの技術を証明するためのProTools技術認定試験がポピュラーです。本記事では、レコーディング・エンジニアに役立つ資格などについてご紹介します。
レコーディング・エンジニアの資格とは?
レコーディング・エンジニアに必須となる資格は特にない
主にレコーディングを担当することになるレコーディング・エンジニアは、専門性の高い機材を多く使う職業です。そのため、その機材を使うための資格等が必要と考える人もいるかと思いますが、実際のところ特に必要な資格はありません。
基本的にレコーディング・エンジニアの世界は実力がものをいう世界で、資格よりも各レコーディング・エンジニアの実力やコネクションに重きを置いています。そのため、専門学校などで知識を蓄え、それを現場で実行できる方が重要になってきます。
レコーディング・エンジニアの実力を示す資格や試験は存在する
レコーディング・エンジニアを目指す上で必ず必要な資格はありませんが、あれば入社などに困らない資格はあります。それが「ProTools技術認定試験」と「サウンドレコーディング技術認定試験」の2つと言われています。
「ProTools技術認定試験」とは、レコーディングなど楽曲作成に欠かせないツールの技術を測る試験のことです。音声の録音、編集、ミキシングなどProToolsに関する問題が出題されており、レコーディング・エンジニアにとって必須の技術となっています。
また、レコーディング・エンジニアが扱うマイクやミキシングコンソールなど専門的な機材を多く使うことが多いため、それらの機材に関する知識や取り扱いに関するレベルを測定するサウンドレコーディング技術認定試験と呼ばれるものもあります。
この資格に関しても必須となっていることはほぼありませんが、自分のキャリアや知識の定着を図りたいときに試してみるのがいいかもしれません。
レコーディング・エンジニアに役立つ資格「ProTools技術認定試験」
ProTools技術認定試験について
現代の楽曲作りはほとんどデジタル環境での作成が主流となっており、それに伴ってレコーディングシステムである「ProTools」を使用するのが一般的となっています。
今やレコーディング・エンジニアをはじめ楽曲作りに係る人にとって欠かせない存在となっていることを踏まえ、一定の知識や技術を計るために「ProTools技術認定試験」という資格が設けられています。
「ProTools技術認定試験」はJAPRS(日本音楽スタジオ協会)認定の技術認定試験であり、デジタル化の進む音楽作成現場にて特に利用される「ProTools」に関する知識や技術に関する問題が出題されます。
また、日本の専門学校の中にはProToolsを学べる学科もあるようなので、専門的に学びたい場合は検討してみるのもいいでしょう。
ProTools技術認定試験の概要
ProTools技術認定試験は団体受付と個人受付の2つの方法にて受験者を募集しています。
専門学校によってはProToolsに関する知識と共に試験の受験も案内してくれる場合もあるので、事前に確認しておくのがいいでしょう。
もし個人で受験する場合は公式サイトから手続きを行うことになるので、必ずサイトを確認しておきましょう。
合格率 | 非公開 |
---|---|
受験資格 | 高校卒業か同等の学力を有していること。 |
受験費用 | 5,400円 |
出題範囲 | ProTools概要、録音・編集、ミキシング、シンク・MIDI・ファイル管理など |
合否ではなく能力判定の試験
資格試験はほとんどが合否による判定となっていますが、ProTools技術認定試験は合否ではなく、各能力の定着度をA~Eランクという形で評価する試験になっています。
試験を受けてから数日後に「認定証」と「成績証明書」が交付されることになっており、そこに記載されているのが試験を受けた際の判定となります。能力は試験で科された課題に沿って評価されており、自分の現在の実力が分かりやすい形になっています。
レコーディング・エンジニアに役立つ資格「サウンドレコーディング技術認定試験」
サウンドレコーディング技術認定試験について
サウンドレコーディング技術認定試験は「日本音楽スタジオ協会」が実施されている試験の1つです。
民間資格にはなっていますが、音楽スタジオで使用する機材に関することをはじめ、デジタル技術や作成現場で求められる知識に関して問われる内容となっており、自分の実力をはかるのに適した試験と言えます。
サウンドレコーディング技術認定試験の概要
サウンドレコーディング技術認定試験においてもProTools技術認定試験と同様に団体受付と個人受付の2つの受験方法が用意されています。
もし自分が所属する学校や会社などで団体受験ができる場合は、一度確認してみるのがいいでしょう。
合格率 | 非公開 |
---|---|
受験資格 | 高校卒業か同等の学力を有していること |
受験費用 | 5,400円 |
出題範囲 | 音響の理論、電気音響とスタジオシステム、レコーディング技術と先進技術、音楽・音楽著作権、音楽録音の流れ、録音の歴史など |
サウンドレコーディング技術認定試験試験も実力を判定する試験
サウンドレコーディング技術認定試験試験はProTools技術認定試験と同様に、合否を判定するものではなく実力を測る試験となっています。
そのため、試験後にA~Eのランクごとに評した成績証明書と認定証が交付されることになっています。
レコーディング・エンジニアの資格取得に役立つ学校
専門学校などでProToolsなどの業務ツールの知識と技術を身に着けよう
レコーディング・エンジニアになるために直結するような資格は特にありませんが、専門学校などにはProToolsをはじめ仕事に必要な知識を学べる場所は多くあります。
また、音楽大学や工科大学でもレコーディング・エンジニアとしてやっていくのに欠かせない知識を得ることは多くあり、まずはしっかりと勉強することが重要になってくると考えられます。
その上で、自分の実力を測るためにProTools技術認定試験やサウンドレコーディング技術認定試験を受けるのがいいでしょう。レコーディング・エンジニアの世界は資格よりも本人のセンスや知識、技術力が求められるため、日頃からしっかりと勉強しておくことが最も重要と言えます。
いきなりスタジオや制作会社で下積みする人もいる
レコーディング・エンジニアとして働くために必要なことは、とにかく経験と技術力、そして業界とのつながりと言われています。そのため、資格の勉強ばかりしていてもレコーディング・エンジニアとして就職できる可能性はあまり高いとは言えません。
そのため、レコーディング・エンジニアを目指す人の中には高校卒業と共にスタジオや制作会社にアルバイトやアシスタントとして入社し、現場で勉強しながらキャリアアップを考える人も少なくありません。
現場にて先輩エンジニアからさまざまなことを吸収することで、専門学校などで学ぶよりも実践的な知識は身に付きます。
レコーディング・エンジニアの資格・試験まとめ
資格よりも経験と実力が問われるレコーディング・エンジニア
レコーディング・エンジニアとして必須となる資格などは特にありませんが、仕事をする上で必要となる知識や技術を証明してくれるProTools技術認定試験やサウンドレコーディング技術認定試験などがあります。
しかし、あくまでレコーディング・エンジニアに求められるのは実績と技術のため、資格勉強だけに力を入れるのは得策とは言えません。実務経験を積みながら、資格取得も並行して進めていくのが最もスキルアップにつながる方法だと言えるでしょう。
レコーディング・エンジニアの参考情報
平均年収 | 300万円~500万円 |
---|---|
必要資格 | 必要資格なし |
資格区分 | - |
職業職種 | 音楽・ラジオ |
レコーディング・エンジニアの関連記事
「フォロー」をお願いします
最新情報をお届けします